私が介護職を選ぶ理由 〜早大生まっきーの高学歴介護職インタビュー〜

私、柳田真希は、早稲田大学人間科学部の4年生。
現在就活真っ只中、第一志望は介護職だ。

 

両親は共働きで、小さい頃から祖父母に面倒を見てもらってきた私は、いつか恩返しをしたいと、中学の頃から「介護職」になりたいと思ってきた。「介護福祉士」や「社会福祉士」など介護に関連する資格を取れる大学を受験し、受かった中で、唯一両親が嬉しそうだったのが「早稲田大学人間科学部」であったため、進学した。

 

今年、大学4年を迎え本格的に進路を考える時期がやって来た。もちろん、私は介護職一本で考えていたが、初めて迷うことになる。

私の両親は、介護職になることを全く望んでいないのだ。

早稲田大学人間科学部で取得できるのは「社会福祉士」なので、介護現場ではなく社会福祉士の資格を活かして公務員としての就職を進めてきたり、「給料が安い」「大変そう」など世間的に言われる介護のイメージを心配してきたのだ。

 

親が介護職について欲しくないと思っていることは、大学進学の時期から薄々わかっていた。だけれども、就職活動というタイミングがそのことを浮き彫りにさせたのだ。

 

それに加え、大学の仲の良い友達さえも「え、介護?」という雰囲気を醸し出してくる。その空気は大学1年の夏にはすでに感じていた。サークルの友達に「何の専攻?」と聞かれて「介護だよ」と答えると、友達の反応はだいたいこの3つのパターンに当てはまる。

 

1.「大変そうだね」とか、「偉いね」と言ってくる、「(私は無理だけど)」パターン

2.聞いておきながら「へ〜」でおわる、無関心パターン

3.珍しいものとして見るように「なんで?」と聞いてくるパターン

 

 

「私も介護!」と言う同志には、1人も出会わなかった。私がなぜ介護が魅力に感じているかすら、聞いてもらえることはなかった。興味を持ってもらえないどころか、さらっとバカにされている気さえすることもあり、その頃から同世代の友達と話す時は、「介護」とは言わず、「福祉」とぼやっと答えることにした。

 

半ば理解してもらうことを諦め、介護の話をすることを避けてきた。そうして迎えた就職活動。これまで避けてきたことに向き合わざるを得ない時期がやってきたのだ。身近な人に応援してもらえないほど、辛いことはなく、他の選択肢も考えるようになった。

 

私は迷いに迷い、介護職をやっている先輩に相談にいった。改めて介護の仕事の話しを聞く中で、私はやっぱり介護がやりたいんだと思った。それと同時にこの仕事の魅力をもっと多くの人に知ってもらいたいという思いが強くなった。

 

選考を受けた介護事業を運営する企業の人事に「早稲田(高学歴)なのに、なんで介護なの?」と聞かれたのだ。この言葉にこれまでの全てが集約されている気がした。両親の思いも、友人たちも、世間の目も…。

 

高学歴が介護職になることは、そんなにもおかしなことなのだろうか。私はその意義を見つけたくなり、高学歴で介護職として働く人にインタビューをしてみたいと思う。このインタビューで、私がまだ見ぬ介護の魅力を知れるかもしれないと、今とてもワクワクしている。

「最期まで自宅で過ごしたい人の選択肢になりたい」 原点回帰した介護職の新たなの挑戦

fullsizeoutput_113大学を中退してまでテニスコーチになりたいという思いを、「好きなことをしなさい」と唯一応援してくれた祖父。だんだんと老いる祖父を最期まで懸命に支えてくれたヘルパーさんの姿を見て感銘を受けた田中さんは、祖父の死をきっかけに介護の世界に入ります。「自宅で過ごしたい人の選択肢になりたい」、有料老人ホームから在宅介護の世界に飛び込んだ田中さんのストーリーをご紹介します。

語り手:田中健太(た) 定期巡回/随時対応型訪問介護看護の計画作成責任者
聞き手:清水達人(し) 有料老人ホーム 介護予防運動指導員

 

世の中の高齢者のほとんどは、在宅生活を望んでいる。

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田中さんが
幼少期に大好きなおじいちゃんと撮った写真

た:高校からテニスを始め、そこからテニスに夢中になっていました。大学からはアルバイトで始めたテニスコーチの仕事がとにかく楽しく、授業にも行かず、練習や試合に明け暮れる日々を過ごしていたんです。テニスコーチになりたいと、大学中退を考えたとき、親からは猛反対されました。そのとき唯一応援してくれたのが、祖父だったんですね。「好きなことをしなさい」、そういって僕の背中を押してくれ、大学を中退してテニスを学べる専門学校に進学しました。

晴れてテニスコーチになり、定年までテニスコーチを続けたいと思っているほど自分にとって天職だったのですが、大好きな祖父の死をきっかけに介護の世界に転身しました。

し:田中さんにとっておじいちゃんの存在はかけがえのないものだったんですね。でもなぜ介護に振り切ったのでしょうか。

た:祖父の介護が必要になってから亡くなるまあで、ヘルパーさんが懸命に支えてくださって、その仕事っぷりに感銘を受けたんですね。祖父が最期まで自分の家で暮らすことができるお手伝いをしてもらったので、自分自身もそのお手伝いがしたいと介護の世界に転身しました。

有料老人ホームで働いていて、世の中の高齢者のほとんどが実は在宅生活を望んでいるということを知り、在宅生活を支える仕事がしたいと思いましたそこから転職を考えていて介護に係わる人の話を聞きたいと思って、KAIGO MY PROJECT(以下、KMP)に参加しました。

ただの友達作りとかではなく、介護に対する想い・感性など表面的なもので終わるものは嫌だったので、深く関わりを持てる場所を求めていたんです。

 

「被介護者」から「地域貢献する社会資源」になる
高齢者から見えた介護の専門性

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田中さんが見学に行った「あおいけあ」の日常。PRESENT _04より。

