MAGAZINE 読みもの

click me!
コラム

「ぼくたちは介護のことを何も知らない」 〜介護をもっと知るために、学生たちの新たな挑戦~ 

 「介護に興味がある」そんな学生が集まった。

2019年の春、KAIGO LEADERSの学生チームが誕生しました。
大学も学年も、学んでいることも住んでいる場所も、バックグラウンドも全部違う人たちです。

スタート時のメンバー集合写真。

当時は介護なんて全然興味なかったんだけど、大学の授業で介護の話を聞いてだんだん興味を持つようになって、よく分からないけどこのままだと日本は大変なことになるのではと思った。

神戸のはっぴーの家・ろっけんの取組に興味があって、そのお話を聞きにKAIGO LEADERSのイベントに参加して、活動に興味を持った。

スウェーデンにフィールドワークに行った際に、現地の介護施設にお邪魔して、そこから一気に興味を持った。

介護に関心を持つきっかけも様々。共通点は、「ほんの少し、介護に興味がある」ということだけでした。

介護を、学生へ届ける。はじめの一歩は、まごmeeting

学生たちの手で何かアクションを始めよう!そんな思いでスタートし、初回のミーティングで決まった2019年のテーマは、「介護を、学生へ届ける」でした。

背伸びしてかっこよくつけたテーマでしたが、私たち自身がまだ介護についての知識や理解が浅く、いろいろなアイディアは出るものの、手探り状態で何をしたらよいのか見当もつかず、なかなか最初の一手が決められませんでした。

悩んでいた時、発起人の秋本さんから、「一旦、テーマに立ち返って考えてみたら?」と声をかけてもらい、再度メンバーで考えてみることに。

その結果、「同世代を巻き込んで一緒に何かを作り上げる過程で、学生が知りたいこと、やってみたいことが見えてくるのではないか。」という結論に至りました。

そして、昨年の9月、敬老の日にちなんで 「まごmeeting」というイベントを開催しました。

まごmeetingとは、一言で言うと自分のおじいちゃん、おばあちゃんを喜ばせるための作戦会議。これまでお世話になったおじいちゃん、おばあちゃんに対して、孫として何ができるのか、参加者同士で考えました。

当日のレポートはこちら↓

孫として何ができるだろう?大学生によるおばあちゃんに喜んでもらうための作戦会議

 

初めはただの思いつきでしかなかったものが、形になり、反響として返ってくる。

イベントをとおして、私たちの心のなかには、達成感と安堵感が広がっていきました。

 

 達成感とともに生まれた心のモヤモヤ

ただ、それと同時にやり場のない、モヤモヤとした感情にも襲われました。

「このイベントは、結局どのくらい意味があったのだろうか」

「参加してくれた人たちは、何かを持ち帰れたのだろうか」

「そもそも、介護に興味がある学生の人って、何に一番興味があるのだろう…」

自分たちから発せられたそれらの言葉に、何一つ自信をもって答えられませんでした。

一年間の目標であった「介護を、学生へ届ける」という目標。

今回のイベントで表面的には届けられたかもしれないけど、介護を学んでいる人たちにとって本質的な価値があったものなのか分からない。モヤモヤ感は、きっとそんなところから起こったことだと思います。

では、そのモヤモヤ感を解消するには、どうすればよいのか。

 

 

私たちが至ったシンプルな解。それは、

「ぼくたちは、介護のことをなにも知らない」

ということでした。

「 学生に介護を届ける」という目的を達成するために、まず自分たちが介護の事をもっと知る必要があるのでは、と考えるようになりました。

介護を”もっと”知るために -and more projectの始動-

介護のことを、もっともっと知るためにはどうしたらよいのか。メンバーで話し合いを重ね、私たちは一つのプロジェクトを始めることにしました。

それが、学生による介護の可能性を“もっと”見つけるプロジェクト、and more projectです。

このプロジェクトでは、高齢化社会・介護に関心を持つ学生が、学生ならではの目線で、介護の持つ可能性を探求していきます。

介護の現場で奮闘されている方、様々な形で介護と真剣に向かっている方にお話を伺い、そしてそのお話をシェアしていくことで、「私たち自身が介護を知り、視野が広がるのではないか、今後やりたいことが明確になるのではないか」と考えたのです。

これから少しずつではありますが、様々な人に話を伺いながら、そこで得た学び・気づきをシェアしていこうと思っているので、よろしくお願いします!

下河原忠道さんに伺う超高齢社会の「生」と「死」

and more projectの第一弾は、サービス付き高齢者向け住宅「銀木犀を運営する、株式会社シルバーウッド代表の下河原 忠道氏にお話を伺いました。

 

下河原さんは、銀木犀の運営以外にも、VR認知症プロジェクトなど、介護という枠を超えてたくさんの挑戦をしていらっしゃいます。

またKAIGO LEADERSの「PRESENT」にもゲストとして出演していただいたこともありました。

レポート:その体験が、私たちの“当たり前”を壊す。「VR×認知症」で探るこれからの社会のカタチ。

とても多忙な方だけど、もしかしたらインタビューに応じてくれるかもしれないということを聞き、ダメもとで依頼したところ快くインタビューを受け付けていただきました。

どんな思いやこだわりで銀木犀がつくられているのか、介護とは何なのか、これから求められるリーダシップ像など、インタビュー中だけではとても整理しきれないくらい、深く考えるきっかけをいただきました。

 

これから週に1回のペースで、インタビュー記事を更新していきます。

————————————–
8/1  下河原さんインタビュー記事① これからの 『死』 のありかたについて
8/8    下河原さんインタビュー記事② 求められるリーダー像、介護の未来
8/15   大下さん(銀木犀船橋夏見・鎌ヶ谷富岡所長)インタビュー記事
8/22     編集後記 ~インタビューを終えて、今思うこと~
————————————–

介護に携わる人も、そうではない人も。自分の大切な人と「これからの介護」を話すきっかけになりますように。

KAIGO LEADERS学生チーム/and more project

 

この記事を書いた人

佐々木 涼悟 Ryogo Sasaki 

KAIGO LEADERS学生チーム/株式会社Blanket インターンメンバー
中央大学4年

僕自身、祖母との同居を通して、介護に興味を持ちました。好きなものはイクラです。

この記事のタグ