【KAIGO MY PROJECTインタビュー vol.6】社交ダンスを通じて介護に関わる人を元気に

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プロジェクト名:社交ダンスを通じて介護に関わる人を元気に

大村優太 小規模多機能居宅介護支援事業所 介護士

 

秋本:KAIGO MY PROJECTの参加動機を教えて下さい。

 

大村:2月に仕事を辞めたため時間に余裕ができ、色んなことを考えている中で、タイミングよく1期がスタートすることを知りました。自分のことを真剣に見つめる機会になると思い、参加しました。

 

秋本:どんなマイプロが生まれましたか。

 

大村:最初は漠然と人と人とがつながれる場づくりをしたいと思っていましたが、自分を振り返る中で、趣味で学生時代に経験していた社交ダンスを介護に関わる人たちに見てもらいたい、触れてもらいたいと思うようになりました。偶然にもKAIGO MY PROJECT1期に、社交ダンスをやっているメンバーがいて、一緒にプロジェクトを立ち上げることになりました。初回は、“住んでいる町でもっと遊ぼう”をコンセプトに、太子堂商店街脇の緑道で定期開催されているイベント「三軒茶屋まち道楽」に出演することになりました。11月29日(日)に開催されるので、今はメンバーと定期的にミーティングを行い準備に励んでいます。

 

秋本:楽しみですね。3ヶ月ともに過ごす中で、個人的にメンバーの中でも変化が大きかったように感じているのですが、いかがでしょうか。

 

大村:参加した当初は、次の仕事を探し始めている頃でとても焦っていて、自分に自信を持てませんでした。そんな中でKAIGO MY PROJECTに参加し、ただ否定的に捉えていたところが、仲間の質問によって捉え方が変化して、自分自身のことを一歩引いてみることができるようになりました。もちろん、常にそう在れるわけではなく、まだまだ仕事のときは冷静になれないときもまだありますけどね。

 

秋本:当初はとても悩んでいましたもんね。何が影響して変化につながったと思いますか?

 

大村: 最初は、ただ誰かに話しを聞いてもらったことで、少し気持ちが楽になりました。言葉にしていくうちに、自然に整理することができました。これまで溜め込んでしまっていたものが浄化されたような感覚でしたね。KAIGO MY PROJECTで、何でも話しができる仲間ができたことが大きかったのかもしれません。

職場や大学の友達など、近しい関係の人にはなかなか言えないことってありますよね。社会人になってから、職場とは違うところで仲間をつくりたいと思っていました。色々なコミュニティ活動に参加してみましたが、介護関係の人の集まりは見つからず、偶然見つけたのがHEISEI KAIGO LEADERSでした。立場や興味関心が近い仲間だからこそ開示できる自分の思いがありました。

KAIGO MY PROJECTの3ヶ月は、大学のゼミの活動と近い感覚があります。ゼミでは、1年間を通じて4人で協力しながら研究活動を行いました。KAIGO MY PROJECTは3ヶ月とゼミよりも時間は圧倒的に短いですが、そのときよりも深いつながりができていると感じます。また、ゼミのときはゼミが終わるとプロジェクトも終わってしまいましたが、マイプロは継続するというか、誰かからやらされるのではなく自分の想いから生まれたプロジェクトだから続くというのも大きいですね。まあ、僕のプロジェクトはこれからが本番ですし…。(笑)

 

秋本:就職も決まったみたいですが、今仕事はどうですか?

 

大村:今は小規模多機能の現場スタッフとして働いていますが、以前働いていた特養よりも親密に利用者さんと関わることができるので、今は楽しく働いています。

 

秋本:なぜまた介護に戻ろうと思ったのでしょうか。

 

大村:正直、どこでもいいから早く就職したいという気持ちはありました。しかし、それでは続かなくなってしまう可能性もあるので自分を見つめる時間は大切だと思いました。前の介護施設では現場スタッフから事務に異動になりました。期間中、過去を振り返る中で、利用者さんと接している時間と、事務員として働いている時間を比べ、やっぱり現場がいいなと思いました。事務員として喫茶のお手伝いをすることがあったときに、前に担当していたフロアの利用者さんが自分のことを覚えていてくれて嬉しかったのを強く覚えています。

 

秋本:それに気付けたことで、今の仕事への携わり方に何か変化がありましたか。

 

大村:以前働いていた特養と比べると、今の現場は規模も小さくこじんまりとしていることで人と人との関係性が前よりも近いように感じます。人間関係が上手くいかないときはケアにも影響してくるので、今は思うことがあったらすぐ言って欲しいということを職員や利用者さんに伝えています。

 

秋本:最後に今後のプロジェクトの展望を教えて下さい。

 

大村:今はまず、1回目を成功させることを考えています。今後、社交ダンスを施設や、自分の地元でもやってみたいなと思っています。

 

秋本:ありがとうございました!

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【KAIGO MY PROJECT インタビュー vol.5】 外山真悠美 訪問看護の現場でうまれた、日常に“リラックス”の瞬間づくり。

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プロジェクト名:生き生きリラックスした生活!!

外山真悠美 訪問看護 看護師

 

秋本:KAIGO MY PROJECTの参加動機を教えて下さい。

 

外山:一昨年の12月末のHEISEI KAIGO LEADERSのイベント「2025 COUNTDOWN PARTY」に参加した時にKAIGO MY PROJECTのことを知りました。予防医学に興味があり、何かやりたいと思っていたものの、具体的な行動は起こせていませんでした。そんな私でもいいのかと思っていましたが、いい機会になるかもしれないと思い参加しました。

 

秋本:どんなマイプロが生まれましたか。

 

外山:私のマイプロは、「香りによる生き生きリラックスした生活」をつくることです。香りを含めて、手段にこだわりはないのですが、“生き生きリラックスした生活”をどうやったら送ることができるのかが、ワタシの最大の関心事でした。

 

秋本:なぜ“生き生きリラックスした生活”を送ることに強い関心を持っているんですか。

 

外山:病院から在宅の現場に移ってから、介護者が疲弊していく姿を目の当たりにしました。訪問看護の現場では、ご家庭にお邪魔するので、親密にご家族と関わりを持ちます。

 

そこで強く印象に残る2つのご家族との出会いがありました。1つ目のご家族は、利用者さんのことが大好きでとても丁寧に接する反面、自分のことは蔑ろにしており、気付いたら肺がんを患っていました。日に日に体調が悪化しているのにも関わらず、私が「入院して下さい」と訴えるまでは、入院せずに介護をしたがりました。そして2つ目のご家族は、旦那さんが奥さんを介護しているケースだったのですが、1つ目の家族に反して、今まで連れ添ってきたことを疑ってしまうくらいに、日々暴言を浴びせられていました。こんな感じになってしまうのかと、内心驚きました。

 

2つのご家族の状況を目の当たりにしたとき、状況の違いはあれ、自分自身の余裕がなくなると、人に対していい接し方ができなくなることを痛感しました。これは介護に限らず日常生活の中でもよくあり、結局は同じだなと感じました。

 

秋本:そこから具体的なマイプロとして、どんなことを実践しましたか。

 

外山:余裕がうまれるためには、人とのつながり、身体のメンテナンスをしっかりできていることや自分を振り返る機会が大事なのではないかと思いました。しかしKAIGO MY PROJECTの参加当時は、「こうあるべき」と大きいことばかりイメージしていて、具体的なプロジェクトに落とし込めていませんでした。プログラムの中で、メンバーから「今できる身の回りの小さなことから始めてみればいいのでは?」と提案してもらって、一緒に具体化していきました。

 

まずは身の回りの友達、職場の人に自分を大切にして欲しいと思い、香りやアロマの知識を教えてあげたり、友達の状況に合わせて香り包みをつくってプレゼントしたりしました。

 

秋本:私にもリラックス効果があるカモミールの包みをくれましたよね。3ヶ月終わったあと、プロジェクトの変化はありますか。

 

外山:実践していく中で、アロマだけではなく、もともと予防医療に興味があったことは人に話すことはほとんどなかったのですが、3ヶ月後は自然と予防医療に興味があることを人に伝えるようになっていました。意外と言葉にしたら「俺も〜!」って繋がりができて、何かやりたいねって話す仲間ができました。

 

今はまだできることが限られていますが、もっと大きなアクションに繋げていきたいと思い、10月からメディカルアロマとリンパマッサージのスクールに通うことに決めました。

 

秋本:え!!すごい!