し:田中さんのマイプロについて教えてください。

た:「介護職の専門性を考える」この2つをマイプロとして掲げていましたが、結果から言うと、今は参加当初とはマイプロの形は変わってきました。

介護職として働き、たくさんの高齢者やスタッフと関わりを持つ中で、多様な価値観に触れることができました。その反面、多様な価値観を理解しようとする余り、KMP参加当時は介護職としてのあり方が分からなくなってしまった時期でもありました。そんな中KMP参加中に、OBのメンバーにお誘い頂いてあおいけあに見学へ行きました。そこで代表の加藤さんとお話させて頂き、実際に「被介護者」から「地域貢献する社会資源」になる高齢者を見て、介護の仕事の本質を考えさせられるきっかけとなりました

し:なるほど。「介護職の専門性」が見えてきたわけですね。
た:介護の仕事は、「自立を支援すること」。これは介護福祉士やケアマネジャーの教科書で散々習ってきましたが、あおいけあにいるイキイキとした高齢者の姿を見て、やっと胸にストンと落ちた感覚になりました。

1つの動作が自立に近づくことで、その方の生活の質がどれだけ向上するか、本人の気持ちになってみれば簡単に分かることですよね。しかし、施設でリーダーをしていたときは「事故を起こさないこと」が第一になっていて、誰のための「安全」で、当の本人は本当に「安全」を望んでいたのだろうか?と、今では思います。その方の望む生活を叶えるためにどんな自立支援が出来るかを考えるのが、介護職が専門職としてのあるべき姿なのではないかと思います。

 

最期まで自宅で過ごしたい方の,選択肢になりたい。

fullsizeoutput_128田中さんインタビュアーの清水が参加したKAIGO  MY  PROJECT6期メンバーの集合写真

し:もともと介護を目指したきっかけは祖父の在宅介護ですもんね。たなけんさんの根っこ部分はやっぱり、自宅で最期まで暮らせる自立支援があるのですか?

た:今の仕事がまさにそうで、安易な施設入居はせずにできるだけ在宅生活を支援したいと思っています。現在の介護保険の制度上、在宅介護は、ある程度家族の介護力がある前提なので、家族の介護力がない場合は、施設に入ることが多いと思います。今、僕が務めている「定期巡回/随時対応型訪問介護看護」というサービスは介護が必要になっても、住み慣れた家庭でできる限り生活ができるよう平成24年度に創設された24時間対応の介護保険サービスです。最期まで自宅で過ごしたい方の選択肢になれるように、まずは自分が勤めている場所か始めて見ます。それが、僕の今のマイプロになっています。

し:内容の変化ということはあってもでも、根本的な部分は変わりませんね。

た:そうですね。プロジェクト自体は何かこれをしたということよりも、プログラムを通じて自分自身を見直して、原点回帰できたことが大きく、自分の次の道を切り開くことができました。その過程で必要なスキルを学べたのがマイプロのプログラムだったのかなと思います。

し:この経験を生かしてなにをするか、プロジェクトの本番はこれからですね!ありがとうございました。

 

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PRESENT_12 中原淳 はじめてのチームリーダー入門! 一人ひとりが力を発揮できるチームのつくり方

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PRESENT_12 中原淳 はじめてのチームリーダー入門!
一人ひとりが力を発揮できるチームのつくり方
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If You Want To Go Fast, Go Alone.
If You Want To Go Far, Go Together.
早く行きたいなら一人で行け。
遠くへ行きたいならみんなで行け。
これは、集団主義が根付くとも言われる
アフリカのことわざです。
「もっといいケアをしたい」
どんなにそう思っても、一人でできることには限界があります。
目指す理想のケアのためには、
スタッフ同士での協力や他事業者や専門職との連携は欠かせず、
時には、ご家族やご近所さんからの
バックアップが必要なこともあるでしょう。
きっと、多くの人たちの協力が必要になる。
しかし現実には、同じ職場のスタッフ間でさえ
コミュニケーションが上手くいかないこともしばしば…。
そんな現状を変えたい。
仲間とともに、よりよい現場を作っていきたい。
そのために、今、
“わたし”にできることは何だろう?
PRESENT_12では、企業・組織における人々の学習、コミュニケーション、
そしてリーダーシップについて研究されている、
東京大学 大学総合教育研究センター 准教授中原 淳先生をお迎えします。
職場のチームワークを良くしたいリーダー、
今後リーダーになる可能性がある若手職員、
そして、リーダーの役に立ちたいリーダーズの卵など。
仲間の力を活かし、輝かせ、
もっといいチームにしたいと思っている全ての人に
プレゼントしたいこの企画!
当日は、リーダーシップの考え方や
明日から実践できる「仲間と共に歩むチーム作り」の
スキルを学んで行きたいと思います。
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■ゲスト紹介

422A0446中原 淳 (なかはら・じゅん)
東京大学 大学総合教育研究センター 准教授。東京大学大学院 学際情報学府 (兼任)。東京大学教養学部 学際情報科学科(兼任)。大阪大学博士(人間科学)。北海道旭川市生まれ。東京大学教育学部卒業、大阪大学大学院 人間科学研究科、メディア教育開発センター(現・放送大学)、米国・マサチューセッツ工科大学客員研究員等をへて、2006年より現職。「大人の学びを科学する」をテーマに、企業・組織における人々の学習・コミュニケーション・リーダーシップについて研究している。専門は人的資源開発論・経営学習論。
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【詳細】
日時:2017年6月10日(土) 18:30〜21:30(開場18:00)
会場:サイボウズ株式会社 オフィス
住所:東京都中央区日本橋2-7-1 東京日本橋タワー 27階
参加費:4,000円 / 学割3,000円
※学割は10代、20代の学生を対象とさせて頂きます。
飲食:軽食・飲み物あり!
定員:90名

★[シフト制のみなさま!]
5月末まで6月のシフト分かりません!!!って方は、【5月末】までにキャンセルのご連絡頂けましたら返金対応させて頂きますので、参加したいと思って頂いている方はお席の確保をお願い致します。キャンセルのご連絡は『peatix』の問い合わせよりお願い致します。

※但し、以下の場合は返金手数料としてキャンセル1件につき500円の手数料が発生しますので、ご注意下さい!
(1)クレジットカード払いにて支払日から50日以上経過している場合
(2)コンビニ・ATM払いでチケットを購入した場合
http://help.peatix.com/customer/portal/articles/151985

それでは皆さんのご参加お待ちしております!

