12ヶ月連続離職ゼロ!誰もが楽しく仕事ができる介護施設を目指して

12ヶ月連続離職ゼロ!

人材の採用・定着難が社会問題となる今日、どの業界でもこのような実績を打ち出すのは難しいかもしれません。 なかでもこの問題が深刻な介護施設で、いま一人の管理者がこの課題に挑戦しています。

埼玉県にあるサービス付き高齢者向け住宅で働く内田和宏さん。「みんなが楽しく働ける職場を作りたい。」その想いから大学院での学びに加え、より考えを深めるためにHEISEI KAIGO LEADERSが運営するKAIGO MY PROJECT(以下、マイプロ)に参加されました。3ヶ月間のマイプロで得た気づきを、どのように職場で活かし、工夫をされているのか。12ヶ月間離職ゼロの秘密に迫ります。

語り手:内田和弘(う) サービス付き高齢者向け住宅 管理者(写真:左端)
聞き手:石丸夕貴(ま) 医療系企業 会社員

 

ほっとするような幸せ、見つけた

ま:内田さんは異業界から介護業界への転職組なんですね!

う:はい、まず新卒で営業職に就きました。大学で高齢者福祉を学びましたが、就職活動では父から福祉業界に対する反対もあり、営業職を選択しました。実は僕の父は地位や名誉を第一に働くタイプの人で、「他人を蹴落としてでも上り詰めなければならない」とよく聞かされていました。でも僕自身はそういった働き方はしたくなかった。営業の仕事はやりがいはありつつも、次第に「何のために仕事をしているのか?大学で学んだ高齢者福祉を実社会で活かせていない」という気持ちが強くなっていきました。人がもっと幸せになるような仕事がしたい。僕自身も仕事を楽しみたい。そんな思いから介護の仕事を始めました。

ま:実際に介護の仕事を始めてみてどうでしたか?

う:介護の仕事を通して、お金や地位、名誉ではない「ほっとするような幸せ」 を見つけられました。ただ、介護職の離職が多いことに強い課題意識を持つようになりました。社会的に介護職の離職が多いと取り上げられているので元々関心はありましたが、僕の施設も以前は離職がとても多かった。僕が管理者になったのは2016年3月ですが、その前後はほぼ毎月のように1~2名の離職が続いていました。

「離職は悪くない、施設の新陳代謝をはかって新しくなっていくんだ」という考えもあると思います。でも利用者さんから見ると職員がコロコロ変わったり、ぎすぎすした雰囲気で 過ごしたりしているのは気持ちよくないですよね?職員が長く働くことで得られるメリットの方が大きいと思います。「職員のみんなが楽しく働ければ、きっと利用者さんも楽しくなる。だからこそ、離職せずに働ける場所を作りたい」と考えていました。その想いの実現のために、マイプロに参加しました。

 

やりがいのある事業所の共通項を探れ!

ま:マイプロに参加して、どのような気づきや変化がありました?

う:メンバーとの話や、プログラムを通して、色々な事業所を見学し、やりがいがある・楽しい事業所の共通項を調査しました。結果として、「介護経験のない人を採用している」という共通項を見つけました。

ま:未経験者採用は即戦力ではないために敬遠されがちなイメージがありますが・・・

う:一般的にはそうかもしれませんね。でも、まだ立証前なので確証はありませんが、介護現場を長年経験している人だと独自のこだわりや介護観が出てきてしまい、入職した施設で適応が難しくなる割合が高いようです。それよりも異色の経歴を持った人を採用する方が、その施設の理念にそって自分の専門分野を活かすことができ、すごくいい働きをするようです。

自施設の職員を例に挙げると、おやつの時にドリップコーヒーを振る舞う元喫茶店員や、利用者さんのために何かしたいと「笑いヨガインストラクター」の資格を取得した職員、こだわりのカレーを提供する料理好きな職員がいます。いくつかの取り組みは施設内にとどまらず、地域の方との交流会や講座開催へと繋がっています。それぞれ自分の好きなことや過去の経験を活かして取り組んでいるんですよね。

ま:未経験採用の方も、「介護+特技」で活躍されているんですね。

う:他にもいくつかの共通項がありました。

職員が失敗したときは、その職員を絶対責めず、次に失敗しないようにどうすべきかをみんなで考えていくことを大切にしていることリーダー職は必ずその施設で長年働いて、現場をよく知っている人にすることなどが挙げられます。

運営管理面では、シフトを柔軟に組むことが大切です。また、どうしたらもっと良くなるのか?と主体的に考えられる環境づくりを目的として、地域へ向けた職員の取り組み発表会の場を設けている事業所もありました。

ま:なるほど。職場をよりよくするために一人ひとりが主体的に考え、関わりあえる環境が大切なんですね。

 

ポイントは「コミュニケーション」と「理念浸透」

ま:共通項を知った上で、内田さんの施設ではどのような取り組みをされていますか?

う:まず、コミュニケーションを密にとることを意識しました。ただ「コミュニケーションをとる」って漠然としていますよね。介護の論文の文献を見ると「研修が職員の離職防止につながる」とか「コミュニケーションが大切だ」という研究結果が出ていますが、じゃあ結局どうするんだよと。(笑)

ま:具体的にどんなことを実施しましたか?

う:例えば、インカムの導入です。導入したところ、以前よりもコミュニケーションが密になったと実感しています。そして、新たに月に一度の会議で職員同士の発表の場を設けました。そこでは「自分たちは今月何をして、来月はこうしていきたい」という内容を共有しています。会議の場で繰り返しこういった話をすることで、施設としてどのような介護観を持ってケアにあたるかといった共通認識が徐々に浸透、醸成されてきていると感じています。

他にも、月一回の面談文字だけでなく絵を交えた連絡ノートを作成しています。いまは自分の施設の最適なコミュニケーション方法を探すために、いろいろなことを試しているところです。

ま:連絡ノートであれば、現場ですぐに実践できそうですね!

う:他にも、「職員の話をさえぎらずに傾聴する」というのもコミュニケーションの際に大切にしています。相手の言葉を一度すべて丸ごと受け入れるようにすると同時に、相手に対しても自己の視点で物事を捉えすぎず、別の視点を持つような促しを行っています。

ま:仏のような心ですね!(笑)

う:ただ受け入れるだけなら誰でもできるんですよ(笑)

でも誰であれ、きちんと施設としての理念に基づいて判断しなければいけない場面に遭遇する。「自分の施設はどうあるべきなのか?」という視点を職員にも浸透させるために理念共有を行うようにしています。

ま:理念共有・・・?

う:理念共有というのは非常に大事な要素です。「施設としてどのようなケアを行うのか」という方針を理念に沿って落とし込むことで共通認識・判断基準が出来上がります。でもそれがない状態では、職員間の意見が対立し関係が悪化してしまいます。その結果、職員の離職に繋がっていくんです。そこで、この「理念をどのようにコミュニケーションで落とし込んでいくか」というのがミソなんです。

ま:その落とし込みはどのように行っていますか?

う:月イチの会議の場やインカムでの会話の中で繰り返し行っています。管理者自身がきちんと自分の施設がどのような理念を掲げ、どのようなケアをしていくのかをしっかりと考えて、伝えていかなければなりません。

なぜこのような考えに至ったかというと、よく国が掲げるキャリアアップの制度を見ていると「研修の実施が離職防止につながる」と言われています。ですが、あるアンケート結果では9割以上の事業所が研修を実施しています。みんな研修をやっているんですよ。じゃあ、なぜ離職に繋がっているのか?

