「ひと」に向き合う医療のかたち ~“医療×コーチング”実践の可能性~

KAIGO MY PROJECTは、慶應義塾大学SFCの井上英之教授が考案した「マイプロ」の手法を用いて、介護や医療などに関心を持った一人一人が、自分の思いを実現していくための3か月間のプログラムです。

体験イベントは、3時間という短い時間の中でプログラムの要素を体感していただくため、実践者として自分の思いを行動に移して活動されている方にお越し頂き、その方のHistory(Me編)や実践内容(Project編)についてお話し頂きます。

そして参加者の皆さんご自身が「マイ・プロジェクト」とはどんなものなのか、自分の思いや志を行動に移すとはどういうことなのか、について想像を膨らませることのできる機会にできたらと考えています。

10月27日の体験イベントでは、ゲストとして、東海大学血液・腫瘍内科 教授であり、メディカルコーチング研究会 代表世話人の安藤潔 (あんどう・きよし) 氏にお越し頂き医師として、患者さんや医療従事者同士のコミュニケーションをより良いものにするために模索してこられたこと、コーチングとは何かということ、そして医療従事者にとって、コーチングには本質的にどのような意味があるのかということなどについて、丁寧にお話し頂きました。

医学部では学んでこなかったこと

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安藤先生が医師として働き始められた1980年初頭は、日本では、ガンなどの病気は不治の病として患者さんにはほとんど告知をしていなかった時代です。そんな中、末期の胃がんの患者さんを受け持った安藤先生は「私はガンなのではないか」「どうして自分のことなのに、教えてくれないのか」と言う患者さんに、どのように返答をして良いのかがわからず、その方の病室に行くことさえも躊躇われてしまったそうです。医学部では人間の体について、病気について、たくさんのことを学んでいます。しかし、今、目のまえにいる患者さんの苦痛を少しでも和らげるような言葉のやりとりをすることが出来なかったのです。

そのことに愕然とした安藤先生は、医師として、患者さんの人生を尊重し、納得のできる対話をすることは実はとても難しいことだと気づき、医療におけるコミュニケーションの重要性についての学びを深め、現場の中で実践をされてこられたのでした。

 

「コーチング」との出会い、そのエッセンス

15683080_1205046956241100_1234078989_n目標やゴールを明確にして、効果的な質問を投げかけ、相手の目標達成の手助けをするのが、コーチングによるコミュニケーションの目指すところです。

人は、質問を受け、そのことに答えるなかで、自分でも気が付いていなかったことに気が付いたり、思考や行動を変化させたり(オートクライン)することが出来ます。

それによって、実現したいゴールのイメージを明確に思い描いたり、ロールモデルとなるものを見出したり、リソースを探したり、具体化したり、モチベーションを上げたりします。また、違う角度から物事を見たり、新しい考え方に気づいたりすることもあります。

患者さん、また医療従事者同士の対話の中で、お互いに良い変化が起こるようなコミュニケーションを行うために必要なこととして、例えば、こんなことがあります。

✔相手の話している内容に、判断を加えたり、評価をしたりしない

✔本当にその人にとって大切なことを言葉にするためにはエネルギーが必要であり、

だからこそ、「沈黙」を大切にする

✔語り手のキーワードを繰り返す、相手の方を向いて話しを聴くなど肯定的なノンバーバルメッセージを示す

✔相手の存在、行為、状態などを認め、それを言葉にして相手に伝える

✔「あなたは~な人ですね」という「You」メッセージではなく、「私は~感じました」や「私たちは~ですね」とIやWeから始まる一人称の言葉を伝えるようにする

これらの要素には、マイプロのエッセンスとも共通している部分がたくさんあります。

 

医師・実践者としての心がけ、伝えたいこと

15666355_1205046962907766_1818368064_n(安藤先生のお話しを伺った後、自分自身のマイプロをお話しされている参加者のみなさん)

コーチングという手法を使うからといって、患者さんとのコミュニケーションがすべて

上手くいくというわけではありません。また、コーチングのように「目標を明確にしてそれに向かって対話をする」という対話の手法が特に効果的ではない場合もあります。それは、ガンなどの病気の告知の直後や治療後の再発時など、患者さんに大きなストレスがかかっている時です。そのような時には、ただ側にいて、その人の語る人生の物語に耳を傾け、その人を全人格的な存在として理解しようと努めることにも大きな意味があります。

医師は多くの場合、「なんとしてでも、患者さんを救わなくては」と、一方通行のコミュニケーションをして、「患者さんを変えて差し上げる」ことを目指してしまうかもしれません。しかし、ほんとうに私たちがするべきことは、その人がその人らしく生きることが出来るように患者さんが本来持っている力を存分に引き出すことができるような支援をすることなのではないでしょうか。

 

KAIGO MY PROJECT 体験イベント毎月開催中!詳細はこちら

 

Present_11 山崎亮 コミュニティデザインから学ぶ。 地域を巻き込む”参加”のチカラ

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PRESENT_11 山崎亮
コミュニティデザインから学ぶ。地域を巻き込む”参加”のチカラ
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これからの地域福祉を語るうえで外せない 地域包括ケアシステム。
福祉の世界はもちろん、 これから先はきっとすべての分野で “地域を巻き込む力”が必要になってきます。

「自分たちの活動を地域住民に知ってほしい。 地域住民の方々にも参加してほしい」

そんな想いを抱いて呼びかけや案内を出しても、 回を重ねるうちに参加してもらえなくなってしまう…。

そんな声をよく聞きます。

どうしたら参加し続けてもらえるのか? どうしたら楽しみ続けてもらえるのか?

この疑問に対する一つの答えが、

“コミュニティデザイン”

すなわち、住民たちがまちづくりのプロセスに 自力で楽しさを見つけられるようにしていくこと なのかも知れません。

そのためには “住民の参加”が必要不可欠であると 今回のゲスト、コミュニティデザイナーの 山崎亮さんは語ります。

すでに生き生きと住民が活躍する、 地域での実践例があります。

PRESENT_11では、 地域福祉の未来のために不可欠な”住民参加”について

参加する動機となりうる「楽しさ」はどうデザインするのか? そもそも住民が参加することで何が生まれるのか?