 

外山:実はKAIGO MY PROJECTが3月末に終わって5月には通うことを決めていて、手続きは5月に済んでいるんです。仕事の関係で予定が合いませんでしたが、10月から通います。アロマに関することだけでなく、身体の知識や、できることを広めていけたらと思っています。

 

KAIGO MY PROJECTに参加していなかったら、スクールを探したりもしてないと思うので、とても大きなきっかけになっています。

 

秋本:3ヶ月を振り返って、外山さんは何から影響を受けたと思いますか。

 

外山:3ヶ月の中で、「何かしらやりたい!」という気持ちがどんどん強くなっていったように思います。それは、周りのメンバーがアクションして輝いていく姿を見て、後押しされたように思います。

 

秋本:KAIGO MY PROJECTに参加して気付いたことはありますか。

 

外山:一番大きかったのは、人に話すことで新たな気づきを得られることを知りました。自分の中の思いを言葉で表現したら、自分が思っていたこととは違う角度からの新たな考え方にたくさん気付けました。これまでは人に話をしても、「そうなんだ」「へ〜すごいね」と言われるくらいでしたが、ここではみんながお互いにお互いのプロジェクトがどうやったら前に進むか考えるので、プログラムの度に質問や提案をもらい深まっていきました。

 

秋本:その学びや気付きが仕事に活きていると感じることはありますか。

 

外山:3つあります。1つは、参加前までは、自分の考えと異なるとすぐに反発してしまう傾向があったのですが、まずは相手を受け入れるようになりました。まずは自分の中で受け入れてから、咀嚼して、考えて、自分のものにすることを意識しています。

 

2つ目は、参加者が介護に携わっている人が多かったからかもしれませんが、これまで仕事として介護に関わっているだけで、深い関心はありませんでしたが、社会的課題としての関心を強く持つようになりました。ニュースでの介護に関する事件も、これまでは聞き流していたのですが、実際どういう思いだったのかなどシーンを具体的に考えたり、どうやったら解決できるんだろうと思うようになりました。

 

最後に、利用者さんとのコミュニケーションです。利用者さんの話しを、これまでは業務の流れの中で聞いていたのを、しっかり聴くことが多くなりました。何気ない日常の会話を楽しめるようになりました。

 

秋本:今後のマイプロの進展楽しみにしています!ありがとうございました。

 

【KAIGO MY PROJECTインタビューvol.4】黒澤絵美 仲間に想いを伝えること・仲間の想いを聞くこと

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プロジェクト名:仲間に想いを伝えること・仲間の想いを聞くこと

黒澤絵美 障害者支援 現場リーダー

 

佐藤:黒澤さんのマイプロを教えてください。

 

黒澤:私は自身が務める障害者支援の「スタッフのサービスレベル向上」が当初掲げていたプロジェクトでした。しかし、3ヶ月のプログラム内でメンバーと対話を重ねるうちに、最終到達地がそこだとしても、途中のプロセスでそれぞれが強みを活かし、役割を果たすことが大事なのではないかと考えるようになりました。そこから、人材を育成できる土台作りが大切だと思い始めました。

 

佐藤:もともと黒澤さんの現場ではどのような課題があったのでしょうか。

 

黒澤:受け入れる障害者の幅が広がっているのに対し、施設のスタッフの知識も技術が足りていませんでした。だからといって、研修を導入すれば解決するかという問題ではなく、受け入れたことに対し、まずは1人ひとりが責任を持ち、質を上げようという意識を持つことが大事だと思いました。

いくら仕組みをつくって伝えても、自分事にならないと、楽しくやれないんだろうなと感じたんです。なので、私のマイプロは途中から、今の職場のメンバーに自分が思っていることをシェアして、共感してもらうことに変わりました。

 

佐藤:具体的にどのようなアクションをしましたか。

 

黒澤:今まで自分がどういうことを考えてきたか、今までに話したことがなかった人たちに話してみました。

 

佐藤:どんな反応が返ってきましたか。

 

黒澤:人によって様々でした。障害者支援の仕事に想いを持って働いている人もいれば、自分の生活のために働いている人もいますからね。

 

佐藤:反応が返ってこなくても、行動して良かったと思いましたか。

 

黒澤:そうですね、1人ひとりの話を聞くことができましたからね。同じ職場という近いところにいたとしても、誰かから聞いた話に影響され、「この人はこういう人だ」と固定概念持ってしまうじゃないですか。聞いた話は他人の価値観であって、自分がどう思うかはきちんと分けて考えないと、意外と現実が見えていないなと、最近感じるようになってきました。

 

佐藤:とても素晴らしい気付きですね。行動したからこそ、気付くことってありますよね。

 

黒澤:最初はとりあえずやってみよう!という感じでした。実際やってみると「聞く」って本当に難しいなと感じました。意識して聞いているつもりでも、全然足りないことを、KAIGO MY PROJECTのプログラム内にあったワークを通じて感じました。ケアにも通ずるため、そのワークは自分の事業所に持って帰ってスタッフ同士でやっています。

 

佐藤:どのような気付きを得ることができましたか。

 

黒澤:「短時間なのに凄く疲れた」「これを日常から使えたら変わりますよね」とか、普段「聞く」ということがどれだけできていないか感じながらもその重要性に気付いてくれたみたいでした。

スタッフを交えて月に一度会議を行っている中で、このワークはやろうって話になりました。1年継続してどのような変化があるか、また、モチベーションのスイッチを入れる効果や、仕事に対する姿勢をリセットできる機会になることを期待して導入を決めました。

 

佐藤:私もそのワーク早くやってみたいです!その他の成果はありましたか。

 

黒澤:メンバーと話すようになり、自分がベストだと思うスタッフが、必ずしもベストではないと思いました。

 

佐藤:自分が思う理想像が変わったということでしょうか。

 

黒澤:100人いたら100通りの考えがある。それはそれで良いんだと思えるようになりました。最終的にご利用者様の幸せに繋がっているなら。やり方だったり、見せ方をどうするかではなく、「その人を幸せにする」ということに対して、その人がどういう想いを持っていて、そこにどのように向き合っているのかは、聞かないと判断できません。だから話すことや聞くことが何よりも大事だと感じました。
佐藤:そのことに気付いてどのような変化がありますか。

 

黒澤:人と話をしていて、面白いと感じることが増えました。意外なところで共感したり、もっと話したいなって想いが湧きました。それが他の人同士でも、そう思えるようになる仕組みを作りたいなと思いましたね。KAIGO MY PROJECTのワークを取り入れることで、良いイノベーションが生まれるのではないかと期待しています。

 

あとは、力を入れすぎないようになりました。もともととても1人でストイックに打ち込んでしまうタイプだったのですが、仲間の力を信じ、それぞれがどこかで波に乗ってくれればよいなって思うようになりました。

 

佐藤:焦りが無くなったってことでしょうか。

 

黒澤:1人でやるには限界があるなって感じました。これが腑に落ちたんです。

 

佐藤:私も力んじゃうタイプです(笑)

 

黒澤:KAIGO MY PROJECTのメンバーは、始めはそれぞれが「自分のため」に参加していたと思うのですが、「この人の為になるには?」っていう想いが自然発生するんです。しかも、結局それが自分自身の為になって返ってくるんですよね。自分の為より人の為に行動しているときの方が、学びは大きいんです。

 

佐藤:確かに何かを学ぶときは必ずと言っていい程、他者が関わっていますね。

 