実際、研修に行っても学んだ内容すべてを現場に落とし込めるかは難しい。大半の人は研修に参加して一瞬モチベーションが上がる程度だと思うんです。研修だけでは即効性のある離職防止方法にはなり得ません。日々の職場でコミュニケーションを密に取り、理念浸透をはかるという取り組みは明日からでも始められる離職防止対策です。

ま:これまでの取り組みを実施する中で、職員からの反発はありましたか?

う:昔は反発もありました。「内田くんとは違うんだから」と、よく年上のスタッフに言われていましたね。当時は、性別も年齢も違うパートのスタッフに自分と同じ行動を求めていたんです。いま思うと無理がありますよね。自分もその人と同じように料理や掃除をしろと言われたら、正直難しい。でもあるがままを受け入れるようになってからは反発ではなく、職員から「もっとこうすればいいんじゃない?」「利用者さんがこう思っているからこうしてみよう!」という意見や提案が出てくる施設に変わりました。

また、職員の負担が大きくなりすぎないように、月一の会議は自由参加で、毎月の参加者が偏らないようにシフトを組むように工夫しています。また、きちんと議事録を作成し、話し合った内容を施設内で共有しています。会社に相談して会議手当も作ってもらいました。

ま:会議手当てを作ってしまうとは!強制参加ではない点も職員への負担が軽減されますね。こうやって色々と実践をするなかで、苦労を感じたりはしませんか?

う:自分がやりたいと思ってやっているから、苦労は感じていません。「躓いていることや失敗したことすべてが自分の成長や前進に繋がっていることだと思っているから、悩みはないよね」とマイプロの同期とも話していました。やっぱり好きなことを見つけるっていいことだなと思います。

一人ひとりの人生を、目の前の一瞬ではなく線で受け止める

ま:なぜ内田さんはそこまで相手を受け入れられるようになったのですか?

う:マイプロのワークの一つである人の生い立ちを聞く「ME編」がきっかけです。「ME編」では自分自身のこれまでの人生に向き合うとともに、他の仲間の生い立ちをあるがままに受け入れるというワークを行います。そのワークを通じて、人の成り立ちには意味があり、いまがあるということを実感しました。施設の職員も同じで、相手がいまこう考えているのにはさまざまな経験があり、彼/彼女らとして生きているということを理解しました。すると、次第に職員の話に耳を傾けられるようになったんです。

それまでは職員の話は聞かずに一方的な対応をしていましたが、その人の成り立ちや良さがあり、得手不得手が必ずあるから一人ひとりのことを尊重しようという気持ちが芽生えました。みんなが完璧なわけではないから、それを補って助け合える施設づくりを目指しています。

ま:まさにチームですね!

う:抽象的ではありますが、職員の雰囲気も少しずつ変わり、他人のことを悪く言う人が少なくなりましたね。また、以前は上司と職員の意見の不一致が多く、軋轢が起きて離職や不満が多くなっていたと考えています。自分の当たり前が相手の当たり前ではない。その人のペースで成長してもらえればいい。職場のみんなの可能性を信じています。

 

さまざまな人が交じり合う「福祉のイノベーション」

ま:内田さんは、マイプロに参加したことで大きな変化を得られたんですね。

う:そうですね。マイプロのいいところとして「介護」というキーワードでいろんな業種の人が集まってくる。僕が参加した4期では、親を介護している介護者の方や学生、看護師、鍼灸師、普通のサラリーマンもいた。さまざまな業種の人が「介護」について話し合うことで、自分と異なる視点で物事を見られ、考えがブラッシュアップされる。そういうことが福祉業界全体でも必要になってきていると思います。 介護って介護・福祉の現場の人が突き詰めて考えてきている流れが強い。もちろん福祉の専門家なのでいいことではあります。ですが、福祉とはこうあるべきだという考えが先行していると「障害/障碍」の「がい」は「害」ではなく平仮名にしようという議論など「誰のための福祉なのか?」という課題が生じてしまいます。特に福祉業界は外の業界との壁ができやすいので、内にこもってしまうと絶対に向上していかないと考えています。 普段介護や福祉に関わらない方こそ問題意識をもって自分のフィールド・社会に帰っていくことで、いろんな場所に福祉の理解者が存在するようになる。すると、自身の専門性プラス福祉の視点で社会が動くようになっていく。それこそが「福祉のイノベーション」になると感じています。

ま:最後に今後の目標を教えてください。

う:1年間離職ゼロを達成し、なぜ達成できたのかをきちんと分析したいと思います。そして他施設でも実践できるような方法を見せていきたいです!

 

なにも特別なことをしなくてもいい。明日からできる小さな実践の積み重ねと相手を尊重する気持ちが施設内の職員の離職防止に繋がっていることを実感しました。私も現場で働いていた時は「若者とおばちゃん世代との軋轢」や「個々のこだわりによるバラバラなケア」など、施設としてまとまりのない時期を経験しました。皆さんの施設でもよくあることなのではないでしょうか?職場の空気を変えるには、小さな実践の積み重ねが効果的ですよ。

実はインタビュー当時、内田さんは1年間離職ゼロという目標を立てておられ、見事に達成されました!皆さんも「自施設でできること」に取り組んでみませんか?これを機に、離職防止における実践方法が多くの介護施設へ広まっていくことを期待しています。

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KAIGO MY PROJECT 12期参加者募集中!

内田さんも参加されたKAIGO MY PROJECTでは、現在、1月から開始される12期の参加者を現在募集中です。

ずっとやってみたいと思っているけど、後回しにしていることってありませんか?

もしくは、日々仕事で感じる“違和感”をそのままにしていませんか?

そんな想いを、自分らしく”もっとよくする一歩に”変える場が、KAIGO MY PROJECTです。

直接、介護に関わっている人もいない人もそれぞれの立場や視点から感じる気付きを言葉にし、行動に起こすきっかけがここにあります。

2018年、新たな年を、自分らしく一歩踏み出してみませんか?

《2018年1月から始まる12期の詳細は、こちらをご覧ください!》

 

一人ひとりの“想い”が、地域をよくする“プロジェクト”になる3か月!KAIGO MY PROJECT OB・OG発表会レポート(後編)

 

KAIGO MY PROJECT OB・OG発表会レポート(前編)

前編に引き続き、11月11日に開催されたKAIGO MY PROJECT OB・OGによるマイプロジェクト発表会「マイプロピッチ〜地域と福祉をつなぐアイディア事例〜」の様子をレポートします。

後編で紹介する3名のOB・OGも個々の“想い”から生まれた「マイプロ」を紹介してくれました。

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一人ひとりの“想い”が、地域をよくする“プロジェクト”になる3か月!KAIGO MY PROJECT OB・OG発表会レポート(前編)

わたしとふくしを考える。そんな3か月。

実現したい目標、解決したい課題、挑戦したいテーマなど、自分の中にある様々な想いを「マイプロ」として形にし、仲間と助け合い学びあいながら、実現を目指す3か月間の連続ワークショップKAIGO MY PROJECT

 2015年にスタートをしてから、これまで10期の活動が終わり、100名以上のメンバーが参加し、それぞれの「マイプロ」を実践しています。

OB・OGメンバーのマイプロは、一人ひとりの想い・個性が反映されていて、様々な場面で注目を集める活動や、メンバーの職場や身近な場所でよい変化を生み出している活動も多く存在しています。