実践例を交え、迫っていきたいと思います。

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■ゲストプロフィール
山崎亮[やまざき りょう]

studio-L代表。東北芸術工科大学教授(コミュニティデザイン学科長)。慶応義塾大学特別招聘教授。
1973年愛知県生まれ。大阪府立大学大学院および東京大学大学院修了。博士(工学)。建築・ランドスケープ設計事務所を経て、2005年にstudio-Lを設立。地域の課題を地域に住む人たちが解決するためのコミュニティデザインに携わる。まちづくりのワークショップ、住民参加型の総合計画づくり、市民参加型のパークマネジメントなどに関するプロジェクトが多い。「海士町総合振興計画」「studio-L伊賀事務所」「しまのわ2014」でグッドデザイン賞、「親子健康手帳」でキッズデザイン賞などを受賞。
著書に『コミュニティデザイン(学芸出版社:不動産協会賞受賞)』『コミュニティデザインの時代(中公新書)』『ソーシャルデザイン・アトラス(鹿島出版会)』『ふるさとを元気にする仕事(ちくまプリマー新書)』『コミュニティデザインの源流(太田出版)』などがある。

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【詳細】
日時:2017年2月18日(土) 18:30〜21:30(開場18:00)
会場:サイボウズ株式会社 オフィス
住所:東京都中央区日本橋2-7-1 東京日本橋タワー 27階
参加費:4,000円
飲食:軽食・飲み物あり!
定員:90名

お申し込みはこちら:http://present11.peatix.com/
※本申込みは上記リンクよりお願い致します。定員に達した場合は事前申込みを優先させて頂きますので、参加を希望される場合はお手数ですがお申し込み手続き頂きますようお願い致します。

★[シフト制のみなさま!]
1月末まで2月のシフト分かりません!!!って方は、【1月末】までにキャンセルのご連絡頂けましたら返金対応させて頂きますので、参加したいと思って頂いている方はお席の確保をお願い致します。

※但し、以下の場合は返金手数料としてキャンセル1件につき500円の手数料が発生しますので、ご注意下さい!
(1)クレジットカード払いにて支払日から50日以上経過している場合
(2)コンビニ・ATM払いでチケットを購入した場合
http://help.peatix.com/customer/portal/articles/151985
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【PRESENTについて】
2025年に向け、私たちは何を学び、どんな力を身につけ、どんな姿で迎えたいか。そんな問いから生まれた”欲張りな学びの場”「PRESENT」。「live in the present(今を生きる)」という私たちの意志のもと、私たちが私たちなりに日本の未来を考え、学びたいテーマをもとに素敵な講師をお招きし、一緒に考え対話し繋がるご褒美(プレゼント)のような学びの場です。

【special thanks!】
会場協賛 サイボウズ株式会社様

Present_10 下河原忠道 認知症を”未知のもの”にしない!vr × 介護で創る 認知症にやさしい社会

PRESENT_10 下河原忠道
認知症を“未知のもの”にしない!
VR×介護で創る 認知症にやさしい社会

” 百聞は一見に如かず ”

そんなことわざが日本にはあります。
物事に対しての理解を深めるとき、 聞くよりも見た方が、そして見るよりも体験した方が 深く早く正確に理解できるという意味のことわざです。
もちろん、知識を備えることは非常に重要です。
しかし、「実際の経験」を通して得るものには やはり代えがたい何かがあります。

認知症に対する「怖いもの」「遠いもの」というイメージ。
それらの根本にあるのは、 「自分が経験したことがない、未知のものに対する恐怖」 なのかも知れません。
日々 認知症の方のケアに携わる人であっても、 実際に認知症を経験したことはきっとないはずです。

今回お招きするゲストは、 世間の認知症に対するイメージ刷新を図ろうと VR認知症プロジェクトをスタートさせた 下河原忠道さん。
仮想現実の中で、 実際に自分に起こった出来事として 「認知症を聴覚と視覚から疑似体験」するとひとはどのように感じ、どのように変わるのか。ともすれば、これからの社会における認知症の捉え方が 全く違うものになるかもしません。
当日は参加者全員にVR認知症を体験して頂き、 その可能性に迫っていきます。

 

■ゲストプロフィール
下河原忠道[しもがわら ただみち]

株式会社シルバーウッド代表取締役,一般財団法人サービス付き高齢者向け住宅協会理事.高齢者住まい事業者団体連合会(高住連)幹事.

1988年Orange Coast College留学後,2000年株式会社シルバーウッド社設立.薄板軽量形鋼造構造躯体システム開発.特許取得に成功. 同構造の躯体パネル販売開始. 2011年直轄運営によるサービス付き高齢者向け住宅を開設. 現在設計中の計画を含め11棟の高齢者住宅の経営を行う.2016年VR認知症プロジェクト開始

著書:「もう点滴はいらない」(ヒポサイエンス出版).

■当日のご案内

日時:     2016年12月11日(日) 18:30〜(開場18:00)
会場:     サイボウズ株式会社 オフィス
住所:     東京都中央区日本橋2-7-1 東京日本橋タワー 27階
参加費:  4,000円
飲食:     軽食・飲み物あり!
定員:     90名

お申し込みはこちら:

application

http://present10.peatix.com/
※本申込は上記リンクよりお願い致します。定員に達した場合は、事前申込を優先させて頂きますので、参加を希望される場合はお手数ですがお申し込み手続き頂きますようお願い致します

 

PRESENT_09 排泄ケアを問い直す!