黒澤:何かを成し遂げる人って必ず1人じゃないんですよね。それをKAIGO MY PROJECTで体感しました。KAIGO MY PROJECTでは、他者の為っていうのが前提として参加者全員の意識に共有されていますが、会社にはそんなルールはありません。そういう場が整っているか否かで、コミュニケーションの価値の差は歴然です。だからその前提を、どうやって会社に作るか、人が育つかどうかもそれに尽きるなと感じました。

 

佐藤:ご利用者様の為だけでなく、ご利用者様に関わるスタッフの環境を整えるかが重要ということですね。最後に、黒澤さん自身が3ヶ月のプログラムを経て1番変わったことを教えてください。

 

黒澤:スタッフに考え方を押し付けたり、やり方を一方的に伝えたりすることがなくなりました。もっと良くなるはずだから、今が絶対じゃないと、仲間を信じ向き合えるようになりました。

 

佐藤:人の意見を聞き入れやすくなったってことでしょうか。

 

黒澤:そうですね、人の話もすぐに判断するのではなく、「そうかそうか」とまずは受け入れて聞くようになったと思います。結局目的は「ご利用者様を幸せにする」って皆同じ想いですからね。

 

佐藤:お話を聞いていて、未来への道が開けるような印象を受けました。ありがとうございました。

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黒澤絵美 Facebook

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【KAIGO MY PROJECTインタビューvol.3】山本健治 目指せ!オンリーワン介護士!

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プロジェクト名:目指せ!オンリーワン介護士!

山本健治 グループホーム 介護スタッフ

 

秋本:山本さんのマイプロを教えて下さい。

 

山本:介護士が趣味や特技を活かして、その人にしかできないケアを提供する『目指せ!オンリーワン介護士プロジェクト』です。KAIGO MY PROJECTの期間中は、まずは自分が「オンリーワン介護士」になろうと思い、趣味のアロマの知識と、以前の職場でやっていたオイルマッサージとタクティールケアを合わせ、「いやしの介護士」を目指し、自身の現場のご利用者様や職員に実践しました。

 

秋本:なぜ、そのプロジェクトをやろうと思ったのですか?

 

山本:私は幼い頃から、人と同じであることが嫌で、自分にしかできないことや、周りの人がやったことのないことに興味がありました。しかし、介護の現場で働き始めてからは、自分が主役ではなく、ご利用者様が主役であるため、自分を表現出来ないと感じていました。一緒に働いている人も、1人1人が特技や強みを持っていて、それがもっとケアに活かせたらもっと楽しくなるのではないかと思い、プロジェクトを始めることにしました。

 

秋本:オンリーワン介護士として一歩目に何をしましたか?

 

山本:まずは「マッサージ介護士!!」と書いた名札を作って、ネームカードの上に貼りました。しかし、スタッフにも何も触れてもらえませんでした。予想以上に反応がなくて、ちょっと寂しかったです。

 

秋本:あれは正直、反応し辛かったと思いますよ。(笑)まさか付箋で作るなんて誰も予想していませんでしたね。(笑) Facebookのグループページで山本さんが投稿してくれたとき、コメントの盛り上がりが凄かったですね。(笑)ただ、ここでめげずにすぐに次の一歩に踏み出しましたよね。

 

山本:はい。まずはご利用者様にマッサージを実施させて頂きました。

 

山本:ご利用者様には「気持ちいい〜」と、大変喜んで頂いたのですが、すぐに上司から指摘を受けました。60代の13年間勤続のベテラン介護士で、「机が汚れる」「私はこの匂いが好きじゃない」「ご飯を食べる前に手を洗う手間が増えるじゃない」と真っ向から否定されてしまいました。

 

「すべてスタッフの都合じゃん!」と、内心では憤りを感じていました。ベテラン介護士の言葉に、他のスタッフは見て見ぬ振りという感じで、言い返したいのにその場では何も言えませんでした。

 

秋本:その日にすぐにFacebookのメンバーのグループページに投稿してくれましたね。

 

山本:グループページで一連の流れを全て報告させて頂きましたが、メンバーからのコメントにとても勇気づけられ、ここで諦めたらダメだと思いました。コメントでの会話の中で、ベテラン介護士に「スタッフにやってあげたら!むしろ私にやって」と言われたのを思い出し、次の日上司に「やらせて下さい!」とお願いにいき、マッサージをやらせて頂いたら、「すごい気持ちいい。またやって」と言われました。

 

秋本:本当にすごい。そのあとご利用者様への実施はできましたか。

 

山本:それが、「今の棟のご利用者様は反応が薄いから、他の棟のご利用者様にやればいいんじゃないの?」って言われて、まだできていません。やっぱり極力無駄なことは増やしたくないのだと思います。

 

秋本:・・・。

 

山本:なのでできるところからやろうと思い、今は他の棟のスタッフの人にまずは体験してもらっています。5月のガーデンパーティー(ご家族を呼んでやるイベント)でやりたかったのですが、時間的な問題と、僕がイベント運営担当だったために、個人で動ける時間が取れず、できませんでした。つい先日、会社でマッサージを使ったタクティールケアを今後やっていくかもしれないという告知があったので、理事長にタクティールケアの普及が必要であれば、僕にやらせてください!と、直談判の手紙を送りました。

 

秋本:おお、すごい!

 

山本:理事長から一か月以上立っても返事が来なかったのですが、先日施設長から、「タクティールケアの研修を受けて来て下さい!」と言われました。その後日、理事長から施設長に「行かせてやって欲しい」と言われたそうです。

 

秋本:理事長もしっかり山本さんのことを見てくれていたんですね。どんどん山本さんのマイプロがご自身の現場でカタチになってきていますね。KAIGO MY PROJECTの期間を経て、どんな変化があったのでしょうか?

 

山本:KAIGO MY PROJECTに参加した動機は、やりたいことを見つけたかったからです。参加前も、色々自分で考えて、自己分析はしていましたが、ずっと自分に自信がありませんでした。

自分が思うこと全てが正しいと思えなくて、本当にやりたいことってなんだろうと、迷っている状態でした。

 

実際に参加して、今壁に何度もぶつかりながらも挫けずに前に進もうと思える、やりたいことが見つかりました。だからこそ行動ができています。私自身の1番の変化は、自分が動き出せたことだと思います。今まで考えていただけで、何もできていませんでした。自分がどういうことが好きで、どういうことに喜びを感じるのか分かったのは、KAIGO MY PROJECTがあったからです。

 

ここには自分のことに真剣に向き合ってくれて、後押ししてくれる信頼できる仲間がいて、とても安心感がありました。これまでもずっと考えていたのに全く動けませんでしたが、応援してくれる存在がこんなにも大きいということを知りました。そんな仲間がいるということも、KAIGO MY PROJECTに参加する前とは大きな違いですね。

 

秋本:最後に、山本さんにとってKAIGO MY PROJECTって何ですか。

 

山本:人生の転機です。去年の6月にうつ状態になって、薬を全く呑まなくなったのが10月、KAIGO MY PROJECTに参加したのが今年の1月でした。うつ状態になったときは、不平不満しか言いませんでしたし、とにかく全てに置いてマイナスの感情しか持てませんでした。そんな自分にやりたいことが見つかって、それを周りの人に話して、承認してもらえて、前向きに行動ができるようになった人生の転機です。

 

秋本:ありがとうございました。

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山本健治 Facebook

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【KAIGO MY PROJECTインタビューvol.2】渡邊恵美 もう一度介護という道を選んだワケ

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プロジェクト名:自分のことを愛す
渡邊恵美 デイサービス 介護スタッフ

 

佐藤:KAIGO MY PROJECTの参加動機を教えて下さい。

渡邊:特養のユニット型施設で介護職を3年半続けて、現場で働くことに希望が見いだせず、介護を続けていく意味が分からなくなりました。そんなときにお世話になっているNPO団体から可愛ちゃん(Join for Kaigo 代表 秋本可愛)を紹介して頂き、初めは参加を迷ったけれど、せっかくのご縁だと思い、参加を決めました。