もっと多くの人に、OB・OGメンバーの素敵な活動を知ってもらいたい。

そして、それぞれの「マイプロ」が、また別の誰かの「マイプロ」を産み出したり、加速させるきっかけになってほしい。

そんな思いで11月11日の介護の日、東京・新橋にてOB・OGのマイプロジェクト発表会「マイプロピッチ〜地域と福祉をつなぐアィディア事例〜」が開催されました。

今回、自身の「マイプロ」を紹介してくれたOBOG6名。地域の高齢者や障がい者の方の暮らしの課題を解決し、笑顔を増やしていくような「マイプロ」や、当事者を支える職場をよりよくしていくような「マイプロ」を実践しているメンバーたちです。

 一人ひとりの「マイプロ」が生まれた想いや、これからのアクションについて、熱く語ってもらいました。

 

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「僕が介護にはまったのは…」慶応卒介護職の中庭さんが語る介護の魅力とは? ~早大生まっきーの高学歴介護職インタビュー~

介護の仕事を始めたのは論文のため。本当は、現場とアカデミックな場をつなぐために大学院に戻ろうと思っていました。

 でも、いざ介護の仕事を始めたら、「この仕事面白い!」と思い、気がつけばもう8年も経っていました。

私が介護職を選ぶ理由〜早大生まっきーの高学歴介護職インタビュー、第1回目は、慶応義塾大学 総合政策学部を卒業後、介護の現場で働き、今年から看護小規模多機能型居宅介護〔※〕 (以下看多機とする)の施設長を行っている中庭秋人さんにお話を伺いました。

「経験ゼロから介護の世界にわざわざ飛び込むなんて、私と同じようにずっと介護をしたい思いがあって、この世界に入ったのかな?」

お話を伺う前に、私はそんな予想をしていました。
しかし中庭さんの口からは、私の思っていたこととは違う答えが返ってきました。

介護の世界に入ったきっかけは、卒業論文のためだったはずの中庭さん。その中庭さんが、いったいなぜ介護の現場に魅せられたのか?お話しを聞かせて頂くうちに、私もその魅力に惹き込まれていきました。

※看護小規模多機能型居宅介護とは?
通所介護・ショートステイ・訪問介護・訪問看護全てが複合された地域密着型サービスのこと。

 

元々介護に興味があった訳ではなかったけれど…。

実は、大学では特に介護に関わることはありませんでした。
大学では東南アジアのことを勉強していて、卒業論文のテーマに外国人介護士を取り上げたことが、一つのきっかけでした。

論文を書き終えた頃にふと「介護の『か』の字も知らないやつが書いた介護の論文なんて、いったい誰が読むんだろう?」と思ったんです。

そこで、自分の「介護の現場を知らないやつ」という状況を変えようと思って介護職を始めました。

「慶応まで出た人がなんでここにいるの?」とかよく言われたりもしましたが、慶応を出て介護職として働いている人って中々いないと思うので、かなりニッチなところを攻めた気分でした。そんな思いで始めたので、そのうち研究のために大学院に戻ろうと思っていました。

でも、実際に介護の仕事を始めたら、人生の先輩方の生活に深く入り込み、関係性を築く介護の仕事の魅力にはまり、8年目を迎えています。

 

人生の大先輩達と、深く語り合う贅沢な時間

元社長のじいちゃんと雑誌の記事を読みながら、「これからの介護施設経営と時代の流れとは…」と熱い議論をしたり、「家に帰りたい」というおばあちゃんが、泣きながら怒りながら話すので、最終的にこちらも泣きながら1時間話し合って握手してみたり…。

介護の仕事では、人生の大先輩の方々の生活に深く入り込んで、お話を聞いたり、自分の話を聞いてもらったりすることが多くあります。

私にはそういった時間がとても贅沢なものと思えて、介護の仕事の一番の魅力ではないかなと思っています。人生を長く生きている方たちだからこそ、その言葉から学ぶことも多く、これほど勉強になる仕事は他にないと思っています。

 

地域のあり方を地域の人と共にデザインする介護

私が今、介護の仕事を通して行いたいと考えているのは、地域に住む人たちが、もっとその地域を好きになれる環境を、地域の人と一緒につくっていくこと。

地域には様々な世代の、様々な立場・環境で暮らす人がいます。

その中で、自然発生的にそれぞれの得意なこと・できることを活かして、教え教わりあい、支えあう大きな教室みたいな地域ができたら、居心地がいいだろうなと私は考えています。

 

こんなエピソードがあります。

長く一人暮らしをされていたおばあちゃん。介護が必要になり、私の施設を利用することになりました。出会った頃は、背負っている過去もあり、人との関りも少なくなっていて、「私がいても周りに迷惑をかける…」と話され、暗い表情でいることが多くありました。

でも、施設の中で、他の利用者とお手伝いをしたり、雑巾を縫って近くの小学校に届けに行ったり…と、地域の様々な人とのつながりが生まれる中で、徐々に笑顔が増えていき、今ではとても生き生きと過ごされています。「誰かとつながっている」「誰かの役に立っている」という実感が、この方の元気を取り戻したのだと思います。

看多機やグループホームなど、介護施設というのは、おじいちゃんおばあちゃんという地域の人的資源が集う場所です。この資源を活用しない手はないと思っています。

誰にでも、いくつになっても、地域とつながり、輝ける場所があるはずです。「介護と出会うこと」、そして介護をきっかけに「新しいつながりが生まれること」がそのきっかけのひとつになれると思っています。

そういった環境をつくるために、まずは自分自身が地域で色々な人とつながり、関係性を深めていって、できることはないかと模索しています。

地域は、おじいちゃんおばあちゃんの世代だけでも、若者だけでも成り立つものではありません。

一番高齢者に関わることのできる介護職は、高齢者の人・若い人たちも生き生きと過ごせる地域のこれからの姿をデザインしやすい気がしています。好きな場所のために、地域の人たちと一緒に、そんな場所を作っていきたいです。

中庭さんはHEISEI KAIGO LEADERSのイベントPRESENTの運営メンバー/ファシリテーターとしても活躍されています。

 

介護の仕事の魅力・おもしろさにもっと触れてもらいたい。

おじいちゃんおばあちゃんたち、スタッフの人たち、地域の人たち…。

この仕事を通してたくさんの人と出会い、その人生に触れました。「そういった人との出会いやつながりは、介護の世界に入らなければ出会えなかった人たちだよな」と思うと、感慨深くなります。

私の中で、介護への入り口は論文だったんですが、いっしょに過ごしたいなと思う人とたくさん出会えるようになったのが、大きなことだったと思います。

 

介護について悪いイメージも多いですが、私は実際に見てみないと分からないなと思っていました。

噂やイメージを信じて介護から遠ざかるより、少しでも興味あるのであれば、まずは介護の現場を見てみるとか、介護施設に限らず、様々な世代が集う場所にもっと行ってみたらよいのではないでしょうか。私自身が実際に現場へ行って、たくさんの出会いを通して介護という出会い方にはまった人間なので、そう感じています。

 

一方で、介護の仕事を辞めていく人たちの中には、介護をしていて、周りから否定される自分に耐えられなくなり、辞めてしまう人も多いのだと思います。介護の仕事は魅力を感じられるまでに、色々な障害や難しさもあることも事実だと思います。

だから、私はその障害を取っ払って、より多くの人がきちんと介護の魅力や面白さを感じられるようにしていきたいです。

 

 【私の感想】

元々介護に関心はなかった中庭さんがどんどんと介護の世界にはまっていき、介護の魅力を楽しそうに語って下さり、「早くこの魅力を多くの人に届けたい」と思いながらインタビューをしていました。

中でも最後の「介護をイメージで判断せず、自分の目で見て確かめて欲しい」という言葉は、本当にその通りだと思います。それまで悪い噂を聞いていた、中庭さん自身が自分の目で見て感じたことを話して下さったからこそ、この言葉に説得力が増すのだと思いました。

