常磐大学に行ってきました!

7月22日、常磐大学に行ってきました。
2〜3年生が選考する授業のゲスト講師をさせて頂きました。

ご依頼頂いた先生からは、

「卒業して振り返ると、もっともっと目標持って勉強しておけばよかった。具体的になりたい姿を想像して、学生生活を過ごせたらと私 自身が思うので、学生に今のタイミングで自分の人生を見つめるきっかけをつくりたい!」

という大変熱いメッセージを頂き、さらには・・・

「40代のおじちゃんが伝える言葉より、より学生に近いところでHEISEI KAIGO LEADERを育てようとしている秋本可愛さんのメッセージや考えに触れることで、未来の種をまくことが必ずできると考えたからです。ぜひ可愛さんの学生時代からの取り組みなどもご紹介いただきながら、これからの取り組み、そしてワークを通して、学生の覚醒のきっかけができると嬉しいです。」

・・・!先生の期待大!のもと授業に伺わせて頂きました。

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“いつもの自己紹介”で場がこれまでになく凍り付いている様子。笑

授業では、秋本自身が、学生のときに何をきっかけに介護に出会い、そして何を思い、考え、今に至るのかお話させて頂きました。お話させて頂く中で、何度も学生の皆さんに問いかけ、ともに学ぶ仲間と対話し、自身に今とこれからについて見つめてもらう時間としました。

ゲストが授業に来るのは初めてということで、最初は緊張した空気が流れていましたが、次第に場の空気も暖かくなり、とても素敵な想いや気付きを聞くことができました。
介護を志したきっかけを振り返る時間では・・・
●元々やりたいことがなかったが、震災後、2日目に現地にボランティアに行き、そのときは必死だったが、今でも「あのとき助かった。ありがとう!」と言わ れることがあるほどにやりがいを感じ、ボランティアの楽しさを知った。それが福祉ということを知り、福祉をもっと学びたいと大学に進学した。

●今学んでいるのは、親が介護を必要となったとき、施設に入れずに自分が見てあげたいから。

●自分は工業高校だったが、生徒会活動の一環で子供たちと触れあうボランティア活動を通じて、その楽しさを知り、福祉を志すようになった。

同じ授業を受けている仲間でも、こんなにも背景にある想いは違うということに驚きの様子や、仲間の想いに触発されている人も見受けられました。学生さんのお話を聞いていると、茨城という場所の影響もあってか、「震災」を影響に福祉を志した人が多い印象でした。
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また、授業の終わりには、

●祖母が誰からも愛される人で、いつも笑顔で、泣く時は泣いて、怒るときは怒って、とても感情豊かな人で家族の誰からも愛されていた。亡くなってしまったけど、祖母みたいに誰からも愛される人になりたい。

●話している中で、自分の思いが強くなり、自分がこんなことをやってみたいんだなと分かった。

●僕も介護の現場でまずはバイトをしてみようと思った!

などと、次なるアクションに繋がりそうな声を聞く事ができました。

先生からは、「こんなにも熱い想いを持っていたことを知らなかったことを反省した。」と、驚きのコメントを頂きました。普段近くにいるからこそ、見えていない想いがあるのかもしれません。少しでもそのお手伝いができたのであれば幸いです。

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素敵な先生の周りには素敵な生徒さんが集まりますね!黒木先生ありがとうございました!