佐藤:希望が見えないとは、具体的にどんな状況でしょうか。

渡邊:職員が日々の仕事の業務に追われて、ご利用者様のリハビリや談笑等が後回しとなり、日を重ねる毎にご利用者様のADLが落ちるんですよ。足の筋力が衰えて、自立で歩けていた人が歩行器を使用するようになり、最後には車椅子になっていく事例はよくありました。また相手の話を理解して会話できていた人が、できなくなってしまうこともよくありました。そのような現状を目の当たりする事がとても嫌でした。

さらに同僚・上司・私も含めて、身体に介護負担が来て腰を悪くしたり、夜勤業務やご利用者様からの粗暴行為や精神的ストレスでウツ状態になってしまった仲間の介護職員の姿に、将来への不安は募るばかりでした。

加えて介護業界のイメージは私の中でいい印象は無く、仕事に「誇り」を持てていませんでした。

 

佐藤:私も感じることかもしれないことです・・・。渡邊さんのマイプロを教えて頂けますか。

渡邊:自分をもっと知って自分にしか出来ないことを見つけることが、私のプロジェクトでした。

佐藤:なぜそのプロジェクトにしたんですか。

渡邊:希望が見えなくなったときに、「私って何をしたら良いんだろう」「そもそも自分って何?」って思い、そのままこれをプロジェクトにしようと思いました。

佐藤:そこから見えたことは何でしょうか。

渡邊:介護現場に戻りたいなと思いました。私、KAIGO MY PROJECTを始めた当初は、介護の仕事を一旦離れ、事務職として働いていました。ですが、KAIGO MY PROJECTに参加して、自分の過去や自分自身を見つめる中で、自分の性質が福祉そのものにあっていることや、人の傍でお世話をすることに、とても喜びを感じていたことを思い出したんです。

 

佐藤:介護の仕事を辞めていたんですね!でも、どうして改めて介護に戻りたいって思えたのでしょうか。

渡邊:自分(ME編)を深めていったおかげです。半年間の就職活動の最中、「私がやりたい職業って何だろう?」って自分に問い続けました。働くのなら自分のやりたいこと、楽しいことや何か将来に繋がるものが良いなと思いました。辛くてもやり甲斐のあることにしようと思い、自分自身を見つめていくと、私にとって「介護現場で働くこと」はやり甲斐のある仕事であることに気づいたのです。

佐藤:自分に向き合った結果、介護現場に戻りたいと思えたんですね。そこに辿り着くまでに何か行動したことはありますか。

渡邊:自分の興味のあるものに貪欲に突き進んでみました。まずは可愛ちゃんからご紹介頂いた藤沢で小規模多機能居宅介護やデイザービスなどを運営する、「あおいけあ」を訪問しました。そこは、ご利用者様の自主性を尊重していて、私がこれまで見てきた介護施設ではありえない光景が広がっていました。私がやってきた介護って何だったんだろう?と問われた気がして、涙が出ました。

その他にもKAIGO MY PROJECTの初回に、ゲストとしてお越し下さった社会福祉法人のウエルガーデン伊興園の施設長である杉本浩司さんの介護理念に魅力を感じ、施設に行って杉本さんの介護観や施設内のこだわりをお聞きしました。

そして杉本さんが勉強された「竹内理論」を学んでみたくなり、その学会のシンポジウム開催の情報を教えてもらい竹内教授に会いに行きました。竹内教授に同理論を実践しているリハビリ特化のデイサービスを運営する医師をご紹介頂きました。この理論を私はまだ語れませんが、「歩けないから車いす」ではなくて、「歩けない原因を知り、あなたのペースでリビリして歩けるようになりましょう」といった前向きな現状維持でも低下でもない、改善スタイルが介護にもあることを新しく知り、介護の世界は広い!と、とてもやる気が出ました。

そして、来月から竹内理論を実践するデイサービスで働くこととなりました。

佐藤:おめでとうございます!渡邊さんの関心から繋がりがどんどん広がっていて、凄いですね!そのご縁は舞い降りてきたのでしょうか。

渡邊:自分から掴みました。相手は私に連絡する必要はないからこそ、私から行動して想いを伝えました。ここで繋がれた方々を私は尊敬しているし、みなさん、私を気持ちよく受け入れて下さいました。

 

佐藤:渡邊さんにとってKAIGO MY PROJECTとはどんなものでしたか?

渡邊:もし言うのだとしたら、私にとっては仕事を探す場でした。KAIGO MY PROJECTに参加していなければ、納得感を持ってデイサービスへのステップに進むことはなかったと思います。

あと、自分を深めるきっかけになりました。とてもネガティブで、人の意見に左右されやすかったのですが、まず自分が自分を認めてあげるために、「自分のことを愛す。」ことが最終的なプロジェクトになりましたね。

佐藤;自分のことを認めるのと認めないのだと、何か変わるのでしょうか。

渡邊:私も全部受け止められているかと言われたら、そうではありませんが、受け止めなければずっと反発してしまい、嫌悪感や嫉妬が生まれ、苦しくなってしまいます。でも、「私はこういう一面がある。でもそれはそれで良い」って包み込んであげると、心が平穏なんですよ。

佐藤:認めないと苦しい方向に進んで行ってしまうんですね。

渡邊:そうなんです。自分の気持ちを自分が気付き、汲み取ってあげることが出来るようになるきっかけが、この場でした。それにカミングアウト出来る仲間がいたことは大きいですね。自分が苦しんでいたり、喜んでいたりする思いは意外と他の人も感じていることに気付くこともできました。とても面白く、やった甲斐がありました。

佐藤:すごく濃い3カ月間だったんですね。マイプロをやって何が変わりましたか?

渡邊:自分の過去を見つめて、こんなにも色んな事があったらこんな人間が出来上がるよなって納得しました。「私の過去は大変だった。それならこういう私だからこそ出来ることってなんだろうね」って。マイプロが私の背中を押してくれました。自分史を深めるきっかけにもなり、自分で自分に興味を持てたし、今、自分の可能性っていっぱいあるなと思えています。

佐藤:プラスの方向に進んで行っているんですね!では最後に可愛さんの魅力を教えてください。

渡邊:とてもニュートラルで融通が利きますね。あとは、自分で自分を深めているから冷静で熱くて芯がある。ぶれない。私より若いからこそ焦りも感じますが、尊敬できる子です。自分を見つめなおす機会をくれた可愛ちゃんには、本当に感謝しています。

佐藤:ありがとうございました。

 

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【KAIGO MY PROJECTインタビューvol.1】田中義望 介護現場のオープンアッププロジェクト

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プロジェクト名:介護現場のオープンアッププロジェクト
田中義望 デイサービス 管理者

 

秋本:KAIGO MY PROJECTの参加動機を教えて下さい。

田中:かあいちゃんに誘われて、面白そうだな〜くらいです。(笑)

秋本:ありがとうございます。(笑) 3ヶ月でどんなマイプロがうまれましたか?

田中:介護現場の質が悪い原因の1つに「介護事業所の閉鎖性」があると考え、「介護現場のオープンアッププロジェクト」を立案しました。

最初は「現場を良くしたい」「介護業界を良くしたい」といった漠然とした想いでしたが、プログラム期間内の実践を通じて具体化していきました。まずは知り合いの介護現場職員を事業所にボランティアスタッフとして招いてフィードバックをもらったり、事業所の職員を他事業所にボランティアに行って気付きを現場に持ち帰ってもらいました。スタッフからも「ボランティアを自分の呼んできていいか」などとの声もあがり、受け入れることでの気付きは大きかったものの、継続的に来てもらえないと質の向上にはつながらないと思いました。

継続的にボランティアや、地域の人が訪れる開放的な事業所になるにはどうすれば良いのか悩みました。メンバーから色々なアイディアをもらい、まずは地域の認知症家族の会や勉強会に参加し、自分自身が地域の人と繋がりをつくることから始めました。今後は、新たな繋がり中で見えて来た地域の人が抱える課題をテーマにしての勉強会や、近隣の事業者と合同の勉強会などを開催できたらと思っています。

 

秋本:小さくアクションして毎回気付きを得てシフトしていっているように感じるのですが、プログラム期間中はどのように進めていったのでしょうか?