PRESENT_09 中西敦士

排泄ケアを問い直す!テクノロジーが生み出す介護の次なるスタンダード

“シモの世話” をされるって、どんな気持ちなんだろう。
排泄したいという感覚を 自分で把握できなくなったら、
排泄するかどうか、排泄したかどうか、を確認される状況になったら。
私たちは、誰の世話になるんだろう。
医師、ナース、介護士、リハビリ。
ひと一人の ”シモの世話” に関わる専門職が想像以上に多いということを
知っている人は、案外少ないのかも知れません。
誰かに排泄を世話してもらうとき、
人が当然感じる「恥ずかしい」「申し訳ない」という感情。
こうしたセンシティブな問題に対する答えのひとつが、
英語で「おむつ要らず(diaper free)」という意味を持つ
排泄予知デバイス、「DFree」。
超音波の技術を用いて体内の便の動きを観察し、
スマートフォン専用アプリで排泄のタイミングを通知してくれます。
思うように排泄ができないことで、外出やオシャレ、
積極的なコミュニケーションをあきらめている人が驚くほど多くいます。
DFreeは、単なる排泄予知による介護現場の業務効率化にとどまらず、
排泄介助が必要な人でも、日常を楽しめる可能性を秘めています。
09では、トリプル・ダブリュー代表・オーガナイザーの中西敦士氏を招き、
なぜこの問題に取り組んだのかという創業秘話や、DFreeがもたらす価値、
そして排泄ケアの “本質とは何か” についてお伺いしていきたいと思います。

■ゲストプロフィール
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中西 敦士
トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社 CEO
1983年生まれ。大学卒業後、 医療分野も含む新規事業立ち上げコンサルティングファームに従事。その後、青年海外協力隊に参加。2013年よりUCバークレー校でビジネスを学び、2014年、サンフランシスコにてTriple Wを設立

【詳細】
日時:2016年10月21日(金) 18:30〜(開場18:00)
会場:神楽坂Human Capital Studio
住所:東京都新宿区下宮比町2-12
※JR 「飯田橋駅」東口より徒歩5分
東京メトロ 有楽町線・南北線・東西線「飯田橋」駅 B1出口より徒歩3分
参加費:4,000円
   ※ご入金手続き後の返金は出来かねますのでご了承下さい。
飲食:軽食・飲み物あり!
定員:80名
参加対象:職種、年齢制限などは一切ございません。どなたでもご参加下さい。
その他:軽食・飲み物のご用意がございます。

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【KAIGO MY PROJECT インタビューvol.7】本当に大事なことは、なかなか大事にできない。 身近なものを大事にするために、大学生が踏み出した一歩とは。

語り手:八嶋美恵子(KAIGO MY PROJECT 3期・上智大学 社会福祉学科 2年)

聞き手:阿部準一(KAIGO MY PROJECT3期・人材企業)

この先何も決まっていないからこそ、参加した 14370324_1109438229135307_5905070196809414205_n

阿部:八嶋さんがマイプロに参加しようと思った理由を聞かせてもらえますか。

八嶋:実践を通じてリーダーシップを育んでいく学生団体に所属していたのですが、団体の先輩たちが可愛さんと知り合いで、私がこれからやっていきたいことと、可愛さんの活動に共通点があったり、話す雰囲気や目指していることがきっと合う気がすると言われて、可愛さんに興味をもったのがきっかけです。偶然参加したリーダーシップ研修に参加者として可愛さんが来られていたので、「やっとお会いできた!」と思い、お声かけさせていただきました。そうしてお話を聞きたいと言ったら、すぐにご飯食べに行こうよと誘っていただき、喜んで行くことになりました。

阿部:行動力がすごいね。可愛さんにそこまで会ってみたいと思ったのはなぜ?

八嶋:人を介護することや支援することを優しい人だけができる特殊なことや大変なことだと捉えるのではなく、これからの時代に、本当にすべての人が尊厳を持って互いに尊重し合って生きていくためにも、介護や支援などに関わる人自身が尊厳を持って働けたり、元気になれたりすることが大事なんじゃないかと考えていました。実は当時はほとんど可愛さんの活動の中身については知らなかったのですが、可愛さんが発信されていることなどを少し読んだだけで直感的にこの人に会いたいと感じていました。あとは、「HEISEI」と名前にあることからも分かるように世代感を意識されていて、これからの時代を生きて、一緒に時代を創っていく同じ世代の人が協力することにも絶対に意味があると思い、「私が行かなければ!」と思うきっかけにもなりました。

阿部:可愛さんの考え方に共感したのが大きかったんだね。

八嶋:実は初めてお会いしたときは、まだKAIGO MY PROJECT が始まる前で、私は大学1年生でした。KAIGO MY PROJECTが始まってからお誘いいただくこともあったのですが、興味はあるけどまだ自分が「マイプロ」というもの作れると思えなくて、すぐに参加するとは言えずに、もう少し成長してから参加しようと考えていました。

阿部:マイプロを何か大きなこととして捉えていたんだね。最初はこんな自分が行ってもいいのかなと思うし、自分が何をしたいかも全く決まってないことも多いよね。でもそこで3期に参加しようと思ったのはなぜ?

八嶋:ビジネスプランぐらいのものがないといけないと考えていました。でも改めて説明を読んだり、活動の様子を見たりしていると、この先何も決まってないからこそ、この場で考えられるんだとわかりました。ちょうど学生団体の活動も終わるタイミングだったので、躊躇うよりも参加する方がいい、タイミングは今しかないと思い参加しました。

 

身近な人だからこそ、人生の価値や夢などの大切な話を共有し合うこと

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八嶋さんの同じ学科や学生団体のときの仲間とマイプロ実施した際の集合写真。

阿部: 八嶋さんのマイプロを教えてもらえますか。

八嶋:私のマイプロは「大学の友人や身近な人達と自由なマイプロの場を創ること」です。なぜこれをやりたいのかというと、一人ひとりがまっすぐに自分の心の声と向き合えることや、お互いに話を真剣に聴き合えることで、モヤモヤしていた自分の考えや思いが少し違った角度で見えるようになって、一人で悩んでいるよりも、もっと良い行動や関係性が生まれると思ったからです。

