KAIGO MY PROJECT1期スタート

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4月5日 KAIGO MY PROJECT(以下マイプロ)の1期がスタートしました。

1期メンバーは、福祉を専攻する学生、事務職、障がい施設職員、訪問看護師、医師、介護企業人事、元介護職、システム会社社員、介護周辺事業者と、様々なバックグラウンドを持った10名が参加してくれました。

 

初日は、ゲストスピーカーに社会福祉法⼈ウエルガーデン ウエルガーデン伊興園施設⻑ 杉本浩司氏にお越し頂きました。介護施設の施設長として自立支援介護を広めながら、「日本一の介護福祉士」として介護の上級資格の策定にも携わる杉本さんですが、なぜ介護なのか、何が杉本さんを突き動かすのか、お話を聞いていきました。

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お話の中で印象的だった現場でのエピソードをご紹介します。

「現場に機械浴は絶対必要ない。だって普通のお風呂に入りたいじゃん」
そう言って全て個浴にしようとしたとき、反対する人がいたと言います。

その理由の1つは、今機械浴を使っている人がお風呂に入れなくなるのではないかという懸念があること。
杉本さん曰く、ひどく拘縮の進んだ人でない限り、多くの人は機械浴は使わずに入浴することができるそうです。

だから全て個浴にすると言ったとき、
「大浴場が良いと言っている利用者さんの声を無視するんですか?」と言われました。

それに対して、杉本さんは「大浴場が良いんなら、外出して温泉に一緒に行けば良いじゃん。僕らの家にも大きなお風呂はない。大きなお風呂に入りたいときは僕らが温泉に行くように、温泉に行けばいいんじゃない。」と。

高齢者であろうが、私たち若者であろうが、これまでの”暮らし”の延長線上にある「介護」を気付かないうちに、まるで別物かのような非日常にしているのは、介護をつくっている私たちなのかもしれません。

改めて今の自分たちの考えを、もう一度見つめ直したいと、大切な気づきを得た時間でした。

 

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杉本さんの講演のあとは、自分たちのプロジェクトを深める時間を取りました。

マイプロでは「マイプロシート(me編とproject編の2つのシート)」を活用し、
自分の「やりたいこと」(will/want)と、自分に「できること」(can)、そして社会から自分に「求められること」(should)の3つが重なるところ対話と実践を何度も繰り返しながら深めていきます。

この日は1月から3月のトライアルメンバーも2名、1期のサポートに自らかけつけてくれました。

グループシェアのあとは、全体で気付きのシェアを行います。
一部全体シェアででた気付きをご紹介します。

●自分が発表しているとき、自分が見えていなかった所が、他の人の意見を聞いて、 深められた。こういうところが足りてなかったなかった、こういうところが自分の強みだと気づかされた。

●医療と福祉は対立する事が多い。 外出にいくのにも、その体調でいくのか?など。今の部署のナースさんは、最初は、医療の目線で福祉のやることに待ったをかけていた。福祉側にたっている者が何を話したかというと、医療の人たちがなぜそう言うのかを、自分たちは知る必要がある、専門性の高めないと、同じ土俵には立てない。 最近、そのナースさんは利用者さんの人生を語るようになった。3年前まではそんなことなかったのに・・・。最近は「私がついて行くんで。何かあったら責任をとります。」と一緒に外出に出てくれるようになった。 このとき、医療と福祉が本当の意味で連携できたと感じた。 福祉だけじゃできないこともたくさんあると思っている。 今日2人と話していて、こういうナース増えればいいなと思った。 看護と福祉で分野は違うかもしれないが、人が生きるという観点から見た時に自分たちは何が出来るかを自然に話した。 それがすごく嬉しかった。 この場に、体験の時も含め参加して、この熱量があるならこの先日本わるくならないな、と思った。 良くなる兆ししかない。そういうことを確認できるので、これから3ヶ月がとても楽しみ。

●違う業種、違う生き方の人の話を聞いて、面白いなと思った。マイプロのやりたい事自体も大切。原点や、何でそれをやりたいと思ったのか、それを思った所の人間性を見れて面白かった。 自分のマイプロを話して、主観的立場では気づかないことが多い。 客観的な立場から質問や意見をもらって、新たに自分が考えるべき問題に気づいた。 自分のマイプロに対して、他の2人が真剣に聞いてくれる、真剣に質問してくれる、それがすごく良かった。

●自分の話しをした時に、2人の質問が話しやすくしてくれるものだった。 次、話を聞く時、きちんと聞けている自分がいた。 仕事外では、普段何もしゃべらない。マイプロを通して、質問する力、聞く力を鍛えていきたいと思った。

●人と会ったり話したりはするが、まとまって落ち着いてお互いに話す機会はなかなかない。萎縮はしない方だが、自分から話すのは得意じゃないので聞き役になることが多い。 参加して、しゃべれるようになれたらいいなと思う。 自分のことでも意外と気づかなかったり、 客観的に言ってもらうことで自分に対する違う見方に気づけた。
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次回もレポートしていきます。お楽しみに。
(文:秋本可愛)

KAIGO MY PROJECT体験イベント参加者募集

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KAIGO MY PROJECTを体験してみませんか?