田中:前半はme編に注力しました。もともと内省は就活のときから頻繁にしていたのですが、それを全部言語化するのは初めてでした。ましてや誰かに話したことなんてありませんでした。とても新鮮で、色んな人に話しを聞いてもらって、自分がなぜ介護の現場の質の向上に強く思い入れがあるのか、いくつもある原体験の中から格となるつながりが見え、クリアになってきました。

そのため、第5回目以降は自然にプロジェクトを進めることができました。プログラムの度にメンバーに実践したことのフィードバックをもらったり、新たなアイディアをもらいました。

 

秋本:KAIGO MY PROJECTに参加してから気付いたことや変化はありましたか?

田中:自分の過去にあったことを、抵抗なくありのままに人に話すことができるようになりました。一昨年、父の還暦を家族全員で祝った2ヶ月後に父に食道癌が見つかりました。幸い、発見が初期であったため1年間の抗がん剤治療を経て治りましたが、職場の人や友達など誰にも言うことができませんでした。誰かにありのままの自分を伝えることで、自分をより傷つけることになるのではないか、相手に迷惑をかけてしまうのではないかという恐れがありました。

秋本:そこからなぜ、ありのままに開示できるようになったのでしょうか?

田中:初日のプログラムで、参加者が自分は性同一性障害だとか、大好きな彼女が亡くなった話を聞いて、初めて会った人間によくそこまで開示できるなって思ったのと同時に、言ってくれる有り難さを感じました。それがあったから、自分も話そうと思うことができました。

秋本:仲間の開示が、背中を押してくれたんですね。

田中:自分の悩みを伝えることで、自分のためになんとか知恵をしぼって、一緒に考えてくれる人の温かさを知りました。原体験を話すことは、すぐに距離感を縮めてくれました。

 

秋本:参加してから実感している変化はありますか。

田中:周りに応援してくれる人や、味方が増えた気がしています。

プログラムの途中までは、どうやって相手が考えていないことを考えられる質問ができるようになるかなど、テクニック的なところに意識が向いていました。しかし、一番3ヶ月の中で大きな変化は、ためらうことなく誰かに自分のことを伝えることができるようになったことです。自分のことを開示できるようになるとか、全く予期していませんでした。

秋本:マイプロ参加後、何か仕事への影響はありましたか。

田中:人の人生に深く関わろうとするようになりました。心労がたたって休んでいた部下がいたのですが、深く介入しないとダメになってしまうと思い、とにかく話しを聞く時間をつくりました。また、問題を起こしてしまって責任を感じて辞めようとするスタッフがいて、僕が必ず責任持って教育するからと他のスタッフを説得したりもしました。以前より、自分が関わったことに意味を感じ、丁寧に関わるようになった気がします。

秋本:1人1人丁寧に関わるって、とても素敵ですね。ありがとうございました。

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田中義望 Facebook Twitter

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「傾聴」した気になっていませんか?(KAIGO MY PROJECT5期2回目)

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4月19日(金)、KAIGO MY PROJECT5期の2回目のプログラムが行われました。
マイプロでは、仲間との対話を通じて各々のプロジェクトを深めていくため、聴く力が問われます。2回目は、互いに悩みや課題を話ながら傾聴力を磨くワークを行いました。

「傾聴」は日常的にその重要性が問われていますが、実践するために体感としてそのことを理解し、日々鍛えていくことが大切であると考えています。そのため、メンバーにはワークを通じて全員がまず体感してもらい、最後に解説をしながら理解を深めていきました。

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ワークをやった後のメンバーの感想は次のようなものがあがりました。まずは聞き手になったときの感想です。

  • 人に正確に伝えるという前提があるとこんなに耳がよくなるのかというほど、真剣に聞きました。ずっとは無理かもしれないけど、こういうことがいわゆる「傾聴」と言われるものの“態度”なのかなと感じました。
  • 相手の話を聞いて、勝手に自分で解釈してしまっている部分があったことに気付きました。勝手に自分で言い換えてしまったり、思い込みを持たずにまっさらにして相手の話に素直に耳を傾けるって、とても難しいと感じました。

そして、ワークを通じて悩みを聞いてもらった感想は次のものがあがりました。

  • 自分が話しているときに感じたのは、どうしてこれまで悩みを人に相談してこなかったんだろうということです。これまで自分で悩みを抱え込んでしまって、自問自答して解決できるという驕りみたいなのがあったと思うんです。心から正直に話してみたらこんなに得るものが大きいんだって、◯年生きて来て、初めて分かりました。
  • ほとんど初対面に近いのに、誰にも話したことのないようなことを話していて、この信頼関係は何なんだろうって、何で話しているんだろうって思いながら自然に話している自分がいました。「聞いてもらえる」ってことが分かると、こんなにも安心して話せるんだなと思いました。この信頼関係は、初対面でもできるんじゃないかなと思いました。
  • 職場では悩みを言ったり聞いてもらうことはないんですけど、打ち明けることができてスッキリしました。解決策を一緒に考えるのもすごく楽しくて、こういう考え方でポジティブになったり、視野が広がったりするんだなって感じたし、考え方1つでその悩みはなくなるんだなって思いました。

最後にワークの解説で傾聴の理解を深めて終わりました。残りの6回のプログラムでも、今日学んでいった「傾聴」を意識しながら参加者全員で傾聴力を磨いていきたいと思います。

 

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KAIGO MY PROJECT体験イベント

■4月28日(木) 19:00〜22:00 詳細はこちら

■5月15日(日)  13:00〜16:00 詳細はこちら

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地域包括ケアシステムは、人を動かすマネジメント。(Re:PRESENT開催報告)

4月17日(日)、初の「Re:PRESENT」を開催致しました。この企画は、定期開催している『PRESENT』の振り返り企画です。Re:PRESENTでは、イベント当日の学びをレポートを通じて振り返り、ご自身のフィールドにおける実践に繋がる学びとして“明日からの一歩”に繋げることを目的としています。

初回は、昨年10月に開催致しました、『PRESENT_03 堀田聰子 地域包括ケアシステムって結局、何?』の振り返りを行いました。参加者はPRESENTの参加者と運営スタッフ12名限定で開催致しました。ファシリテーターは代表の秋本可愛が務めました。

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会のはじめは、[チェックイン]と称し、参加者全員で名前、仕事や参加理由を共有し和やかな雰囲気で始まりました。参加者は、介護職、医者、PT、人事、経営者、行政やメーカーと多様な職種の人にご参加頂きました。

PRESENT_03の2万字にも渡るレポートを全員で音読みし、気付きを参加者同士でシェアしました。

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その後、参加者の中でそれぞれのフィールドにおける実践の課題や、レポートの中で深めたい問いをあげてもらい、3つのグループにわけてダイアログを行いました。

あがったテーマは以下の3つです。

  • 法人の他のスタッフを地域づくりに巻き込むには、どうすればいいか?
  • 私たち一人ひとりが主体的に“どのように生きたいか?”、“どのように死にたいか?”を考えていくには?
  • 昔の地域ぐるみのコミュニティと今の個人主義を上手くいかしたカタチの新しい地域のカタチってなに?

