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イベントレポート

マイプロに挑戦する“人”を知ってもらおう。(マイプロフェス2019〜わたしのやりたいこと×社会に良いこと〜レポート)

フェスのようにみなさんが自由に好きなところに行き、マイプロ実践者のお話しを聞き、マイプロを体験して頂きたい。

多くの人に、マイプロのことを知ってもらうために、マイプロに挑戦する“人”を知ってもらおう。

そんな思いから生まれたイベント「マイプロフェス2019」が開催されました。

「マイプロジェクト」という教育手法を用いながら、「こんな課題を解決したい」「こんなことをやってみたい」という一人ひとりの想いを形にしていくプログラム、KAIGO MY PROJECT。(通称マイプロ)

3カ月間全6回のプログラムを通して、自身と向き合い、その想い(ビジョン)をプロジェクトとして形にしていきます。

これまでトライアルを含めて全18回、約180名の方が参加し、それぞれのマイプロジェクトを実践しています。

 KAIGO LEADERS発起人秋本より、未来は一人ひとりの一歩の積み重ね”との言葉からイベントが始まりました。

OB・OG4名によるプロジェクト報告

1人目の登壇者は、理学療法士 黒田悠子さん(16期)

福祉が充実していることは「支援されるだけの人」を作り出しているのではないか?

専門職が、「患者さん」を「患者さん」でいさせてしまっているのではないか?

理学療法士として訪問リハビリに携わる中で、抱いた違和感。

誰にでも弱みと強み、どちらもある。専門職も患者さんにも、役割がある。

支援される人たちの強みが誰かの役立つ、そんな想いで地域に「笑顔♡元気会」を作りました。

マイプロに参加したことで、たくさんの方との繋がりが出来き、応援してくれる人と出会えました。

一緒に頑張る仲間がいると思え、このままプロジェクトを進めていいんだと自信が持てました。

「マイプロはわたしの原点です」とお話していただきました。

会場からは実際に訪問リハビリテーションに関わる方からこんな質問がありました。

「訪問リハビリテーションから卒業する事が寂しいと話す利用者様がいるのですが…」

黒田さんが意識していることは、“リハビリテーションは、ご自身が歩んで作っていくこと”だと、少しずつ丁寧に伝えることだそうです。

黒田さんのインタビュー記事も公開しています。

たった一人のために場を作ったら、私のやりたいことが見えてきた。

 

2人目の登壇者は、 慶應義塾大学 SFC研究所 上級所員 伴英美子さん( 13期)

震災時に介護事業所は何をすべきか?

“介護×防災”というテーマはすでに目の前にある課題です。

災害が起きたら、また同じようなことが起こる。伝えていくことが介護現場の防災に繋がるはず。

そんな想いでこのプロジェクトは生まれました。

医療介護施設が防災を考えるときに大切な視点を2つお話していただきました。

1つ目は、施設の利用者様・職員の避難だけでなく、地域全体の視点を持って考えること。2つ目は、日頃から広域でのネットワーク作りをすること。

東日本大震災の被災事業所の経験から学んだことを元に教材を作成し、マイプロの仲間と一緒に防災ワークショップを開いたこともあります。

いざという時、「何もできなかった」と思いたくはない。今こそ「介護×防災」を考えよう。

2019年度には、マイプロの仲間と一緒に熊本地震や西日本豪雨の被災施設を訪ねるなど活動を続けています。

 

 

3人目の登壇者は、山口 真さん(11期)

介護福祉士/一般社団法人シンビオージ 代表理事 /特別養護老人ホーム施設長 /株式会社Restory取締役

“人材不足”が問題視されている介護業界。「どんな現場を創っていきたいのか?」を言語化することで良い循環が生まれてくる。

従業員満足度と顧客満足度の関係から、サービスの質の向上とスタッフの働きがいに徹底的に向き合い、働く人が楽しい現場づくりにチャレンジしてきました。

スタッフ同士で本気の運動会をしたこともあると楽しそうにお話していました。

会場からは、「現場の支援をするための人数で精一杯の状況もある中で、スタッフの意識の変化はどう生まれたのでしょうか?」と質問がありました。

山口さんは、スタッフの1人ひとりが“自分たちが責任を持ってやっていく”という意識を持っていて、1人ひとりが考える職場作りをしているそうです。

 

4人目の登壇者は、薬剤師 岸川 瞳さん(15期)

医療・福祉業界で度々起こる”みんな十分頑張っていて心と時間に余裕がない”問題。

「そもそも自分たちに笑顔が無ければ、患者さんを笑顔にさせることなんてできない!」

そんな想いで、業務のムダを減らす現場改善に取り組んできました。

岸川さんは、職場のスタッフにアンケートを取り、改善できる業務はなにかを一緒に考えることから始めました。

どんなスタッフでも意見を言いやすい雰囲気を作るために、「今までやってきたことの否定はしない」とルールを作りました。

アンケートを取ることで、スタッフもみんな思いを持って働いていることに気づいたそうです。

職場をもっと良くしたいけれど、どうしたらいいかわからない、と思っている方のヒントになるようなお話がたくさんありました。

「想いと一歩踏み出す勇気さえあれば、変えていくことができる。」

マイプロに参加したことで、そう信じることができ、職場改善に取り組むことができたとお話いただきました。

 

マイプロ体験・ヒューマンライブラリー

プログラムの後半は、防災体験・カフェ・ボードゲーム・おりがみなど…OB・OGメンバーの取り組んでいるプロジェクトを実際に体験していただくブース。

一対一でじっくりとマイプロに触れる「ヒューマンライブラリー」という企画を実施しました。

当日は約25名の方にお越しいただき、賑やかな会となりました。

会場ではOB・OGメンバーとフェス参加者の皆さんとの間での交流が様々な形で生まれており、とても嬉しく思いました。

“様々な方と交流できて有意義な時間でした”

“今日聞いたプロジェクトを参考にして職場に働きかけていきたいです”

 

参加したみなさんからこのような感想をいただきました。

 

今回のフェスでの様々な出会いが、それぞれの「新たな一歩」を生み出すきっかけになればと願っています。

【イベント概要】

■日時 2019年11月23日(土)17:30~20:00 (開場 17:00)

■会場 株式会社リジョブ 本社オフィス

この記事を書いた人

叶世 美奈

叶世 美奈Mina Kanase

障害者支援施設スタッフ 社会福祉士 精神保健福祉士KAIGO LEADERS Tokyo/KAIGO MY PROJECTチーム

大好きな障害福祉の仕事をしている日々がとても幸せです。
甘くて柔らかくて優しく包み込んでくれる“わたがし”のようになりたい。