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KAIGO MY PROJECTは、超高齢社会の現状に不満を持っている人や、何かをやりたいと思っている人が想いをカタチにし、社会に貢献するプロジェクトです。

あなたの「おかしい」と感じる違和感、
あなたの「もっとこうなれば良いのに」という問題意識、
あなたの「やってみたい」という思いを、カタチにしませんか?

介護現場職員、福祉を専攻する学生や祖父母の介護をする家族。
また、直接介護に関わっていない人もそれぞれの立場や視点から、「おかしい」と感じる気付き。

それはあなただから気づけたのかもしれません。

決して一生をかけて成し遂げたいというような大きなものである必要はありません。

仕事や普段の生活の中で感じた違和感や問題意識を不満や願望を言うだけではなく自分事として一緒に一歩を踏み出しませんか。

KAIGO MY PROJECTでは、想いを抱いた1人の一歩を応援します。
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KAIGO MY PROJECTでは、“自らの経験から、自分のミッションを見つけていく”、
「マイプロジェクト(マイプロ)」と呼ばれるプロジェクト学習手法を用いて行います。
体験イベントでは、プログラムのベースとなる「マイプロ」について知り、さらに実際にプログラムをどのように進めていくのか、体験して頂きます。

〈体験イベント日時〉
Vol.3 5月10日(日) 13:00〜16:30 →詳細・お申し込みはこちら
Vol.4 6月7日(日)   13:00〜18:00 →詳細・お申し込みはこちら

6月7日の体験イベントにはマイプロ実践者として
ゲストスピーカーに菅原健介氏をお招きします。

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〈ゲストプロフィール〉
菅原健介
専門学校卒業後、鶴巻温泉病院で理学療法士として勤務していた際に、 東日本大震災が発生。被災地支援活動に従事することを理由に病院を退職。
『全国訪問ボランティアナースの会キャンナス』の現地コーディネーター として平成23年4月~10月まで気仙沼・石巻の避難所に泊り込みながら5000人以上のボランティアを受け入れる。
支援活動を通じて【平時からの地域力=防災力】であり、平時からの地域づくりが大切であると感じる。
現在は有限会社ナースケアー(藤沢市)にて小規模多機能型居宅介護 絆を開設。
地域づくりを絡めた都市型×生活リハビリテーション型の小規模多機能にチャレンジし、現在、ご利用者の65%の要介護度が改善、年間1000万円以上の介護保険料を削減。
また、若者を中心とした地域交流会【絆の会】を仲間と主催。
【顔の見えるつながり】による地域力向上を目指し、官・民含め他職種・他業種50名を越える若者を中心に毎月交流会を開催している。他己紹介をしながら2年でのべ1000人を越える仲間と出会い、つながっている。

小規模多機能をやめ、これからは“村づくり”に!?
挑戦し続ける健介さんの想い溢れるストーリーを伺います!


7月からはじまる2期メンバーの募集も開始致しました。
ご参加お待ちしています。
詳細・お申し込みはこちら

イベントレポート 2025年COUNTDOWN PARTY〜ジブンシフト〜

——「今回のイベントで伝えたいことは、2025年の医療介護問題に対して、実現させたい未来や変化を考えていくことです。それの想いを、このスライドに込めました。」

神田のとあるイベントスペースにて行われたそのイベントは、この言葉からスタートした。

当日のプログラムは、以下の通り。

  1. アイスブレイク
  2. 「2025年、私達の生活はどう変化していくのか」
    (HEISEI KAIGO LEADERS代表 秋本可愛氏)
  3. パネルディスカッション
    (Social Change Agency 代表 横山北斗氏、慶応義塾大学医学部 志村翔氏)
  4. キャンドルナイト