【PRESENTについて】
2025年に向け、私たちは何を学び、どんな力を身につけ、どんな姿で迎えたいか。そんな問いから生まれた”欲張りな学びの場”「PRESENT」。「live in the present(今を生きる)」という私たちの意志のもと、私たちが私たちなりに日本の未来を考え、学びたいテーマをもとに素敵な講師をお招きし、一緒に考え対話し繋がるご褒美(プレゼント)のような学びの場です。

【special thanks!】

会場協賛 サイボウズ株式会社様

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【前半】「厚労省室長」というキャリアを捨てた武内氏から見た介護業界の課題と解決策

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2016年6月5日、第7回目の「PRESENT」は、「IT・テクノロジーで日本の介護はどう変わるの?」をテーマに、元厚生労働省室長から外資系ITコンサルティング会社であるアクセンチュア株式会社へ転職されご活躍されている武内和久氏をゲストに迎え開催致しました。

「PRESENT」は、「Live in the present(今を生きる)」という私たちの意思のもと、私たちが私たちなりに日本の未来を考え、学びたいテーマをもとに素敵な講師をお招きし、一緒に考え対話し繋がるご褒美(プレゼント)のような学びの場です。7回目も満席での開催となりました。

PRESENTでは、毎回レポートを作成しておりますので、宜しければ最後までご覧ください。多くの介護に志ある人へ、学びを共有できますように。

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“「厚労省室長」というキャリアを捨てての再挑戦”

僕は半年前まで、厚生労働省で介護の福祉人材確保対策の室長をしておりました。いわゆる官僚という世界は、22歳か23歳で就職してから、係長、課長補佐、課長室長、局長とキャリアを積んでいきますが、室長くらいのレベル、すなわち、やっと若いときにこき使われたのを取り戻すポジションになってから辞める人は、ほとんどいません。

ただ、私は一念発起して、半年前に厚生労働省を離れ、アクセンチュアという会社に来ました。1万回くらい聞かれているので、先にその理由を簡単ですがお伝えします。介護のこと、介護人材のことを仕事にしていて、介護は大事な仕事であり、まだまだ進化の余地があると強く感じていました。生産性が低いとか、仕事の仕方が古いとか、そう言われていた介護業界を進化させるため、国家に与えられた仕事だけじゃなくて、未来へ自由に切り開きたいという思いからの再挑戦でした。今は、ITとテクノロジーに強いアクセンチュアという会社で介護とヘルスケアの部門の統括リーダーとして働いています。

 

“人材不足の実証/キャリアパスの提示/外国人労働者受け入れ”

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介護人材にかかる需給推計結果と「総合的な確保方策」(イメージ):厚労省報道発表資料より

厚生労働省で2年間、介護人材について主に3つのことを主に取り組みました。1つ目は、介護人材は「足りない」ということの実証です。私が着任する2年前までは、厚生労働省は介護人材について「足りる」と言ってきたのです。それに対し、現実には足りないでしょうということを見える化するため、介護人材の需給を初めて試算しました。今のままでは、2025年で、37.7万人必要だというのを、初めて数字として出しました。

2つ目は、介護職に富士山型の人材体系を作るということを提案し、世の中に提示しました。みんなが同じキャリアと役割の介護人材として働くのではなく、希望する人は、ずっとスキルを上げる、そのための研修システム、賃金体系のモデルを提示しました。

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第4回社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会 資料

3つ目は、外国人労働者の受け入れの在り方に道筋をつけました。僕が着任するまで、厚生労働省は外国人の介護職への従事について絶対反対の姿勢でした。僕はそこで、ちゃんとした外国人なら加わってもいいだろうと、方針を変えました。具体的には、介護福祉士の在留資格の創設、技能実習をして受け入れる場合の条件づけなどを行いました。

 

“「介護」は人間の仕事である”

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僕の介護に対する考え方をお伝えします。まず、介護は「人間」の仕事だと思います。今日では、ICTとか人工知能、ロボットなどがどんどん進んでいますが、介護はどんなにテクノロジーが進歩しても、絶対に人間が最後までやり続ける仕事だろうと思います。

2つ目は、介護は「日本」の仕事だと思っています。外国人受け入れがどうという話ではなくて、日本人は介護に重要な素質(ホスピタリティ、きめ細やかさ、センシティビティ、敏感さ…)を強く持っていると感じます。日本で介護を確立して、世界に出していく、みたいなことを目指すべきです。

3つ目は、介護は「未来」の仕事であり、変化が大きい仕事だと思います。これからの10年を考えても、介護サービスの規模は倍くらいになるとマクロ的な視点から言われています。それに従って、介護のあり方も変わっていく、そんな世界を皆さんと作っていきたいです。

 

“介護・医療の世界でテクノロジーをどう使うのか”

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これは、僕が介護・医療の世界でテクノロジーをどう使うかを考えるために、課題と解決策を一枚の絵にして考えたものです。(レポートには著作権の都合上記載していません)

介護施設などのプロバイダー、ケアワーカーなどの従事者、家族、高齢者、自治体(保険者)のそれぞれの課題を個々の課題、連携情報共有に関する課題という観点で記載しています。

■個々の課題

  • 当事者(高齢者):孤独感・人との接点不足、自宅内での活動や外出が身体的に困難
  • 従事者:物理的な負荷が高い、文書処理の負荷が高い、専門性が蓄積しにくい、スキルや成果に応じた報酬がない
  • プロバイダー(介護施設):小規模が多く、キャパシティー(処理能力)不足、魅力のつきにくい就労環境、組織変革が難しい
  • 自治体(保険者):給付管理(介護保険で必要なサービスを給付として支払う管理)、新総合事業への対応(自治体中心として介護予防などに取り組むこと)

■横断した問題

  • 高齢者/従事者:現状把握は実際に対面でないと難しいが、常時監視にはリソース不足、自分に合った相手(介護者)をどう見つけるか
  • 施設間/業種間:情報共有・連携における価値観の相違
  • 自治体/プロバイダー:介護保険給付の請求・支払いのみのやり取りになっている、サービスの質を評価できない

これらの問題を、テクノロジーを使い解決していきたいと考えています。具体的には次の通りです。

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高齢者

課題;(身体機能の低下)社会的孤立、生きがいの喪失、認知症

解決策;転倒防止の電気センサー

手すり付きベッド導入(Ex.広島市立大学)