私もこれから介護現場で働くようになったら、同じように介護を志した人たちが、環境のせいで介護をあきらめてしまわないように、中庭さんと同じく実体験を持って魅力を発信していける一員になっていきたいです。

 

 

私が本企画を始めるきっかけになったKAIGO MY PROJECTには、中庭さんをはじめ介護の魅力を語ってくれる先輩がたくさんいます。ぜひ一度そんな場に遊びに来てみてくださいね。

HEISEI KAIGO LEADERS運営メンバー募集

\HEISEI KAIGO LEADERSを一緒につくりませんか?/

HEISEI KAIGO LEADERSの運営メンバー募集説明会を開催致します

「2025年、介護のリーダーは日本のリーダーになる」
このスローガンを掲げ、人と人の“つながり”を大切にしながら4年半活動を続け、約1500人にご参加いただきました
これから2025年に向け、私たちは何をすべきだろう。今そんな問いに向き合いつつ、次の展開をともに考えともにつくる仲間を募集します。

\HEISEI KAIGO LEADERSを一緒につくりませんか?/
 
HEISEI KAIGO LEADERSの運営メンバー募集説明会を開催致します!
 
「2025年、介護のリーダーは日本のリーダーになる」
このスローガンを掲げ、人と人の“つながり”を大切にしながら
4年半活動を続け、約1500人にご参加いただきました。
 
これから2025年に向け、私たちは何をすべきだろう。今そんな問いに向き合いつつ、次の展開をともに考えともにつくる仲間を募集します。
 
●○ プロジェクトチーム紹介 ●○ 
 
1.PRESENTチーム
「2025年に向け、私たちは何を学び、どんな力を身につけ、どんな姿で迎えたいか。」という問いからうまれたPRESENTという学びの場。隔月に90名満席で開催しているイベントの企画・集客・場のデザインの3チームで運営しています。
 
2.KAIGO MY PPROJECTチーム
「想いはあっても、学んでいても、行動しなければ何も変わらない。」という意志からうまれたKAIGO MY PROJECTという実践の場。3ヶ月の本プログラム参加者は100名、ワークの体験者は1000名を超えます。ファシリテーター・企画・集客チームで運営しています。
 
3.PRチーム
PRESENTのイベントレポートやKAIGO MY PROJECTのOBOGインタビューなど、HEISEI KAIGO LEADERSの活動に関する記事執筆をメインに、SNSの更新やインターネットを活用したマーケティングやPRなどを行なっています。
4.サポートチーム
一緒にイベント運営や準備などその時々で、それぞれの強みを活かして活動をサポートしてくれるメンバーもいます。仕事が忙しくてコミットしきれない人やイベント運営側を体験してみたい人が不定期で関わってくれています。
 
その他に、外部講師を招いたスキルアップ勉強会の開催や、チームのビジョン・ミッションを考えるミーティングなど、メンバー1人一人がそれぞれの“できる”を高め合いながら、ともに運営しています。
 
説明会では、HEISEI KAIGO LEADERSのストーリーや活動内容、今後の展開についてなど、代表の秋本可愛がお話します。そしてご参加いただいた皆さんの想いも伺いながら今後についてお話したり、HKL運営メンバーと交流するお時間を設ける予定です。
 soarの編集長工藤瑞穂さんをお招きしてライター勉強会を開催したときの写真
たまにはBBQなど、運営のことは忘れて思いっきり遊ぶことも!

 

○ こんな方にきて欲しい!
・ 介護をもっとより良くするためにアクションを起こしたいと思っている人
・ 志を持つ仲間とともに切磋琢磨しながら成長していきたいと思っている人
・ HKLの活動に共感し、自らのスキルや経験を活かしたい人
(ライター・広報経験者・カメラマン)
・ 新しいことに挑戦するのが好きな人
・今、「変わりたい」と思っている人
 
○ HKL運営メンバーについて
HKLは現在21〜34歳までの多様なバックグラウンドを持ったメンバーで運営しています。メンバーの職種は介護職、医師、理学療法士などの専門職や、学生(社会福祉学部・医学部)、人材、IT、保育など異業種のメンバーもそれぞれの強みやスキルを活かし活躍しています。また能力スキルに長けているメンバーばかりではなく、共に学び成長しながら運営を行っています。
 
自分のスキルに自信がなくても、“やってみたい”と思ってくださる方であればまずは説明会にご参加ください!
 
日時:9月29日(金) 19:00〜20:30
場所:Andozaka COIN(東京都 文京区春日2-26-11)
最寄駅:春日・飯田橋から徒歩12〜3分
申し込みフォームはこちら:https://goo.gl/forms/d7OFL2VBAYcfpp1J2
※申し込みフォームは必ずご登録ください。
定員:12名

 

これからの医療と介護をつくるのは誰だ!?次世代に告ぐ、在宅医の覚悟・PRESENT_13開催レポート

 

超高齢社会は明るい社会だと思いますか?

介護・医療に携わっている私たちも超高齢社会を暗いと思っている人が多い。

本当にそれでよいのでしょうか?

 

HEISEI KAIGO LEADERSがつくる学びの場「PRESENT」。第13回目となる本イベントは、お盆休み真っ只中の8月13日、サイボウズ株式会社の素敵なオフィスにて開催しました。今回のテーマは、「これからの医療と介護をつくるのは誰だ!?次世代に告ぐ、在宅医の覚悟」。ゲストの医療法人社団悠翔会理事長 佐々木氏のこんな問いかけからスタートしました。

佐々木氏の推し進める、高齢者の地域での生活を24時間365日支える在宅医療システム。地域医療に新たな風を吹かせる挑戦と、その背後にある思いを語っていただく中で、よりよい超高齢社会をみんなで築いていくための熱い対話が生まれた夜となりました。

 

「健康的に、幸せに生きる」ということ

健康とはいったいどういった状態を指すものでしょうか?

日本人の死亡についての統計を紐解くと、大きな疾病等なく老衰で亡くなる人は全体の5%、いわゆる「ピンピンコロリ」と言われるような突然死的な形で亡くなる方が15%というデータがあります。

つまり、8割の人は人生のどこかで病気や怪我で要介護となり、リハビリなどで回復と悪化を繰り返し、最期を迎えるということになります。多くの人にとって、医療と介護のお世話になる機会は他人ごとではありません。

私たちは一般的に「健康」という言葉を聞くと、「五体満足」であること——つまり、身体的機能が健康であることを連想します。体の機能や構造に着目し、健康かそうでないかを判断する形を「医学モデル」といいます。

この「医学モデル」の観点から言えば、年をとったり病気になったりして、身体的機能が損なわれている状態は、総じて健康ではないということになります。

それでは、身体だけ健康であればよいのでしょうか?身体機能が損なわれたら、幸せな生活はできないのでしょうか?

 

心身の機能や構造が健康であることは確かに重要ですが、

もっと大事なことは「健全な人生を送れるか」ということです。

 

佐々木氏は、「医学モデル」とは別に「生活モデル」という観点から、健康を考えるべきではないかと説きます。

「生活モデル」では、体質や病気・障害の有無といった事象のみで判断するのではなく、その人の生活機能水準に着目をして、健康かどうかを判断します。

たとえ、障害があっても医療技術やテクノロジー、社会インフラの整備によって、健全な生活を送ることが可能であれば、健康であると判断であるとする考え方です。

 

例:視力が悪く裸眼での日常生活が難しい人

「医学モデル」的に考えると「健康でない」が、眼鏡やコンタクトレンズを使用することで支障なく生活できるのであれば、「生活モデル」的には「健康である」と言える。

 

私たちがどんなに努力しても、健康寿命には限界があります。

障害を負ってもポジティブに生きることのできる社会を作ることが大切です。

コミュニティがしっかりと機能すれば障害があっても人生・生活を継続することはできると思います。

 

これからの高齢社会においては、年をとって病気・障害を抱えた状況でも、その人らしい人生・生活をおくれる環境を、地域コミュニティの中で、社会全体で整えていくことが重要であると感じました。

 

超高齢化時代の医療システムとは?

