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コラム

若者の力で、超高齢社会をポジティブに創造していきたい。(秋本可愛 「第10回若者力大賞」受賞スピーチ)

公益財団法人 日本ユースリーダー協会主催の「第10回若者力大賞」で、KAIGO LEADERS発起人の秋本可愛が、大賞を受賞いたしました。

社会のための貢献活動に取り組んでいる20代・30代の次世代リーダーを表彰する「若者力大賞」では、これまで歌手のMISIAさんやメジャーリーガーの田中将大選手をはじめ、各界で活躍し、社会貢献活動にも尽力されている方々が受賞されています。

今回の秋本の受賞は、KAIGO LEADERSの取組をはじめ、介護領域の課題解決のアクションを評価いただきました。

これも、私たちの活動を応援し、一緒に歩んでくださる皆様のおかげであり、篤くお礼申し上げます。

先日開催された授賞式での、秋本のインタビューの一部を本サイトでも掲載させていただきます。

 

介護に関心を持つ若者は、ほとんどいなかった。

このような名誉ある賞をいただき、とても光栄に思っています。ありがとうございます。

多くの著名人の方が受賞してきたこの賞は、決して私1人が受賞したわけではなく、これまでKAIGO LEADERSの活動をともにつくってきてくれた仲間はもちろんのこと、普段介護の現場で1人ひとりの暮らしに向き合っている方々とともにいただいた賞だと、大変嬉しく思うとともに、その皆さんに感謝申し上げます。

私は大学生の時に介護現場でアルバイトをしていました。
そこでの仕事は楽しかったですが、利用されていた高齢者の方が「迷惑ばかりかけて、生きていることが申し訳ない」と、毎晩寝る前に「早く迎えに来てください」とお祈りをしている姿を見て、「人生の終わりは必ずしも幸せでないのだ」ということを知りました。

そして、支えるご家族も,仕事と介護の両立に悩んでいたり、心身を崩してしまう職員など、人生の終わりを支える人も苦しんでいる現状がありました。
私が大学生の時に起きた東日本大震災以降、若者の社会貢献の活動が盛んになる一方で、介護に関心を持つ同じ学生の少なさに、課題意識を強く持ち、想いと勢いだけで大学卒業と同時に起業しました。

介護から人の可能性に挑む。

私たちは現在、「介護から人の可能性に挑む」をミッションに、介護領域の課題を人の力で解決していこうと事業展開を行なっています。

その中でも注力しているのが、介護に志を持つ若者のコミュニティ「KAIGO LEADERS」です。

参加者は20代30代の若手が中心で、介護の専門職はもちろんのこと、学生、ITや人材など様々な分野の人が参加をしています。
介護と聞くと、大変そうだったり、ネガティブなイメージを持たれる方も多いと思いますが、この仕事が本当に好きでいきいきと働いている人はごまんといます。


※KAIGO LEADERSの活動は、現在6年目。介護に関心を持つ若者や、介護の領域で働く若者を中心に、共にまなび、アクションする場を生み出してきています。

私もこの世界に触れるまでは、「介護の仕事は高齢者のお世話をすること」だと思っていました。

ですが、ご本人やご家族が諦めてしまっている状況であっても、その人の可能性を諦めず、その人のやりたい想いの実現をサポートすることのできる仕事なのだということを、現場で思いを持って働く多くの先輩たち、仲間たちから教わりました。

KAIGO LEADERSでは、職場の垣根を越えて、一緒に学んだり、それぞれの想いを形にするための場を作っています。

例えば、介護施設の管理者がもっとみんなが楽しく働ける職場にしたいと取り組み、1年間離職ゼロを達成したり、

地域に思いある理学療法士が職場だけでなく地域に飛び出して、地域住民の健康相談を行える暮らしの保健室を立ち上げたり…。

一人ひとりが現場で気づいた課題や、もっとこうなればいいのにと抱いた違和感を、モヤモヤのまま留めてしまうのではなく、主体的にアクションを起こせるよう、背中を押してくれる仲間との繋がりや、新たな情報や学びを得られるコミュニティとして広げています。

今は東京、大阪、金沢での活動がスタートし、延べ3000名の方が活動に参加してくださりました。
これから2025年までに、10000人の“カイゴリーダー”が全国各地で活躍する未来を目指していきます。

多くの人と一緒に、超高齢社会をよりよいものに。

今回、非常に光栄な賞を頂きましたが、介護は“これから”です。

2025年、団塊の世代が75歳を迎え、介護の需要がますます高まります。
今回の受賞はこれまでの成果に対して頂いたのではなく、これからの活動へのエールだと受け取っています。

高齢化の進展や介護の問題は日本社会にとって大きな課題であると同時に、私たち一人ひとりの暮らし・人生にもかかわる大切なテーマです。
だからこそ介護に携わる人だけでなく、多くの人に関心を持っていただき、一緒に課題解決の取り組みを前向きに考えていける社会を目指しています。

介護の現場で日々頑張っている皆さん、それ以外の領域のプレイヤーの皆さん、今回の受賞でご縁をいただいた皆さん…。
そんな方々と一緒に、この大きな課題に向き合い、介護をする人・受ける人にとっても、若い世代にとっても、自分らしく生きることのできる超高齢社会を創造するために前に進めていこうと思います。

これからも、私たちの活動を応援して頂ければ嬉しいです。

本当にありがとうございました。


 

秋本が述べているように、高齢化の進展や介護にまつわる様々な問題は、今以上にこれから深刻になっていくことと思います。

そんな中、若者世代を含めたより多くの人が、この問題に関心を持ち、前向きに変えていこうというアクションを起こしていくことが、10年後・20年後のよりよい社会を創ることになると、私たちは考えています。

今回の秋本の若者力大賞受賞を、これからの活動へのエールと受け取り、引き続き邁進してまいります。

これからも、応援宜しくお願いいたします!

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