手すり付きベッドとは、高齢者がベッドの手すりに触れたことを検知することで、起き上がろうということがわかる仕組みです。介護者や家族の方が気づき、補助することで転倒を未然に防止することができます。ドア、トイレ、家の中にセンサーがあり、異変を感知すると登録された家族の方々の連絡先に通報する、というものです。

移動

課題;高齢者・医者・移動弱者へのアプローチ。移動の手段が少なく、限られる。

解決策;自動運転車、もしくは近くで移動しているほかの住民の方とニーズをマッチングし近くまで運ぶというサービス。

ニーズとリソースのマッチングをITで実現するという例です。シェアリングエコノミーの発想ですね。技術的にも、自動運転車は今後増えると思います。15年くらいで、自家用車を持つ人が世の中からいなくなって、街で走っている車をみんなでシェアする、そんな時代が来るのではないかとも言われています。

家族と従事者の情報共有

課題;状況確認のための自宅への訪問や、施設でも状態確認に時間と手間がかかる。

解決策;緊急対応時予測(いつ緊急対応が必要なのかわからないのでその負担を減らそうという考え方)

緊急対応時マッチング

(緊急時に同じ人が毎回駆けつけるのは難しいため、対応可能な人を配置する)

上記緊急対応時予測の例としては、次回のPRESENTでも紹介予定の、排尿・排泄感知システム:トリプル・ダブリュー・ジャパンの開発した、おなかにパッチを張って排泄感知するDFreeというものが既に開発されていて、今アクセンチュアと共同で実証実験中です。事前に排泄を感知し、トイレまで連れていくことで自力の排泄ができるというものです。

ちょっと話がずれますが、デバイス関連の例として、手振れを吸収するスプーンとか、薬の飲み忘れを見える化するものもあります。3回ちゃんと飲むとマークが笑顔に変わるとかですね。認知症のスクリーニングとかができる人工知能も、今後できてくるかもしれません。

要介護者と従事者

課題;要介護者に対して、介護従事者が足りない

解決策;地域住民と要介護者の直接マッチング

これも、シェアリングエコノミーの考え方ですね。要介護者のニーズに対して、地域住民のリソースを直接マッチングするという発想です。現行の介護保険上は、要介護者と従事者のマッチングは基本的にあまりしない前提です。介護保険の中でできるかというとまだ制度上の制約もありますが、介護外の部分で、地域住民とその介護者の方のニーズに応じてマッチングするということは起こり得ると思います。

既に子育て世代にはそういったサービスが存在します。後で詳しく述べますが、横浜の「AsMama」という、地域のお子さんを持つお母さんたちと地域の子育てをサポートしたい人たちがネット上でマッチングして、今空いている人、手伝える人をマッチングするものです。

医者と要介護者

課題;診察のために毎回訪問診療をするには時間と手間がかかる

解決策;ITを使った遠隔診断。軽度の体調不良などの時に遠隔相談できる

身の回りの困りごとについてもカウンセラーとマッチング、相談に乗る

介護従事者

課題;介護施設の従事者について労働の負担が重い(記録、資材の運搬など)

解決策;

・眼鏡型デバイス(グーグルグラスのような)による会話の記録

・ロボットアシストウォーカーによる状態把握

・プロファウンドによる移動。

眼鏡型デバイスは、その名の通り眼鏡のような機械を身に着け、目で見た情報、データを自動で電子カルテに送信することで記録にかかる事務作業を軽減するというものです。

ロボットアシストウォーカーは、高齢者がある通信機器をもって歩くことで、位置情報、状況(正常歩行か転倒なのか)をワーカー側が把握できるというものです。

プロファウンドというのは、単身の歩行困難な高齢者の方々のための足漕ぎ用車いすです。心身機能が低下した高齢者でも自分で動けるものです。

他職種の連携

課題;情報連携が紙ベースのため時間・手間がかかる。情報が点在し記録方法もバラバラ。

解決策;インターネット上でのデータ集約。

様々なデータをインターネット上で集約して、いつでもどこからでも内容を共有できる仕組みです。医療から介護、住宅まで情報を共有できるようになります。個々の事業所は規模が小さいことが多いので、24時間の緊急対応を実現するためにも、共有を進めていくことが重要だと考えています。

事例もあります。名古屋市の医師会では、連携して緊急対応を行うことで、個々の事業所・医療機関の負担を減らしています。また、情報を共有することで、この患者に対しては何か起こった時、最初はこういう応急の仕方をするべきということも把握することできます。

事業所と自治体

課題 ;情報連携が診療報酬請求や定期的な報告のみに限られている

解決策;行政・自治体でのデータ分析による活用

各事業所や自治体で得られるデータを集約し、それを分析することで、地域の特色や、要介護者の特色、有効なケアの分析、認知症の方の徘徊ルートなど様々なことがわかります。そういった情報プラットフォームを一緒に作っていったらいいと思います。

自治体の担当者

課題;介護報酬などの変更が多く、変更に対応するだけで業務が追いつかない

解決策;行政システム導入による業務効率化を行い、有効な協力の仕組みを作る。

自治体や行政の担当者とお話ししていると、制度改正の資料を理解するだけで大変、どんどん仕事も増えるし、どうやっていいのかわからないという悩みをお聞きします。これらをシステム導入により業務の効率化を行い、もっと前向きな業務にその時間を充てていただきたい。

前向きなことというのは、今、厚労省では地域包括ケア見える化システムを作っていこうとしていますが、これは介護だけじゃなく、医療、住まい、地域の情報を合わせて、実際の中の情報を集約したら色々わかるのではないか、という考えです。高齢者がどういうところで活動しているのか、どういう場合に自立度が上がったり下がったりしているのか、などを行政と地域と一緒になって分析を進めていくということも今後進むと思います。

 

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以上が具体的なご説明でしたが、僕が厚労省やアクセンチュアで取り組んでいるだけの話ではありません。国としてもかなり大きな動きとして支援しています。

今、厚労省では、「介護のシゴト魅力向上検討会」というのを立ち上げて、介護現場のロボットの活用やICTの活用をどんどん進めようとしています。また、地域ごとの柔軟なサービスや予防のサービスも強く支援していて、認知症を早めに予防・自立促進しようとしています。お金としても、昨年度の補正予算で50億円ほどはICRの関係で予算を付けており、今後も発展させようとしています。