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「法人の他のスタッフを地域づくりに巻き込むには、どうすればいいか?」をテーマに話し合ったグループの模造紙

「法人の他のスタッフを地域づくりに巻き込むには、どうすればいいか?」というテーマを上げたメンバーからは、「色々と示唆を頂いて、まずはスタッフに目的を共有することが大事だなと思いました。みんなにやってもらうための仕掛けをつくっていきたいと思います。同時に業務効率化をしていかないと時間を割けないことにも気付きました。既に法人内の取り組みでいいものもあるので、それをどう実績に繋げていくかも重要だと感じました。7月にキックオフの会議があるので、早速今日の気付きを実践したいと思います。」と次のアクションが具体的に見えた様子でした。

一緒にこのテーマについて考えていた参加者は、「地域包括ケアは、人を動かすマネジメントなんだというのを感じました。我々市町村の中でどうするかっていう議論はよくありますが、法人の中にもその課題があるのが大きな気づきでした。」と話して下さいました。

「PRESENT」は講師から直接学べる最高の機会ですが、学びを実践に活かしていくために定期的に「Re:PRESENT」も開催していきたいと思います。

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また、次回のPRESENTは6月5日に元厚生労働省室長、現在アクセンチュア株式会社ヘルスケア部門統括を務める武内和久氏をお迎えして開催致します。(詳細・お申し込みはこちら)

ご参加お待ちしております。

KAIGO MY PROJECT5期スタート!

4月10日(日)、KAIGO MY PROJECT5期がスタート致しました。
KAIGO MY PROJECTは、おかしいなと感じた違和感や、もっとこうしたいという想いをカタチにしていくプログラムです。個人向けプログラムは1年で53名が参加をしてくれ、様々なプロジェクトが動き始めています。

「他人が見ていないとき、自分も手を抜きがちになってしまう」そんな違和感から、継続的に地域の人が入ってくる仕組みをつくりたいと『介護現場のオープンアッププロジェクト』を始動した介護職や、在宅医として介護職と関わる中で専門性の違いに問題意識を感じ、医療者と介護者をつなぐファシリテーターとしてプロジェクトを始めたメンバーなど、色んな想いがアクションとして動きはじめています。

2年目のスタートとなる5期も、「介護」を中心に様々な想いや課題意識を持った、介護士、鍼灸師、事務、システム、人材と多様な11名のメンバーが集まりました。

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第1回目は、「マイプロシート」を使い、自分自身のプロジェクトを書き出し、グループの対話を中心に進めました。OB・OG4名がサポートにかけつけてくれ、1人1人の想いの背景を深ぼったり、どうやったらプロジェクトが前に進むかを一緒に考えていきました。

ワークを通じてメンバー1人1人がどんな気付きを得たのをかを一部ご紹介します。

  • 自分のやりたいことを口に出して言うことで、更に「やろう!」って気になった。やっぱり聞いてくれる人がちゃんと聴く役に徹してくれ、自分のやりたい事を肯定してくれたのが良かった。職場で同じことを言うといやいやそれはって否定されることも多いので、そうなんだって言ってもらえたことが自分にも安心できる空間だったなと思った。
  • 傾聴は、相手のために傾聴するのだと思っていたが、自分のためにやるんだということを実感した。
  • すごく人見知りなんですけど、目的を持ってここに集まってきている安心感からか、はじめからどんどん自分のことを無理なく話せたのがすごく良かったです。
  • 3時間ワークの中で気付いたのは、対話ってすごく大事だなと思いました。自分が話して聞いてもらえるのも凄く大事ですが、相手のことを真剣に考えて質問 するとか、こういうことできるんじゃない?って提案をするとか、本気で相手のことを考えることがプロジェクト全体が良くなっていくんじゃないかなって思いました。

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5期も素敵な会場を、リジョブさんよりご協賛頂きました!ありがとうございます!

【KAIGO MY PROJECT体験イベント】
4月28日 19:00〜22:00 詳細・お申し込みはこちら
5月15日  10:00〜13:00 詳細・お申し込みはこちら

理想の社会づくりのために、誰でもできる地域連携に向けた一歩とは?

前編「高齢者のお世話は介護じゃない。誤解だらけの「介護職」の本当の役割とは?」では、地域の人が集うあおいけあのできるまでのヒストリー、その中で介護職の真の役割とそれを実行する上で欠かせない考え方を学んできました。

後編は、そもそもなぜ地域を巻き込む必要があるのかを社会的背景から紐解き、今求められている在宅介護サービスのカタチと理想の社会づくりに向けた誰でもできる多職種連携に向けた一歩をお教え頂きます。

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これは国土交通省が出している資料で、日本の人口統計が書いてあります。明治維新から100年で伸びた人口がこれから100年で減っていきます。今日本の1番の問題は、1億2600万人分のインフラを整備してきたのにも関わらず、100年後には4000万人分しかいらなくなるんです。自治体も523もの自治体が消滅すると言われています。東京も墨田区がなくなるとか、小田急線は狛江で止まるかもしれないと言われています。僕たちはそういう社会を生きているんです。

皆さんの中に、その意識はありますか。当然、今やっている仕事が明日も明後日も続くなんてことはありえませんし、特に自治体の職員の頭が切り替わらないことにはどうにもなりません。介護職員も同じですよね。

今が、税収がピークですよ。税収がピークなのに借金はどのくらいありますか?日本で子供が生まれた瞬間に一人当たり8300万円の借金を背負って生まれているんです。しかもまだまだ増え続けます。ここに生きている大人たちが、「必要なんだよ、医療が」「必要なんだよ、介護が」って言って、50万床もの特養増やして、その借金誰が払うのか。本人たちではなく、人口が4分の1になる世代に借金を丸投げにしているんです。

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これは高齢者の推移です。高齢者が増えるわけではなく、少子化によって高齢化率あがります。逆を言えば、他の産業は空洞化するんですよ。「車が欲しい。」「家が欲しい。」そういう人たちはどんどん減りますね。そんな中、医療介護がこの先のリーダーというのは正しいと思います。ただ、これからどこに向かうのかがとても重要です。

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例えば、僕たちの事業所のある神奈川県は、人口10万人あたりのベッド数は、全国で1番少ないんですね。神奈川県民1人当たりの医療費は年間8万円くらいです。一番多いのは高知県で年間1人当たり19万円もかかっています。高知県民は神奈川県民の何倍も医者にかかりやすいという話ではなく、ベッドがあるから使っているんです。実際に神奈川県よりもはるかにスウェーデン、デンマークやイギリスではベッド数は少ないんですね。神奈川県にベッドがないことを嘆くのか、それともそうではなく、ベッドを使わなくて済む方法を考えるのかという話です。

特養も同じです。藤沢市の県議会議員に尋ねたところ、特養をつくるのに税金だけで33億円がかかっていました。ということは、ベッド1個当たり3,300万円もするんですね。家が建つでしょ。しかもこれは社会福祉法人が運営するので、自治体には1円も税収が返ってこないんですね。

藤沢市民のうち待機者が1,400人いるからと2012年に新規特養を開設したんですね。33億円もかけて特養をつくったら、待機者が1,600人増えたんです。本当は1,300人減らなきゃいけないのに。ニーズっておかしいでしょって話ですよ。「足りない。必要だ。」と言っていますが、特養に住みたいって言うばあちゃん見た事ありますか?そんな当事者いないんですよ。造る側は自分のことだとは思っていないんですよ。あと5年、10年したら特養は全部ビニールハウスでいい。

会場:(笑)

30年、40年経って、それを壊すのも税金でしょ。ちゃんと知恵を使って考えていくということを皆でしなきゃいけない時代です。

地域に足りないのはサービス資源ではなく、
マネジメント機能

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今までの在宅介護サービスは、ほとんどワンアイテムショップなんですよ。ショッピングモールにいくと、靴下屋さんとかワイシャツ屋さんとかありますよね。でもあれが街の中にバラバラにあって、レジが違うところにあったら皆さん買い物行きますか?とても不便ですよね。

でも今の在宅介護はそうなっているんですね。帽子屋さんがデイサービス、ショートステイが靴下屋さん、ヘルパーさんがワイシャツ屋さんだとすると、レジがケアマネさんですね。全部バラバラなんです。

これをまとめたのが、小規模多機能の考え方です。デイサービスも、ショートも、ヘルパーもいれて、ケアマネジャーをちゃんと伴奏型にしましょうという考え方です。さらに今は看護や、藤沢ではリハビリ職も入ってきます。この先おそらく地域の居場所事業なんかも入ってくるので、ワンアイテムショップでなく、ワンストップサービスが徐々に増えてきます。