(文:秋本可愛)

「自信と勇気に繋がった!」KAIGO MY PROJECT体験イベントVol.7レポート

7月23日、第7回目のKAIGO MY PROJECT体験イベントを開催致しました。

なんと初の参加者が全員男性!!!に加え少人数だったため、とても濃い時間となり、終了後のアンケートでは全員「大満足」を回答頂くほどの盛り上がりっぷりでした。

今回ご参加頂いたのは、学生、介護士、元介護士、医師の5名。KAIGO MY PROJECTトライアルメンバー兼現2期メンバーで医師の漆畑氏と秋本とで場のリードを務めました。

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参加者集合写真。(男っぽく。笑)

漆畑氏は、1月より試験的に行ったプログラムに参加し、現在病院でマイプロを実施することを彼のマイプロジェクトとして行っています。

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最後の全体チェックアウトでは、次のような声を聞くことができまし

  • 自分が話すことによってメッセージカードやフィードバックをもらったり、普段自分の中だけで留めていることを他人に話すことでより具体化し、すごく良かった。同じ現場で働く人の話をできて、とても実のある時間になった。
  • 少人数かつ男性ばかりだったのですごくコアに話せて、意見を集中的にもらうことができた。色んなことをやっている人の話を聞くと、改めて自分のやりたいことを見つめ直す機会になる。実際に形にしていっている人が発信する側になって、自分もみんなの意見を聞ける側に立ちたいなと思った。
  • 1ヶ月以上ぶりに、自分のマイプロシートをだして振り返った。やっぱりプロジェクトを進めていく中で、見えてきたことや気付いたことがあって変わってきていて、今日は整理ができてとても良かった。これまでの道筋とが繋がった。ここは、「安心の場」で、普段の職場にいるとなかなかこんな話はできないと思うこともある。ここまで色んなことをしたい、している、こういうあり方でもいいんだなって思いました。
  • 初めて来て、最初は話せるのか心配だったけど、嬉しいことばっかりで人生が変わった。全員連れて来たい。職場ではできないと言われてしまうけど、夢に向かって話せる仲間は心強いし、実現できるんじゃないか。
11800230_290542297782649_6101272473785577909_n8月は学生向けのKAIGO MY PROJECTを初開催!就活で悩む人、就活前に悩む人にオススメです!ご参加お待ちしております。
(文・写真:秋本可愛)

【KAIGO MY PROJECT 2期 第2回】 レポート

7月13日(月)、早くもKAIGO MY PROJECT(以下マイプロ)2期の第2回目を行いました。19時半からの開始でお仕事や暑さによる疲れが見えつつも、マイプロが始まればメンバーみんなが生き生きとして話が弾み、あっという間の3時間でした。

第2回目は、マイプロで毎回お伝えしている「良い聞き手になろう」「相手に貢献する」ことを全員ができるようになるための一歩として、Action Inquiryのワークを行いました。普段何気ない日常会話の中でも「聞く」ことと同時に「思う・考える」ことを私たち人間はやっています。今回は敢えてそれを分けて行うことで、その一瞬一瞬に集中し、より相手に貢献できる聞き手に1人1人がなること、今つまづいている課題に深い気付きを得ることを目的として行いました。

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今回も様々な気づきや感想がありましたので、ご紹介いたします。

✤みんなの気づき・感想✤

『自分のマイプロに対する新たな考えが見つけられた!』

自分がやりたいことに無関心な人を巻き込むにはどうしたらいいのかという悩みを話す中で、「誰が主催者か分からない状態っていいよね」という意見が出て、なるほどと思った。このマイプロのような場に発表を聞きに来た方々が、思わず自分の夢も誰かに話したくなり、気づいたらその方々も主催者側に入ってしまうようなそんな形を作りたい…!と考え付いた。同時に、自分に対してもやもやしている部分があるので、自分のやる気スイッチのありかをこれから見つけていきたい。

『話をしている自分ってこんな感じだった…!!』

相手が自分になりきって自分の悩みを話す姿を客観的に見ていて、鏡を見ているようで恥ずかしかった!自分ってこんな風に話しているんだということに気付けて、すごく面白い経験ができた。また、自分のやりたいことに対して自分だけの思いが強すぎて周りと上手くいっていないのが悩みだったが、主催者が私!というのが分からないようにするのは解決策の一つになりそうだと感じたのでよかった。

『結局すべてつながっている!』

以前ある問題を話していた時に、自分の悪かったものが発見できて完結したと思っていたが、今回悩みとして話したマイプロと関係ないことも結局はマイプロとつながっていることに気付いた。また、話す時間が全然足りなくてまだまだ話したいと思った!

