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排泄予測デバイス「DFree(ディー・フリー)」のその先とは?テクノロジーの力で生み出す介護業界の好循環(KAIGO LEADERS FORUM 2019イベントレポート⑦)

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イベントレポート⑦
排泄予測デバイス「DFree(ディー・フリー)」のその先とは
登壇:中西 敦士

KAIGO LEADERS FORUM 2019イベントレポート第7弾は、前回に引きつづき、新しい時代をつくるU35KAIGO LEADERSのピッチを1人ずつ紹介します。5人めは、トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社代表取締役 中西敦士さんです。

はじめに
中西 敦士さん とは?

1983年生まれ。大学卒業後、医療分野も含む新規事業立ち上げコンサルティングファームに従事。

その後、青年海外協力隊に参加。

2013年よりUCバークレー校でビジネスを学び、2015年トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社設立、代表取締役就任。

〈主な講演等の実績〉

・厚生労働省「保健医療分野におけるAI活用推進懇談会」

・経済産業省「ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト2017」グランプリ

〈著書〉「10分後にうんこが出ますー排泄予知デバイス開発物語ー」(新潮社)

排尿予測デバイス DFreeのサイトはこちら

中西さんは、以前PRESENTにも登壇してくださっています。そちらのレポートもチェックしてみてください。 https://heisei-kaigo-leaders.com/activity/present09

 

バイタルテクノロジーでLive your Lifeを実現する

私たちのミッションは、「世界を一歩進める」。

ビジョンは、「バイタルテクノロジーでLive your Lifeを実現する」です。

老後がどうなるか不安で、年を取ることを楽しいと思えない人が増加しています。不安の大部分は、健康やお金に関することが占めていると思います。その健康面の不安をテクノロジーで解決するということに取り組んでいます。

我々の会社は、超音波技術を用いて、体内の深部をモニタリングして、そのデータを基にサービスやケアに入れるようにすることを強みとしています。現在は膀胱と大腸のモニタリングに取り組んでいますが、そのほかの臓器にも転用が可能だと考えています。例えば、胃や肺の機能は老化していくと動きが遅くなっていきます。それらを見える化し、適切なケアができるようにしていける可能性があります。

さらに、バイタルデータ、睡眠量といったデータも統合していき、中期・長期の健康に関するサービスをおこなっていくプラットフォームを構築していきたいと考えています。医療分野やその他専門職の方々がそのデータにアクセスしながら、遠隔診療を実現していく未来も作れるのではないかと思っています。

  

トイレ(排尿)のタイミングを事前に知らせるDFree

弊社が現在製品化しているのは、尿の排泄のタイミングを知らせるデバイス「DFree」です。

超音波のセンサーで膀胱の大きさを捉えて、今どれくらい溜まっているかを10段階でスマートフォンなどの端末に送信します。あらかじめ設定しておいたレベルに達すると「そろそろ、トイレですよ」とお知らせするものになります。

施設向けと個人向けの2タイプがあります。

施設では、その人の排尿の傾向を知るアセスメントにも活用できます。従来の介護現場でのマニュアルは、「記録から排泄パターンを読み取る」でしたがDFreeを活用すれば、それが簡単にできるようになります。

個人向けのタイプは、ネット通販に加え、全国のビックカメラ、コジマなどで販売を開始しています。

現在、尿失禁のある方に対しては、尿とりパッドやオムツの使用が主な解決手段となっていますが、それらは対処療法です。

尿失禁のある高齢者の転倒リスクは、尿失禁がない方の3.1倍です。週1回失禁する方の死亡リスクは1.5倍、毎日失禁する方は、4.2倍というデータもあります。[i]

[i] 出所:難病と在宅ケアVol.22 No.6 2016.9「要介護高齢者の尿失禁ケア~そのエビデンス~」 

また、リハビリ時において適切なタイミングでトイレ誘導されると、約5割ADLが改善するという結果もあります。

しっかりとしたタイミングでトイレ誘導することは、自立度を高めていく上でも重要なのです。

 

排尿予測の次は、排便予測も!

排尿予測の次は、排便予測の実現に向けて動いています。大腸の動きを見える化するという仕組みを検討しています。

例えば、介護現場では、「下剤を服薬した方がいいのか」、もしくは「薬に頼るよりも腸を動かすことをしていった方がいいのか」といったアセスメントに活用していただけるとよいと思っています。早くて来年中の販売を目指しています。

 

今後について〜日本から、世界へ!〜

現在、アメリカ・フランスに支社があり、海外展開をしています。各国から声がかかっているので順次展開していきたいと思ってます。

介護職が日常おこなうことは様々あるなかで、排泄というのはほんの一部です。我々のセンサーだけではなく、様々なセンサーが介護現場で導入され、全体のオペレーションが見直されるようになっていけばよいと思います。介護職は様々な困りゴトを抱えていますが、それを解決できるようにしていきたいです。

また、「良い介護ってそもそも何だろう?」という概念が明確でない現状があります。その定義を作り数値化していくことにも、様々な関係者と連携して取り組みたいと思っています。

 

利用者のQOLを高め、従業員の満足度(ES)を高める好循環をめざして

 利用者のQOLと従業員の満足度(ES)は相関関係があると考えています。

介護職が、介護業界に就職した理由の第2位は、「やりたい職種だったから」です。一方で、離職理由の第2位は、「理念や運営の在り方に不満」という結果があります。

つまり、「介護の仕事をやりたい」と思って入職したにもかかわらず、理念や運営の在り方に不満を抱きやめていってしまう現状があるということです。その状況を変えていく必要があると思います。

具体的には、利用者のQOLの向上を主軸にし、それをあげるための投資をして、従業員満足度(ESを上げ、従業員の定着率と習熟度を上げていきます。その結果、人材に充てていたお金に余裕が出てきます。その分を、利用者のQOLの向上のために投資するという良い流れを作っていきたいです。

中西さんのワクワクするピッチを聞いて、参加者も未来への希望を抱くことができました。

今、悩んでいることの多くが、今後は解決していき、介護のスタンダードはどんどん変化していきます。

介護業界にいる私たちは、常に最新情報をキャッチし、現在の“介護”をアップデートしていく必要があると感じました。

 

 

次回のレポートは、新しい時代をつくるU35KAIGO LEADERSのピッチ6人めを紹介します。6人めは、東京都議会議員 後藤 奈美さんです。

 


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  • サイボウズ株式会社
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  • ケアスタイル(インフォコム株式会社)
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