高齢化が進むと、医療に対する考え方も変化が求められていくこととなります。

高齢者の疾病は若い世代と異なり、いくつかの要因が複雑に絡み合っていて、対処しにくいことが特徴です。

例えば骨折で入院して整形外科で骨折のみの治療だけを考えればよいのでなく、入院が原因で廃用症候群になったり認知症が進行したり…という危険性も踏まえて、「この人にとって最適な医療とは何だろう?」と考える必要があります。

 

仮に病気やけがが完全に治らなくとも、今の生活が継続できるように地域が力を持つことが必要です。病院に頼り切るのではなく、具合の悪い人を支えるのが地域であり、その仕組みを考えるのが私たちの仕事だと思います。

 

高齢者への医療は病気・怪我だけを直すだけでなく、その先の生活への復帰を視野に入れて、何をどこまで治療するのか、その先の地域での生活をどのように支えるかという視点が重要となってきます。

しかし、医療の側にも「生活モデル」の視点に立ち、考えることがまだまだできていない。

これからの高齢者医療は、ケアと一体になっていかなければならない、と佐々木氏は考えています。

 

地域の暮らしを支える在宅医療

望む人は自宅で最期まで過ごせる環境をつくるために、佐々木氏が理事長を務める悠翔会では、地域コミュニティの中で在宅医療を中心としたシステムの構築を進めています。

在宅医療とは、その名の通り自宅で暮らせるようにするために、医療・介護チームによる往診や健康管理を行う医療で、緊急時の365日24時間対応も行います。

悠翔会では、首都圏内に複数のクリニックを開設し、医師、看護師、理学療法士、歯科医師、歯科衛生士、栄養士…と様々な職種が連携しながら、約3400人の患者の生活をサポートしています。

また、地域で活躍される開業医の人たちが抱える患者の副主治医として、主治医だけではサポートしきれない24時間・365日の支援体制を敷くことで、5,000人の地域での生活を支えています。

より多くの在宅での暮らしを支えるため、地域の様々なプレーヤーが連携し、サポートしあうシステムをつくりあげることによって、これから深刻化していく都市部での在宅医療難民問題を解決していこうとする悠翔会、佐々木氏の挑戦は続いていきます。

地域の「根っこ」を再生させる

 佐々木氏は、高齢者が地域で自立した生活を送るためには、医療・介護の領域だけでなく、地域全体でどのようなシステムを作っていくかを考える必要があると感じられています。

これから高齢化が進展し、サポートが必要な人は増えていく中で、医療・介護の支え手は足りなくなっていく。その中で医療・介護の力のみで自立支援を行うことは難しくなります。

だからこそ、発想の転換をすることが求められます。

「そもそも、なぜ高齢者が自立できなくなっているか?」ということを考え、その原因部分について着目すると、自立を支える“根っこ”の部分が弱くなっているということに気が付かされます。

一般的に私たちは、家族や友人がいて、仕事や学校などの社会的居場所があり、それらが社会で自立して生活するための支えとなる部分——木で例えるなら“根っこ”の役割を果たしています。

ですが、高齢者の場合、死別や離別、定年で職を失うなどといった形で、人や地域とのつながりという“根っこ”の部分が弱くなってしまい、孤立してしまう。人とのつながりが薄い場合ほど、高齢者の死亡リスクが上昇するというデータもあるそうです。

つまり、高齢者を取り巻く環境の中で弱ってしまった、人とのつながり——“根っこ”の部分を再生させることが、医療・介護の負担を減らし、誰もが自立して暮らせる持続可能な社会を作ることへとつながると言えるのです。

 

そのプレーヤーは誰でしょうか?

きっと、地域に暮らす一人ひとりなのであろうと思います。

 

医療・介護に携わる人はもちろん、様々な世代・職種の人が自分自身の住む地域のこととして、何ができるかをそれぞれの地域特性に合わせて考えていく。

その際の旗振り役として、高齢化社会・在宅医療のキープレーヤーとなる医療・介護職が地域と積極的に関わっていく。

それが、これからの医療・介護の領域に求められるスキルの一つではないでしょうか。

 

行動しないと未来は変わらない

 

必要とされることだから、やっています。

首都圏ではこれから高齢者が増えてくるなかで、少ないメンツで多くの人を見るシステムを構築する必要がある。「この人がいるから安心」ではなく、「このシステムがあるから安心」だという風にしていく必要がある。

本当は、もっとマイペースに仕事がしたいんですけど。(笑)

 

スピード感を持ち、多職種連携を強めながら、地域に在宅医療を広げる活動を精力的に進められる原動力は何か?そんな質問に、佐々木氏は笑顔でそう答えられました。

求められているからこそ、これからの時代・社会に必要だからこそ、「医師として自分に何ができるだろうか?」と常に問い、行動をされ、地域で安心して暮らせる仕組みづくりに挑戦され続けている佐々木氏から、次代を担う若い人たちへこんなメッセージを頂きました。

 

高齢社会は誰の問題でしょうか?

これは日本に暮らす私たち一人ひとりの問題なのだという意識を持ってもらいたいです。
そして、現役の高齢者・40~50代の世代よりも、若者や子どもたちがより深刻な課題をこのままでは抱えてしまうことになります。

だから、なんでもいいので小さな行動を起こしてほしい。私自身も行動してみないとわからないことがありました。上手くいくかどうかは分からないけど、行動することで自分が成長するということはあると思います。行動しないと未来は変わらないと思います。今一歩踏み出すことで10年後の自分は違う姿になっているかもしれません。

誰かが行動して、穴をあけるとそこから何かが変わるかもしれません。私はそこを応援したいです。

 

日本の在宅医療のパイオニアとして最前線を走る佐々木氏からのメッセージを受け、参加者一人ひとりが当事者として考え、対話をして一歩行動してみようというエネルギーを得た、非常に熱量の高いプログラムであったと思います。

ここを起点に様々なアクションが生まれ、広がっていくことを私たち運営メンバーも楽しみに、応援をしていきたいと考えています。ご来場の皆様、ありがとうございました!

 

※当日のレポートの詳細版は、後日掲載予定です。
文責:野沢悠介

 

仲間とともに自分の想いを見つめ、想いを“行動”へと変えていくKAIGO  MY  PROJECTの体験イベント実施中!ご参加お待ちしております!

