私はわたしに嘘をつかない。とことん自分に向き合い続ける生き方。

語り手(左):伊藤 由希子(ゆ)KAIGO MY PROJECT5期 はりレボ代表鍼灸師
聞き手(右):石丸夕貴()KAIGO MY PROJECT5期 医療系企業 介護施設運営会社

KAIGO MY PROJECT インタビュー 第9回目は、「鍼灸という選択肢が当たり前にある世の中をつくる」という思いを根底に、次世代はりきゅうレボリューションズ(以下、はりレボ)の代表として活躍する伊藤由希子さん。大学では心理学を専攻するも、カリキュラムの1つにあった東洋医学に惹かれ、大学卒業後すぐに鍼灸の専門学校へ進学。「興味のあるものにめがけて走り出してしまうような、危なっかしい一面がある」と笑いながら話す姿に羨ましさを感じてしまうほど、小柄な見た目とは裏腹に目標に全力で向かっていくエネルギーに溢れています。マイプロに参加する前から自分自身としっかり向き合い、直感と正直な気持ちを大切にされてきた伊藤さんが、改めて自分と向き合った3ヶ月でどのような気づきを得られたのかお話を伺いました。

 

なんとなく面白そうだな、とよくわからないまま勢いで参加

ま:マイプロへ参加した理由を聞かせてもらえますか?

ゆ:実はマイプロってどんなものなのか、よく分からないまま参加していました(笑)当時は「鍼灸でもっと何かできるはず、でもそれって何だろう?」とアンテナを張っていたんです。あるイベントで介護業界を盛り上げている可愛ちゃんに出会い、この人面白い!と思ったのがきっかけですね。介護と親和性の高い鍼灸の良さを知ってもらう意味はあると感じて、思い切って話し掛けていました。その時にマイプロを紹介してもらったけど、具体的には分かってませんでした。

ま:初日は体験でしたよね?

ゆ:そうそう、体験してみて「あぁ、面白いかも」と感じ、じゃあこのまま参加しようといった軽い感じ(笑)

 

鍼灸という選択肢が当たり前にある世の中をつくる

 

ま:当時からマイプロは変わらないですか?

ゆ:マイプロと言っていいのか正直分かりませんが、自分自身のさまざまなアクションの根底にずっと変わらず持ち続けている想いは「鍼灸という選択肢が当たり前に持ってもらえる世の中をつくる」です。

ま:なぜ鍼灸なのでしょうか?

ゆ:これまで鍼灸を学んできて想像以上に可能性のあるものだとわかっているからこそ、より多くの人に鍼灸の良さを届けたいと考えています。「鍼灸という選択肢が当たり前にある世の中をつくる」は「はりレボ」の目標でもあり、私の原動力なんです。

ま:そこまで伊藤さんを突き動かす理由は何でしょうか。

ゆ:大学で心理学を学びながら自分について分析していった結果、「もっと人を癒せる人間になりたい」という気持ちに気づいたんです。

ま:その気持ちは一体どこから?

ゆ:実は、幼稚園から高校・大学まで寂しくて、孤独でした。幼い頃からずっと友達がいないなぁと感じていて。ものすごく覚えてるのが幼稚園の時に「友達になってくれる?」って言いに行ったんです。いいよって言ってもらえたから友達だって思っていたけど、そういうわけじゃない。その時、初めて「友達になって」と言っても友達になれないということに気づきました。そういった経験も踏まえ、なんで友達がいないんだろう?と突き詰めていくと、実際は相手を攻撃している自分がいたんです。じゃあ、なんで私は他人を攻撃しているんだろう?なんで?なんで?を繰り返していった先に「人を癒したい気持ち」がありました。

ま:心理学にも「癒し」の要素があると思いますが、なぜ鍼灸へのシフトチェンジをされたんですか?

ゆ:臨床心理学の授業を受けたときに「私が想像していたものとなんか違うな~」と感じたんです。

ま:その「なんか違うな~」とは?

ゆ:当時の私はダイレクトに心にアプローチをしていく臨床心理学に若干の違和感を抱いたんです。実際とは異なると思いますが、すごく疲れてトゲトゲした心に対して直接えい!ってつんつんして刺激を起こさせるような・・・優しさがない感じを受けてしまったんです。

でも例えば、1枚ガーゼみたいなもので包んであげて、そこから優しくふわっと触ってあげた方が優しいですよね?そうゆうアプローチがしたいって考えていたとき、カリキュラムの一環にあった東洋医学の授業で鍼灸に出会いました。思わず「これだ!」って思いましたね。カウンセリングよりも遠回りではありますが、身体を通じて元気になる理想のアプローチでした。

ま:確かに身体がすっきりするだけで心も軽くなりますよね。それに、トゲトゲが増えれば増えるほど、身体が強ばるのがわかります。

ゆ:そう。つい心と身体を別に捉えがちだけど、身体をほぐしてあげるとトゲトゲの数が減るというか、ちょっと丸みを帯びるというか・・・一回でも落ち着いたら考える余裕もできると思います。

最近、鍼灸は不妊治療で少しずつ脚光を浴び始めましたが、実際はまだまだ。不妊治療に限らず、鍼が合うだろうなと思う方も多いので、どんどん鍼灸の良さを広めていきたいですね。

 

「私はわたしでいいんだ」

ま:3ヶ月間のマイプロを通じて、ご自身における気づきはありましたか?

ゆ:マイプロ以外の他の出来事も通じて自己肯定感が得られました。以前は、いわゆる社会の常識や他人からの期待、当たり前のことに沿わなければ恥ずかしいと考え、いろいろなものに縛られていましたね。当時が100だとすると、今は20ぐらいかな。

ま:20!?ものすごく下がりましたね!

ゆ:他人にどう思われていたとしても、自分の中に目標を持ち、なぜその状況にあるのかを理解しているから「私はわたしでいいんだ」って思えるようになりました。どんどん気持ちが自由になってきています。

ま:なぜそこまでの変化を得られたのだと思いますか?

ゆ:一番の理由はME編だと思います。改めて自分の歴史を書き出してみて、どこまで人に話すか、どんな風に自分を表現するか、自分と向き合う時間を費やしました。また、ME編の発表時に自分自身を知ってもらい、そこから先も定期的にみんなに会って、誰も自分のことを否定しない・受け入れてくれる時間を何回か重ねたことが大きかったのだと思います。込み入った話って、普段の会話では出てきませんよね?そこをあえてさらけ出し、自分がどういう人間であるか知った上で受け止めてくれたことが大きかったです。そう考えると、マイプロって他の人には話せないようなことも話せる仲間が、たった3ヶ月でできるのが意味不明!笑

ま:なかなかこんな環境には出会えないですよね!それだけ自分を受け入れてくれる場所を人は求めてるのかも。

ゆ:それがあるから一歩踏み出せる。めっちゃすごいな、マイプロ!

ま:皆さん、騙されたと思って参加してみて!

