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「そうそう!こんな場所がほしかった!!」を生み出す名人が大切にしている想いとは(KAIGO LEADERS FORUM 2019イベントレポート③)

OTHERS REPORT 東京 KLF2019

イベントレポート③『違和感に素直なあなたであれ』)
登壇:藤岡 聡子

KAIGO LEADERS FORUM 2019イベントレポート第3弾からは、新しい時代をつくるU35KAIGO LEADERSのピッチを1人ずつ紹介します。

1人めは、福祉環境設計士、株式会社ReDo代表取締役/軽井沢町・診療所と大きな台所があるところ
ほっちのロッヂ共同代表藤岡聡子さんです。

はじめに 藤岡聡子さんとは?

1985年生まれ、徳島県生まれ三重県育ち。夜間定時制高校出身。

自身の経験から、「人の育ち」「学び直し」「生きて老いる本質」をキーワードに、人材教育会社を経て24才で介護ベンチャー創業メンバーとして住宅型有料老人ホームを立ち上げる。

2015年デンマークに留学し、幼児教育・高齢者住宅の視察、民主主義形成について国会議員らと意見交換を重ね帰国。

同年11月 福祉の再構築をミッションに、株式会社ReDoを起業。

2017年東京都豊島区椎名町にて「長崎二丁目家庭科室」を立ち上げ、高齢者から地域の若手が知識•経験を学ぶ場所として0才から80代までのべ1000人が通う場を運営。

2020年4月より開業を予定している、長野県軽井沢町にて診療所と大きな台所があるところほっちのロッヂにて、在宅医療拠点にとどまらない、“ケアの文化拠点”になるべく、開業準備に着手している。

最初に抱いた違和感…「なぜ“死”はかわいそうなの?」

今日は、皆さんに「違和感に素直なあなたであれ。」ということをお伝えできればと思っています。「自分の中に問いを立てる」ということが、一人ひとりが生きていくうえでとても大事だなと考えています。

私が、物心ついた時の最初の違和感は、

「なぜ“死”はかわいそうなの?」

ということでした。

そのような問いを立てたのは、私が小学校6年生の時に父親を肺ガンで亡くした時でした。周りから「かわいそうだね。」と言われたり、とても腫れ物扱いをされた経験があったからです。私にとっては、もちろん悲しいことでしたが、「なぜここまで私が腫れ物扱いされるのか?」と違和感を抱きました。

父親は内科医でした。医者として、色んな人の暮らしを支えてきた人なのに、“死んだこと”ばかりフォーカスされて、いつまでも“死”のことについてばかり言われるのはおかしいと思いました。父親がやってきてくれたことを、当時小学6年生の私に伝えてくれる人が周りにいてほしかったです。

 

「なぜ、病院は病気の人しかいないの?」

また、父親の生き様を傍らから見ていて、違和感をもう1ついだきました。

父親は最期入院している病院から自宅に戻り、家族で看取りました。

自宅に戻り、同僚にモルヒネを打ってもらって疼痛コントロールをしていた時の父親の顔は、家族に囲まれているのもあって、入院しているときの顔つきとはかなり違っていました。

「なぜ、病院は病気の人しかいないの?」

とすごく疑問に思っていました。

末期ガンで亡くなっていく人や年を重ねていく人の暮らしをわずか1点だけで支えようとする現状はおかしいと感じたので、その人たちが暮らしていく環境を良くしていくことをいつか仕事にしてみたいと思うようになりました。

  「なぜ、老人ホームには老人しかいないの?」


その後、24才の時、たまたま友人に声を掛けてもらって、大阪で住宅型有料老人ホームを立ち上げて運営をしていました。その時もやはり思ったのが、

「なぜ、老人ホームには老人しかいないの?」

ということでした。例えば、毎日子どもたちが来て「おはよう。」「ただいま。」と挨拶を交わせる関係性が続くほうが良いと思いました。今は、地域共生社会が介護保険制度のテーマにもなっていますが、当時は私の考えに共感してくれる人は、なかなかいませんでした。

介護事業所が、介護保険の軸だけで事業をやろうとしていることにも問いを立てました。

その後、結婚し、第一子を授かったことと、母親が末期ガンになったことがわかって、1度家族に時間を使いたいと思い、有料老人ホームを退職しました。 

 

違和感を出発点に、その想いは次々とカタチに!

