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イベントレポート

薬剤師のぼくを10倍生かす方法~病気になる前の、暮らしのなかで出会える専門職とは(KAIGO MY PROJECT体験イベント Vol.61レポート)

現状に対する違和感や、もっとこうなればいいのにという問題意識を、思いや意見に留めず、未来をよりよくするアクションへと変えていくためのプログラム、KAIGO MY PROJECT(以下マイプロ)」。

これまで全17期、166名が参加し、それぞれの問題意識や違和感を、主体的に変革していくためのアクションへと変えてきました。

毎月開催するマイプロ体験イベントでは、これまでマイプロに参加をしてくれたOB・OGを迎え、プロジェクトや、実践に至る背景や想いについてお話しいただいています。

2018年11月28日に開催した体験イベントでは、薬剤師として病院で仕事をする傍ら、「病院」や「薬局」ではない、地域の公園やサービス付き高齢者住宅のリビングなど、様々な場所で、”出歩く薬剤師” と名乗り、多世代・多職種の人たちが地域で、笑顔で関われる場づくりをしている川嶋直人(かわしま なおと)さんにお越しいただきました。

薬剤師として感じていた違和感

みなさんは薬剤師にどのようなイメージを持っていますか、おそらく「病院や薬局でカウンターの向こう側の人たちというイメージではないでしょうか。

厚生労働省がこれからの薬剤師に求める指針として、「患者のための薬局ビジョン」を出しています。

もちろん今までも患者のために頑張ってきている薬剤師もたくさん知っていますが、僕たち薬剤師はもっと“本来の役割を果たし、地域の患者を支援するため”にやるべきことをやりなさいと言われているのだと感じました。

参考)厚生労働省リンクhttps://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/gaiyou_1.pdf

参考)厚生労働省資料

また、病院の薬剤師をしていると退院した患者さんがすぐに再度入院をすることもあり、なぜなのだろう、と違和感は持つものの、解決に向けて行動する仲間と出会うことはありませんでした。

そんな中、マイプロOBとお話しする機会があり、マイプロを紹介され、マイプロ10期に参加しました。

マイプロに参加したことで、薬剤師を志したきっかけ、その時に抱いていた夢を思い出し、今までの人生をマイプロシート7枚分振り返りました。その中で自分自身の本質が見えてきました。

正直に生きる!真正面から向き合う!

自分の意見を伝えても受け入れてもらえないことがあったり、上司の思い通りに働くだけで、皆でより良くしていこうとする職場環境にはありませんでした。その事にずっと寂しさを感じていました。

自分自身の満たされない心を満たしてもらおうとするのではなく、誰かの心を満たそうと思いました。そのためには、僕から向き合ってみる事ではないか。

マイプロ期間中にもらった「あとは行動すればいいだけ」の言葉に後押しされ、プロジェクトが決まりました。

気付けば目の前に薬剤師PROJECT〜対話で紡ぎ、対話で織りなす〜

来るのを待つのではなく、街に出て迎え(探し)に行く、「出歩く薬剤師」としての活動を始めました。病院の薬剤師としてではなく、退院した後も、また、医療と繋がっていない時期から、関わりを持つ事ができる薬剤師になろう。

そのツールとして、おりがみを使っています。おりがみは、子どもからお年寄り、体の弱い子・ハンデのある子でも楽しめ、折れる人が折れない人に教えたり、自然な形でコミュニケーションが生まれるツールだったのです。

Fecebookグループでおりがみ部を開設し、令和1年11月現在では、メンバーは約480名。オンライン上だけではなく、月に一回、サービス付き高齢者住宅のリビングで交流イベントを行っています。また、不定期で野外イベントも行っており、地域の公園で桜を咲かせたり、天の川を作ったり、時には観光で来ていた外国の方からも声をかけられ一緒におりがみを折り交流することもあります。KAIGO LEADERS5周年イベントの会場では子供たちと一緒に即席おりがみコーナーも出来ていました。

その他、イベントの装飾を作る会など、1年間で16回のイベントを行ってきました。

おりがみ部を通して気づいたこととは?

いつも参加してくださる方の様子を見て、いつもと違う変化に気づけるようになりました。身近なところに薬剤師がいることを知ってもらえたことで、気軽に相談してくれることも増えてきました。病院だけではない、人とのつながりを感じられる場を作ることが出来ました。

ただ、その一方で、日常の中で気軽に、困った時に、もっと声をかけてもらえる、声をかけることができる薬剤師になりたいという気持ちが強くなりました。
しっかりと向き合って、必要な資源につなげることが僕の役割ではないのか。という新たな問いも見つかりました。

おりがみ部では、オンラインコミュニティの運営方法、イベント作成と告知・集客方法なども学べました。

それらを活かして、今後はオンライン上のコミュニティ運営や、相談窓口開設なども考えており、もっと薬剤師としての僕を活かす活動を加速していきます。

最新情報はぜひ、fecebookグループおりがみ部をご覧ください。

川嶋さんはおりがみというツールを使い、年齢や時には国境も越えて、人と人とのつながりを作ってきました。今後も、人とサービス、人と想いをつなぐ「出歩く薬剤師」として、取り組みたいことがたくさんあり、それに向かって自分自身と向き合い迷いながらも、持ち前の負けず嫌い精神と行動力で、ワクワクしながら進んでいく姿はとても素敵だなと思います。

川嶋さんのように、出歩く薬剤師がいてくれたら、もっと気軽に声をかけ合うことができるのだろうなと思いました。

1年前のマイプロ最終発表会、川嶋さんが「おりがみ部やります!」と言ったとき、その場にいた私たちは、「おりがみって?」と、どんな風になっていくのか想像することが出来ませんでした。約2年間、活動し続けてきた川嶋さんのお話しを伺い、おりがみというツールを使って、薬剤師である川嶋さん自身の可能性をどんどんと広げている姿を見て、これからの活動もとても楽しみになりました。

マイプロフェス開催

KAIGO MY PROJECT(マイプロ)に興味を持ってくださった皆さんに、
マイプロを実践している人の話を聞けるイベントを11月23日に開催します。
詳細はこちらをご確認ください。

KAIGO MY PROJECT体験会開催

KAIGO MY PROJECT体験イベントを定期開催しています。

・現状に課題を感じ、何か変化を起こしたい。

・実現したいアイディアがある。

・想いを持った仲間と出会いたい。

そんな想いを持った方は、まず一度体験会に足を運んでみてください.
次回の体験イベントは12月7日開催予定です。詳細はこちらをご確認ください。
皆さんのご参加をお待ちしています!

KAIGO MY PROJECT18期エントリー開始

KAIGO MY PROJECTは現在18期を募集中です。
1月からスタートする3ヶ月間の連続ワークショップに興味を持って下さった方
ぜひエントリーお待ちしています。
詳細はこちらをご覧ください。

この記事を書いた人

叶世 美奈

叶世 美奈Mina Kanase

障害者支援施設スタッフ 社会福祉士 精神保健福祉士KAIGO LEADERS Tokyo/KAIGO MY PROJECTチーム

大好きな障害福祉の仕事をしている日々がとても幸せです。
甘くて柔らかくて優しく包み込んでくれる“わたがし”のようになりたい。

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