私がマイプロに向き合った3期の間に経験したことを、一番近くで普段から関わることが出来る友達にも共有したいと思いました。人生の価値や、やってみたいこと、夢の話はなかなか普段はしませんが、そんな大切な話を安心して仲間に共有し合える、そんな関係をみんなで楽しく創っていけたら、本当に幸せですよね。

阿部:たしかに、日常の中で何でも言い合える関係は素敵だね。最初は異なるマイプロを実践していたと記憶していますが、期間中どんな変化がありましたか。

八嶋:参加当初は、「毎週おじいちゃんの家に通う」というマイプロを考えていたんです。学生団体に所属していたときは、大きなテーマで活動していたので、これからは見落としていた、自分にとって一番身近で大切なことをしていきたいと考えていました。

「おじいちゃん家に行く」ことを3期に参加している仲間に話をしたらいいね!って言ってもらって、みんなに報告するから毎週行けました。それまで、学校帰りに荷物を持って行くのは大変かなと考えたり、授業やサークルなど忙しいのだから、私は勉強していた方が良いのかもしれないと思ったりもして、なかなか行動を起こせないでいました。しかし、おじいちゃんの認知症がだんだん進行し始め、普段はあまりご飯を食べられないけど、私が行くとご飯を食べてくれたりすることがあったので、これはどんな制約があるとしても今を逃したら本当に通う価値のあるこの機会は二度と来ないかもしれない、と感じるようになりました。私が行って、ほんの少しでもおじいちゃんに喜んでもらって、そうすると自分も落ち着いてきて、いままでは本当にやりたかったこのことを置いてきぼりにしていたので、自分で決めたこと、自分の大事なことをできることがこんなにも落ち着くのかと、ほっとするような不思議な思いがありました。

「落ち着く」っていうのは人生の大事なことを、本当に大事にできているなと感じるということで、それってなかなかできない。この感覚を周りの人にも感じてもらいたいと思ったんです。友達との話は、バイトや勉強が大変といういつもの話で終ってしまいがちです。しかし、一人ひとりとしっかりと話すと素敵な夢を持っていたり、本当はこんなことをやってみたいという気持ちがあったりする。でも、それを表にだせるような機会は、普段の生活の中ではあまりにも少なくて、他の人と比べたり、誰にも話せず考え込んだりしているうちに自分は全然ダメなのではないか、なんて思ってしまうことってほんとに多い。そうしているうちに、持っていた大切なこと自体を諦めてしまいがちなのだけれど、本当はみんなにマイプロみたいな、思いを表に出すという機会があれば、それぞれのやりたかったことや、心の奥底に隠れていた、本人も見えていなかったことなどが出てくるんじゃないかと思って、1番身近な友達でやろうと思いました。

阿部:具体的にどんなアクションから始めたのですか。

八嶋:実際に本プログラムで使ったシートや仲間にもらったメッセージシートが嬉しくてそれを友達に見せびらかしていたら(笑)、友達も興味を持ってくれたんです。可愛さんにお願いしたら手伝ってくださることになって、周りに自分の人生をどうしたいか考えたいという人がいっぱいいたので声かけたら10〜15人集まってくれました。プログラムの期間中に計画を立て、マイプロが終わってから、実際に実践しました。

阿部:最終的に、考えていたマイプロはその後どうなったんですか。

八嶋:プログラム終了後の2月から5月にかけて、全部で7回、友達と集まってマイプロをやって、最後は発表会をしました。今度夏にはもう1回会って、その発表会を撮ったビデオを見て、夏休みにもマイプロを少しでもできたらいいと考えています。参加者の友達からもたくさん要請もありました。

阿部:友達からもかなり好評だったんだね。どうしてそんなに好評だったんだろう?

八嶋:普通に学校だけでは話せない、人生感や、これまで辛かったこと、逆にいつも言えないお礼や、生きているってなんだろうって話だったり、幸せってなんだろうとか、そういう根本的な話を模造紙に書いたりしながら、みんなで話せたからだと思います。

 

「人の話をしっかりと聴く」というエッセンスは不変的に必要なこと

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阿部:3ヶ月でいろんな気づきがあって、それを周りに広げるためにかなり具体的に動いていたんだね。3ヶ月間のマイプロを通して八嶋さん自身の考え方に変化はありましたか。

八嶋:どんどん1人称で自分について考えられるようになったと思います。また、より自分についての手綱を強く考えるようになったことですかね。マイプロに参加するまでは、そんなに自分の考えを話す場もないし、そこに意見を貰えることも少なかったので、完全な1人称で話せる環境がすごく良かったと思います。自分というものがあるから他者と関われるし、他者とだけだと自分というものがなく関わっても磨くものがなくなってしまうし、自分だけだとそもそも磨けない。自分自身を深めてから、他者といっぱい話せるというのは、すごく大きかったし、1本太く芯ができたと思います。

阿部:マイプロを通して、自分の中での芯みたいなものがより強くなったんだね。最後に八嶋さんにとってマイプロとはなんだと思いますか。

八嶋:自分でやってみて、人に話を聞いてもらったり、学生と社会人だったり普段の立場や環境、価値観が違う人と、こうして対等にお互いに尊重して話すことができるということは財産だと思うし、大事な第三の場だと思います。また自分の中で過去も現在もこれから先も、マイプロの中の「人の話をしっかりと聴く」というエッセンスは不変的に必要なことだと思っていて、どんなことをする時にも重要となってくる要素だと思うので、今こうしてどんな意味があるんだろうと考えながら、実践できるというところにきっともっと大きなところにつながっているなと感じる可能性があるんだと思っています。

阿部:ありがとうございました。

八嶋:ありがとうございました。

 

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【メディア出演】文化放送 「吉田照美 飛べ!サルバドール」に出演しました。