ゆ:ほんとほんと!行ってみなって!みたいな(笑)

 

 

安心安全の場だからこそ得られた仲間

ま:話を伺っていくと、伊藤さんの中で仲間の存在がとても大きいもののように感じられます。

ゆ:マイプロを通じて、自分にとって仲間は必要な存在だと気づけました。これまでは人と群れることが少し苦手で、仲間を必要としていなかった。何人かの中の一人とはめっちゃ仲いい!ってなってもその周りはそうでもない、みたいな。でも5期メンバーは全く違う。このグループがあることで、自分がすごく支えられていることを実感していて・・・

私ね、最終日に泣くと思わなかったんだよ!3年通った専門学校の卒業式でも全然泣かなかったのに。たった3ヶ月、しかも7回くらいしか会ってないにもかかわらず、自分にとって終わるときに泣くほど大事な場所になるとは思わなかった。私はやっぱり「この人たち好きだー!」と思える居心地のいい場所を求めてたんだと気づきました。居心地の悪い仲間・環境は自分には必要ない。

ま:自分に合わなければ途中で離脱したって構わないですもんね。1年経った今でも5期が繋がっているのは、お互いに信頼し合い、周りの皆が自分の言葉に真剣に耳を傾けてくれることを知っているからこそだと思います。

ゆ:もしいま5期のみんながいなくなったらすごく困る!本当に仲間だって思えています。

 

自分の幸せのために生きる

ま:今までずっと苦しんできた孤独や寂しさが解消され、「個」として確立しているような・・・伊藤さんの「自分」という軸が出来上がってきた印象を受けます。

ゆ:いま自分に不要なものを手放しているところなんです。自分の考え方・ステージが変わることも前は怖かったけど、いまは大丈夫。小さいときに感じていた孤独感は、ここにきて本当に小さくなりました。

ま:自分自身と向き合えた証拠ですね。

ゆ:いま孤独じゃないから、すごく幸せだなって思えます。

ま:幸せを感じられる人生を歩めていることが羨ましくも感じられます。

ゆ:究極、みんなそこを目指しているんじゃないかな。どんなに人の為と思って行動をしても、同時にそれはエゴでもあって。人を幸せにすることが自分の幸せに繋がっていくんですよね。これが私の大きな気づきかな。

ま:本日は貴重なお話を伺わせていただき、ありがとうございました。

ゆ:ありがとうございました。

自分の気持ちに正直に生きていく。出来そうで出来ない、という方が多いのではないでしょうか?聞き手の私自身もその一人です。しかし、伊藤さんとの会話の中で「自分の人生を生きるのは他ならない本人である」ことを改めて感じさせられました。支え合える仲間に出会い、更に力強く前進していく伊藤さんの今後の活躍に期待しています!

 

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伊藤さんが参加したKAIGO MY PROJECTでは、8月からはじまる10期メンバーを募集中!6月末まで早割!



「最期まで自宅で過ごしたい人の選択肢になりたい」 原点回帰した介護職の新たなの挑戦

fullsizeoutput_113大学を中退してまでテニスコーチになりたいという思いを、「好きなことをしなさい」と唯一応援してくれた祖父。だんだんと老いる祖父を最期まで懸命に支えてくれたヘルパーさんの姿を見て感銘を受けた田中さんは、祖父の死をきっかけに介護の世界に入ります。「自宅で過ごしたい人の選択肢になりたい」、有料老人ホームから在宅介護の世界に飛び込んだ田中さんのストーリーをご紹介します。

語り手:田中健太(た) 定期巡回/随時対応型訪問介護看護の計画作成責任者
聞き手:清水達人(し) 有料老人ホーム 介護予防運動指導員

 

世の中の高齢者のほとんどは、在宅生活を望んでいる。

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田中さんが
幼少期に大好きなおじいちゃんと撮った写真

た:高校からテニスを始め、そこからテニスに夢中になっていました。大学からはアルバイトで始めたテニスコーチの仕事がとにかく楽しく、授業にも行かず、練習や試合に明け暮れる日々を過ごしていたんです。テニスコーチになりたいと、大学中退を考えたとき、親からは猛反対されました。そのとき唯一応援してくれたのが、祖父だったんですね。「好きなことをしなさい」、そういって僕の背中を押してくれ、大学を中退してテニスを学べる専門学校に進学しました。

晴れてテニスコーチになり、定年までテニスコーチを続けたいと思っているほど自分にとって天職だったのですが、大好きな祖父の死をきっかけに介護の世界に転身しました。

し:田中さんにとっておじいちゃんの存在はかけがえのないものだったんですね。でもなぜ介護に振り切ったのでしょうか。

た:祖父の介護が必要になってから亡くなるまあで、ヘルパーさんが懸命に支えてくださって、その仕事っぷりに感銘を受けたんですね。祖父が最期まで自分の家で暮らすことができるお手伝いをしてもらったので、自分自身もそのお手伝いがしたいと介護の世界に転身しました。

有料老人ホームで働いていて、世の中の高齢者のほとんどが実は在宅生活を望んでいるということを知り、在宅生活を支える仕事がしたいと思いましたそこから転職を考えていて介護に係わる人の話を聞きたいと思って、KAIGO MY PROJECT(以下、KMP)に参加しました。

ただの友達作りとかではなく、介護に対する想い・感性など表面的なもので終わるものは嫌だったので、深く関わりを持てる場所を求めていたんです。

 

「被介護者」から「地域貢献する社会資源」になる
高齢者から見えた介護の専門性

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田中さんが見学に行った「あおいけあ」の日常。PRESENT _04より。

し:田中さんのマイプロについて教えてください。

た:「介護職の専門性を考える」この2つをマイプロとして掲げていましたが、結果から言うと、今は参加当初とはマイプロの形は変わってきました。

介護職として働き、たくさんの高齢者やスタッフと関わりを持つ中で、多様な価値観に触れることができました。その反面、多様な価値観を理解しようとする余り、KMP参加当時は介護職としてのあり方が分からなくなってしまった時期でもありました。そんな中KMP参加中に、OBのメンバーにお誘い頂いてあおいけあに見学へ行きました。そこで代表の加藤さんとお話させて頂き、実際に「被介護者」から「地域貢献する社会資源」になる高齢者を見て、介護の仕事の本質を考えさせられるきっかけとなりました

し:なるほど。「介護職の専門性」が見えてきたわけですね。
た:介護の仕事は、「自立を支援すること」。これは介護福祉士やケアマネジャーの教科書で散々習ってきましたが、あおいけあにいるイキイキとした高齢者の姿を見て、やっと胸にストンと落ちた感覚になりました。

1つの動作が自立に近づくことで、その方の生活の質がどれだけ向上するか、本人の気持ちになってみれば簡単に分かることですよね。しかし、施設でリーダーをしていたときは「事故を起こさないこと」が第一になっていて、誰のための「安全」で、当の本人は本当に「安全」を望んでいたのだろうか?と、今では思います。その方の望む生活を叶えるためにどんな自立支援が出来るかを考えるのが、介護職が専門職としてのあるべき姿なのではないかと思います。

 

最期まで自宅で過ごしたい方の,選択肢になりたい。

fullsizeoutput_128田中さんインタビュアーの清水が参加したKAIGO  MY  PROJECT6期メンバーの集合写真

し:もともと介護を目指したきっかけは祖父の在宅介護ですもんね。たなけんさんの根っこ部分はやっぱり、自宅で最期まで暮らせる自立支援があるのですか?