自分が子育てをしていくなかで、介護保険をとっぱらった仕組みで、まちの中で、“人にちゃんとフォーカスされる体験”を色んな人にしてほしいと思ったんです。

この写真は何をしているところかと言うと、左側のまちの洋裁屋さんの74歳の女性です。

「しいなまちの茶話会」の話し手は、平均年齢65.8歳。上が83歳、下は50代のまちの中で働いているシニア世代にフォーカスをあてて、まちの人たちがそれを聞きにくるという場を1年を通してつくってきました。

次は、長崎二丁目という土地に、突然家庭科室をつくった時の写真です。

生きていくなかで見つけた「好き」とか「得意」とか「熱中していること」等を、年齢や障害があるといったことは関係なく、表現できる場があまりにも少ないと思いました。例えば、高齢者は、「○○センターへ行ってね。」と決まっていたりします。そのセンターには、高齢者しかいません。

同じ年齢の人と一緒にいたいと思うのでしょうか。私は、絶対に同じ年齢の人しか集まらない場へは行きたくありません。

だからこそ、年齢や、障害の有無に関係なく、好きなこと・得意なことを表現できる場をつくっていました。

 

欲しい未来を問い続けた先…「ほっちのロッヂ」発足!

「それって、本当に自分が欲しい未来なの?」

「毎日の生活の延長線上が、私たちの欲しい未来になっているのだろうか。」

私の問いはずっと続いています。

問い続けた結果、軽井沢町で「診療所と大きな台所があるところ ほっちのロッヂ」を立ち上げることにしました。一緒に立ち上げるのは医師の紅谷さんという方です。つながりの力で自分の可能性はいくらでも拡げられると感じています。

こちらのスライドに事業内容が記されていますが、注目は“のようなもの”と書かれていることです。(例:デイサービス“のようなもの”等)あくまで、“のようなもの”をやっていこうと思っています。

また、事業をはじめるにあたって、「ケアの文化拠点」という新しい言葉を使ってひろめていきたいと思います。

挑戦したいことは。

例えば、食や文化のことだったり。

 

ケアのことだったり。

なぜ、軽井沢町ではじめるかというと、私の知人が、軽井沢町で幼稚園、小学校、中学校をつくると聞いたことがきっかけです。
知人がつくる新しい学校という場に、さりげなく福祉があるという環境をつくるといった自分のやりたいことも実現できると考えました。

もちろん、自分の子どもが受けて欲しい教育の環境だった、ということも、大きな理由です。 

 働くことだったり。

働くということは、自分の意思で「これをやるぞ。」と決める行為であって、管理されることであったり、人に言われたからやることではありません。自分のなかの違和感を押し潰してまでやるのが仕事ではないと絶対に思います。

そう思う人たちと一緒に働きたいと考えています。

また、福祉に関係ない人も福祉にかかわるきっかけをつくりたいと思い、クラウドファンディングの仕組みを活用し、仲間(ほっちのロッヂャー)を募りました。結果、306人が仲間になってくれました。現場のつくり手を増やす行為を目の当たりにすると、福祉が当たり前に暮らしのなかに溶けていくのではないかと考えています。

2019810日、11日にケアやアートにまつわるイベントを開催予定です。よかったら、ホームページ、note、ツイッター等で情報を確認してもらえると嬉しいです。

公式HP:http://hotch-l.com/
公式note:https://hotch-pr.com/
公式ツイッター:https://twitter.com/hotch_lodge_PR

 

違和感を抱いたら、まずは行動を!

私は違和感のかたまりでしかない。みんなが当たり前だと思っていることの1つひとつに疑問を抱いてきました。だからこそ、“今、あるもの”をやりたくないのです。

私たちが令和という時代をつくるにあたって、大事なものは大事にしながら、塗り替えていくこと、新しい言葉をつくることや新しいものをつくることをやっていかないといけないと思います。

そして、まずは動いてみるということが大事ですよね。そういった仲間でありたいと思っています。

自分の違和感に素直になること。そして、違和感を押し潰さず大切にすること。さらに、その違和感をなくし、本当に自分が欲しい未来を手に入れるためにまずは行動を起こすことが大事だと教えてもらいました。

参加者1人ひとりが、自分がいま抱いている違和感に向き合っていたと思います。

行動するのは、1人では難しいかもしれません。

そんな時、勇気を与えてくれるのは「仲間」の存在なのでしょう。

  追記

ほっちのロッヂでは、2020年の拠点開始に先駆けて、20199月より、訪問看護事業(の、ようなもの)を開始されると発表されています!(20195月末現在)

働きに興味がある方は、ほっちのロッヂさんの発信をチェックしてみてくださいね。

 次回のレポートは、新しい時代をつくるU35のKAIGO LEADERSのピッチ2人めを紹介します。2人めは、株式会社Happy代表取締役“首藤 義敬さん”です。

KAIGO LEADERS FORUM 2019写真撮影

近藤 浩紀/Hiroki Kondo(Hiroki Kondo Photography)


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