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8月19日(金)、文化放送の「吉田照美 飛べ!サルバドール」に代表の秋本可愛が出演させて頂きました。HEISEI KAIGO LEADERS立ち上げに至った経緯、現在の取り組みや介護人材不足に関する意見などをお話させて頂きました。
吉田照美さん、室照美さん、文化放送の皆さま、ありがとうございました。

吉田照美 飛べ!サルバドール

 

【KAIGO MY PROJECTインタビュー vol.6】社交ダンスを通じて介護に関わる人を元気に

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プロジェクト名:社交ダンスを通じて介護に関わる人を元気に

大村優太 小規模多機能居宅介護支援事業所 介護士

 

秋本:KAIGO MY PROJECTの参加動機を教えて下さい。

 

大村:2月に仕事を辞めたため時間に余裕ができ、色んなことを考えている中で、タイミングよく1期がスタートすることを知りました。自分のことを真剣に見つめる機会になると思い、参加しました。

 

秋本:どんなマイプロが生まれましたか。

 

大村:最初は漠然と人と人とがつながれる場づくりをしたいと思っていましたが、自分を振り返る中で、趣味で学生時代に経験していた社交ダンスを介護に関わる人たちに見てもらいたい、触れてもらいたいと思うようになりました。偶然にもKAIGO MY PROJECT1期に、社交ダンスをやっているメンバーがいて、一緒にプロジェクトを立ち上げることになりました。初回は、“住んでいる町でもっと遊ぼう”をコンセプトに、太子堂商店街脇の緑道で定期開催されているイベント「三軒茶屋まち道楽」に出演することになりました。11月29日(日)に開催されるので、今はメンバーと定期的にミーティングを行い準備に励んでいます。

 

秋本:楽しみですね。3ヶ月ともに過ごす中で、個人的にメンバーの中でも変化が大きかったように感じているのですが、いかがでしょうか。

 

大村:参加した当初は、次の仕事を探し始めている頃でとても焦っていて、自分に自信を持てませんでした。そんな中でKAIGO MY PROJECTに参加し、ただ否定的に捉えていたところが、仲間の質問によって捉え方が変化して、自分自身のことを一歩引いてみることができるようになりました。もちろん、常にそう在れるわけではなく、まだまだ仕事のときは冷静になれないときもまだありますけどね。

 

秋本:当初はとても悩んでいましたもんね。何が影響して変化につながったと思いますか?

 

大村: 最初は、ただ誰かに話しを聞いてもらったことで、少し気持ちが楽になりました。言葉にしていくうちに、自然に整理することができました。これまで溜め込んでしまっていたものが浄化されたような感覚でしたね。KAIGO MY PROJECTで、何でも話しができる仲間ができたことが大きかったのかもしれません。

職場や大学の友達など、近しい関係の人にはなかなか言えないことってありますよね。社会人になってから、職場とは違うところで仲間をつくりたいと思っていました。色々なコミュニティ活動に参加してみましたが、介護関係の人の集まりは見つからず、偶然見つけたのがHEISEI KAIGO LEADERSでした。立場や興味関心が近い仲間だからこそ開示できる自分の思いがありました。

KAIGO MY PROJECTの3ヶ月は、大学のゼミの活動と近い感覚があります。ゼミでは、1年間を通じて4人で協力しながら研究活動を行いました。KAIGO MY PROJECTは3ヶ月とゼミよりも時間は圧倒的に短いですが、そのときよりも深いつながりができていると感じます。また、ゼミのときはゼミが終わるとプロジェクトも終わってしまいましたが、マイプロは継続するというか、誰かからやらされるのではなく自分の想いから生まれたプロジェクトだから続くというのも大きいですね。まあ、僕のプロジェクトはこれからが本番ですし…。(笑)

 

秋本:就職も決まったみたいですが、今仕事はどうですか?

 

大村:今は小規模多機能の現場スタッフとして働いていますが、以前働いていた特養よりも親密に利用者さんと関わることができるので、今は楽しく働いています。

 

秋本:なぜまた介護に戻ろうと思ったのでしょうか。

 

大村:正直、どこでもいいから早く就職したいという気持ちはありました。しかし、それでは続かなくなってしまう可能性もあるので自分を見つめる時間は大切だと思いました。前の介護施設では現場スタッフから事務に異動になりました。期間中、過去を振り返る中で、利用者さんと接している時間と、事務員として働いている時間を比べ、やっぱり現場がいいなと思いました。事務員として喫茶のお手伝いをすることがあったときに、前に担当していたフロアの利用者さんが自分のことを覚えていてくれて嬉しかったのを強く覚えています。

 

秋本:それに気付けたことで、今の仕事への携わり方に何か変化がありましたか。

 

大村:以前働いていた特養と比べると、今の現場は規模も小さくこじんまりとしていることで人と人との関係性が前よりも近いように感じます。人間関係が上手くいかないときはケアにも影響してくるので、今は思うことがあったらすぐ言って欲しいということを職員や利用者さんに伝えています。

 

秋本:最後に今後のプロジェクトの展望を教えて下さい。

 

大村:今はまず、1回目を成功させることを考えています。今後、社交ダンスを施設や、自分の地元でもやってみたいなと思っています。

 

秋本:ありがとうございました!

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現在KAIGO MY PROJECT7期募集中!詳細はこちら

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【KAIGO MY PROJECT インタビュー vol.5】 外山真悠美 訪問看護の現場でうまれた、日常に“リラックス”の瞬間づくり。

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プロジェクト名:生き生きリラックスした生活!!

