学生による「人生会議」。おじいちゃん、おばあちゃんの「死」と、きちんと向き合ったことある?(銀木犀取材後記)
学生の視点で、「ACP(人生会議)」を語ってみる。
学生の目線で、介護の可能性を“もっと”探るand more project。
「介護の様々な形を知りたい」と、サービス付き高齢者向け住宅「銀木犀」に伺ったわたしたち。代表の下河原さんから、人生の終末期のあり方や 「ACP(アドバンス・ケア・プランニング)」についてのお話を色々と伺いました。
詳しくはこちら→「健やかな死は、生まれることと同じくらい祝うべきなこと。」銀木犀・下河原忠道さんと考える、これからの”死”について。
ACP(Advance Care Planning)/「人生会議」とは、患者本人とそのご家族が、医療従事者とともにその後の医療、介護についての意思決定をしていくことを指します。
下河原さんからは、「近しい人の “死” の在り方は、早くから考えておいた方が良い」というアドバイスをいただきました。
「これまで考えてこなかったけれど、みんながACPに対してどう思ってるか聞いてみたい、話してみたい。」
メンバーのそんな声から、ACPについて考える会を開催してみることにしました。
大切な人の死と向き合うのは、申し訳なくて、恐い。
話を切り出しても、つい感情的になって話を収束させられなくなりそうなのも怖い。
大切な人の死を考えてるみたいで、申し訳なさと、怖さがあるのかもしれない。ヤーはどうなの?
実家に帰った時とか、よくおばあちゃんと会うんだけど、「まだまだ長生きしてよ」みたいな感じで、「死」じゃなくて「生」を肯定する前提で話しちゃってる。
「死」は残った人たちに、色々なことを教えてくれる。
「生と死は本来は一緒に考えるべきだ」っていう話があったの覚えてる?
あの言葉聞いた時、「たしかに」と思う反面、「難しいかも」とも思っちゃったんだよね…。
でも、「頑張れ」って思うこと自体が、生と死を反対に考えてる何よりの証拠なんだよね。
その時おばあちゃんがお母さんに「あなたは立派に育ってくれたし、子供も産んで同じ母っていう立場になって、もう親としてあなたに教える事はない」って話をしたらしいんだよね。
その時はただ「かっこいいな」と思っただけなんだけど、下河原さんの話を聞いて、昔は死と隣り合わせだったという言葉がすごい腑に落ちたんだよね。つまり、死が日常にあった昔の頃の記憶がおばあちゃんにもあるはずで。
後悔をしてからでは遅い。何度でも話してほしい。
どのタイミングで切り出したの?
なんだかおばあちゃんに申し訳なくなっちゃって、そこからは死についての話は避けるようになった。だから今、パゴのおばあちゃんがめちゃくちゃ羨ましい。笑
そう思うと、「死」ってつくづく個人的なものなのかもしれないね。
認知症になる前にACPみたいなことを考えたことなかったから、おばあちゃんが「自分はこうしてほしい」ということを確認することはできず、認知症になった今、症状が改善しない限りおばあちゃんの終末期の意思はわからないままで…。
自分の、家族の「人生」を、もっともっと話していこう。
出展:人生の最終段階における医療について家族等や医療介護関係者との話し合いについて(公益財団法人 東京都医師会HPより)
もちろん、一番の理解者は家族だと思うけど、その人のことを真剣に考えすぎるあまり冷静さを失ってしまったり、感情的になってしまうこともあると思ってて。
終末期になれば、医療だったら主治医、介護だったらケアマネージャーとかと話せるんだろうけど、自分の考えをきちんと伝えられるうちに、最期を考えていくことは必要なんだろうね。
一番怖いことは、自分の意思を持てずに、家族や社会の目を気にしてしまうこと。
『私は胃ろう推進者ではありませんが、胃ろうを選択した方々が後ろめたさを感じる事がないよう配慮したいと思っています。』
って言葉。
誰も望まない延命治療が悲劇なのであって、そこはきちんと切り分けて考えるべきだと。
(人生会議のポスター)
(「治療を受ける人を傷つける」「死を連想させる」という批判を受け、厚生労働省は「人生会議(ACP)」推進のポスター配布を中止しました。)
最後になりましたが、お忙しい中インタビューに快く応じてくださった下河原さん、大下さん、銀木犀スタッフの皆様、本当にありがとうございました!
————————————–
【バックナンバー】
8/1 下河原さんインタビュー記事① これからの 『死』 のありかたについて
8/8 下河原さんインタビュー記事② 求められるリーダー像、介護の未来
8/15 大下さん(銀木犀船橋夏見・所長)インタビュー記事
8/22 編集後記 ~学生視点で考える「人生会議」
————————————–
and more projectイベントのご案内
おじいちゃんおばあちゃんが好きな孫世代集まれー!!
学生の目線で、介護の可能性を“もっと”探るand more projectでは、学生・20代の方を対象に、敬老の日におじいちゃんおばあちゃん喜んでもらうためのオンライン作戦会議「まごmeeting Vol.2」を開催します!
コロナ渦でなかなか会いに行けないおじいちゃんおばあちゃんに喜んでもらうため、KAIGO LEADERS学生チームと一緒に、わいわい考えてみましょう!
詳細はこちら
この記事を書いた人
KAIGO LEADERS学生チーム/株式会社Blanket インターンメンバー
中央大学4年
僕自身、祖母との同居を通して、介護に興味を持ちました。何もしてないのに太りました。