【KAIGO MY PROJECTインタビューvol.2】渡邊恵美 もう一度介護という道を選んだワケ

11699038_275879412582271_2861725243464811342_o

プロジェクト名:自分のことを愛す
渡邊恵美 デイサービス 介護スタッフ

 

佐藤:KAIGO MY PROJECTの参加動機を教えて下さい。

渡邊:特養のユニット型施設で介護職を3年半続けて、現場で働くことに希望が見いだせず、介護を続けていく意味が分からなくなりました。そんなときにお世話になっているNPO団体から可愛ちゃん(Join for Kaigo 代表 秋本可愛)を紹介して頂き、初めは参加を迷ったけれど、せっかくのご縁だと思い、参加を決めました。

佐藤:希望が見えないとは、具体的にどんな状況でしょうか。

渡邊:職員が日々の仕事の業務に追われて、ご利用者様のリハビリや談笑等が後回しとなり、日を重ねる毎にご利用者様のADLが落ちるんですよ。足の筋力が衰えて、自立で歩けていた人が歩行器を使用するようになり、最後には車椅子になっていく事例はよくありました。また相手の話を理解して会話できていた人が、できなくなってしまうこともよくありました。そのような現状を目の当たりする事がとても嫌でした。

さらに同僚・上司・私も含めて、身体に介護負担が来て腰を悪くしたり、夜勤業務やご利用者様からの粗暴行為や精神的ストレスでウツ状態になってしまった仲間の介護職員の姿に、将来への不安は募るばかりでした。

加えて介護業界のイメージは私の中でいい印象は無く、仕事に「誇り」を持てていませんでした。

 

佐藤:私も感じることかもしれないことです・・・。渡邊さんのマイプロを教えて頂けますか。

渡邊:自分をもっと知って自分にしか出来ないことを見つけることが、私のプロジェクトでした。

佐藤:なぜそのプロジェクトにしたんですか。

渡邊:希望が見えなくなったときに、「私って何をしたら良いんだろう」「そもそも自分って何?」って思い、そのままこれをプロジェクトにしようと思いました。

佐藤:そこから見えたことは何でしょうか。

渡邊:介護現場に戻りたいなと思いました。私、KAIGO MY PROJECTを始めた当初は、介護の仕事を一旦離れ、事務職として働いていました。ですが、KAIGO MY PROJECTに参加して、自分の過去や自分自身を見つめる中で、自分の性質が福祉そのものにあっていることや、人の傍でお世話をすることに、とても喜びを感じていたことを思い出したんです。

 

佐藤:介護の仕事を辞めていたんですね!でも、どうして改めて介護に戻りたいって思えたのでしょうか。

渡邊:自分(ME編)を深めていったおかげです。半年間の就職活動の最中、「私がやりたい職業って何だろう?」って自分に問い続けました。働くのなら自分のやりたいこと、楽しいことや何か将来に繋がるものが良いなと思いました。辛くてもやり甲斐のあることにしようと思い、自分自身を見つめていくと、私にとって「介護現場で働くこと」はやり甲斐のある仕事であることに気づいたのです。

佐藤:自分に向き合った結果、介護現場に戻りたいと思えたんですね。そこに辿り着くまでに何か行動したことはありますか。

渡邊:自分の興味のあるものに貪欲に突き進んでみました。まずは可愛ちゃんからご紹介頂いた藤沢で小規模多機能居宅介護やデイザービスなどを運営する、「あおいけあ」を訪問しました。そこは、ご利用者様の自主性を尊重していて、私がこれまで見てきた介護施設ではありえない光景が広がっていました。私がやってきた介護って何だったんだろう?と問われた気がして、涙が出ました。

その他にもKAIGO MY PROJECTの初回に、ゲストとしてお越し下さった社会福祉法人のウエルガーデン伊興園の施設長である杉本浩司さんの介護理念に魅力を感じ、施設に行って杉本さんの介護観や施設内のこだわりをお聞きしました。