外山真悠美 訪問看護 看護師

 

秋本:KAIGO MY PROJECTの参加動機を教えて下さい。

 

外山:一昨年の12月末のHEISEI KAIGO LEADERSのイベント「2025 COUNTDOWN PARTY」に参加した時にKAIGO MY PROJECTのことを知りました。予防医学に興味があり、何かやりたいと思っていたものの、具体的な行動は起こせていませんでした。そんな私でもいいのかと思っていましたが、いい機会になるかもしれないと思い参加しました。

 

秋本:どんなマイプロが生まれましたか。

 

外山:私のマイプロは、「香りによる生き生きリラックスした生活」をつくることです。香りを含めて、手段にこだわりはないのですが、“生き生きリラックスした生活”をどうやったら送ることができるのかが、ワタシの最大の関心事でした。

 

秋本:なぜ“生き生きリラックスした生活”を送ることに強い関心を持っているんですか。

 

外山:病院から在宅の現場に移ってから、介護者が疲弊していく姿を目の当たりにしました。訪問看護の現場では、ご家庭にお邪魔するので、親密にご家族と関わりを持ちます。

 

そこで強く印象に残る2つのご家族との出会いがありました。1つ目のご家族は、利用者さんのことが大好きでとても丁寧に接する反面、自分のことは蔑ろにしており、気付いたら肺がんを患っていました。日に日に体調が悪化しているのにも関わらず、私が「入院して下さい」と訴えるまでは、入院せずに介護をしたがりました。そして2つ目のご家族は、旦那さんが奥さんを介護しているケースだったのですが、1つ目の家族に反して、今まで連れ添ってきたことを疑ってしまうくらいに、日々暴言を浴びせられていました。こんな感じになってしまうのかと、内心驚きました。

 

2つのご家族の状況を目の当たりにしたとき、状況の違いはあれ、自分自身の余裕がなくなると、人に対していい接し方ができなくなることを痛感しました。これは介護に限らず日常生活の中でもよくあり、結局は同じだなと感じました。

 

秋本:そこから具体的なマイプロとして、どんなことを実践しましたか。

 

外山:余裕がうまれるためには、人とのつながり、身体のメンテナンスをしっかりできていることや自分を振り返る機会が大事なのではないかと思いました。しかしKAIGO MY PROJECTの参加当時は、「こうあるべき」と大きいことばかりイメージしていて、具体的なプロジェクトに落とし込めていませんでした。プログラムの中で、メンバーから「今できる身の回りの小さなことから始めてみればいいのでは?」と提案してもらって、一緒に具体化していきました。

 

まずは身の回りの友達、職場の人に自分を大切にして欲しいと思い、香りやアロマの知識を教えてあげたり、友達の状況に合わせて香り包みをつくってプレゼントしたりしました。

 

秋本:私にもリラックス効果があるカモミールの包みをくれましたよね。3ヶ月終わったあと、プロジェクトの変化はありますか。

 

外山:実践していく中で、アロマだけではなく、もともと予防医療に興味があったことは人に話すことはほとんどなかったのですが、3ヶ月後は自然と予防医療に興味があることを人に伝えるようになっていました。意外と言葉にしたら「俺も〜!」って繋がりができて、何かやりたいねって話す仲間ができました。

 

今はまだできることが限られていますが、もっと大きなアクションに繋げていきたいと思い、10月からメディカルアロマとリンパマッサージのスクールに通うことに決めました。

 

秋本:え!!すごい!

 

外山:実はKAIGO MY PROJECTが3月末に終わって5月には通うことを決めていて、手続きは5月に済んでいるんです。仕事の関係で予定が合いませんでしたが、10月から通います。アロマに関することだけでなく、身体の知識や、できることを広めていけたらと思っています。

 

KAIGO MY PROJECTに参加していなかったら、スクールを探したりもしてないと思うので、とても大きなきっかけになっています。

 

秋本:3ヶ月を振り返って、外山さんは何から影響を受けたと思いますか。

 

外山:3ヶ月の中で、「何かしらやりたい!」という気持ちがどんどん強くなっていったように思います。それは、周りのメンバーがアクションして輝いていく姿を見て、後押しされたように思います。

 

秋本:KAIGO MY PROJECTに参加して気付いたことはありますか。

 

外山:一番大きかったのは、人に話すことで新たな気づきを得られることを知りました。自分の中の思いを言葉で表現したら、自分が思っていたこととは違う角度からの新たな考え方にたくさん気付けました。これまでは人に話をしても、「そうなんだ」「へ〜すごいね」と言われるくらいでしたが、ここではみんながお互いにお互いのプロジェクトがどうやったら前に進むか考えるので、プログラムの度に質問や提案をもらい深まっていきました。

 

秋本:その学びや気付きが仕事に活きていると感じることはありますか。

 

外山:3つあります。1つは、参加前までは、自分の考えと異なるとすぐに反発してしまう傾向があったのですが、まずは相手を受け入れるようになりました。まずは自分の中で受け入れてから、咀嚼して、考えて、自分のものにすることを意識しています。

 

2つ目は、参加者が介護に携わっている人が多かったからかもしれませんが、これまで仕事として介護に関わっているだけで、深い関心はありませんでしたが、社会的課題としての関心を強く持つようになりました。ニュースでの介護に関する事件も、これまでは聞き流していたのですが、実際どういう思いだったのかなどシーンを具体的に考えたり、どうやったら解決できるんだろうと思うようになりました。

 

最後に、利用者さんとのコミュニケーションです。利用者さんの話しを、これまでは業務の流れの中で聞いていたのを、しっかり聴くことが多くなりました。何気ない日常の会話を楽しめるようになりました。

 

秋本:今後のマイプロの進展楽しみにしています!ありがとうございました。

 

【KAIGO MY PROJECTインタビューvol.4】黒澤絵美 仲間に想いを伝えること・仲間の想いを聞くこと

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プロジェクト名:仲間に想いを伝えること・仲間の想いを聞くこと

黒澤絵美 障害者支援 現場リーダー

 

佐藤:黒澤さんのマイプロを教えてください。

 

黒澤:私は自身が務める障害者支援の「スタッフのサービスレベル向上」が当初掲げていたプロジェクトでした。しかし、3ヶ月のプログラム内でメンバーと対話を重ねるうちに、最終到達地がそこだとしても、途中のプロセスでそれぞれが強みを活かし、役割を果たすことが大事なのではないかと考えるようになりました。そこから、人材を育成できる土台作りが大切だと思い始めました。

