LAB 研究・リサーチ

介護職の仕事の悩みとリーダーに求める力についての意識調査|スタッフがチームリーダーに求める力の1位は「指導力」

介護職の悩みとリーダーに求めるものについて、全国の介護・福祉現場で働く20代以上219名を対象にアンケート調査を実施。スタッフがチームリーダーに求める資質とリーダー自身が重視する能力とは乖離があることがわかりました。

■調査結果サマリー
(1)一般職・スタッフから見た、「チームリーダー」が持つべき能力・資質 1位「指導力」2位「傾聴力・コミュニケーション力」
(2)一方で、チームリーダー自身が重視するのは 1位「チーム構築力」2位「傾聴力・コミュニケーション力」。「指導力」は相対的に低い結果に。
(3)一般職・スタッフの仕事の悩み 1位「スキル・技術を伸ばす機会の不足」
(4)チームリーダーの悩み 1位「部下・スタッフとの人間関係・コミュニケーション」
(5)フリーコメントより/これまで最も良かった(影響を受けた・憧れた)リーダーや上司の持っている資質

■一般職・スタッフから見た、「チームリーダー」が持つべき能力・資質 1位「指導力」2位「傾聴力・コミュニケーション力」
現在の役職が「一般職・スタッフの人」に、チームリーダーが持っているべきだと思う能力・資質として最も重視するものを聞いたところ、1位が「スタッフに助言を行い成長を促す指導力」、2位が「スタッフ各人に対してきめ細やかなサポートができる傾聴力・コミュニケーション力」という結果が得られました。

■一方で、チームリーダー自身が重視するのは 1位「チーム構築力」2位「傾聴力・コミュニケーション力」。「指導力」は相対的に低い結果に。
一方で、現在の役職が「チームリーダー」の人に同様の質問をしたところ、1位が「チームのコミュニケーションを推進し多人数をまとめるチーム構築力」、2位が「スタッフ各人に対してきめ細やかなサポートができる傾聴力・コミュニケーション力」との結果になりました。

一般職・スタッフへの質問では回答数1位となっていた「スタッフに助言を行い成長を促す指導力」については、チームリーダーへの質問では6位にとどまり、役職による意識の差が現れました。

■一般職・スタッフの仕事の悩み 1位「スキル・技術を伸ばす機会の不足」
現在の役職が「一般職・スタッフ」の人に対し、仕事における悩みについて質問したところ、1位は「スキル・技術を伸ばす機会(研修や指導など)が不足している」、2位は「人手が不足している」「仕事内容に対して給与水準が低い」との結果になりました。

具体的な悩み(フリーコメントより抜粋)
・同僚と業務時間以外でコミュニケーションがとれる機会に乏しいこと。(20代・男性)
訪問介護は訪問数が日によって違うため中々数をこなせずスキルアップできるのに時間がかかる。(20代・女性)
・夜間帯はフロア(18名)に対し職員が一人になります。なかなか仮眠も取れないので少し大変です。(20代)
・入職したての新人ですが、先輩の間でオリエンの共有・統一が難しく、教わる時に混乱することがあります。(30代・女性)
・ご家族への連絡に自信がない(30代・女性)
・上層部からの指示が、現場に即しておらず理にかなっていない。(20代・女性)
・現場の考え方と事務職の考え方が一致しておらず、ギスギスしてしまっている。(20代・女性)

■チームリーダーの悩み 1位「部下・スタッフとの人間関係・コミュニケーション」
一方で、現在の役職が「チームリーダー」の人に対し、仕事における悩みについて尋ねたところ、1位は「部下・スタッフとの人間関係・コミュニケーション」、2位は「人手が不足している」との結果になりました。

具体的な悩み(フリーコメントより抜粋)
年上のスタッフばかりなので、言いたいことを伝えにくい。(20代・男性)
・細かい部分で上司と考え方や方針の違いがあるのですが、立場上、上の方針を自分なりに翻訳して部下に伝えなければならず、それが難しく感じています(30代・男性)
・伝えるということの難しさ(30代・女性)
・会社の考えと合わない(30代・男性)
・志の近い同僚がいないこと(40代・女性)

■フリーコメントより/これまで最も良かった(影響を受けた・憧れた)リーダーや上司の持っている資質
緊急時など迅速に対応し冷静である。裏表がなく適正な評価をしてくれる。(20代・女性・一般職)
・怒るなどの感情的な指導ではなく、冷静に短い言葉で伝えてくれた。(20代・女性・一般職)
・間違っていることはだれに対してでも間違っていると伝えられる力。根拠を持ってそれをするべき理由を伝えられる力。(20代・女性・一般職)
・ビジョンや目標を示す力。現場での作業工程が増えても、感染リスクを考えて「有事の事態になってからでは動けない。日頃から習慣づけよう」と示し、現場改革をした。導入当時は反発も大きかったが、すぐに慣れたし、実際にコロナ感染者が出た際にも、いつも通りの手順のおかげで、広まらずに済んだ。(30代・女性・一般職)
・新しい技術や情報を更新し、どうやって伝えていくかを具体的に示してくれたこと。(30代・女性・一般職)
・相談を受けた後の行動力!対応スピード!(30代・男性・一般職)
・仕事が人生の大半を占めているのだから楽しくしたい、と部下とのコミュニケーションを積極的に図っていた。裏表がなく誰に対しても平等な姿勢で人としても尊敬している。(30代・女性・一般職)
・利用者さん、職員さん、誰の困りごとでも当たり前のように全て自分ごととして捉えて、周りを巻き込みながら必ず解決まで持っていく力。(20代・女性・チームリーダー)
・率先力と、明確な目標。職員を引っ張る力(30代・男性・チームリーダー)
・なにがいい介護かを示していたこと(30代・男性・チームリーダー)
・周りを巻き込む力(20代・女性・管理者)
・物事の本質を捉えて、なぜそうなのか、どうしてそうなのかをしっかり納得させる力に長けた方に憧れました。(30代・男性・管理者)
・知識とそれに基づく正しい指導力(30代・女性・管理者)
・利用者中心の姿勢がブレない。(40代・男性・管理者)
・きっちりと話を聞く事、話の内容をきちんと理解してくれる事。すぐに対応してくれる事。(40代・女性・管理者)

《調査概要》
・調査方法:インターネットリサーチ(無記名式)
・調査対象:全国20歳以上の介護・福祉従事者 219名
・調査期間:2022年6月24日 – 7月10日
※本リリースの引用の際は、必ず「KAIGO LEADERS LAB.調べ」とクレジットを明記していただきますようお願い申し上げます。