「みんなが思っている以上に、介護・福祉領域は、大きな盛り上がりを見せている。」 〜銀木犀・下河原さんと考える、これまでとこれからの介護について〜
学生の目線で、介護の可能性を“もっと”探るand more project。
前回の記事では、下河原忠道さん(シルバーウッド・代表取締役)から終末期などについてお話を伺った私たち。
今回はガラッと話題を変え、これからの銀木犀、そしてこれからの介護・福祉の可能性などについて伺いました。最後には下河原さんからオススメして頂いた本の紹介もあります〜!
これからの銀木犀について
でも、これまでの下河原さんのお話を聞いて、施設の中を色々と回らせてもらって、その理由が何となくわかった気がします。
きっと、銀木犀自体の目指しているものが、「介護施設」と一言で言い表せないものなんですね。
最近京都で計画している新しい銀木犀の広告は 「高齢者住宅やめました」というポスターにしたいと思っていてね。
単身赴任中のお父さんや学生とか、障害のある人など、色んな人に住んでもらいたいっていう理由があるんだよ。今後は、周りの人たちが助け合って介護職が介入しなくていいコミュニティを作っていきたい。
次々に新しいことにチャレンジしていく下河原さん。そのエネルギー源を聞いてみたところ、「とにかく海外へ行ってみて!」ということです。下河原さん自身、若い頃海外の介護施設を見て回り、その経験が今に生きている、とのこと。コロナウイルスが収束した後、長期休みなど使って、ぜひ海外に行ってみてはいかがでしょうか?
これからの ”介護” の面白さ
(入居者の皆さんとの会話も弾み、時間があっと言う間に流れました)
『死』についての話もそうですが、これからはより多くの人、またより若い段階で介護、老いについて考えていかなければいけないと思っています。多くの人に興味を持ってもらう上で大切なポイントはありますか?
「介護で得た経験を持ってほかの業界にチャレンジする」ということでも面白いし、それらを例えばビジネススキルとともに、社会起業家としての活動に転換していくような若者が増えていくとうれしいな。
明日から役立つ豆知識!〜ゆるスポーツって?〜
ゆるスポーツとは、スポーツの得意不得意、障害の有無、老若男女に関わらず、“誰もがゆるっと楽しむことができるスポーツ”のこと。『手錠バレー』や、『こたつホッケー』など、多種多様な種類のスポーツが考案され、人気を博しています。
今、本当に力のある人たちがどんどん介護・福祉領域に集結してきていて、みんなが思ってる以上に盛り上がりをみせてる。
自らの経験を切り口にして、本当にいろいろな事に挑戦できる。そのことは覚えておいてほしいな。
介護や福祉はスポーツやファッションなど、そこからいくらでも派生させていける。介護だけに目を向けすぎていた私たちに、下河原さんは全く異なる可能性を見させてくださいました。
(インタビューの最中も、子供たちの賑やかな声が聞こえていました)
内向的な性格は、むしろ武器になる
でも、僕個人としてはその内向的な性格は全く変える必要はなくて、むしろ強みになると思っているよ。
(内向的な性格が強みになるって、どういうことですか?)
ということは、「いろんな物事に自分なりに考えて意味付けをする」ということにならないかな?
僕より上の人たちは、『独占』という考えが強かったけれど、僕たちの世代でだいぶ価値観が変わり、『共有』という風に変わってきた。でもまだ十分ではない。これからどんどんそういう人たちが増えるようにバックアップしていきたいと思ってるよ。
時代は「独占」から「共有」へ。そして「共有」と「内向的」は相性が良いのだと、下河原さんはおっしゃいました。長年感じてきた生き辛さ、心の重荷が、その一言でだいぶ軽くなりました。
学生が介護に興味を持つなんて、すごい希望!
一つ聞きたいことがあるんだけど、みんなこの活動してて楽しい?
取材をさせて頂いている私たちのモチベーションまでググっと上げてくださる、なんとも男前で愛にあふれた下河原さん。私たちは一瞬でファンになってしまいました。
(ありがとうございました!)
番外編 下河原さんおすすめの本3選!
ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式/山口周
医者という立場から、介護の在り方についてとても深く洞察していらっしゃるよ。
次回予告
来週は、銀木犀・船橋夏見の所長でいらっしゃる大下さんに伺ったお話をお届けします!
お楽しみに!
————————————–
8/1 下河原さんインタビュー記事① これからの 『死』 のありかたについて
8/8 下河原さんインタビュー記事② 求められるリーダー像、介護の未来
8/15 大下さん(銀木犀船橋夏見・所長)インタビュー記事
8/22 編集後記 ~学生視点で考える「人生会議」
————————————–
この記事を書いた人
KAIGO LEADERS学生チーム/株式会社Blanket インターンメンバー
中央大学4年
僕自身、祖母との同居を通して、介護に興味を持ちました。回らないお寿司屋さんに行くのが夢です。