た:今の仕事がまさにそうで、安易な施設入居はせずにできるだけ在宅生活を支援したいと思っています。現在の介護保険の制度上、在宅介護は、ある程度家族の介護力がある前提なので、家族の介護力がない場合は、施設に入ることが多いと思います。今、僕が務めている「定期巡回/随時対応型訪問介護看護」というサービスは介護が必要になっても、住み慣れた家庭でできる限り生活ができるよう平成24年度に創設された24時間対応の介護保険サービスです。最期まで自宅で過ごしたい方の選択肢になれるように、まずは自分が勤めている場所か始めて見ます。それが、僕の今のマイプロになっています。

し:内容の変化ということはあってもでも、根本的な部分は変わりませんね。

た:そうですね。プロジェクト自体は何かこれをしたということよりも、プログラムを通じて自分自身を見直して、原点回帰できたことが大きく、自分の次の道を切り開くことができました。その過程で必要なスキルを学べたのがマイプロのプログラムだったのかなと思います。

し:この経験を生かしてなにをするか、プロジェクトの本番はこれからですね!ありがとうございました。

 

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【KAIGO MY PROJECT インタビューvol.7】本当に大事なことは、なかなか大事にできない。 身近なものを大事にするために、大学生が踏み出した一歩とは。

語り手:八嶋美恵子(KAIGO MY PROJECT 3期・上智大学 社会福祉学科 2年)

聞き手:阿部準一(KAIGO MY PROJECT3期・人材企業)

この先何も決まっていないからこそ、参加した 14370324_1109438229135307_5905070196809414205_n

阿部:八嶋さんがマイプロに参加しようと思った理由を聞かせてもらえますか。

八嶋:実践を通じてリーダーシップを育んでいく学生団体に所属していたのですが、団体の先輩たちが可愛さんと知り合いで、私がこれからやっていきたいことと、可愛さんの活動に共通点があったり、話す雰囲気や目指していることがきっと合う気がすると言われて、可愛さんに興味をもったのがきっかけです。偶然参加したリーダーシップ研修に参加者として可愛さんが来られていたので、「やっとお会いできた!」と思い、お声かけさせていただきました。そうしてお話を聞きたいと言ったら、すぐにご飯食べに行こうよと誘っていただき、喜んで行くことになりました。

阿部:行動力がすごいね。可愛さんにそこまで会ってみたいと思ったのはなぜ?

八嶋:人を介護することや支援することを優しい人だけができる特殊なことや大変なことだと捉えるのではなく、これからの時代に、本当にすべての人が尊厳を持って互いに尊重し合って生きていくためにも、介護や支援などに関わる人自身が尊厳を持って働けたり、元気になれたりすることが大事なんじゃないかと考えていました。実は当時はほとんど可愛さんの活動の中身については知らなかったのですが、可愛さんが発信されていることなどを少し読んだだけで直感的にこの人に会いたいと感じていました。あとは、「HEISEI」と名前にあることからも分かるように世代感を意識されていて、これからの時代を生きて、一緒に時代を創っていく同じ世代の人が協力することにも絶対に意味があると思い、「私が行かなければ!」と思うきっかけにもなりました。

阿部:可愛さんの考え方に共感したのが大きかったんだね。

八嶋:実は初めてお会いしたときは、まだKAIGO MY PROJECT が始まる前で、私は大学1年生でした。KAIGO MY PROJECTが始まってからお誘いいただくこともあったのですが、興味はあるけどまだ自分が「マイプロ」というもの作れると思えなくて、すぐに参加するとは言えずに、もう少し成長してから参加しようと考えていました。

阿部:マイプロを何か大きなこととして捉えていたんだね。最初はこんな自分が行ってもいいのかなと思うし、自分が何をしたいかも全く決まってないことも多いよね。でもそこで3期に参加しようと思ったのはなぜ?

八嶋:ビジネスプランぐらいのものがないといけないと考えていました。でも改めて説明を読んだり、活動の様子を見たりしていると、この先何も決まってないからこそ、この場で考えられるんだとわかりました。ちょうど学生団体の活動も終わるタイミングだったので、躊躇うよりも参加する方がいい、タイミングは今しかないと思い参加しました。

 

身近な人だからこそ、人生の価値や夢などの大切な話を共有し合うこと

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八嶋さんの同じ学科や学生団体のときの仲間とマイプロ実施した際の集合写真。

阿部: 八嶋さんのマイプロを教えてもらえますか。

八嶋:私のマイプロは「大学の友人や身近な人達と自由なマイプロの場を創ること」です。なぜこれをやりたいのかというと、一人ひとりがまっすぐに自分の心の声と向き合えることや、お互いに話を真剣に聴き合えることで、モヤモヤしていた自分の考えや思いが少し違った角度で見えるようになって、一人で悩んでいるよりも、もっと良い行動や関係性が生まれると思ったからです。

私がマイプロに向き合った3期の間に経験したことを、一番近くで普段から関わることが出来る友達にも共有したいと思いました。人生の価値や、やってみたいこと、夢の話はなかなか普段はしませんが、そんな大切な話を安心して仲間に共有し合える、そんな関係をみんなで楽しく創っていけたら、本当に幸せですよね。

阿部:たしかに、日常の中で何でも言い合える関係は素敵だね。最初は異なるマイプロを実践していたと記憶していますが、期間中どんな変化がありましたか。

八嶋:参加当初は、「毎週おじいちゃんの家に通う」というマイプロを考えていたんです。学生団体に所属していたときは、大きなテーマで活動していたので、これからは見落としていた、自分にとって一番身近で大切なことをしていきたいと考えていました。

「おじいちゃん家に行く」ことを3期に参加している仲間に話をしたらいいね!って言ってもらって、みんなに報告するから毎週行けました。それまで、学校帰りに荷物を持って行くのは大変かなと考えたり、授業やサークルなど忙しいのだから、私は勉強していた方が良いのかもしれないと思ったりもして、なかなか行動を起こせないでいました。しかし、おじいちゃんの認知症がだんだん進行し始め、普段はあまりご飯を食べられないけど、私が行くとご飯を食べてくれたりすることがあったので、これはどんな制約があるとしても今を逃したら本当に通う価値のあるこの機会は二度と来ないかもしれない、と感じるようになりました。私が行って、ほんの少しでもおじいちゃんに喜んでもらって、そうすると自分も落ち着いてきて、いままでは本当にやりたかったこのことを置いてきぼりにしていたので、自分で決めたこと、自分の大事なことをできることがこんなにも落ち着くのかと、ほっとするような不思議な思いがありました。

「落ち着く」っていうのは人生の大事なことを、本当に大事にできているなと感じるということで、それってなかなかできない。この感覚を周りの人にも感じてもらいたいと思ったんです。友達との話は、バイトや勉強が大変といういつもの話で終ってしまいがちです。しかし、一人ひとりとしっかりと話すと素敵な夢を持っていたり、本当はこんなことをやってみたいという気持ちがあったりする。でも、それを表にだせるような機会は、普段の生活の中ではあまりにも少なくて、他の人と比べたり、誰にも話せず考え込んだりしているうちに自分は全然ダメなのではないか、なんて思ってしまうことってほんとに多い。そうしているうちに、持っていた大切なこと自体を諦めてしまいがちなのだけれど、本当はみんなにマイプロみたいな、思いを表に出すという機会があれば、それぞれのやりたかったことや、心の奥底に隠れていた、本人も見えていなかったことなどが出てくるんじゃないかと思って、1番身近な友達でやろうと思いました。

阿部:具体的にどんなアクションから始めたのですか。

八嶋:実際に本プログラムで使ったシートや仲間にもらったメッセージシートが嬉しくてそれを友達に見せびらかしていたら(笑)、友達も興味を持ってくれたんです。可愛さんにお願いしたら手伝ってくださることになって、周りに自分の人生をどうしたいか考えたいという人がいっぱいいたので声かけたら10〜15人集まってくれました。プログラムの期間中に計画を立て、マイプロが終わってから、実際に実践しました。

阿部:最終的に、考えていたマイプロはその後どうなったんですか。

八嶋:プログラム終了後の2月から5月にかけて、全部で7回、友達と集まってマイプロをやって、最後は発表会をしました。今度夏にはもう1回会って、その発表会を撮ったビデオを見て、夏休みにもマイプロを少しでもできたらいいと考えています。参加者の友達からもたくさん要請もありました。

阿部:友達からもかなり好評だったんだね。どうしてそんなに好評だったんだろう?