そして杉本さんが勉強された「竹内理論」を学んでみたくなり、その学会のシンポジウム開催の情報を教えてもらい竹内教授に会いに行きました。竹内教授に同理論を実践しているリハビリ特化のデイサービスを運営する医師をご紹介頂きました。この理論を私はまだ語れませんが、「歩けないから車いす」ではなくて、「歩けない原因を知り、あなたのペースでリビリして歩けるようになりましょう」といった前向きな現状維持でも低下でもない、改善スタイルが介護にもあることを新しく知り、介護の世界は広い!と、とてもやる気が出ました。

そして、来月から竹内理論を実践するデイサービスで働くこととなりました。

佐藤:おめでとうございます!渡邊さんの関心から繋がりがどんどん広がっていて、凄いですね!そのご縁は舞い降りてきたのでしょうか。

渡邊:自分から掴みました。相手は私に連絡する必要はないからこそ、私から行動して想いを伝えました。ここで繋がれた方々を私は尊敬しているし、みなさん、私を気持ちよく受け入れて下さいました。

 

佐藤:渡邊さんにとってKAIGO MY PROJECTとはどんなものでしたか?

渡邊:もし言うのだとしたら、私にとっては仕事を探す場でした。KAIGO MY PROJECTに参加していなければ、納得感を持ってデイサービスへのステップに進むことはなかったと思います。

あと、自分を深めるきっかけになりました。とてもネガティブで、人の意見に左右されやすかったのですが、まず自分が自分を認めてあげるために、「自分のことを愛す。」ことが最終的なプロジェクトになりましたね。

佐藤;自分のことを認めるのと認めないのだと、何か変わるのでしょうか。

渡邊:私も全部受け止められているかと言われたら、そうではありませんが、受け止めなければずっと反発してしまい、嫌悪感や嫉妬が生まれ、苦しくなってしまいます。でも、「私はこういう一面がある。でもそれはそれで良い」って包み込んであげると、心が平穏なんですよ。

佐藤:認めないと苦しい方向に進んで行ってしまうんですね。

渡邊:そうなんです。自分の気持ちを自分が気付き、汲み取ってあげることが出来るようになるきっかけが、この場でした。それにカミングアウト出来る仲間がいたことは大きいですね。自分が苦しんでいたり、喜んでいたりする思いは意外と他の人も感じていることに気付くこともできました。とても面白く、やった甲斐がありました。

佐藤:すごく濃い3カ月間だったんですね。マイプロをやって何が変わりましたか?

渡邊:自分の過去を見つめて、こんなにも色んな事があったらこんな人間が出来上がるよなって納得しました。「私の過去は大変だった。それならこういう私だからこそ出来ることってなんだろうね」って。マイプロが私の背中を押してくれました。自分史を深めるきっかけにもなり、自分で自分に興味を持てたし、今、自分の可能性っていっぱいあるなと思えています。

佐藤:プラスの方向に進んで行っているんですね!では最後に可愛さんの魅力を教えてください。

渡邊:とてもニュートラルで融通が利きますね。あとは、自分で自分を深めているから冷静で熱くて芯がある。ぶれない。私より若いからこそ焦りも感じますが、尊敬できる子です。自分を見つめなおす機会をくれた可愛ちゃんには、本当に感謝しています。

佐藤:ありがとうございました。

 

– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –

現在募集中の本プログラムはこちら

– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –

【KAIGO MY PROJECTインタビューvol.1】田中義望 介護現場のオープンアッププロジェクト

13442690_1038967609515703_2964055550697212481_o

プロジェクト名:介護現場のオープンアッププロジェクト
田中義望 デイサービス 管理者

 

秋本:KAIGO MY PROJECTの参加動機を教えて下さい。

田中:かあいちゃんに誘われて、面白そうだな〜くらいです。(笑)

秋本:ありがとうございます。(笑) 3ヶ月でどんなマイプロがうまれましたか?