また、介護の海外輸出の話も結構出てきています。僕が人材室長だった時にいろんな政治家と話しましたが、日本の介護を世界に打ち出すべき、という話は結構盛り上がっていました。日本はテクノロジーも強いので、介護の現場のケアレベル、ケアの技術、と、テクノロジー、システム、介護保険の仕組み、ノウハウをひとまとめにパッケージングして、途上国や東南アジアを中心に輸出するという議論です。

今申し上げたような取り組みが進めば、色々な問題が解決され、介護の世界がどんどんスマートに、それぞれのプレイヤーの方も強くなってくると思います。そのために、デジタル、ITの力をうまく使っていきましょうということをもう一度申し上げたいと思います。

後半は最新のIT・テクノロジーの進化から見る、これからの介護の進化の可能性に迫っていきたいと思います。

(文:江原里沙 写真:近藤浩紀)

「ひと」に向き合う医療のかたち ~“医療×コーチング”実践の可能性~

KAIGO MY PROJECTは、慶應義塾大学SFCの井上英之教授が考案した「マイプロ」の手法を用いて、介護や医療などに関心を持った一人一人が、自分の思いを実現していくための3か月間のプログラムです。

体験イベントは、3時間という短い時間の中でプログラムの要素を体感していただくため、実践者として自分の思いを行動に移して活動されている方にお越し頂き、その方のHistory(Me編)や実践内容(Project編)についてお話し頂きます。

そして参加者の皆さんご自身が「マイ・プロジェクト」とはどんなものなのか、自分の思いや志を行動に移すとはどういうことなのか、について想像を膨らませることのできる機会にできたらと考えています。

10月27日の体験イベントでは、ゲストとして、東海大学血液・腫瘍内科 教授であり、メディカルコーチング研究会 代表世話人の安藤潔 (あんどう・きよし) 氏にお越し頂き医師として、患者さんや医療従事者同士のコミュニケーションをより良いものにするために模索してこられたこと、コーチングとは何かということ、そして医療従事者にとって、コーチングには本質的にどのような意味があるのかということなどについて、丁寧にお話し頂きました。

医学部では学んでこなかったこと

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安藤先生が医師として働き始められた1980年初頭は、日本では、ガンなどの病気は不治の病として患者さんにはほとんど告知をしていなかった時代です。そんな中、末期の胃がんの患者さんを受け持った安藤先生は「私はガンなのではないか」「どうして自分のことなのに、教えてくれないのか」と言う患者さんに、どのように返答をして良いのかがわからず、その方の病室に行くことさえも躊躇われてしまったそうです。医学部では人間の体について、病気について、たくさんのことを学んでいます。しかし、今、目のまえにいる患者さんの苦痛を少しでも和らげるような言葉のやりとりをすることが出来なかったのです。

そのことに愕然とした安藤先生は、医師として、患者さんの人生を尊重し、納得のできる対話をすることは実はとても難しいことだと気づき、医療におけるコミュニケーションの重要性についての学びを深め、現場の中で実践をされてこられたのでした。

 

「コーチング」との出会い、そのエッセンス

15683080_1205046956241100_1234078989_n目標やゴールを明確にして、効果的な質問を投げかけ、相手の目標達成の手助けをするのが、コーチングによるコミュニケーションの目指すところです。

人は、質問を受け、そのことに答えるなかで、自分でも気が付いていなかったことに気が付いたり、思考や行動を変化させたり(オートクライン)することが出来ます。

それによって、実現したいゴールのイメージを明確に思い描いたり、ロールモデルとなるものを見出したり、リソースを探したり、具体化したり、モチベーションを上げたりします。また、違う角度から物事を見たり、新しい考え方に気づいたりすることもあります。

患者さん、また医療従事者同士の対話の中で、お互いに良い変化が起こるようなコミュニケーションを行うために必要なこととして、例えば、こんなことがあります。

✔相手の話している内容に、判断を加えたり、評価をしたりしない

✔本当にその人にとって大切なことを言葉にするためにはエネルギーが必要であり、

だからこそ、「沈黙」を大切にする

✔語り手のキーワードを繰り返す、相手の方を向いて話しを聴くなど肯定的なノンバーバルメッセージを示す

✔相手の存在、行為、状態などを認め、それを言葉にして相手に伝える

✔「あなたは~な人ですね」という「You」メッセージではなく、「私は~感じました」や「私たちは~ですね」とIやWeから始まる一人称の言葉を伝えるようにする

これらの要素には、マイプロのエッセンスとも共通している部分がたくさんあります。

 

医師・実践者としての心がけ、伝えたいこと

15666355_1205046962907766_1818368064_n(安藤先生のお話しを伺った後、自分自身のマイプロをお話しされている参加者のみなさん)

コーチングという手法を使うからといって、患者さんとのコミュニケーションがすべて

上手くいくというわけではありません。また、コーチングのように「目標を明確にしてそれに向かって対話をする」という対話の手法が特に効果的ではない場合もあります。それは、ガンなどの病気の告知の直後や治療後の再発時など、患者さんに大きなストレスがかかっている時です。そのような時には、ただ側にいて、その人の語る人生の物語に耳を傾け、その人を全人格的な存在として理解しようと努めることにも大きな意味があります。

医師は多くの場合、「なんとしてでも、患者さんを救わなくては」と、一方通行のコミュニケーションをして、「患者さんを変えて差し上げる」ことを目指してしまうかもしれません。しかし、ほんとうに私たちがするべきことは、その人がその人らしく生きることが出来るように患者さんが本来持っている力を存分に引き出すことができるような支援をすることなのではないでしょうか。

 

KAIGO MY PROJECT 体験イベント毎月開催中!詳細はこちら

 

Present_11 山崎亮 コミュニティデザインから学ぶ。 地域を巻き込む”参加”のチカラ

画像に含まれている可能性があるもの:1人、テキスト

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PRESENT_11 山崎亮
コミュニティデザインから学ぶ。地域を巻き込む”参加”のチカラ
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これからの地域福祉を語るうえで外せない 地域包括ケアシステム。
福祉の世界はもちろん、 これから先はきっとすべての分野で “地域を巻き込む力”が必要になってきます。

「自分たちの活動を地域住民に知ってほしい。 地域住民の方々にも参加してほしい」

そんな想いを抱いて呼びかけや案内を出しても、 回を重ねるうちに参加してもらえなくなってしまう…。

そんな声をよく聞きます。

どうしたら参加し続けてもらえるのか? どうしたら楽しみ続けてもらえるのか?