八嶋:普通に学校だけでは話せない、人生感や、これまで辛かったこと、逆にいつも言えないお礼や、生きているってなんだろうって話だったり、幸せってなんだろうとか、そういう根本的な話を模造紙に書いたりしながら、みんなで話せたからだと思います。

 

「人の話をしっかりと聴く」というエッセンスは不変的に必要なこと

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阿部:3ヶ月でいろんな気づきがあって、それを周りに広げるためにかなり具体的に動いていたんだね。3ヶ月間のマイプロを通して八嶋さん自身の考え方に変化はありましたか。

八嶋:どんどん1人称で自分について考えられるようになったと思います。また、より自分についての手綱を強く考えるようになったことですかね。マイプロに参加するまでは、そんなに自分の考えを話す場もないし、そこに意見を貰えることも少なかったので、完全な1人称で話せる環境がすごく良かったと思います。自分というものがあるから他者と関われるし、他者とだけだと自分というものがなく関わっても磨くものがなくなってしまうし、自分だけだとそもそも磨けない。自分自身を深めてから、他者といっぱい話せるというのは、すごく大きかったし、1本太く芯ができたと思います。

阿部:マイプロを通して、自分の中での芯みたいなものがより強くなったんだね。最後に八嶋さんにとってマイプロとはなんだと思いますか。

八嶋:自分でやってみて、人に話を聞いてもらったり、学生と社会人だったり普段の立場や環境、価値観が違う人と、こうして対等にお互いに尊重して話すことができるということは財産だと思うし、大事な第三の場だと思います。また自分の中で過去も現在もこれから先も、マイプロの中の「人の話をしっかりと聴く」というエッセンスは不変的に必要なことだと思っていて、どんなことをする時にも重要となってくる要素だと思うので、今こうしてどんな意味があるんだろうと考えながら、実践できるというところにきっともっと大きなところにつながっているなと感じる可能性があるんだと思っています。

阿部:ありがとうございました。

八嶋:ありがとうございました。

 

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【KAIGO MY PROJECTインタビュー vol.6】社交ダンスを通じて介護に関わる人を元気に

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プロジェクト名:社交ダンスを通じて介護に関わる人を元気に

大村優太 小規模多機能居宅介護支援事業所 介護士

 

秋本:KAIGO MY PROJECTの参加動機を教えて下さい。

 

大村:2月に仕事を辞めたため時間に余裕ができ、色んなことを考えている中で、タイミングよく1期がスタートすることを知りました。自分のことを真剣に見つめる機会になると思い、参加しました。

 

秋本:どんなマイプロが生まれましたか。

 

大村:最初は漠然と人と人とがつながれる場づくりをしたいと思っていましたが、自分を振り返る中で、趣味で学生時代に経験していた社交ダンスを介護に関わる人たちに見てもらいたい、触れてもらいたいと思うようになりました。偶然にもKAIGO MY PROJECT1期に、社交ダンスをやっているメンバーがいて、一緒にプロジェクトを立ち上げることになりました。初回は、“住んでいる町でもっと遊ぼう”をコンセプトに、太子堂商店街脇の緑道で定期開催されているイベント「三軒茶屋まち道楽」に出演することになりました。11月29日(日)に開催されるので、今はメンバーと定期的にミーティングを行い準備に励んでいます。

 

秋本:楽しみですね。3ヶ月ともに過ごす中で、個人的にメンバーの中でも変化が大きかったように感じているのですが、いかがでしょうか。

 

大村:参加した当初は、次の仕事を探し始めている頃でとても焦っていて、自分に自信を持てませんでした。そんな中でKAIGO MY PROJECTに参加し、ただ否定的に捉えていたところが、仲間の質問によって捉え方が変化して、自分自身のことを一歩引いてみることができるようになりました。もちろん、常にそう在れるわけではなく、まだまだ仕事のときは冷静になれないときもまだありますけどね。

 

秋本:当初はとても悩んでいましたもんね。何が影響して変化につながったと思いますか?

 

大村: 最初は、ただ誰かに話しを聞いてもらったことで、少し気持ちが楽になりました。言葉にしていくうちに、自然に整理することができました。これまで溜め込んでしまっていたものが浄化されたような感覚でしたね。KAIGO MY PROJECTで、何でも話しができる仲間ができたことが大きかったのかもしれません。

職場や大学の友達など、近しい関係の人にはなかなか言えないことってありますよね。社会人になってから、職場とは違うところで仲間をつくりたいと思っていました。色々なコミュニティ活動に参加してみましたが、介護関係の人の集まりは見つからず、偶然見つけたのがHEISEI KAIGO LEADERSでした。立場や興味関心が近い仲間だからこそ開示できる自分の思いがありました。

KAIGO MY PROJECTの3ヶ月は、大学のゼミの活動と近い感覚があります。ゼミでは、1年間を通じて4人で協力しながら研究活動を行いました。KAIGO MY PROJECTは3ヶ月とゼミよりも時間は圧倒的に短いですが、そのときよりも深いつながりができていると感じます。また、ゼミのときはゼミが終わるとプロジェクトも終わってしまいましたが、マイプロは継続するというか、誰かからやらされるのではなく自分の想いから生まれたプロジェクトだから続くというのも大きいですね。まあ、僕のプロジェクトはこれからが本番ですし…。(笑)

 

秋本:就職も決まったみたいですが、今仕事はどうですか?

 

大村:今は小規模多機能の現場スタッフとして働いていますが、以前働いていた特養よりも親密に利用者さんと関わることができるので、今は楽しく働いています。

 

秋本:なぜまた介護に戻ろうと思ったのでしょうか。

 

大村:正直、どこでもいいから早く就職したいという気持ちはありました。しかし、それでは続かなくなってしまう可能性もあるので自分を見つめる時間は大切だと思いました。前の介護施設では現場スタッフから事務に異動になりました。期間中、過去を振り返る中で、利用者さんと接している時間と、事務員として働いている時間を比べ、やっぱり現場がいいなと思いました。事務員として喫茶のお手伝いをすることがあったときに、前に担当していたフロアの利用者さんが自分のことを覚えていてくれて嬉しかったのを強く覚えています。

 

秋本:それに気付けたことで、今の仕事への携わり方に何か変化がありましたか。

 

大村:以前働いていた特養と比べると、今の現場は規模も小さくこじんまりとしていることで人と人との関係性が前よりも近いように感じます。人間関係が上手くいかないときはケアにも影響してくるので、今は思うことがあったらすぐ言って欲しいということを職員や利用者さんに伝えています。

 

秋本:最後に今後のプロジェクトの展望を教えて下さい。

 

大村:今はまず、1回目を成功させることを考えています。今後、社交ダンスを施設や、自分の地元でもやってみたいなと思っています。

 

秋本:ありがとうございました!

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【KAIGO MY PROJECT インタビュー vol.5】 外山真悠美 訪問看護の現場でうまれた、日常に“リラックス”の瞬間づくり。

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プロジェクト名:生き生きリラックスした生活!!

外山真悠美 訪問看護 看護師

 

秋本:KAIGO MY PROJECTの参加動機を教えて下さい。

 

外山:一昨年の12月末のHEISEI KAIGO LEADERSのイベント「2025 COUNTDOWN PARTY」に参加した時にKAIGO MY PROJECTのことを知りました。予防医学に興味があり、何かやりたいと思っていたものの、具体的な行動は起こせていませんでした。そんな私でもいいのかと思っていましたが、いい機会になるかもしれないと思い参加しました。

 

秋本:どんなマイプロが生まれましたか。

 

外山:私のマイプロは、「香りによる生き生きリラックスした生活」をつくることです。香りを含めて、手段にこだわりはないのですが、“生き生きリラックスした生活”をどうやったら送ることができるのかが、ワタシの最大の関心事でした。

 

秋本:なぜ“生き生きリラックスした生活”を送ることに強い関心を持っているんですか。

 

外山:病院から在宅の現場に移ってから、介護者が疲弊していく姿を目の当たりにしました。訪問看護の現場では、ご家庭にお邪魔するので、親密にご家族と関わりを持ちます。

 

そこで強く印象に残る2つのご家族との出会いがありました。1つ目のご家族は、利用者さんのことが大好きでとても丁寧に接する反面、自分のことは蔑ろにしており、気付いたら肺がんを患っていました。日に日に体調が悪化しているのにも関わらず、私が「入院して下さい」と訴えるまでは、入院せずに介護をしたがりました。そして2つ目のご家族は、旦那さんが奥さんを介護しているケースだったのですが、1つ目の家族に反して、今まで連れ添ってきたことを疑ってしまうくらいに、日々暴言を浴びせられていました。こんな感じになってしまうのかと、内心驚きました。

 

2つのご家族の状況を目の当たりにしたとき、状況の違いはあれ、自分自身の余裕がなくなると、人に対していい接し方ができなくなることを痛感しました。これは介護に限らず日常生活の中でもよくあり、結局は同じだなと感じました。

 

秋本:そこから具体的なマイプロとして、どんなことを実践しましたか。

 

外山:余裕がうまれるためには、人とのつながり、身体のメンテナンスをしっかりできていることや自分を振り返る機会が大事なのではないかと思いました。しかしKAIGO MY PROJECTの参加当時は、「こうあるべき」と大きいことばかりイメージしていて、具体的なプロジェクトに落とし込めていませんでした。プログラムの中で、メンバーから「今できる身の回りの小さなことから始めてみればいいのでは?」と提案してもらって、一緒に具体化していきました。

 

まずは身の回りの友達、職場の人に自分を大切にして欲しいと思い、香りやアロマの知識を教えてあげたり、友達の状況に合わせて香り包みをつくってプレゼントしたりしました。

 

秋本:私にもリラックス効果があるカモミールの包みをくれましたよね。3ヶ月終わったあと、プロジェクトの変化はありますか。

 

外山:実践していく中で、アロマだけではなく、もともと予防医療に興味があったことは人に話すことはほとんどなかったのですが、3ヶ月後は自然と予防医療に興味があることを人に伝えるようになっていました。意外と言葉にしたら「俺も〜!」って繋がりができて、何かやりたいねって話す仲間ができました。

 

今はまだできることが限られていますが、もっと大きなアクションに繋げていきたいと思い、10月からメディカルアロマとリンパマッサージのスクールに通うことに決めました。

 

秋本:え!!すごい!

 

外山:実はKAIGO MY PROJECTが3月末に終わって5月には通うことを決めていて、手続きは5月に済んでいるんです。仕事の関係で予定が合いませんでしたが、10月から通います。アロマに関することだけでなく、身体の知識や、できることを広めていけたらと思っています。

 

KAIGO MY PROJECTに参加していなかったら、スクールを探したりもしてないと思うので、とても大きなきっかけになっています。

 

秋本:3ヶ月を振り返って、外山さんは何から影響を受けたと思いますか。

 

外山:3ヶ月の中で、「何かしらやりたい!」という気持ちがどんどん強くなっていったように思います。それは、周りのメンバーがアクションして輝いていく姿を見て、後押しされたように思います。

 

秋本:KAIGO MY PROJECTに参加して気付いたことはありますか。

 

外山:一番大きかったのは、人に話すことで新たな気づきを得られることを知りました。自分の中の思いを言葉で表現したら、自分が思っていたこととは違う角度からの新たな考え方にたくさん気付けました。これまでは人に話をしても、「そうなんだ」「へ〜すごいね」と言われるくらいでしたが、ここではみんながお互いにお互いのプロジェクトがどうやったら前に進むか考えるので、プログラムの度に質問や提案をもらい深まっていきました。

 

秋本:その学びや気付きが仕事に活きていると感じることはありますか。

 

外山:3つあります。1つは、参加前までは、自分の考えと異なるとすぐに反発してしまう傾向があったのですが、まずは相手を受け入れるようになりました。まずは自分の中で受け入れてから、咀嚼して、考えて、自分のものにすることを意識しています。

 

2つ目は、参加者が介護に携わっている人が多かったからかもしれませんが、これまで仕事として介護に関わっているだけで、深い関心はありませんでしたが、社会的課題としての関心を強く持つようになりました。ニュースでの介護に関する事件も、これまでは聞き流していたのですが、実際どういう思いだったのかなどシーンを具体的に考えたり、どうやったら解決できるんだろうと思うようになりました。

 

最後に、利用者さんとのコミュニケーションです。利用者さんの話しを、これまでは業務の流れの中で聞いていたのを、しっかり聴くことが多くなりました。何気ない日常の会話を楽しめるようになりました。

 

秋本:今後のマイプロの進展楽しみにしています!ありがとうございました。

 

【KAIGO MY PROJECTインタビューvol.4】黒澤絵美 仲間に想いを伝えること・仲間の想いを聞くこと

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プロジェクト名:仲間に想いを伝えること・仲間の想いを聞くこと

黒澤絵美 障害者支援 現場リーダー

 

佐藤:黒澤さんのマイプロを教えてください。

 

黒澤:私は自身が務める障害者支援の「スタッフのサービスレベル向上」が当初掲げていたプロジェクトでした。しかし、3ヶ月のプログラム内でメンバーと対話を重ねるうちに、最終到達地がそこだとしても、途中のプロセスでそれぞれが強みを活かし、役割を果たすことが大事なのではないかと考えるようになりました。そこから、人材を育成できる土台作りが大切だと思い始めました。

 

佐藤:もともと黒澤さんの現場ではどのような課題があったのでしょうか。

 

黒澤:受け入れる障害者の幅が広がっているのに対し、施設のスタッフの知識も技術が足りていませんでした。だからといって、研修を導入すれば解決するかという問題ではなく、受け入れたことに対し、まずは1人ひとりが責任を持ち、質を上げようという意識を持つことが大事だと思いました。

いくら仕組みをつくって伝えても、自分事にならないと、楽しくやれないんだろうなと感じたんです。なので、私のマイプロは途中から、今の職場のメンバーに自分が思っていることをシェアして、共感してもらうことに変わりました。

 

佐藤:具体的にどのようなアクションをしましたか。

 

黒澤:今まで自分がどういうことを考えてきたか、今までに話したことがなかった人たちに話してみました。

 

佐藤:どんな反応が返ってきましたか。

 

黒澤:人によって様々でした。障害者支援の仕事に想いを持って働いている人もいれば、自分の生活のために働いている人もいますからね。

 

佐藤:反応が返ってこなくても、行動して良かったと思いましたか。

 

黒澤:そうですね、1人ひとりの話を聞くことができましたからね。同じ職場という近いところにいたとしても、誰かから聞いた話に影響され、「この人はこういう人だ」と固定概念持ってしまうじゃないですか。聞いた話は他人の価値観であって、自分がどう思うかはきちんと分けて考えないと、意外と現実が見えていないなと、最近感じるようになってきました。

 

佐藤:とても素晴らしい気付きですね。行動したからこそ、気付くことってありますよね。

 

黒澤:最初はとりあえずやってみよう!という感じでした。実際やってみると「聞く」って本当に難しいなと感じました。意識して聞いているつもりでも、全然足りないことを、KAIGO MY PROJECTのプログラム内にあったワークを通じて感じました。ケアにも通ずるため、そのワークは自分の事業所に持って帰ってスタッフ同士でやっています。

 

佐藤:どのような気付きを得ることができましたか。

 

黒澤:「短時間なのに凄く疲れた」「これを日常から使えたら変わりますよね」とか、普段「聞く」ということがどれだけできていないか感じながらもその重要性に気付いてくれたみたいでした。

スタッフを交えて月に一度会議を行っている中で、このワークはやろうって話になりました。1年継続してどのような変化があるか、また、モチベーションのスイッチを入れる効果や、仕事に対する姿勢をリセットできる機会になることを期待して導入を決めました。

 

佐藤:私もそのワーク早くやってみたいです!その他の成果はありましたか。

 

黒澤:メンバーと話すようになり、自分がベストだと思うスタッフが、必ずしもベストではないと思いました。

 

佐藤:自分が思う理想像が変わったということでしょうか。

 

黒澤:100人いたら100通りの考えがある。それはそれで良いんだと思えるようになりました。最終的にご利用者様の幸せに繋がっているなら。やり方だったり、見せ方をどうするかではなく、「その人を幸せにする」ということに対して、その人がどういう想いを持っていて、そこにどのように向き合っているのかは、聞かないと判断できません。だから話すことや聞くことが何よりも大事だと感じました。
佐藤:そのことに気付いてどのような変化がありますか。

 

黒澤:人と話をしていて、面白いと感じることが増えました。意外なところで共感したり、もっと話したいなって想いが湧きました。それが他の人同士でも、そう思えるようになる仕組みを作りたいなと思いましたね。KAIGO MY PROJECTのワークを取り入れることで、良いイノベーションが生まれるのではないかと期待しています。

 

あとは、力を入れすぎないようになりました。もともととても1人でストイックに打ち込んでしまうタイプだったのですが、仲間の力を信じ、それぞれがどこかで波に乗ってくれればよいなって思うようになりました。

 

佐藤:焦りが無くなったってことでしょうか。

 

黒澤:1人でやるには限界があるなって感じました。これが腑に落ちたんです。

 

佐藤:私も力んじゃうタイプです(笑)

 

黒澤:KAIGO MY PROJECTのメンバーは、始めはそれぞれが「自分のため」に参加していたと思うのですが、「この人の為になるには?」っていう想いが自然発生するんです。しかも、結局それが自分自身の為になって返ってくるんですよね。自分の為より人の為に行動しているときの方が、学びは大きいんです。

 

佐藤:確かに何かを学ぶときは必ずと言っていい程、他者が関わっていますね。

 

黒澤:何かを成し遂げる人って必ず1人じゃないんですよね。それをKAIGO MY PROJECTで体感しました。KAIGO MY PROJECTでは、他者の為っていうのが前提として参加者全員の意識に共有されていますが、会社にはそんなルールはありません。そういう場が整っているか否かで、コミュニケーションの価値の差は歴然です。だからその前提を、どうやって会社に作るか、人が育つかどうかもそれに尽きるなと感じました。

 

佐藤:ご利用者様の為だけでなく、ご利用者様に関わるスタッフの環境を整えるかが重要ということですね。最後に、黒澤さん自身が3ヶ月のプログラムを経て1番変わったことを教えてください。

 

黒澤:スタッフに考え方を押し付けたり、やり方を一方的に伝えたりすることがなくなりました。もっと良くなるはずだから、今が絶対じゃないと、仲間を信じ向き合えるようになりました。

 

佐藤:人の意見を聞き入れやすくなったってことでしょうか。

 

黒澤:そうですね、人の話もすぐに判断するのではなく、「そうかそうか」とまずは受け入れて聞くようになったと思います。結局目的は「ご利用者様を幸せにする」って皆同じ想いですからね。

 

佐藤:お話を聞いていて、未来への道が開けるような印象を受けました。ありがとうございました。

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黒澤絵美 Facebook

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【KAIGO MY PROJECTインタビューvol.3】山本健治 目指せ!オンリーワン介護士!

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プロジェクト名:目指せ!オンリーワン介護士!

山本健治 グループホーム 介護スタッフ

 

秋本:山本さんのマイプロを教えて下さい。

 

山本:介護士が趣味や特技を活かして、その人にしかできないケアを提供する『目指せ!オンリーワン介護士プロジェクト』です。KAIGO MY PROJECTの期間中は、まずは自分が「オンリーワン介護士」になろうと思い、趣味のアロマの知識と、以前の職場でやっていたオイルマッサージとタクティールケアを合わせ、「いやしの介護士」を目指し、自身の現場のご利用者様や職員に実践しました。

 

秋本:なぜ、そのプロジェクトをやろうと思ったのですか?

 

山本:私は幼い頃から、人と同じであることが嫌で、自分にしかできないことや、周りの人がやったことのないことに興味がありました。しかし、介護の現場で働き始めてからは、自分が主役ではなく、ご利用者様が主役であるため、自分を表現出来ないと感じていました。一緒に働いている人も、1人1人が特技や強みを持っていて、それがもっとケアに活かせたらもっと楽しくなるのではないかと思い、プロジェクトを始めることにしました。

 

秋本:オンリーワン介護士として一歩目に何をしましたか?

 

山本:まずは「マッサージ介護士!!」と書いた名札を作って、ネームカードの上に貼りました。しかし、スタッフにも何も触れてもらえませんでした。予想以上に反応がなくて、ちょっと寂しかったです。

 

秋本:あれは正直、反応し辛かったと思いますよ。(笑)まさか付箋で作るなんて誰も予想していませんでしたね。(笑) Facebookのグループページで山本さんが投稿してくれたとき、コメントの盛り上がりが凄かったですね。(笑)ただ、ここでめげずにすぐに次の一歩に踏み出しましたよね。

 

山本:はい。まずはご利用者様にマッサージを実施させて頂きました。

 

山本:ご利用者様には「気持ちいい〜」と、大変喜んで頂いたのですが、すぐに上司から指摘を受けました。60代の13年間勤続のベテラン介護士で、「机が汚れる」「私はこの匂いが好きじゃない」「ご飯を食べる前に手を洗う手間が増えるじゃない」と真っ向から否定されてしまいました。

 

「すべてスタッフの都合じゃん!」と、内心では憤りを感じていました。ベテラン介護士の言葉に、他のスタッフは見て見ぬ振りという感じで、言い返したいのにその場では何も言えませんでした。

 

秋本:その日にすぐにFacebookのメンバーのグループページに投稿してくれましたね。

 

山本:グループページで一連の流れを全て報告させて頂きましたが、メンバーからのコメントにとても勇気づけられ、ここで諦めたらダメだと思いました。コメントでの会話の中で、ベテラン介護士に「スタッフにやってあげたら!むしろ私にやって」と言われたのを思い出し、次の日上司に「やらせて下さい!」とお願いにいき、マッサージをやらせて頂いたら、「すごい気持ちいい。またやって」と言われました。

 

秋本:本当にすごい。そのあとご利用者様への実施はできましたか。

 

山本:それが、「今の棟のご利用者様は反応が薄いから、他の棟のご利用者様にやればいいんじゃないの?」って言われて、まだできていません。やっぱり極力無駄なことは増やしたくないのだと思います。

 

秋本:・・・。

 

山本:なのでできるところからやろうと思い、今は他の棟のスタッフの人にまずは体験してもらっています。5月のガーデンパーティー(ご家族を呼んでやるイベント)でやりたかったのですが、時間的な問題と、僕がイベント運営担当だったために、個人で動ける時間が取れず、できませんでした。つい先日、会社でマッサージを使ったタクティールケアを今後やっていくかもしれないという告知があったので、理事長にタクティールケアの普及が必要であれば、僕にやらせてください!と、直談判の手紙を送りました。

 

秋本:おお、すごい!

 

山本:理事長から一か月以上立っても返事が来なかったのですが、先日施設長から、「タクティールケアの研修を受けて来て下さい!」と言われました。その後日、理事長から施設長に「行かせてやって欲しい」と言われたそうです。

 

秋本:理事長もしっかり山本さんのことを見てくれていたんですね。どんどん山本さんのマイプロがご自身の現場でカタチになってきていますね。KAIGO MY PROJECTの期間を経て、どんな変化があったのでしょうか?

 

山本:KAIGO MY PROJECTに参加した動機は、やりたいことを見つけたかったからです。参加前も、色々自分で考えて、自己分析はしていましたが、ずっと自分に自信がありませんでした。

自分が思うこと全てが正しいと思えなくて、本当にやりたいことってなんだろうと、迷っている状態でした。

 

実際に参加して、今壁に何度もぶつかりながらも挫けずに前に進もうと思える、やりたいことが見つかりました。だからこそ行動ができています。私自身の1番の変化は、自分が動き出せたことだと思います。今まで考えていただけで、何もできていませんでした。自分がどういうことが好きで、どういうことに喜びを感じるのか分かったのは、KAIGO MY PROJECTがあったからです。

 

ここには自分のことに真剣に向き合ってくれて、後押ししてくれる信頼できる仲間がいて、とても安心感がありました。これまでもずっと考えていたのに全く動けませんでしたが、応援してくれる存在がこんなにも大きいということを知りました。そんな仲間がいるということも、KAIGO MY PROJECTに参加する前とは大きな違いですね。

 

秋本:最後に、山本さんにとってKAIGO MY PROJECTって何ですか。

 

山本:人生の転機です。去年の6月にうつ状態になって、薬を全く呑まなくなったのが10月、KAIGO MY PROJECTに参加したのが今年の1月でした。うつ状態になったときは、不平不満しか言いませんでしたし、とにかく全てに置いてマイナスの感情しか持てませんでした。そんな自分にやりたいことが見つかって、それを周りの人に話して、承認してもらえて、前向きに行動ができるようになった人生の転機です。

 

秋本:ありがとうございました。

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山本健治 Facebook

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【KAIGO MY PROJECTインタビューvol.2】渡邊恵美 もう一度介護という道を選んだワケ

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プロジェクト名:自分のことを愛す
渡邊恵美 デイサービス 介護スタッフ

 

佐藤:KAIGO MY PROJECTの参加動機を教えて下さい。

渡邊:特養のユニット型施設で介護職を3年半続けて、現場で働くことに希望が見いだせず、介護を続けていく意味が分からなくなりました。そんなときにお世話になっているNPO団体から可愛ちゃん(Join for Kaigo 代表 秋本可愛)を紹介して頂き、初めは参加を迷ったけれど、せっかくのご縁だと思い、参加を決めました。

佐藤:希望が見えないとは、具体的にどんな状況でしょうか。

渡邊:職員が日々の仕事の業務に追われて、ご利用者様のリハビリや談笑等が後回しとなり、日を重ねる毎にご利用者様のADLが落ちるんですよ。足の筋力が衰えて、自立で歩けていた人が歩行器を使用するようになり、最後には車椅子になっていく事例はよくありました。また相手の話を理解して会話できていた人が、できなくなってしまうこともよくありました。そのような現状を目の当たりする事がとても嫌でした。

さらに同僚・上司・私も含めて、身体に介護負担が来て腰を悪くしたり、夜勤業務やご利用者様からの粗暴行為や精神的ストレスでウツ状態になってしまった仲間の介護職員の姿に、将来への不安は募るばかりでした。

加えて介護業界のイメージは私の中でいい印象は無く、仕事に「誇り」を持てていませんでした。

 

佐藤:私も感じることかもしれないことです・・・。渡邊さんのマイプロを教えて頂けますか。

渡邊:自分をもっと知って自分にしか出来ないことを見つけることが、私のプロジェクトでした。

佐藤:なぜそのプロジェクトにしたんですか。

渡邊:希望が見えなくなったときに、「私って何をしたら良いんだろう」「そもそも自分って何?」って思い、そのままこれをプロジェクトにしようと思いました。

佐藤:そこから見えたことは何でしょうか。

渡邊:介護現場に戻りたいなと思いました。私、KAIGO MY PROJECTを始めた当初は、介護の仕事を一旦離れ、事務職として働いていました。ですが、KAIGO MY PROJECTに参加して、自分の過去や自分自身を見つめる中で、自分の性質が福祉そのものにあっていることや、人の傍でお世話をすることに、とても喜びを感じていたことを思い出したんです。

 

佐藤:介護の仕事を辞めていたんですね!でも、どうして改めて介護に戻りたいって思えたのでしょうか。

渡邊:自分(ME編)を深めていったおかげです。半年間の就職活動の最中、「私がやりたい職業って何だろう?」って自分に問い続けました。働くのなら自分のやりたいこと、楽しいことや何か将来に繋がるものが良いなと思いました。辛くてもやり甲斐のあることにしようと思い、自分自身を見つめていくと、私にとって「介護現場で働くこと」はやり甲斐のある仕事であることに気づいたのです。

佐藤:自分に向き合った結果、介護現場に戻りたいと思えたんですね。そこに辿り着くまでに何か行動したことはありますか。

渡邊:自分の興味のあるものに貪欲に突き進んでみました。まずは可愛ちゃんからご紹介頂いた藤沢で小規模多機能居宅介護やデイザービスなどを運営する、「あおいけあ」を訪問しました。そこは、ご利用者様の自主性を尊重していて、私がこれまで見てきた介護施設ではありえない光景が広がっていました。私がやってきた介護って何だったんだろう?と問われた気がして、涙が出ました。

その他にもKAIGO MY PROJECTの初回に、ゲストとしてお越し下さった社会福祉法人のウエルガーデン伊興園の施設長である杉本浩司さんの介護理念に魅力を感じ、施設に行って杉本さんの介護観や施設内のこだわりをお聞きしました。

そして杉本さんが勉強された「竹内理論」を学んでみたくなり、その学会のシンポジウム開催の情報を教えてもらい竹内教授に会いに行きました。竹内教授に同理論を実践しているリハビリ特化のデイサービスを運営する医師をご紹介頂きました。この理論を私はまだ語れませんが、「歩けないから車いす」ではなくて、「歩けない原因を知り、あなたのペースでリビリして歩けるようになりましょう」といった前向きな現状維持でも低下でもない、改善スタイルが介護にもあることを新しく知り、介護の世界は広い!と、とてもやる気が出ました。

そして、来月から竹内理論を実践するデイサービスで働くこととなりました。

佐藤:おめでとうございます!渡邊さんの関心から繋がりがどんどん広がっていて、凄いですね!そのご縁は舞い降りてきたのでしょうか。

渡邊:自分から掴みました。相手は私に連絡する必要はないからこそ、私から行動して想いを伝えました。ここで繋がれた方々を私は尊敬しているし、みなさん、私を気持ちよく受け入れて下さいました。

 

佐藤:渡邊さんにとってKAIGO MY PROJECTとはどんなものでしたか?

渡邊:もし言うのだとしたら、私にとっては仕事を探す場でした。KAIGO MY PROJECTに参加していなければ、納得感を持ってデイサービスへのステップに進むことはなかったと思います。

あと、自分を深めるきっかけになりました。とてもネガティブで、人の意見に左右されやすかったのですが、まず自分が自分を認めてあげるために、「自分のことを愛す。」ことが最終的なプロジェクトになりましたね。

佐藤;自分のことを認めるのと認めないのだと、何か変わるのでしょうか。

渡邊:私も全部受け止められているかと言われたら、そうではありませんが、受け止めなければずっと反発してしまい、嫌悪感や嫉妬が生まれ、苦しくなってしまいます。でも、「私はこういう一面がある。でもそれはそれで良い」って包み込んであげると、心が平穏なんですよ。

佐藤:認めないと苦しい方向に進んで行ってしまうんですね。

渡邊:そうなんです。自分の気持ちを自分が気付き、汲み取ってあげることが出来るようになるきっかけが、この場でした。それにカミングアウト出来る仲間がいたことは大きいですね。自分が苦しんでいたり、喜んでいたりする思いは意外と他の人も感じていることに気付くこともできました。とても面白く、やった甲斐がありました。

佐藤:すごく濃い3カ月間だったんですね。マイプロをやって何が変わりましたか?

渡邊:自分の過去を見つめて、こんなにも色んな事があったらこんな人間が出来上がるよなって納得しました。「私の過去は大変だった。それならこういう私だからこそ出来ることってなんだろうね」って。マイプロが私の背中を押してくれました。自分史を深めるきっかけにもなり、自分で自分に興味を持てたし、今、自分の可能性っていっぱいあるなと思えています。

佐藤:プラスの方向に進んで行っているんですね!では最後に可愛さんの魅力を教えてください。

渡邊:とてもニュートラルで融通が利きますね。あとは、自分で自分を深めているから冷静で熱くて芯がある。ぶれない。私より若いからこそ焦りも感じますが、尊敬できる子です。自分を見つめなおす機会をくれた可愛ちゃんには、本当に感謝しています。

佐藤:ありがとうございました。

 

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【KAIGO MY PROJECTインタビューvol.1】田中義望 介護現場のオープンアッププロジェクト

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プロジェクト名:介護現場のオープンアッププロジェクト
田中義望 デイサービス 管理者

 

秋本:KAIGO MY PROJECTの参加動機を教えて下さい。

田中:かあいちゃんに誘われて、面白そうだな〜くらいです。(笑)

秋本:ありがとうございます。(笑) 3ヶ月でどんなマイプロがうまれましたか?

田中:介護現場の質が悪い原因の1つに「介護事業所の閉鎖性」があると考え、「介護現場のオープンアッププロジェクト」を立案しました。

最初は「現場を良くしたい」「介護業界を良くしたい」といった漠然とした想いでしたが、プログラム期間内の実践を通じて具体化していきました。まずは知り合いの介護現場職員を事業所にボランティアスタッフとして招いてフィードバックをもらったり、事業所の職員を他事業所にボランティアに行って気付きを現場に持ち帰ってもらいました。スタッフからも「ボランティアを自分の呼んできていいか」などとの声もあがり、受け入れることでの気付きは大きかったものの、継続的に来てもらえないと質の向上にはつながらないと思いました。

継続的にボランティアや、地域の人が訪れる開放的な事業所になるにはどうすれば良いのか悩みました。メンバーから色々なアイディアをもらい、まずは地域の認知症家族の会や勉強会に参加し、自分自身が地域の人と繋がりをつくることから始めました。今後は、新たな繋がり中で見えて来た地域の人が抱える課題をテーマにしての勉強会や、近隣の事業者と合同の勉強会などを開催できたらと思っています。

 

秋本:小さくアクションして毎回気付きを得てシフトしていっているように感じるのですが、プログラム期間中はどのように進めていったのでしょうか?

田中:前半はme編に注力しました。もともと内省は就活のときから頻繁にしていたのですが、それを全部言語化するのは初めてでした。ましてや誰かに話したことなんてありませんでした。とても新鮮で、色んな人に話しを聞いてもらって、自分がなぜ介護の現場の質の向上に強く思い入れがあるのか、いくつもある原体験の中から格となるつながりが見え、クリアになってきました。

そのため、第5回目以降は自然にプロジェクトを進めることができました。プログラムの度にメンバーに実践したことのフィードバックをもらったり、新たなアイディアをもらいました。

 

秋本:KAIGO MY PROJECTに参加してから気付いたことや変化はありましたか?

田中:自分の過去にあったことを、抵抗なくありのままに人に話すことができるようになりました。一昨年、父の還暦を家族全員で祝った2ヶ月後に父に食道癌が見つかりました。幸い、発見が初期であったため1年間の抗がん剤治療を経て治りましたが、職場の人や友達など誰にも言うことができませんでした。誰かにありのままの自分を伝えることで、自分をより傷つけることになるのではないか、相手に迷惑をかけてしまうのではないかという恐れがありました。

秋本:そこからなぜ、ありのままに開示できるようになったのでしょうか?

田中:初日のプログラムで、参加者が自分は性同一性障害だとか、大好きな彼女が亡くなった話を聞いて、初めて会った人間によくそこまで開示できるなって思ったのと同時に、言ってくれる有り難さを感じました。それがあったから、自分も話そうと思うことができました。

秋本:仲間の開示が、背中を押してくれたんですね。

田中:自分の悩みを伝えることで、自分のためになんとか知恵をしぼって、一緒に考えてくれる人の温かさを知りました。原体験を話すことは、すぐに距離感を縮めてくれました。

 

秋本:参加してから実感している変化はありますか。

田中:周りに応援してくれる人や、味方が増えた気がしています。

プログラムの途中までは、どうやって相手が考えていないことを考えられる質問ができるようになるかなど、テクニック的なところに意識が向いていました。しかし、一番3ヶ月の中で大きな変化は、ためらうことなく誰かに自分のことを伝えることができるようになったことです。自分のことを開示できるようになるとか、全く予期していませんでした。

秋本:マイプロ参加後、何か仕事への影響はありましたか。

田中:人の人生に深く関わろうとするようになりました。心労がたたって休んでいた部下がいたのですが、深く介入しないとダメになってしまうと思い、とにかく話しを聞く時間をつくりました。また、問題を起こしてしまって責任を感じて辞めようとするスタッフがいて、僕が必ず責任持って教育するからと他のスタッフを説得したりもしました。以前より、自分が関わったことに意味を感じ、丁寧に関わるようになった気がします。

秋本:1人1人丁寧に関わるって、とても素敵ですね。ありがとうございました。

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