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インタビュー

“世界いち気持ちいい介護”を体験してみよう!(でぃぐにてぃ訪問介護体験レポ)

学生の目線で、介護の可能性を“もっと”探るand more project

普段触れる機会が少ない訪問介護サービスについて学びを深めようと、新宿で訪問介護サービスを手掛ける株式会社でぃぐにてぃへ伺った私たち。
前回までの記事( )では代表の吉田さんやスタッフの方々に様々なお話を伺いました。

そして今回は、実際にどんな風に”世界いち気持ちいい介護”をされているのか知るべく、ご自身も障害の当事者として介護サービスを利用されている代表の吉田さんのお宅で、訪問介護の現場を体験させていただくことになりました。

【お話を伺ったでぃぐにてぃの皆さん】

吉田さん
吉田さん
訪問介護のでぃぐにてぃ代表。今日はよろしくね〜。

下田さん
下田さん
2016年入社の下田です。こう見えて、でぃぐにてぃでは長老です。笑

【取材したand more projectのメンバー】

さてぃー
さてぃー
大学3年。私は新宿区の出身ですが、同じ区内に素敵な事業所があることを知り嬉しいです。今日はよろしくおねがいします!

ひびき
ひびき
大学3年。”世界いち気持ちいい介護” を少しでも体験できたら嬉しいです!

習うより慣れよ。起床介助に挑戦!

まずは、吉田さんの起床介助のお手伝いをさせて頂くことになりました。

さてぃー
さてぃー
おはようございます!
本日はよろしくおねがいします!

おはよう!
さっそくだけど、僕のこと右に向けてくれる?(笑)
吉田さん
吉田さん

まずはさてぃーが手探りで挑戦…!

さてぃー
さてぃー
わ、わかりました!えっと、こっちに向きたいから…。ここに手を入れて…。

さてぃー
さてぃー
よいしょ…!!

吉田さんの背中に手を回し、右側に向いてもらうよう力をこめます。

さてぃー
さてぃー
おー、向きました!

早速すごいね!そのまま手を離してみて
吉田さん
吉田さん

さてぃー
さてぃー
あ、戻っちゃいましたね…

ナイストライだったよ!でも、すごい重かったでしょ?
吉田さん
吉田さん

さてぃー
さてぃー
お、重かったです…(笑)

そうだよね。身長180cmあるから、相当重いと思う。笑
下田さん、お手本をお願いします! 
吉田さん
吉田さん

下田さんのお手本。ご自身もベッドに上がりながら、スムーズに介助をされます。

下田さん
下田さん
吉田さんは右を向きたいので、

①吉田さんの左足を曲げて、向きたい右方向に倒す。

②自分の足もベッドに上げて重心を分散させる。

③吉田さんの腰を支えながら、吉田さんの左手を引っ張る。

これで、簡単に右を向くことができます!

さてぃー
さてぃー
とっても簡単そうに見える!もう1回やってみていいですか?

下田さん
下田さん
どうぞどうぞ。

下田さんに教わったことを意識しながら、再チャレンジ。先ほどよりもスムーズに吉田さんに体を動かしてもらえました。

さてぃー
さてぃー
さっきより軽いです!腰も全然痛くない(笑)

そうでしょ〜!これがいわゆる ボディメカニクス というもので、 体の使い方を考えると、介護職・介護される側双方にとって、“気持ちいい介護”ができるんだよ。
吉田さん
吉田さん

さてぃー
さてぃー
なるほど。体にも“気持ちいい介護”なんですね!

そういうこと。じゃあ、次はズボンを履かせてもらおうかなあ。
吉田さん
吉田さん

ひびき
ひびき
次は私がやってみます!

介護する側もされる側も、負担が少ない介護へ。

今度は、ひびきが衣服(ズボン)の着脱のお手伝いをします。

ひびき
ひびき
足を通して…ズボンが上がりにくいですね…。あれ、お尻の下までは上がるけど、ここからどうやってお腹まであげたらいいんだろう…

ひびき
ひびき
あ、さっきの右に向ける方法でやってみたら上がるかも!