 

佐藤:もともと黒澤さんの現場ではどのような課題があったのでしょうか。

 

黒澤:受け入れる障害者の幅が広がっているのに対し、施設のスタッフの知識も技術が足りていませんでした。だからといって、研修を導入すれば解決するかという問題ではなく、受け入れたことに対し、まずは1人ひとりが責任を持ち、質を上げようという意識を持つことが大事だと思いました。

いくら仕組みをつくって伝えても、自分事にならないと、楽しくやれないんだろうなと感じたんです。なので、私のマイプロは途中から、今の職場のメンバーに自分が思っていることをシェアして、共感してもらうことに変わりました。

 

佐藤:具体的にどのようなアクションをしましたか。

 

黒澤:今まで自分がどういうことを考えてきたか、今までに話したことがなかった人たちに話してみました。

 

佐藤:どんな反応が返ってきましたか。

 

黒澤:人によって様々でした。障害者支援の仕事に想いを持って働いている人もいれば、自分の生活のために働いている人もいますからね。

 

佐藤:反応が返ってこなくても、行動して良かったと思いましたか。

 

黒澤:そうですね、1人ひとりの話を聞くことができましたからね。同じ職場という近いところにいたとしても、誰かから聞いた話に影響され、「この人はこういう人だ」と固定概念持ってしまうじゃないですか。聞いた話は他人の価値観であって、自分がどう思うかはきちんと分けて考えないと、意外と現実が見えていないなと、最近感じるようになってきました。

 

佐藤:とても素晴らしい気付きですね。行動したからこそ、気付くことってありますよね。

 

黒澤:最初はとりあえずやってみよう!という感じでした。実際やってみると「聞く」って本当に難しいなと感じました。意識して聞いているつもりでも、全然足りないことを、KAIGO MY PROJECTのプログラム内にあったワークを通じて感じました。ケアにも通ずるため、そのワークは自分の事業所に持って帰ってスタッフ同士でやっています。

 

佐藤:どのような気付きを得ることができましたか。

 

黒澤:「短時間なのに凄く疲れた」「これを日常から使えたら変わりますよね」とか、普段「聞く」ということがどれだけできていないか感じながらもその重要性に気付いてくれたみたいでした。

スタッフを交えて月に一度会議を行っている中で、このワークはやろうって話になりました。1年継続してどのような変化があるか、また、モチベーションのスイッチを入れる効果や、仕事に対する姿勢をリセットできる機会になることを期待して導入を決めました。

 

佐藤:私もそのワーク早くやってみたいです!その他の成果はありましたか。

 

黒澤:メンバーと話すようになり、自分がベストだと思うスタッフが、必ずしもベストではないと思いました。

 

佐藤:自分が思う理想像が変わったということでしょうか。

 

黒澤:100人いたら100通りの考えがある。それはそれで良いんだと思えるようになりました。最終的にご利用者様の幸せに繋がっているなら。やり方だったり、見せ方をどうするかではなく、「その人を幸せにする」ということに対して、その人がどういう想いを持っていて、そこにどのように向き合っているのかは、聞かないと判断できません。だから話すことや聞くことが何よりも大事だと感じました。
佐藤:そのことに気付いてどのような変化がありますか。

 

黒澤:人と話をしていて、面白いと感じることが増えました。意外なところで共感したり、もっと話したいなって想いが湧きました。それが他の人同士でも、そう思えるようになる仕組みを作りたいなと思いましたね。KAIGO MY PROJECTのワークを取り入れることで、良いイノベーションが生まれるのではないかと期待しています。

 

あとは、力を入れすぎないようになりました。もともととても1人でストイックに打ち込んでしまうタイプだったのですが、仲間の力を信じ、それぞれがどこかで波に乗ってくれればよいなって思うようになりました。

 

佐藤:焦りが無くなったってことでしょうか。

 

黒澤:1人でやるには限界があるなって感じました。これが腑に落ちたんです。

 

佐藤:私も力んじゃうタイプです(笑)

 

黒澤:KAIGO MY PROJECTのメンバーは、始めはそれぞれが「自分のため」に参加していたと思うのですが、「この人の為になるには?」っていう想いが自然発生するんです。しかも、結局それが自分自身の為になって返ってくるんですよね。自分の為より人の為に行動しているときの方が、学びは大きいんです。

 

佐藤:確かに何かを学ぶときは必ずと言っていい程、他者が関わっていますね。

 

黒澤:何かを成し遂げる人って必ず1人じゃないんですよね。それをKAIGO MY PROJECTで体感しました。KAIGO MY PROJECTでは、他者の為っていうのが前提として参加者全員の意識に共有されていますが、会社にはそんなルールはありません。そういう場が整っているか否かで、コミュニケーションの価値の差は歴然です。だからその前提を、どうやって会社に作るか、人が育つかどうかもそれに尽きるなと感じました。

 

佐藤:ご利用者様の為だけでなく、ご利用者様に関わるスタッフの環境を整えるかが重要ということですね。最後に、黒澤さん自身が3ヶ月のプログラムを経て1番変わったことを教えてください。

 

黒澤:スタッフに考え方を押し付けたり、やり方を一方的に伝えたりすることがなくなりました。もっと良くなるはずだから、今が絶対じゃないと、仲間を信じ向き合えるようになりました。

 

佐藤:人の意見を聞き入れやすくなったってことでしょうか。

 

黒澤:そうですね、人の話もすぐに判断するのではなく、「そうかそうか」とまずは受け入れて聞くようになったと思います。結局目的は「ご利用者様を幸せにする」って皆同じ想いですからね。

 

佐藤:お話を聞いていて、未来への道が開けるような印象を受けました。ありがとうございました。

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【KAIGO MY PROJECTインタビューvol.3】山本健治 目指せ!オンリーワン介護士!

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プロジェクト名:目指せ!オンリーワン介護士!