田中:介護現場の質が悪い原因の1つに「介護事業所の閉鎖性」があると考え、「介護現場のオープンアッププロジェクト」を立案しました。

最初は「現場を良くしたい」「介護業界を良くしたい」といった漠然とした想いでしたが、プログラム期間内の実践を通じて具体化していきました。まずは知り合いの介護現場職員を事業所にボランティアスタッフとして招いてフィードバックをもらったり、事業所の職員を他事業所にボランティアに行って気付きを現場に持ち帰ってもらいました。スタッフからも「ボランティアを自分の呼んできていいか」などとの声もあがり、受け入れることでの気付きは大きかったものの、継続的に来てもらえないと質の向上にはつながらないと思いました。

継続的にボランティアや、地域の人が訪れる開放的な事業所になるにはどうすれば良いのか悩みました。メンバーから色々なアイディアをもらい、まずは地域の認知症家族の会や勉強会に参加し、自分自身が地域の人と繋がりをつくることから始めました。今後は、新たな繋がり中で見えて来た地域の人が抱える課題をテーマにしての勉強会や、近隣の事業者と合同の勉強会などを開催できたらと思っています。

 

秋本:小さくアクションして毎回気付きを得てシフトしていっているように感じるのですが、プログラム期間中はどのように進めていったのでしょうか?

田中:前半はme編に注力しました。もともと内省は就活のときから頻繁にしていたのですが、それを全部言語化するのは初めてでした。ましてや誰かに話したことなんてありませんでした。とても新鮮で、色んな人に話しを聞いてもらって、自分がなぜ介護の現場の質の向上に強く思い入れがあるのか、いくつもある原体験の中から格となるつながりが見え、クリアになってきました。

そのため、第5回目以降は自然にプロジェクトを進めることができました。プログラムの度にメンバーに実践したことのフィードバックをもらったり、新たなアイディアをもらいました。

 

秋本:KAIGO MY PROJECTに参加してから気付いたことや変化はありましたか?

田中:自分の過去にあったことを、抵抗なくありのままに人に話すことができるようになりました。一昨年、父の還暦を家族全員で祝った2ヶ月後に父に食道癌が見つかりました。幸い、発見が初期であったため1年間の抗がん剤治療を経て治りましたが、職場の人や友達など誰にも言うことができませんでした。誰かにありのままの自分を伝えることで、自分をより傷つけることになるのではないか、相手に迷惑をかけてしまうのではないかという恐れがありました。

秋本:そこからなぜ、ありのままに開示できるようになったのでしょうか?

田中:初日のプログラムで、参加者が自分は性同一性障害だとか、大好きな彼女が亡くなった話を聞いて、初めて会った人間によくそこまで開示できるなって思ったのと同時に、言ってくれる有り難さを感じました。それがあったから、自分も話そうと思うことができました。

秋本:仲間の開示が、背中を押してくれたんですね。

田中:自分の悩みを伝えることで、自分のためになんとか知恵をしぼって、一緒に考えてくれる人の温かさを知りました。原体験を話すことは、すぐに距離感を縮めてくれました。

 

秋本:参加してから実感している変化はありますか。

田中:周りに応援してくれる人や、味方が増えた気がしています。

プログラムの途中までは、どうやって相手が考えていないことを考えられる質問ができるようになるかなど、テクニック的なところに意識が向いていました。しかし、一番3ヶ月の中で大きな変化は、ためらうことなく誰かに自分のことを伝えることができるようになったことです。自分のことを開示できるようになるとか、全く予期していませんでした。

秋本:マイプロ参加後、何か仕事への影響はありましたか。

田中:人の人生に深く関わろうとするようになりました。心労がたたって休んでいた部下がいたのですが、深く介入しないとダメになってしまうと思い、とにかく話しを聞く時間をつくりました。また、問題を起こしてしまって責任を感じて辞めようとするスタッフがいて、僕が必ず責任持って教育するからと他のスタッフを説得したりもしました。以前より、自分が関わったことに意味を感じ、丁寧に関わるようになった気がします。

秋本:1人1人丁寧に関わるって、とても素敵ですね。ありがとうございました。

– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –

田中義望 Facebook Twitter

現在募集中の本プログラムはこちら

– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –