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イベントレポート

一人ひとりの“想い”が、地域をよくする“プロジェクト”になる3か月!(マイプロピッチ01 レポート前編)

わたしとふくしを考える。そんな3か月。


実現したい目標、解決したい課題、挑戦したいテーマなど、自分の中にある様々な想いを「マイプロ」として形にし、仲間と助け合い学びあいながら、実現を目指す3か月間の連続ワークショップKAIGO MY PROJECT

2015年にスタートをしてから、これまで10期の活動が終わり、100名以上のメンバーが参加し、それぞれの「マイプロ」を実践しています。

OB・OGメンバーのマイプロは、一人ひとりの想い・個性が反映されていて、様々な場面で注目を集める活動や、メンバーの職場や身近な場所でよい変化を生み出している活動も多く存在しています。

もっと多くの人に、OB・OGメンバーの素敵な活動を知ってもらいたい。

そして、それぞれの「マイプロ」が、また別の誰かの「マイプロ」を産み出したり、加速させるきっかけになってほしい。

そんな思いで11月11日の介護の日、東京・新橋にてOB・OGのマイプロジェクト発表会「マイプロピッチ〜地域と福祉をつなぐアィディア事例〜」が開催されました。

今回、自身の「マイプロ」を紹介してくれたOB・OGは6名。地域の高齢者や障がい者の方の暮らしの課題を解決し、笑顔を増やしていくような「マイプロ」や、当事者を支える職場をよりよくしていくような「マイプロ」を実践しているメンバーたちです。

一人ひとりの「マイプロ」が生まれた想いや、これからのアクションについて、熱く語ってもらいました。

医療と介護の壁をなくし、日本の介護をもっとよいものに。
青柳直樹さん(KAIGO MY PROJECT8期)

一人目の登壇者は、8期の青柳直樹さん。

大学病院の皮膚科医として勤務する青柳さんは、高齢化が進展する中で医療と介護の連携が重要視される一方で、介護の専門職の人たちが、医療の知識に触れる機会がないことに課題認識を持ちます。

このままじゃ日本の介護はよくならない

そう感じた青柳さんは、もっと気軽に医師と介護現場が身近につながり、気軽に相談できる仕組みを作ろうと、介護施設と医師がメッセージ機能を通して情報連携をできる「CHAT DOCTORS」というアクションを開始します。

KAIGO MY PROJECTでは、現役の介護士をはじめとした同期メンバーから様々なアドバイスをもらい、介護現場のリアルなニーズを拾え、刺激を受けることができたとのことで、それらの声も活かしながら、介護現場を巻き込んだ活動を日々実践されています。

介護現場にもっと身近な医療を。

その「マイプロ」の実践のため、自らが率先して介護現場のリアルな声を聞き、アクションを実践している青柳さんの活動は、これからの医療と介護の関係をよりよいものに変えていくことになると思います。

視覚障がい者の方の笑顔を「もっと」作る。同行援護サービスotomoの挑戦。
鈴木貴達さん(KAIGO MY PROJECT8期)

2人目の登壇者は、足立区で視覚障がい者の同行援護サービス事業所otomoを運営する8期の鈴木さん。

母親が視覚障がい者である鈴木さんは、広告制作会社を起業し、全くの異分野で経験を積まれてきましたが、視覚障がい者の同行援護の存在を知り、「視覚障がいを持つ人が、地域でもっと楽しく生活ができるように」と自ら事業所を立ち上げ、サービスを開始します。

 otomoの活動は、一般的な外出同行に留まらず、視覚障がい者の方向けのヨガ教室やスマートフォンの使い方講座など多岐にわたり、視覚障がい者の方の活動の場を広げています。

otomoの活動に迷ったときは、「誰を見て事業をするか」を見つめなおすようにしています。

鈴木さんが大切にするのは、当事者である視覚障がい者・自分たちスタッフがワクワクして、よいものであること。

今後、地域の様々な事業者とのコラボでの新サービスや、サービス提供エリアの拡大も進めていくotomo

視覚障がい者の方が笑顔で生き生きと活動できる場が、地域に広がっていくきっかけになるのではないかと思います。

 

みんなが知らない障がい者福祉の魅力を、私の言葉で伝えていきたい。
叶世美奈さん(KAIGO MY PROJECT10期)


3人目の登壇者は、知的障がい者入所施設で働く10期の叶世さん。

なかなか知られておらず、ネガティブなイメージを持たれることも多い障がい者福祉の仕事ですが、叶世さんは日々の利用者の方とのかかわりの中で笑いあったり、他愛ないコミュニケーション一つひとつがとても楽しく、やりがいを感じています。

私が大好きなこの仕事の魅力をもっと多くの人に知ってもらいたい!

そのために、自分自身の言葉をSNSで発信をしたり、職場を見学してもらう機会を設けたりと、出来ることから一歩ずつ知的障がい者福祉に触れる機会を増やしていっています。

KAIGO MY PROJECTで、様々な背景を持つメンバーと語り合う中で、自分自身の仕事を見つめなおし、「この仕事がやっぱり好きだ」と再確認できたそうです。

自分自身が現場で日々楽しさ・やりがいを感じている叶世さんが紡ぐ言葉だからこそ、きっと多くの人に共感を持ってもらえるのではないでしょうか。プロジェクトの一環として続けられている、叶世さんの想いをつづったnoteもぜひご覧ください!

前編では、三者三様のアクションを展開する青柳さん・鈴木さん・叶世さんの「マイプロ」を紹介しました。後編でも残り3人のアクションについて触れていきたいと思います。

(後編に続く)

 

この記事を書いた人

野沢 悠介

野沢 悠介Yusuke Nozawa

株式会社Blanket取締役|ワークショップデザイナー

大手介護事業会社の採用担当者・人事部門責任者として、新卒採用を中心とした介護人材確保に従事。
2017年より、Join for Kaigoに加入、介護領域の人材採用・定着・育成をよりよくするために活動中。
趣味は音楽鑑賞。好きなアーティストを見に、ライブハウスに入り浸る日々。

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