この疑問に対する一つの答えが、

“コミュニティデザイン”

すなわち、住民たちがまちづくりのプロセスに 自力で楽しさを見つけられるようにしていくこと なのかも知れません。

そのためには “住民の参加”が必要不可欠であると 今回のゲスト、コミュニティデザイナーの 山崎亮さんは語ります。

すでに生き生きと住民が活躍する、 地域での実践例があります。

PRESENT_11では、 地域福祉の未来のために不可欠な”住民参加”について

参加する動機となりうる「楽しさ」はどうデザインするのか? そもそも住民が参加することで何が生まれるのか?

実践例を交え、迫っていきたいと思います。

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■ゲストプロフィール
山崎亮[やまざき りょう]

studio-L代表。東北芸術工科大学教授(コミュニティデザイン学科長)。慶応義塾大学特別招聘教授。
1973年愛知県生まれ。大阪府立大学大学院および東京大学大学院修了。博士(工学)。建築・ランドスケープ設計事務所を経て、2005年にstudio-Lを設立。地域の課題を地域に住む人たちが解決するためのコミュニティデザインに携わる。まちづくりのワークショップ、住民参加型の総合計画づくり、市民参加型のパークマネジメントなどに関するプロジェクトが多い。「海士町総合振興計画」「studio-L伊賀事務所」「しまのわ2014」でグッドデザイン賞、「親子健康手帳」でキッズデザイン賞などを受賞。
著書に『コミュニティデザイン(学芸出版社:不動産協会賞受賞)』『コミュニティデザインの時代(中公新書)』『ソーシャルデザイン・アトラス(鹿島出版会)』『ふるさとを元気にする仕事(ちくまプリマー新書)』『コミュニティデザインの源流(太田出版)』などがある。

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【詳細】
日時:2017年2月18日(土) 18:30〜21:30(開場18:00)
会場:サイボウズ株式会社 オフィス
住所:東京都中央区日本橋2-7-1 東京日本橋タワー 27階
参加費:4,000円
飲食:軽食・飲み物あり!
定員:90名

お申し込みはこちら:http://present11.peatix.com/
※本申込みは上記リンクよりお願い致します。定員に達した場合は事前申込みを優先させて頂きますので、参加を希望される場合はお手数ですがお申し込み手続き頂きますようお願い致します。

★[シフト制のみなさま!]
1月末まで2月のシフト分かりません!!!って方は、【1月末】までにキャンセルのご連絡頂けましたら返金対応させて頂きますので、参加したいと思って頂いている方はお席の確保をお願い致します。

※但し、以下の場合は返金手数料としてキャンセル1件につき500円の手数料が発生しますので、ご注意下さい!
(1)クレジットカード払いにて支払日から50日以上経過している場合
(2)コンビニ・ATM払いでチケットを購入した場合
http://help.peatix.com/customer/portal/articles/151985
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【PRESENTについて】
2025年に向け、私たちは何を学び、どんな力を身につけ、どんな姿で迎えたいか。そんな問いから生まれた”欲張りな学びの場”「PRESENT」。「live in the present(今を生きる)」という私たちの意志のもと、私たちが私たちなりに日本の未来を考え、学びたいテーマをもとに素敵な講師をお招きし、一緒に考え対話し繋がるご褒美(プレゼント)のような学びの場です。

【special thanks!】
会場協賛 サイボウズ株式会社様

Present_10 下河原忠道 認知症を”未知のもの”にしない!vr × 介護で創る 認知症にやさしい社会

PRESENT_10 下河原忠道
認知症を“未知のもの”にしない!
VR×介護で創る 認知症にやさしい社会

” 百聞は一見に如かず ”

そんなことわざが日本にはあります。
物事に対しての理解を深めるとき、 聞くよりも見た方が、そして見るよりも体験した方が 深く早く正確に理解できるという意味のことわざです。
もちろん、知識を備えることは非常に重要です。
しかし、「実際の経験」を通して得るものには やはり代えがたい何かがあります。

認知症に対する「怖いもの」「遠いもの」というイメージ。
それらの根本にあるのは、 「自分が経験したことがない、未知のものに対する恐怖」 なのかも知れません。
日々 認知症の方のケアに携わる人であっても、 実際に認知症を経験したことはきっとないはずです。

今回お招きするゲストは、 世間の認知症に対するイメージ刷新を図ろうと VR認知症プロジェクトをスタートさせた 下河原忠道さん。
仮想現実の中で、 実際に自分に起こった出来事として 「認知症を聴覚と視覚から疑似体験」するとひとはどのように感じ、どのように変わるのか。ともすれば、これからの社会における認知症の捉え方が 全く違うものになるかもしません。
当日は参加者全員にVR認知症を体験して頂き、 その可能性に迫っていきます。

 

■ゲストプロフィール
下河原忠道[しもがわら ただみち]

株式会社シルバーウッド代表取締役,一般財団法人サービス付き高齢者向け住宅協会理事.高齢者住まい事業者団体連合会(高住連)幹事.

1988年Orange Coast College留学後,2000年株式会社シルバーウッド社設立.薄板軽量形鋼造構造躯体システム開発.特許取得に成功. 同構造の躯体パネル販売開始. 2011年直轄運営によるサービス付き高齢者向け住宅を開設. 現在設計中の計画を含め11棟の高齢者住宅の経営を行う.2016年VR認知症プロジェクト開始

著書:「もう点滴はいらない」(ヒポサイエンス出版).

■当日のご案内

日時:     2016年12月11日(日) 18:30〜(開場18:00)
会場:     サイボウズ株式会社 オフィス
住所:     東京都中央区日本橋2-7-1 東京日本橋タワー 27階
参加費:  4,000円
飲食:     軽食・飲み物あり!
定員:     90名

お申し込みはこちら:

application

http://present10.peatix.com/
※本申込は上記リンクよりお願い致します。定員に達した場合は、事前申込を優先させて頂きますので、参加を希望される場合はお手数ですがお申し込み手続き頂きますようお願い致します

 

PRESENT_09 排泄ケアを問い直す!