8月27日(日)10:00〜13:00 詳細・お申し込みはこちら
9月9日(土)10:00〜13:00 詳細・お申し込みはこちら
9月23日(土)19:00〜22:00 詳細・お申し込みはこちら

本プログラムも参加者募集中!詳細はこちら▽

Present_13 佐々木 淳 これからの医療と介護をつくるのは誰だ!? 次世代に告ぐ、在宅医の覚悟。

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Present_13 佐々木 淳 これからの医療と介護をつくるのは誰だ!?
次世代に告ぐ、在宅医の覚悟。
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世界でも類を見ない日本の高齢化。
未だかつて誰もが経験したことがない現状を乗り切るには
先人の知恵や今の延長線上での改善の積み重ねだけで、
果たして明るい未来はやってくるのだろうか?たとえば、最期まで自宅で生活することを望む人の多くが
病院で亡くなっているという現実。

そんな中「在宅医療」の重要性が問われているが、
地域のクリニックは医師1人で開業しているケースが多く
夜間対応を強いられる看取りはハードルが高い。

それを打破する、新しい仕組みを築いたのが
医療法人社団悠翔会 理事長の佐々木淳氏だ。

病院の当直システムを導入し、 24時間365日の医療体制の構築。
「法人」の垣根を越え、「地域」単位で夜間対応を行うことで、
これまで看取りの経験がなかったクリニックが看取りを行えるようになり、
佐々木氏が手がける地域では年々在宅での看取り率が高まっている。

現場にいる医療職や介護職だからこそ、気付ける課題。
それを既存の仕組みに囚われず、全く新しい発想で、
大きく転換していける人材が、今求められているのだ。

あなたが気付いた課題。
小さくても誰かの幸せがかかっているその課題に、
一体あなたはどう向き合うのだろう。

PRESENT_13では、佐々木氏が新たな仕組みを生み続けている
背景にある思考と実践法、そしてトップランナーとして描く未来や
今後の挑戦に迫っていきたいと思います。

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【ゲスト紹介】
佐々木 淳 (ささき じゅん)

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1998年筑波大学卒業後、三井記念病院に勤務。2003年東京大学大学院医学系研究科博士課程入学。東京大学医学部附属病院消化器内科、医療法人社団 哲仁会 井口病院 副院長、金町中央透析センター長等を経て、2006年MRCビルクリニックを設立。2008年東京大学大学院医学系研究科博士課程を中退、医療法人社団 悠翔会 理事長に就任し、24時間対応の在宅総合診療を展開している。

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【詳細】
日時:2017年8月13日(日) 18:30〜21:30(開場18:00)
会場:サイボウズ株式会社 オフィス
住所:東京都中央区日本橋2-7-1 東京日本橋タワー 27階
参加費:4,000円 / 学割3,000円
※学割は10代、20代の学生を対象とさせて頂きます。
飲食:軽食・飲み物あり!
定員:90名

お申し込みはこちら:
http://present13.peatix.com/

※本申込みは上記リンクよりお願い致します。
定員に達した場合は事前申込みを優先させて頂きますので、参加を希望される場合はお手数ですがお申し込み手続き頂きますようお願い致します。

★[シフト制のみなさま!]
7月末まで8月のシフト分かりません!!!って方は、【7月末】までにキャンセルのご連絡頂けましたら返金対応させて頂きますので、参加したいと思って頂いている方はお席の確保をお願い致します。キャンセルのご連絡は『peatix』の問い合わせよりお願い致します。
※但し、以下の場合は返金手数料としてキャンセル1件につき500円の手数料が発生しますので、ご注意下さい!
(1)クレジットカード払いにて支払日から50日以上経過している場合
(2)コンビニ・ATM払いでチケットを購入した場合
http://help.peatix.com/customer/portal/articles/151985

それでは皆さんのご参加お待ちしております!

【PRESENTについて】
2025年に向け、私たちは何を学び、どんな力を身につけ、どんな姿で迎えたいか。そんな問いから生まれた”欲張りな学びの場”「PRESENT」。「live in the present(今を生きる)」という私たちの意志のもと、私たちが私たちなりに日本の未来を考え、学びたいテーマをもとに素敵な講師をお招きし、一緒に考え対話し繋がるご褒美(プレゼント)のような学びの場です。

【special thanks!】
会場協賛 サイボウズ株式会社様

今回も素敵な会場をご提供頂く、サイボウズ株式会社では、「チームワークあふれる社会」を目指し、介護現場でのコミュニケーションや情報共有をサポートするサービスを展開しています。自社内だけでなく、地域のプレイヤーの連携支援の事例も多数!ご興味がある方はぜひご覧ください。

ご興味がある方はぜひご覧ください。
▼医療・介護系の事例
https://chiiki.cybozu.co.jp/medicine/index.html
▼サイボウズ式(「新しい価値を生み出すチーム」のための、情報サイト)
https://cybozushiki.cybozu.co.jp/

【主催】
HEISEI KAIGO LEADERS

私はわたしに嘘をつかない。とことん自分に向き合い続ける生き方。

語り手(左):伊藤 由希子(ゆ)KAIGO MY PROJECT5期 はりレボ代表鍼灸師
聞き手(右):石丸夕貴()KAIGO MY PROJECT5期 医療系企業 介護施設運営会社

KAIGO MY PROJECT インタビュー 第9回目は、「鍼灸という選択肢が当たり前にある世の中をつくる」という思いを根底に、次世代はりきゅうレボリューションズ(以下、はりレボ)の代表として活躍する伊藤由希子さん。大学では心理学を専攻するも、カリキュラムの1つにあった東洋医学に惹かれ、大学卒業後すぐに鍼灸の専門学校へ進学。「興味のあるものにめがけて走り出してしまうような、危なっかしい一面がある」と笑いながら話す姿に羨ましさを感じてしまうほど、小柄な見た目とは裏腹に目標に全力で向かっていくエネルギーに溢れています。マイプロに参加する前から自分自身としっかり向き合い、直感と正直な気持ちを大切にされてきた伊藤さんが、改めて自分と向き合った3ヶ月でどのような気づきを得られたのかお話を伺いました。

 

なんとなく面白そうだな、とよくわからないまま勢いで参加

ま:マイプロへ参加した理由を聞かせてもらえますか?

ゆ:実はマイプロってどんなものなのか、よく分からないまま参加していました(笑)当時は「鍼灸でもっと何かできるはず、でもそれって何だろう?」とアンテナを張っていたんです。あるイベントで介護業界を盛り上げている可愛ちゃんに出会い、この人面白い!と思ったのがきっかけですね。介護と親和性の高い鍼灸の良さを知ってもらう意味はあると感じて、思い切って話し掛けていました。その時にマイプロを紹介してもらったけど、具体的には分かってませんでした。

ま:初日は体験でしたよね?

ゆ:そうそう、体験してみて「あぁ、面白いかも」と感じ、じゃあこのまま参加しようといった軽い感じ(笑)

 

鍼灸という選択肢が当たり前にある世の中をつくる

 

ま:当時からマイプロは変わらないですか?

ゆ:マイプロと言っていいのか正直分かりませんが、自分自身のさまざまなアクションの根底にずっと変わらず持ち続けている想いは「鍼灸という選択肢が当たり前に持ってもらえる世の中をつくる」です。

ま:なぜ鍼灸なのでしょうか?

ゆ:これまで鍼灸を学んできて想像以上に可能性のあるものだとわかっているからこそ、より多くの人に鍼灸の良さを届けたいと考えています。「鍼灸という選択肢が当たり前にある世の中をつくる」は「はりレボ」の目標でもあり、私の原動力なんです。

ま:そこまで伊藤さんを突き動かす理由は何でしょうか。

ゆ:大学で心理学を学びながら自分について分析していった結果、「もっと人を癒せる人間になりたい」という気持ちに気づいたんです。

ま:その気持ちは一体どこから?

ゆ:実は、幼稚園から高校・大学まで寂しくて、孤独でした。幼い頃からずっと友達がいないなぁと感じていて。ものすごく覚えてるのが幼稚園の時に「友達になってくれる?」って言いに行ったんです。いいよって言ってもらえたから友達だって思っていたけど、そういうわけじゃない。その時、初めて「友達になって」と言っても友達になれないということに気づきました。そういった経験も踏まえ、なんで友達がいないんだろう?と突き詰めていくと、実際は相手を攻撃している自分がいたんです。じゃあ、なんで私は他人を攻撃しているんだろう?なんで?なんで?を繰り返していった先に「人を癒したい気持ち」がありました。

ま:心理学にも「癒し」の要素があると思いますが、なぜ鍼灸へのシフトチェンジをされたんですか?