筆者の勝手なイメージだが、医療介護系のイベントというと年齢層がやや高く、医療介護に対する事前知識がないと関われない、壁の高さを感じていた。しかし、ここに集まった多くは平成生まれの若者たち。もちろん医療介護の現場で働く人もいるが、これから関わりたいと思っている人、関わる予定はなくても興味がある人などが参加しており、個人的に感じていた医療介護特有の閉塞感は感じなかった。

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アイスブレイクが始まる前に、ファシリテーターの和泉氏はこう付け加えた。

「この場所は、レクチャーの場ではありません。ここは、各々が医療介護に関して実現させたい未来や変化を考える場です。我々主催者も、それが何なのかは分かっていません。今回は、この答えのない問いに対して対等な立場で一緒に考えていきたいです。」

この一言で、参加している人たちの顔つきや空気がガラリと変わり、それはイベント終了まで続いた。それぞれどこか受動的だったものが、自分という主体性を身にまとい、自分事として考え、発言しているように感じたのだ。アイスブレイクでも、とても和やかな雰囲気の中に程よい緊張感もあり、イベントは良いスタートを切った。

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HEISEI KAIGO LEADERS代表・秋本氏は「2025年、私たちの生活はどう変化するのか?」というテーマで話を始めた。2025年といえば、団塊の世代が後期高齢者となり、要介護者の増加と介護人材の不足、医療費や社会保障費の増加など、様々な問題が表面化してくるであろうと予想されている年だ。そこに向けて、いまどのような変化が起きているのかということを、ワーク・シフトの視点から語ってくれた。

「ワーク・シフトの観点から、テクノロジー、人口、グローバル、社会、エネルギーといった5つの分野から変化が進んでいくと言われています。目まぐるしく変化する現代において、その変化を察知し自分の生き方を考えて欲しいと思います。」

それを聞いた後、参加者同士の意見交換が始まった。印象的だったのが、テクノロジーの進化で介護ロボットなどが次々と生まれているのが良いことだと思う人がいる一方で、その機械化に対する違和感を感じる人も多いということだった。医療介護は、良い意味で属人的な業務が多い。そこには人の温かみや優しさが詰まっているが、一方でロボットにはそれがないものの介護人材の不足という問題を解決してくれる可能性を秘めている。そのような具体的な問題に対して、どのような形でロボットが関わっていくべきなのかということは、医療介護の現場に関わる人だけでなく、テクノロジーを開発していく側としても重要なテーマになるだろう。

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イベントは次に、パネルディスカッションに移る。ここまで話を後ろから聞いていて、私の頭にはある言葉が思い浮んだ。それは「拡張する介護」という言葉だ。パネラーの2人や参加者からは多くの意見が生まれ、多くの問いが生まれた。その中で、「介護」や「社会福祉」という医療介護を連想するワードの他に、「教育」「情報テクノロジー」といった一間すると関係のないように思えるワードが次々と飛び交っていたのだ。

テクノロジーの開発や教育制度の刷新など、私達を取り巻く社会は次々と変化している。その中で、「医療介護」というものは、そこに関わらない外部の人間からするとその中で完結している問題のように感じていた。しかし、もはや介護の問題は介護の中だけでは完結しなくなってきているのだ。介護の立場から全ての問いを考えるのではなく、テクノロジーの立場から、教育の立場から介護を考えていくことこそが、2025年問題をむかえるにあたって必要なことではないだろうか。これからの介護問題を考える時には、多面的な視点を求められているという意味で、「拡張する介護」がテーマになってくるのだろうと思った。

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熱い議論が交わされた後、イベントは最後のキャンドルナイトへ。真っ暗な部屋の中で今日のイベントを振り返り、今後自分は医療介護に対してどのような考えを持ち、接していくのかということをシェアし合う時間だ。

互いの考えをさらけ出し、異なる意見も認め合ったあとのこの空間は、まるでふわふわの毛布にくるまれているときのような安心感と心地よさでいっぱいだった。決して感情的になることなく、各々が自戒も込めて心に刻みこむように淡々と語っている姿が印象的だった。

平成生まれの私達が、2025年という医療介護分野にとって大きな転換期に対して何を考え、どのように行動していくか。それぞれ職業や生きていく環境が異なる人々が、その大きな問題を1つになって変えていく。

「ここから、未来を変えていくんだ。」

そんなパワーと優しさで満たされた場所になったのではないだろうか。もちろん、その場限りの自己満足感ではない。きっと、今回参加した人たちは現場に戻っても人一倍考えて動いていく、そう確信できたのだった。一参加者として、この場に居合わせることができたことを嬉しく思う。

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(special thanks! 文:石原龍太郎 写真:古川佳裕 桐野葵 イラスト:高橋夏見)