PRESENT_09 中西敦士

排泄ケアを問い直す!テクノロジーが生み出す介護の次なるスタンダード

“シモの世話” をされるって、どんな気持ちなんだろう。
排泄したいという感覚を 自分で把握できなくなったら、
排泄するかどうか、排泄したかどうか、を確認される状況になったら。
私たちは、誰の世話になるんだろう。
医師、ナース、介護士、リハビリ。
ひと一人の ”シモの世話” に関わる専門職が想像以上に多いということを
知っている人は、案外少ないのかも知れません。
誰かに排泄を世話してもらうとき、
人が当然感じる「恥ずかしい」「申し訳ない」という感情。
こうしたセンシティブな問題に対する答えのひとつが、
英語で「おむつ要らず(diaper free)」という意味を持つ
排泄予知デバイス、「DFree」。
超音波の技術を用いて体内の便の動きを観察し、
スマートフォン専用アプリで排泄のタイミングを通知してくれます。
思うように排泄ができないことで、外出やオシャレ、
積極的なコミュニケーションをあきらめている人が驚くほど多くいます。
DFreeは、単なる排泄予知による介護現場の業務効率化にとどまらず、
排泄介助が必要な人でも、日常を楽しめる可能性を秘めています。
09では、トリプル・ダブリュー代表・オーガナイザーの中西敦士氏を招き、
なぜこの問題に取り組んだのかという創業秘話や、DFreeがもたらす価値、
そして排泄ケアの “本質とは何か” についてお伺いしていきたいと思います。

■ゲストプロフィール
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中西 敦士
トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社 CEO
1983年生まれ。大学卒業後、 医療分野も含む新規事業立ち上げコンサルティングファームに従事。その後、青年海外協力隊に参加。2013年よりUCバークレー校でビジネスを学び、2014年、サンフランシスコにてTriple Wを設立

【詳細】
日時:2016年10月21日(金) 18:30〜(開場18:00)
会場:神楽坂Human Capital Studio
住所:東京都新宿区下宮比町2-12
※JR 「飯田橋駅」東口より徒歩5分
東京メトロ 有楽町線・南北線・東西線「飯田橋」駅 B1出口より徒歩3分
参加費:4,000円
   ※ご入金手続き後の返金は出来かねますのでご了承下さい。
飲食:軽食・飲み物あり!
定員:80名
参加対象:職種、年齢制限などは一切ございません。どなたでもご参加下さい。
その他:軽食・飲み物のご用意がございます。

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【KAIGO MY PROJECT インタビューvol.7】本当に大事なことは、なかなか大事にできない。 身近なものを大事にするために、大学生が踏み出した一歩とは。

語り手:八嶋美恵子(KAIGO MY PROJECT 3期・上智大学 社会福祉学科 2年)

聞き手:阿部準一(KAIGO MY PROJECT3期・人材企業)

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阿部:八嶋さんがマイプロに参加しようと思った理由を聞かせてもらえますか。

八嶋:実践を通じてリーダーシップを育んでいく学生団体に所属していたのですが、団体の先輩たちが可愛さんと知り合いで、私がこれからやっていきたいことと、可愛さんの活動に共通点があったり、話す雰囲気や目指していることがきっと合う気がすると言われて、可愛さんに興味をもったのがきっかけです。偶然参加したリーダーシップ研修に参加者として可愛さんが来られていたので、「やっとお会いできた!」と思い、お声かけさせていただきました。そうしてお話を聞きたいと言ったら、すぐにご飯食べに行こうよと誘っていただき、喜んで行くことになりました。

阿部:行動力がすごいね。可愛さんにそこまで会ってみたいと思ったのはなぜ?

八嶋:人を介護することや支援することを優しい人だけができる特殊なことや大変なことだと捉えるのではなく、これからの時代に、本当にすべての人が尊厳を持って互いに尊重し合って生きていくためにも、介護や支援などに関わる人自身が尊厳を持って働けたり、元気になれたりすることが大事なんじゃないかと考えていました。実は当時はほとんど可愛さんの活動の中身については知らなかったのですが、可愛さんが発信されていることなどを少し読んだだけで直感的にこの人に会いたいと感じていました。あとは、「HEISEI」と名前にあることからも分かるように世代感を意識されていて、これからの時代を生きて、一緒に時代を創っていく同じ世代の人が協力することにも絶対に意味があると思い、「私が行かなければ!」と思うきっかけにもなりました。

阿部:可愛さんの考え方に共感したのが大きかったんだね。

八嶋:実は初めてお会いしたときは、まだKAIGO MY PROJECT が始まる前で、私は大学1年生でした。KAIGO MY PROJECTが始まってからお誘いいただくこともあったのですが、興味はあるけどまだ自分が「マイプロ」というもの作れると思えなくて、すぐに参加するとは言えずに、もう少し成長してから参加しようと考えていました。

阿部:マイプロを何か大きなこととして捉えていたんだね。最初はこんな自分が行ってもいいのかなと思うし、自分が何をしたいかも全く決まってないことも多いよね。でもそこで3期に参加しようと思ったのはなぜ?

八嶋:ビジネスプランぐらいのものがないといけないと考えていました。でも改めて説明を読んだり、活動の様子を見たりしていると、この先何も決まってないからこそ、この場で考えられるんだとわかりました。ちょうど学生団体の活動も終わるタイミングだったので、躊躇うよりも参加する方がいい、タイミングは今しかないと思い参加しました。

 

身近な人だからこそ、人生の価値や夢などの大切な話を共有し合うこと

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八嶋さんの同じ学科や学生団体のときの仲間とマイプロ実施した際の集合写真。

阿部: 八嶋さんのマイプロを教えてもらえますか。

八嶋:私のマイプロは「大学の友人や身近な人達と自由なマイプロの場を創ること」です。なぜこれをやりたいのかというと、一人ひとりがまっすぐに自分の心の声と向き合えることや、お互いに話を真剣に聴き合えることで、モヤモヤしていた自分の考えや思いが少し違った角度で見えるようになって、一人で悩んでいるよりも、もっと良い行動や関係性が生まれると思ったからです。