ゆ:臨床心理学の授業を受けたときに「私が想像していたものとなんか違うな~」と感じたんです。

ま:その「なんか違うな~」とは?

ゆ:当時の私はダイレクトに心にアプローチをしていく臨床心理学に若干の違和感を抱いたんです。実際とは異なると思いますが、すごく疲れてトゲトゲした心に対して直接えい!ってつんつんして刺激を起こさせるような・・・優しさがない感じを受けてしまったんです。

でも例えば、1枚ガーゼみたいなもので包んであげて、そこから優しくふわっと触ってあげた方が優しいですよね?そうゆうアプローチがしたいって考えていたとき、カリキュラムの一環にあった東洋医学の授業で鍼灸に出会いました。思わず「これだ!」って思いましたね。カウンセリングよりも遠回りではありますが、身体を通じて元気になる理想のアプローチでした。

ま:確かに身体がすっきりするだけで心も軽くなりますよね。それに、トゲトゲが増えれば増えるほど、身体が強ばるのがわかります。

ゆ:そう。つい心と身体を別に捉えがちだけど、身体をほぐしてあげるとトゲトゲの数が減るというか、ちょっと丸みを帯びるというか・・・一回でも落ち着いたら考える余裕もできると思います。

最近、鍼灸は不妊治療で少しずつ脚光を浴び始めましたが、実際はまだまだ。不妊治療に限らず、鍼が合うだろうなと思う方も多いので、どんどん鍼灸の良さを広めていきたいですね。

 

「私はわたしでいいんだ」

ま:3ヶ月間のマイプロを通じて、ご自身における気づきはありましたか?

ゆ:マイプロ以外の他の出来事も通じて自己肯定感が得られました。以前は、いわゆる社会の常識や他人からの期待、当たり前のことに沿わなければ恥ずかしいと考え、いろいろなものに縛られていましたね。当時が100だとすると、今は20ぐらいかな。

ま:20!?ものすごく下がりましたね!

ゆ:他人にどう思われていたとしても、自分の中に目標を持ち、なぜその状況にあるのかを理解しているから「私はわたしでいいんだ」って思えるようになりました。どんどん気持ちが自由になってきています。

ま:なぜそこまでの変化を得られたのだと思いますか?

ゆ:一番の理由はME編だと思います。改めて自分の歴史を書き出してみて、どこまで人に話すか、どんな風に自分を表現するか、自分と向き合う時間を費やしました。また、ME編の発表時に自分自身を知ってもらい、そこから先も定期的にみんなに会って、誰も自分のことを否定しない・受け入れてくれる時間を何回か重ねたことが大きかったのだと思います。込み入った話って、普段の会話では出てきませんよね?そこをあえてさらけ出し、自分がどういう人間であるか知った上で受け止めてくれたことが大きかったです。そう考えると、マイプロって他の人には話せないようなことも話せる仲間が、たった3ヶ月でできるのが意味不明!笑

ま:なかなかこんな環境には出会えないですよね!それだけ自分を受け入れてくれる場所を人は求めてるのかも。

ゆ:それがあるから一歩踏み出せる。めっちゃすごいな、マイプロ!

ま:皆さん、騙されたと思って参加してみて!

ゆ:ほんとほんと!行ってみなって!みたいな(笑)

 

 

安心安全の場だからこそ得られた仲間

ま:話を伺っていくと、伊藤さんの中で仲間の存在がとても大きいもののように感じられます。

ゆ:マイプロを通じて、自分にとって仲間は必要な存在だと気づけました。これまでは人と群れることが少し苦手で、仲間を必要としていなかった。何人かの中の一人とはめっちゃ仲いい!ってなってもその周りはそうでもない、みたいな。でも5期メンバーは全く違う。このグループがあることで、自分がすごく支えられていることを実感していて・・・

私ね、最終日に泣くと思わなかったんだよ!3年通った専門学校の卒業式でも全然泣かなかったのに。たった3ヶ月、しかも7回くらいしか会ってないにもかかわらず、自分にとって終わるときに泣くほど大事な場所になるとは思わなかった。私はやっぱり「この人たち好きだー!」と思える居心地のいい場所を求めてたんだと気づきました。居心地の悪い仲間・環境は自分には必要ない。

ま:自分に合わなければ途中で離脱したって構わないですもんね。1年経った今でも5期が繋がっているのは、お互いに信頼し合い、周りの皆が自分の言葉に真剣に耳を傾けてくれることを知っているからこそだと思います。

ゆ:もしいま5期のみんながいなくなったらすごく困る!本当に仲間だって思えています。

 

自分の幸せのために生きる

ま:今までずっと苦しんできた孤独や寂しさが解消され、「個」として確立しているような・・・伊藤さんの「自分」という軸が出来上がってきた印象を受けます。

ゆ:いま自分に不要なものを手放しているところなんです。自分の考え方・ステージが変わることも前は怖かったけど、いまは大丈夫。小さいときに感じていた孤独感は、ここにきて本当に小さくなりました。

ま:自分自身と向き合えた証拠ですね。

ゆ:いま孤独じゃないから、すごく幸せだなって思えます。

ま:幸せを感じられる人生を歩めていることが羨ましくも感じられます。

ゆ:究極、みんなそこを目指しているんじゃないかな。どんなに人の為と思って行動をしても、同時にそれはエゴでもあって。人を幸せにすることが自分の幸せに繋がっていくんですよね。これが私の大きな気づきかな。

ま:本日は貴重なお話を伺わせていただき、ありがとうございました。

ゆ:ありがとうございました。

自分の気持ちに正直に生きていく。出来そうで出来ない、という方が多いのではないでしょうか?聞き手の私自身もその一人です。しかし、伊藤さんとの会話の中で「自分の人生を生きるのは他ならない本人である」ことを改めて感じさせられました。支え合える仲間に出会い、更に力強く前進していく伊藤さんの今後の活躍に期待しています!

 

check!はりレボHPはこちら

 

伊藤さんが参加したKAIGO MY PROJECTでは、8月からはじまる10期メンバーを募集中!6月末まで早割!



私が介護職を選ぶ理由 〜早大生まっきーの高学歴介護職インタビュー〜

私、柳田真希は、早稲田大学人間科学部の4年生。
現在就活真っ只中、第一志望は介護職だ。

 

両親は共働きで、小さい頃から祖父母に面倒を見てもらってきた私は、いつか恩返しをしたいと、中学の頃から「介護職」になりたいと思ってきた。「介護福祉士」や「社会福祉士」など介護に関連する資格を取れる大学を受験し、受かった中で、唯一両親が嬉しそうだったのが「早稲田大学人間科学部」であったため、進学した。

 

今年、大学4年を迎え本格的に進路を考える時期がやって来た。もちろん、私は介護職一本で考えていたが、初めて迷うことになる。

私の両親は、介護職になることを全く望んでいないのだ。

早稲田大学人間科学部で取得できるのは「社会福祉士」なので、介護現場ではなく社会福祉士の資格を活かして公務員としての就職を進めてきたり、「給料が安い」「大変そう」など世間的に言われる介護のイメージを心配してきたのだ。

 

親が介護職について欲しくないと思っていることは、大学進学の時期から薄々わかっていた。だけれども、就職活動というタイミングがそのことを浮き彫りにさせたのだ。

 