山本健治 グループホーム 介護スタッフ

 

秋本:山本さんのマイプロを教えて下さい。

 

山本:介護士が趣味や特技を活かして、その人にしかできないケアを提供する『目指せ!オンリーワン介護士プロジェクト』です。KAIGO MY PROJECTの期間中は、まずは自分が「オンリーワン介護士」になろうと思い、趣味のアロマの知識と、以前の職場でやっていたオイルマッサージとタクティールケアを合わせ、「いやしの介護士」を目指し、自身の現場のご利用者様や職員に実践しました。

 

秋本:なぜ、そのプロジェクトをやろうと思ったのですか?

 

山本:私は幼い頃から、人と同じであることが嫌で、自分にしかできないことや、周りの人がやったことのないことに興味がありました。しかし、介護の現場で働き始めてからは、自分が主役ではなく、ご利用者様が主役であるため、自分を表現出来ないと感じていました。一緒に働いている人も、1人1人が特技や強みを持っていて、それがもっとケアに活かせたらもっと楽しくなるのではないかと思い、プロジェクトを始めることにしました。

 

秋本:オンリーワン介護士として一歩目に何をしましたか?

 

山本:まずは「マッサージ介護士!!」と書いた名札を作って、ネームカードの上に貼りました。しかし、スタッフにも何も触れてもらえませんでした。予想以上に反応がなくて、ちょっと寂しかったです。

 

秋本:あれは正直、反応し辛かったと思いますよ。(笑)まさか付箋で作るなんて誰も予想していませんでしたね。(笑) Facebookのグループページで山本さんが投稿してくれたとき、コメントの盛り上がりが凄かったですね。(笑)ただ、ここでめげずにすぐに次の一歩に踏み出しましたよね。

 

山本:はい。まずはご利用者様にマッサージを実施させて頂きました。

 

山本:ご利用者様には「気持ちいい〜」と、大変喜んで頂いたのですが、すぐに上司から指摘を受けました。60代の13年間勤続のベテラン介護士で、「机が汚れる」「私はこの匂いが好きじゃない」「ご飯を食べる前に手を洗う手間が増えるじゃない」と真っ向から否定されてしまいました。

 

「すべてスタッフの都合じゃん!」と、内心では憤りを感じていました。ベテラン介護士の言葉に、他のスタッフは見て見ぬ振りという感じで、言い返したいのにその場では何も言えませんでした。

 

秋本:その日にすぐにFacebookのメンバーのグループページに投稿してくれましたね。

 

山本:グループページで一連の流れを全て報告させて頂きましたが、メンバーからのコメントにとても勇気づけられ、ここで諦めたらダメだと思いました。コメントでの会話の中で、ベテラン介護士に「スタッフにやってあげたら!むしろ私にやって」と言われたのを思い出し、次の日上司に「やらせて下さい!」とお願いにいき、マッサージをやらせて頂いたら、「すごい気持ちいい。またやって」と言われました。

 

秋本:本当にすごい。そのあとご利用者様への実施はできましたか。

 

山本:それが、「今の棟のご利用者様は反応が薄いから、他の棟のご利用者様にやればいいんじゃないの?」って言われて、まだできていません。やっぱり極力無駄なことは増やしたくないのだと思います。

 

秋本:・・・。

 

山本:なのでできるところからやろうと思い、今は他の棟のスタッフの人にまずは体験してもらっています。5月のガーデンパーティー(ご家族を呼んでやるイベント)でやりたかったのですが、時間的な問題と、僕がイベント運営担当だったために、個人で動ける時間が取れず、できませんでした。つい先日、会社でマッサージを使ったタクティールケアを今後やっていくかもしれないという告知があったので、理事長にタクティールケアの普及が必要であれば、僕にやらせてください!と、直談判の手紙を送りました。

 

秋本:おお、すごい!

 

山本:理事長から一か月以上立っても返事が来なかったのですが、先日施設長から、「タクティールケアの研修を受けて来て下さい!」と言われました。その後日、理事長から施設長に「行かせてやって欲しい」と言われたそうです。

 

秋本:理事長もしっかり山本さんのことを見てくれていたんですね。どんどん山本さんのマイプロがご自身の現場でカタチになってきていますね。KAIGO MY PROJECTの期間を経て、どんな変化があったのでしょうか?

 

山本:KAIGO MY PROJECTに参加した動機は、やりたいことを見つけたかったからです。参加前も、色々自分で考えて、自己分析はしていましたが、ずっと自分に自信がありませんでした。

自分が思うこと全てが正しいと思えなくて、本当にやりたいことってなんだろうと、迷っている状態でした。

 

実際に参加して、今壁に何度もぶつかりながらも挫けずに前に進もうと思える、やりたいことが見つかりました。だからこそ行動ができています。私自身の1番の変化は、自分が動き出せたことだと思います。今まで考えていただけで、何もできていませんでした。自分がどういうことが好きで、どういうことに喜びを感じるのか分かったのは、KAIGO MY PROJECTがあったからです。

 

ここには自分のことに真剣に向き合ってくれて、後押ししてくれる信頼できる仲間がいて、とても安心感がありました。これまでもずっと考えていたのに全く動けませんでしたが、応援してくれる存在がこんなにも大きいということを知りました。そんな仲間がいるということも、KAIGO MY PROJECTに参加する前とは大きな違いですね。

 

秋本:最後に、山本さんにとってKAIGO MY PROJECTって何ですか。

 

山本:人生の転機です。去年の6月にうつ状態になって、薬を全く呑まなくなったのが10月、KAIGO MY PROJECTに参加したのが今年の1月でした。うつ状態になったときは、不平不満しか言いませんでしたし、とにかく全てに置いてマイナスの感情しか持てませんでした。そんな自分にやりたいことが見つかって、それを周りの人に話して、承認してもらえて、前向きに行動ができるようになった人生の転機です。

 

秋本:ありがとうございました。

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