私がマイプロに向き合った3期の間に経験したことを、一番近くで普段から関わることが出来る友達にも共有したいと思いました。人生の価値や、やってみたいこと、夢の話はなかなか普段はしませんが、そんな大切な話を安心して仲間に共有し合える、そんな関係をみんなで楽しく創っていけたら、本当に幸せですよね。

阿部:たしかに、日常の中で何でも言い合える関係は素敵だね。最初は異なるマイプロを実践していたと記憶していますが、期間中どんな変化がありましたか。

八嶋:参加当初は、「毎週おじいちゃんの家に通う」というマイプロを考えていたんです。学生団体に所属していたときは、大きなテーマで活動していたので、これからは見落としていた、自分にとって一番身近で大切なことをしていきたいと考えていました。

「おじいちゃん家に行く」ことを3期に参加している仲間に話をしたらいいね!って言ってもらって、みんなに報告するから毎週行けました。それまで、学校帰りに荷物を持って行くのは大変かなと考えたり、授業やサークルなど忙しいのだから、私は勉強していた方が良いのかもしれないと思ったりもして、なかなか行動を起こせないでいました。しかし、おじいちゃんの認知症がだんだん進行し始め、普段はあまりご飯を食べられないけど、私が行くとご飯を食べてくれたりすることがあったので、これはどんな制約があるとしても今を逃したら本当に通う価値のあるこの機会は二度と来ないかもしれない、と感じるようになりました。私が行って、ほんの少しでもおじいちゃんに喜んでもらって、そうすると自分も落ち着いてきて、いままでは本当にやりたかったこのことを置いてきぼりにしていたので、自分で決めたこと、自分の大事なことをできることがこんなにも落ち着くのかと、ほっとするような不思議な思いがありました。

「落ち着く」っていうのは人生の大事なことを、本当に大事にできているなと感じるということで、それってなかなかできない。この感覚を周りの人にも感じてもらいたいと思ったんです。友達との話は、バイトや勉強が大変といういつもの話で終ってしまいがちです。しかし、一人ひとりとしっかりと話すと素敵な夢を持っていたり、本当はこんなことをやってみたいという気持ちがあったりする。でも、それを表にだせるような機会は、普段の生活の中ではあまりにも少なくて、他の人と比べたり、誰にも話せず考え込んだりしているうちに自分は全然ダメなのではないか、なんて思ってしまうことってほんとに多い。そうしているうちに、持っていた大切なこと自体を諦めてしまいがちなのだけれど、本当はみんなにマイプロみたいな、思いを表に出すという機会があれば、それぞれのやりたかったことや、心の奥底に隠れていた、本人も見えていなかったことなどが出てくるんじゃないかと思って、1番身近な友達でやろうと思いました。

阿部:具体的にどんなアクションから始めたのですか。

八嶋:実際に本プログラムで使ったシートや仲間にもらったメッセージシートが嬉しくてそれを友達に見せびらかしていたら(笑)、友達も興味を持ってくれたんです。可愛さんにお願いしたら手伝ってくださることになって、周りに自分の人生をどうしたいか考えたいという人がいっぱいいたので声かけたら10〜15人集まってくれました。プログラムの期間中に計画を立て、マイプロが終わってから、実際に実践しました。

阿部:最終的に、考えていたマイプロはその後どうなったんですか。

八嶋:プログラム終了後の2月から5月にかけて、全部で7回、友達と集まってマイプロをやって、最後は発表会をしました。今度夏にはもう1回会って、その発表会を撮ったビデオを見て、夏休みにもマイプロを少しでもできたらいいと考えています。参加者の友達からもたくさん要請もありました。

阿部:友達からもかなり好評だったんだね。どうしてそんなに好評だったんだろう?

八嶋:普通に学校だけでは話せない、人生感や、これまで辛かったこと、逆にいつも言えないお礼や、生きているってなんだろうって話だったり、幸せってなんだろうとか、そういう根本的な話を模造紙に書いたりしながら、みんなで話せたからだと思います。

 

「人の話をしっかりと聴く」というエッセンスは不変的に必要なこと

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阿部:3ヶ月でいろんな気づきがあって、それを周りに広げるためにかなり具体的に動いていたんだね。3ヶ月間のマイプロを通して八嶋さん自身の考え方に変化はありましたか。

八嶋:どんどん1人称で自分について考えられるようになったと思います。また、より自分についての手綱を強く考えるようになったことですかね。マイプロに参加するまでは、そんなに自分の考えを話す場もないし、そこに意見を貰えることも少なかったので、完全な1人称で話せる環境がすごく良かったと思います。自分というものがあるから他者と関われるし、他者とだけだと自分というものがなく関わっても磨くものがなくなってしまうし、自分だけだとそもそも磨けない。自分自身を深めてから、他者といっぱい話せるというのは、すごく大きかったし、1本太く芯ができたと思います。

阿部:マイプロを通して、自分の中での芯みたいなものがより強くなったんだね。最後に八嶋さんにとってマイプロとはなんだと思いますか。

八嶋:自分でやってみて、人に話を聞いてもらったり、学生と社会人だったり普段の立場や環境、価値観が違う人と、こうして対等にお互いに尊重して話すことができるということは財産だと思うし、大事な第三の場だと思います。また自分の中で過去も現在もこれから先も、マイプロの中の「人の話をしっかりと聴く」というエッセンスは不変的に必要なことだと思っていて、どんなことをする時にも重要となってくる要素だと思うので、今こうしてどんな意味があるんだろうと考えながら、実践できるというところにきっともっと大きなところにつながっているなと感じる可能性があるんだと思っています。

阿部:ありがとうございました。

八嶋:ありがとうございました。

 

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現在10月から始まるKAIGO MY PROJECT 7期募集中!詳細はこちら

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【メディア出演】文化放送 「吉田照美 飛べ!サルバドール」に出演しました。

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8月19日(金)、文化放送の「吉田照美 飛べ!サルバドール」に代表の秋本可愛が出演させて頂きました。HEISEI KAIGO LEADERS立ち上げに至った経緯、現在の取り組みや介護人材不足に関する意見などをお話させて頂きました。
吉田照美さん、室照美さん、文化放送の皆さま、ありがとうございました。

吉田照美 飛べ!サルバドール