先ほど学んだことを活かしながら、工夫してみます…。

お、いい線いってるよ。でもちょっと惜しいかな(笑)。下田さんに正解を見せてもらおう。
吉田さん
吉田さん

下田さん、よろしくお願いします!

下田さん
下田さん
今度は、

①吉田さんの片足を曲げて、内側に倒す。
②曲げた足の腰に手を入れて、持ち上げる。

そうすると腰が上がってズボンをあげられるんだよ。
しかも、ベッドの上に膝立ちして重心を置くと腰も痛くないです!

ひびき
ひびき
動きがスマートですね。下半身を動かすだけで、体ごと向ける必要はないんですね。これだと、介護職も介護される側の負担も少ない!

そうそう!特に朝の起床の介助だと、介護される側はまだ寝ぼけてたり、体が動きにくいから、最低限の動きで介助されるとありがたいんだよね。
吉田さん
吉田さん

ひびき
ひびき
なるほど〜。スマート介護、勉強になります!

そしたら、ベッドから車椅子に移動するから見ててね。
吉田さん
吉田さん

ここでベッドから車椅子へ移譲するためのリフトが登場!

さてぃー
さてぃー
なんですか、この機械?

これを使って車椅子に移動するんだよ。まぁ、見てて(笑)。
吉田さん
吉田さん

リフトを使って吉田さんの体が宙に浮きます。器具があることで人の力だけで移乗するよりも安定しているように見えます。

ひびき
ひびき
えー!宙に浮いてる!サーカスみたいですね!(笑)

そうでしょ〜。これがあるだけで、移乗がとってもラクなんだよ。

補装具費支給制度を使えばそこまで高くない値段で手に入るし、収納も車椅子と組み合わせればそこまでかさばらないからオススメだよ。

吉田さん
吉田さん

ひびき
ひびき
そうなんですね。初めて見ました!私も介護施設でアルバイトをしていますが、あんまり見かけないですね。

そうだね。これを使うと介護職と介護される側の体には良いけど、人間が介助するより時間がかかっちゃうから、施設だと使われないんだろうね〜。
吉田さん
吉田さん

さてぃー
さてぃー
なるほど〜。時間が短縮された移乗ロボットが出てくるといいですね!

“相手の目線”に寄り添うことで、介護はもっと気持ちいい。

さてぃー、ちょっとこっちに来て、ぼくの目線になってみて。
吉田さん
吉田さん

ズボンの着替えを終え、車いすに移った吉田さんが、さてぃーを呼び寄せます。

ぼくの足元見える?
吉田さん
吉田さん

さてぃー
さてぃー
み、見えないですね…。

そうなんだよ。車椅子に座ってると自分の太ももまでしか見えない。でも、ぼくの足元見てごらん。
吉田さん
吉田さん

さてぃー
さてぃー
ズボンの裾が上がってますね。

そうでしょ。でもぼくは首から下の感覚がないからズボンが上がってるか分からない。だけど、寒さは感じるんだ。なんか寒いんだけど、足元の感覚がないからなんで寒いのかわからない。
吉田さん
吉田さん

これは、障害者だけじゃなくて、高齢者も一緒。だんだん体の感覚が衰えてくると、寒いけど何が原因で寒いのかが分からないんだ。施設でご飯を食べたがらなかったり、何か抵抗してる原因は、ズボンの裾が上がってたり、こういう小さなことが原因だったりするかも。
吉田さん
吉田さん

でも、それを介護拒否や問題行動といった違う現象に捉えられてしまう。 障害者や高齢者の目線で介護にあたって欲しいなと思うよ。
吉田さん
吉田さん

ひびき
ひびき
なるほど〜。たしかに、たくさんの利用者さんがいると、細かいところまでのケアが大変ですよね。

そしたら次はTシャツを着替えさせてもらおうかな。
吉田さん
吉田さん

さてぃー
さてぃー
はい!挑戦してみます!まずは腕を抜いて〜。

順調にTシャツを脱ぐお手伝いを進めていきますが…。

さてぃー
さてぃー
着るのが難しいですよね…。首を通して、腕を入れて、肘が突っかかりますね…。

お!でも、いい感じいい感じ!
吉田さん
吉田さん

さてぃー
さてぃー
背中がめくれてますよね〜。どうしたらいいんだろう…。前に少し倒れたりできますか?