今まで例えば1万6千単位を持っているじいちゃんがいたら、1万6千単位ぎりぎりのケアプランをケアマネさんが作るんですよ。じいちゃんのニーズではなく、持っているから作っている現状があります。それではだめですよね。小規模多機能は包括報酬で1ヶ月当たりの報酬が決まっているので、1万6千単位持っていたとしても1万2千単位で1ヶ月みれることになります。この先、包括報酬にどんどん切り替わっていきますよ。その時の準備を介護職はしていかないといけないですね。

スクリーンショット 2016-02-18 16.01.41例えば、うちの事業所は今事業所を新設しようとしています。左の図ピンクの所に、小規模のサテライトをつくり、その横にコミュニティレストランや2階にペアレンティングホームと言う、シングルマザーに特化したシェアハウスをつくろうと思っています。

若いシングルマザーは夜の仕事をするために、高いお金がかかってでも子供を保育所に預けて、ワーキングプアみたいな状況になっていますが、例えば、小規模多機能は地域に根ざされ24時間365日誰かがいるので、いつでも逃げ込める場所になります。そこにコミュニティレストランを併設すると、世代間交流が当たり前にできますよね。

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労働人口がどんどん減っていく社会の中、女性が社会参加しやすい環境をつくっていかなければなりません。ここで働いてもらえれば人材不足の解消にもなるし、上に子供がいれば夜勤だってできるじゃないですか。それに学童や保育所がいらなくなりますよね。子供たちはじいちゃんばあちゃんがを見てくれます。「マイノリティ」みたいなものが今問題にされていますが、実は一緒に組み合わせてしまうとお互いが支えられるよってことが結構あるんです。それを僕はやっていきたいんです。

 

誰でもできる地域連携に向けた一歩とは?

医療や介護のアウトプットって何でしょうか。「医療 = 健康になること」とか、「介護 = 転ばない・風邪引かない」と勘違いされることが多いですが、病院や施設はあくまで道具ですよね。この道具を使って、「QOL=生活の質」をあげることや 「QOD=幸せな死に方をすること」が医療や介護の目指すところですよね。

それを行うために僕が大切だと思っているのは、以下の3つです。

  1. 意識の高い専門性を使える人が増える
    QOLやQODを高めることであるにも関わらず、退院は困るとか、転んじゃ困るとか、薬を飲ませて寝かせておこうとか、今の医療や介護はおかしいところがたくさんあります。そうではなく、専門性が使える人が欲しいんです。専門職が欲しいのではなく、人として専門性が使える人が欲しいんです。私は医者だから、私は介護士だから、「あなたをみてあげられる人です」というような専門職は地域に必要ありません。
  2. 学べる地域づくり
    例えば、救急車1回呼んだら15万円掛かります。そのことを知っている人ってどのくらいいるでしょうか。意外とそういうことを知らないんですよね。何も知らずに呼んでしまって税金を使ってしまうのですが、その事実を知り、そうではない方法を知っていたら行動も変わると思うんです。そういうことを地域で学べるところをつくりたいと思っています。
  3. 住民意識を向上し、子供たちに借金を残さない
    学べる環境づくりも踏まえ、子供たちに借金残さないようにと考えた時、地域住民1人ひとりの意識の向上が重要になります。だから団塊の世代の人たちは、ピンピンコロリしてくれないと困るのです。好き勝手な生活して医者にかかればいいというのではない社会にしていきたいですね。

そのことを地域の仲間の協力を得ながら様々な勉強の場を開いています。

例えば、うちの勉強会は、各事業所の職員が15分ずつ事例発表をします。年に4回ゲストを呼んでやっています。それを全員の職員や、地域の仲間の事業所は全部声を掛けます。自治体の職員も参加しています。うちの勉強会ですが、自分たちだけのためではなく、地域全体のボーダーラインをあげることを意識しながらやっています。

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また、地域マネジメントとして「絆の会」という飲み会を毎月やっています。20代から40代の若手の仲間たちが中心で、毎月飲み会をしています。これは、どの地域でもできますよね。どんなに偉い人が来ても、鎌倉市の松尾市長が来ても、「おー、松尾ちゃん」って感じです。これだから多職種連携です。いつも地域の仲間たちが顔の見える関係で繋がっています。

あおいけあの代表取締役と病院の院長が繋がっていても医療介護連携ではなく、そこで働いている職員たちの顔が繋がっているのが、本当の医療介護連携だと思っています。

最近は、飲み会から派生して、どんな人でも集える場所つくりを軸に地域で人を育てるNPO法人ココロまちが誕生しました。パン屋でバンドボーカルがいたりだとか、伊藤忠で働いているデザイナーがいたりだとか、医者がいたりだとか、看護師がいたり、介護職教員がいたり、ケアマネがいたり、いろんな仲間たちと一緒に今活動しています。

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このあと後半のワークでは、加藤さんから「あなたの明日からの一歩は何ですか?」と問いかけがありました。前半に掲げたトップゴールに向けた一歩を参加者同士でシェアし合い、会場は熱気につつまれました。

お食事は「全員参加型」にちなんで、参加者と一緒につくって食べるトルティーヤをご用意しました。今回も八百屋集団「sunshine grown」さんにご提供頂きました。

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イベントラストは、加藤さんとのQ&Aへ。秋本がコーディネーターを務め、事前に参加者から寄せられた質問にお答え頂きました。

秋本:それではこれから、皆さんお待ちかねのQ&Aに入っていきます。よろしくお願いします。

数多くある質問の中で、加藤さん自身に対する質問を多く頂いております。現場経験を積んで出てきた問題意識から、自分のやりたい介護をしたいという想いで独立をされたということですが、 25歳という若さで1億円の融資を受け、起業するのはとても勇気がいることだと思います。一体、何が加藤さんを突き動かす原動力となったのでしょうか?

加藤:よく言われるんですけど、ただの無鉄砲です。若気の至りというやつです。それがたまたま成功したというだけです。銀行から1億の融資を受けることはさほど怖くはなかった様な気がしています。むしろ怖かったのは、僕が先に離職しているので、それを追って僕の元職場(特養)の仲間たちから「いつ辞表を出して、お前の所に行けばいい?」と言われることの方が、彼らの人生を背負い、雇用するという意味で怖かったです。

始めたのは、山井さんの「グループホーム基礎知識」という本を本屋で立ち読みした時に「俺にもできるんじゃないか?」と思ったのがきっかけの1つです。

若いうちにやる方が成功して、経済的に豊かになった40~50歳になって挑戦する方が失敗しやすいというデータも出ています。安定の中で自分の目標を実現するより、リスクを抱えながら「あ~どうしよう!!」という状態の中で挑戦する方が自己実現は可能だと思います。なので、やるなら早いうちにやってしまう方がいいのではないかと思います。早いうちの失敗は、早いうちにカバーできます。

例えば、僕なら25歳で事業を起こして、その10年後の35歳では、ある程度今のあおいケアのスタイルが出来上がっていて、この5年間で多くの仲間が出来て、あちこちで仲間がもがいてくれたんですよ。

僕は今、41歳ですが、あと10年は自分のやりたいことをやれるんですね。ただ、これが50歳で始めて、60歳で結果を出すとなると、遅いんです。それならもっと早く始めた方が社会的な損失は少なくて済むと思っています。

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秋本:ありがとうございます。何も持っていなかった所から始められて、そこから色々な仲間が出来て、今となっては藤沢以外のエリアからも勉強会に参加される人が数多くいますが、独立から今に至るまでの仲間が出来ていくストーリーをお聞かせ頂けますか?