それに加え、大学の仲の良い友達さえも「え、介護?」という雰囲気を醸し出してくる。その空気は大学1年の夏にはすでに感じていた。サークルの友達に「何の専攻?」と聞かれて「介護だよ」と答えると、友達の反応はだいたいこの3つのパターンに当てはまる。

 

1.「大変そうだね」とか、「偉いね」と言ってくる、「(私は無理だけど)」パターン

2.聞いておきながら「へ〜」でおわる、無関心パターン

3.珍しいものとして見るように「なんで?」と聞いてくるパターン

 

 

「私も介護!」と言う同志には、1人も出会わなかった。私がなぜ介護が魅力に感じているかすら、聞いてもらえることはなかった。興味を持ってもらえないどころか、さらっとバカにされている気さえすることもあり、その頃から同世代の友達と話す時は、「介護」とは言わず、「福祉」とぼやっと答えることにした。

 

半ば理解してもらうことを諦め、介護の話をすることを避けてきた。そうして迎えた就職活動。これまで避けてきたことに向き合わざるを得ない時期がやってきたのだ。身近な人に応援してもらえないほど、辛いことはなく、他の選択肢も考えるようになった。

 

私は迷いに迷い、介護職をやっている先輩に相談にいった。改めて介護の仕事の話しを聞く中で、私はやっぱり介護がやりたいんだと思った。それと同時にこの仕事の魅力をもっと多くの人に知ってもらいたいという思いが強くなった。

 

選考を受けた介護事業を運営する企業の人事に「早稲田(高学歴)なのに、なんで介護なの?」と聞かれたのだ。この言葉にこれまでの全てが集約されている気がした。両親の思いも、友人たちも、世間の目も…。

 

高学歴が介護職になることは、そんなにもおかしなことなのだろうか。私はその意義を見つけたくなり、高学歴で介護職として働く人にインタビューをしてみたいと思う。このインタビューで、私がまだ見ぬ介護の魅力を知れるかもしれないと、今とてもワクワクしている。

「最期まで自宅で過ごしたい人の選択肢になりたい」 原点回帰した介護職の新たなの挑戦

fullsizeoutput_113大学を中退してまでテニスコーチになりたいという思いを、「好きなことをしなさい」と唯一応援してくれた祖父。だんだんと老いる祖父を最期まで懸命に支えてくれたヘルパーさんの姿を見て感銘を受けた田中さんは、祖父の死をきっかけに介護の世界に入ります。「自宅で過ごしたい人の選択肢になりたい」、有料老人ホームから在宅介護の世界に飛び込んだ田中さんのストーリーをご紹介します。

語り手:田中健太(た) 定期巡回/随時対応型訪問介護看護の計画作成責任者
聞き手:清水達人(し) 有料老人ホーム 介護予防運動指導員

 

世の中の高齢者のほとんどは、在宅生活を望んでいる。

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田中さんが
幼少期に大好きなおじいちゃんと撮った写真

た:高校からテニスを始め、そこからテニスに夢中になっていました。大学からはアルバイトで始めたテニスコーチの仕事がとにかく楽しく、授業にも行かず、練習や試合に明け暮れる日々を過ごしていたんです。テニスコーチになりたいと、大学中退を考えたとき、親からは猛反対されました。そのとき唯一応援してくれたのが、祖父だったんですね。「好きなことをしなさい」、そういって僕の背中を押してくれ、大学を中退してテニスを学べる専門学校に進学しました。

晴れてテニスコーチになり、定年までテニスコーチを続けたいと思っているほど自分にとって天職だったのですが、大好きな祖父の死をきっかけに介護の世界に転身しました。

し:田中さんにとっておじいちゃんの存在はかけがえのないものだったんですね。でもなぜ介護に振り切ったのでしょうか。

た:祖父の介護が必要になってから亡くなるまあで、ヘルパーさんが懸命に支えてくださって、その仕事っぷりに感銘を受けたんですね。祖父が最期まで自分の家で暮らすことができるお手伝いをしてもらったので、自分自身もそのお手伝いがしたいと介護の世界に転身しました。

有料老人ホームで働いていて、世の中の高齢者のほとんどが実は在宅生活を望んでいるということを知り、在宅生活を支える仕事がしたいと思いましたそこから転職を考えていて介護に係わる人の話を聞きたいと思って、KAIGO MY PROJECT(以下、KMP)に参加しました。

ただの友達作りとかではなく、介護に対する想い・感性など表面的なもので終わるものは嫌だったので、深く関わりを持てる場所を求めていたんです。

 

「被介護者」から「地域貢献する社会資源」になる
高齢者から見えた介護の専門性

スクリーンショット 2016-02-04 14.03.57
田中さんが見学に行った「あおいけあ」の日常。PRESENT _04より。

し:田中さんのマイプロについて教えてください。

た:「介護職の専門性を考える」この2つをマイプロとして掲げていましたが、結果から言うと、今は参加当初とはマイプロの形は変わってきました。

介護職として働き、たくさんの高齢者やスタッフと関わりを持つ中で、多様な価値観に触れることができました。その反面、多様な価値観を理解しようとする余り、KMP参加当時は介護職としてのあり方が分からなくなってしまった時期でもありました。そんな中KMP参加中に、OBのメンバーにお誘い頂いてあおいけあに見学へ行きました。そこで代表の加藤さんとお話させて頂き、実際に「被介護者」から「地域貢献する社会資源」になる高齢者を見て、介護の仕事の本質を考えさせられるきっかけとなりました

し:なるほど。「介護職の専門性」が見えてきたわけですね。
た:介護の仕事は、「自立を支援すること」。これは介護福祉士やケアマネジャーの教科書で散々習ってきましたが、あおいけあにいるイキイキとした高齢者の姿を見て、やっと胸にストンと落ちた感覚になりました。

1つの動作が自立に近づくことで、その方の生活の質がどれだけ向上するか、本人の気持ちになってみれば簡単に分かることですよね。しかし、施設でリーダーをしていたときは「事故を起こさないこと」が第一になっていて、誰のための「安全」で、当の本人は本当に「安全」を望んでいたのだろうか?と、今では思います。その方の望む生活を叶えるためにどんな自立支援が出来るかを考えるのが、介護職が専門職としてのあるべき姿なのではないかと思います。

 

最期まで自宅で過ごしたい方の,選択肢になりたい。

fullsizeoutput_128田中さんインタビュアーの清水が参加したKAIGO  MY  PROJECT6期メンバーの集合写真

し:もともと介護を目指したきっかけは祖父の在宅介護ですもんね。たなけんさんの根っこ部分はやっぱり、自宅で最期まで暮らせる自立支援があるのですか?

た:今の仕事がまさにそうで、安易な施設入居はせずにできるだけ在宅生活を支援したいと思っています。現在の介護保険の制度上、在宅介護は、ある程度家族の介護力がある前提なので、家族の介護力がない場合は、施設に入ることが多いと思います。今、僕が務めている「定期巡回/随時対応型訪問介護看護」というサービスは介護が必要になっても、住み慣れた家庭でできる限り生活ができるよう平成24年度に創設された24時間対応の介護保険サービスです。最期まで自宅で過ごしたい方の選択肢になれるように、まずは自分が勤めている場所か始めて見ます。それが、僕の今のマイプロになっています。

し:内容の変化ということはあってもでも、根本的な部分は変わりませんね。

た:そうですね。プロジェクト自体は何かこれをしたということよりも、プログラムを通じて自分自身を見直して、原点回帰できたことが大きく、自分の次の道を切り開くことができました。その過程で必要なスキルを学べたのがマイプロのプログラムだったのかなと思います。

し:この経験を生かしてなにをするか、プロジェクトの本番はこれからですね!ありがとうございました。

 

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