いや、麻痺してるからできないよ笑。
吉田さん
吉田さん

さてぃー
さてぃー
そっか…じゃあ支えながら前に倒れてみますか。

吉田さんの顔がひきつります…!

ゔゔっ…。ちょっと苦しいね(笑)
吉田さん
吉田さん

さてぃー
さてぃー
ごめんなさい。難しいですね…。

でもナイストライだったよ!下田さんに正解を見せてもらおうかな。
吉田さん
吉田さん

下田さん
下田さん
後ろのTシャツを引っ張るために、横から支えると苦しくなく、安全で良いと思います。

さてぃー
さてぃー
なるほど!角度を変えるだけでずいぶんラクにできるんですね!

そしたら朝ごはんを食べるからリビングに行こうか。
吉田さん
吉田さん

リビングで朝食の準備をします。吉田さんの手元には見慣れない形のフォークが。

ひびき
ひびき
変わった形のフォークですね〜

これをつけることで、フォークを握らなくても食べることができるんだよ。
吉田さん
吉田さん

私の行きつけのレストランでは、1人で行っても、店員さんに頼むとリュックからこれを出してつけてくれる。そうすれば障害を持ってても好きな時に好きなお店に行って、好きなご飯を食べられるよね。
吉田さん
吉田さん

たしかに、みんながそういったサポートをあたりまえに思って暮らせたら、障害を持っている、持ってないに関係なく暮らしやすくなりますよね。

うんうん、そうなんだよね。ほら歯磨きも自分でできる!
吉田さん
吉田さん

 

歯磨きも装具に固定することで、握らずにご自分で可能になります。

さてぃー
さてぃー
すごい!いろんなバージョンで、いろんなことができますね!笑

さすがに髭剃りはやってもらうよ。笑
吉田さん
吉田さん

朝の身だしなみの大切な一コマ。下田さんは慣れた手つきで髭剃りを動かします。

ひびき
ひびき
髭剃りバージョンも出てくるといいですね!

そうだね〜。でも角度とかちょっと大変そう(笑)。皮膚が切れちゃったら痛いしね(汗)。
吉田さん
吉田さん

モーニングルーティンは終了!吉田さんはこれから出勤です!

よし!準備ができたから事務所に行って仕事しましょう!
吉田さん
吉田さん

 

ボディメカニクスから、利用者目線に立った介護まで、利用者さんにとっても、職員にとっても“気持ちいい介護”でした。
体験させていただき、ありがとうございました!

 

でぃぐにてぃ からのお知らせ

①FUKUSHI MEETSに出展します!

2022年新卒向け福祉就職フェア、FUKUSHI meets! 2022 ONLINE に出展します!
でぃぐにてぃは 2/19(金)、2/25(木)出展します。

参加無料で、当日参加も可能だそうです!
この機会に就活の悩みを解消しちゃいましょう!

詳細&お申し込みはこちらから!

②でぃぐにてぃの企業説明会&相談会、やってます!

日曜以外毎日、でぃぐにてぃの企業説明会を開催しております!
参加してくれた学生さんには、UberEatsで好きな料理をデリバリーしちゃいます!
料理を食べながら、疑問や不安を1~3年目の先輩スタッフに相談してみませんか?

詳細&お申し込みはこちらから!

また、代表の吉田さんはTwitterをやられています!
DMなどでも、学生の皆さんのでぃぐにてぃ に対する質問にも快く答えてくれる(はず)!!

 

最後に、インタビューに快く引き受けてくださった吉田さん、職員の皆さん、本当にありがとうございました!


この記事を書いた人


吉田響 Hibiki Yoshida  

KAIGO LEADERS学生チーム/株式会社Blanket インターンメンバー

介護の可能性をもっと知りたい!伝えたい!
そんな思いでこのプロジェクトに参加しています!