加藤:僕は独立後、藤沢市の介護事業所が集まる連絡所的な所に行きたくなかったんですね。何か違うというか、そこに行ったら言いたいことも言えないので、あまり外と交流を持たなかったんですね。

ただ、東日本大震災が起爆剤になりました。同じ藤沢でぐるんとびーという会社をやっている菅原健介が被災地支援をやっていて、僕はドライバーを頼まれて一緒に行ったんですよ。震災1か月後ということもあり、お互いが極限状態で泊まり込みで支援をしていました。帰ってきて半年経過した時、石巻市の希望の鐘商店街の仲間で1億円を寄付した面白い人がいるから一緒に話そう!という飲み会があって、“自分の知っている面白い奴を連れて来よう!”と始まったのが、「絆の会」です。

医療・介護だけではなく、異業種もたくさん来ています。絆の会では毎回1人が20分必ずプレゼンします。その時に頑張っている人や、やりたいことのある人が話す。その中で産業廃棄物の処理事業の社長をしている仲間がいて、彼のプレゼンを通じて、仲間内で「ゴミをどうやって減らせるか」などと勉強する訳です。それで、たまたま僕が発表した時に彼らが僕のプレゼンを「すげー!!」と賛同してくれたんです。

自分がやっていることが周りに理解されていないと思うことは、よくあると思うんです。僕も小規模多機能をやっていて、周りに「小規模多機能」を知っている人が全然いなかったので、初めは全然お客さんが来ないので、首吊ろうかなと思ったくらいでした。今は仲間と一緒に色んな所へ行って講演を自主的に100回以上しているんです。結果、今はお客さん来るようになっています。やっぱり動かなきゃだめです。動くから学びが得られるんです。

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秋本:ありがとうございます。今、外部の人を巻き込むまでのお話を頂きましたが、もう少し小さい単位で人を巻き込むことについて伺えたらと思います。加藤さんの事業所では、仲間の意識づけはどうされているのでしょうか。また介護の自立支援は職員だけでなく、本人であるご利用者の意識も同様に重要だと思うのですが、ご本人への意識付けはどのようにされているのでしょうか?

加藤:よく「スタッフさんの配置人数が多く、とても意識の高いスタッフが多いのではないですか?」と聞かれますが、うちは新聞広告の求人を見て応募してきてくれた無資格・未経験のおばちゃん達が多いんです。今、3事業所の管理職はパートで採用した40歳くらいのおばちゃん達なんです。専門職で「介護ってこんなもんでしょ」という凝り固まった考えを持っている人よりも、ここに一緒に座らせてもらっていいですか?という様に普通のことがすんなりできる人でないと、うちのケアは向かないと思っています。

面接する時も、いくつか質問するんですが、そのうちの1つしか重要な質問はなく、あとは全部ダミーでやっています。(笑)大切なのは本人がじいちゃん、ばあちゃんが当事者であることを理解していることです。

最近、静岡大学の情報学部の研究を行っていて、どうやって声掛けをしているのかなど、時には職員がカメラをつけて事業所の情報をずっと記録しているんですね。それを今、ユマニチュードと比較しているんです。最近の研究発表によると、直接的な声掛けには特徴があることがわかってきました。

「椅子に座って下さい」って「have a seat」と言いますが、例えばご飯を作る時に、職員が「今日は鍋を作ります」なんて言ったら、これはやらせる側とやる側になってしまいます。

「why did not have a seat ?」なんで椅子に座らないの?という声掛けの仕方。「なぜこのこんにゃく切ってくれないの?」という質問の仕方から「こんにゃくは手でちぎった方がいいのかな?もしくは切った方がいいのかな?」という感じではじめてみる。

「今から、よもぎを仕分けるんだけど、これであっているかな?」という様な声掛けを行うと、ばあちゃんたちが「どれ、どれ?」と主体に入ってきてくれる。そういう環境をスタッフさんたちは作り出すのが上手いんです。

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秋本:ありがとうございます。静岡大学の研究等される中で、今後あおいけあの実践方法が広がっていったら良いなと思うのですが、藤沢以外に広めていくためには何が大切だと思われますか。

加藤:まず、ここにいる1人ひとりが特別視を捨てることです。「あれは藤沢だからできるんだ」「加藤だからできるんだよね」という様な意見では、すでにやらない理由を探しているので、そのような人達には何も変えられないと思っています。東京だろうが、どこだろうが、そのエリアに生きる人が考えるのが一番良くて、「田舎だから…」「人口が少ないから」というような話ではないという事です。

その中で必要な事を誰がやっていくのか?どれだけ本人が1人称で語れるか、3人称じゃなく1人称で「自分がこういう生活がしたいから」「自分の親をこういう風に見たいから」という事を具体的に行動できることから誠実にやっていくことだと思います。

藤沢からの広め方という所ですが、まずは藤沢を面にしたいと思っています。僕だけではなく、仲間達が始めた事業所があるので、その人たちとやっていけば、藤沢では「お宅まだそんなケアしているんですか?」って堂々と言えるようになるじゃないですか。そうした時に「藤沢型」というスタイルで横スライドできるのかなと思っています。今のところは広くバンバンやっていくより、地域内で実現できる人や若い子たちと一緒にやっていきたいと思っています。フランチャイズではないけれど、やっている所をどれだけ支援できるかが勝負だなと思っています。

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秋本:まずは藤沢で広めるということですが、加藤さんの2025年の目標をお聞かせ頂けますか。

加藤:実は僕は30代前半から40歳になったら、引退して農業やりたいって言っているんです。今、それを仲間に言うと烈火の如く怒られちゃうので言わないようにしています。(笑)

内閣官房の国民会議に出ようが、僕はただの介護屋ですし、皆さんと変わらないただの人間です。とにかく、僕は偉くなりたくない。基本的には偉くていいことがあるのか?と考えています。

この先、すごくなろうとは思っていないけど、介護の文化を変えたいと思っています。40年前の療養上のお世話をして頑張っている的な古臭いカタチは頭を切り替えて欲しいんです。そんな中で若い人には、取って代わってイメージの転換を図って欲しいと考えています。ここにいる人たちは最前線ですよ。

日本は世界で一番早く超高齢化社会へ突入したわけです。世界の人たちは日本人が何をするか見ています。日本人はここまでかと思われるか、日本人はすごいねと思われるかは、上の世代の人ではなくて、ここにいる人たちが何ができるかだと思っています。人前に出てきて話す必要があると思っているのは、皆さんのような若い世代に伝える必要があるからです。もういい加減に考え方を変える時に来ています。

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秋本:最後に、私たち若手に向けたメッセージをお願いします。

加藤:僕より上の世代で頑張っている先駆者は、他のコミュニティーとは交わらず、孤立している人が多いですよね。一致団結してやるというより、私たちのやっていることはすごいんだという人が多いです。

しかし、僕等より下の世代は、物欲の無い世代なので、仲間に認めてほしいという所が多いでしょう。僕もそうですし。でっかい会社に集まってお金儲けをするというよりは、地域内でバラバラに自分のやりたいことをやっているけど、何かあった時は一致団結して協力し合うことが、これからの社会ではものすごく大切になってくると思います。

若い人たちには今ある社会というものを疑える人になってほしい。むしろ、自分たちの方がど真ん中だということを感じてほしい。外れたことやっているなーと思わずに、堂々と「おかしいのは社会だ」と、はっきり言って欲しい。自分たちのおかしいと思う感覚を大切にして、何か動いて、色々な事を学んでいって欲しいですね。

加藤さんの熱いメッセージに、会場は熱気で包まれました。イベント最後は参加者同士で学びをシェアし、この日の学びの場を築いた全ての人に拍手を送って、締めくくられました。

 

2本に渡り最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
次回のイベントや、これまでのイベントのレポートはこちらからご覧下さい。
また皆さんと学びの場をともにつくれることを、楽しみにしております。

次回は排泄ケアの常識を覆す、排泄のタイミングが分かる排泄予知でバイス「DFree」を開発するトリプルダビュリュージャパンの中西敦士氏をお迎えします!詳細はこちら

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(文:秋本可愛 イベント当日写真:古川佳裕 その他写真提供:株式会社あおいけあ)