『これからどう進めばいいか分かった!』

自分と違うタイプの人と関わる中で、その相手と自分を比べてしまい、自分は劣っていると感じてしまう、そう思っている自分が嫌だという悩みがありもやもやしている状態だったが、まずは、自分は自分でいいのだと自分らしさを認める方法を見つけていくのがいいという発見ができた。

『相手の話を聞いていることがすごく楽しかった!!』

相手が話し切れていないところを勝手にイメージして話すのが面白かった!自分では気づいていないところが話している内にマイプロにつながっていたり、話の中でのつながりがたくさん発見できた。また、自分で問題だと思っていたことが実は問題ではなくて、その前段階での不満が問題であることに気付いた。

『人と話すのがあまり好きじゃないと思っていたけど実は違った…!』

人と話すのが好きではないのは、中身のない話を聞くことが嫌だからと思い込んでいたが、一見自分では中身がないと思っていた相手の話でも、自分が一生懸命聞く体制をとっていれば実は中身があるということに気づかされた。これから積極的に相手の話を聞いていきたいなと思った!

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『これから自分らしさを追求していきたい!』

職場での自分の在り方や優しすぎるとか真面目すぎるとか言われる自分自身について悩んでいたが、今の自分にもっと自信を持つべきだと気づいた。今、自分を高めるためにしている努力は絶対に今後の人生に役立つといわれ励みになったし、自分らしさを自分で納得がいくまでさがしていきたいと思った。

☆この悩みに対してみんなからたくさんのフィードバックがありました!
・全部人の評価を気にしているから、自分の中のものをもっと考えてみるのは?
・人に色々言われないようにしているが、もっと鈍感になってみてもいいのでは?
・人からどう思われようが自分は自分!自分はこうだからいいじゃん!と大きく構えてみることも大事。
・自分で自分らしさを分かっていないのでは?だから周りの意見を気にしすぎちゃう
・まずは自分に自信のない自分を受け入れることが一番!?  など。

『自分が考えていたことにすぐ気づかれた…!』

悩みとして、人に頼むことが苦手ということを自分で考えていたが、少し相手と話しただけでそれを指摘されて、自分の中でどれだけ大きな問題なのかということを気づかされた。なぜ人に頼むことが苦手なのかはまだきちんとわかってはいないがこれから考えていきたい。

☆この悩みに対してみんなからたくさんのフィードバックがありました!

「なぜ人に頼むことが苦手なのか?」

→ガラスの心だから
相手に気を遣ってしまうから
嫌われることを恐れているから
自分でやったほうが早いから
誰かに頼ると甘えた気分になるから
自分のことしか考えられてないから
そもそも仕事を任せられる人がいないから……

・ガラスのハートを持っていることはもうみんなが分かっているけど、誰も気にしていないよ!
・そういう人が集まっている場でまず頼れるようにするなど、段階を踏んでいけばいいのでは。              ……など。

 

今回はマイプロについてではなく、今の自分の悩みについてAIという手法を用いながら話が進みましたが、みんな結局はマイプロにつながりそうな発見があったみたいですね…!普段何気なく会話の中で行われていることのようですが、今回のように意識して分けてやってみるととても面白かったです!

次回は全員そろって、それぞれの思いを深めていければいいなあと思いました。

 

(文責:原衛直子 写真:秋本可愛)

 

【KAIGO MY PROJECT 体験イベント vol.6 レポート】

7月12日(日)、6回目のKAIGO MY PROJECT体験イベントを開催致しました。 株式会社カカクコムの松瀬さんをゲストにお招きし、ベテラン介護士に若手介護士、医師、人工知能研究者、学生など今回も様々な思いを持つ方々が参加して下さり、夏本番のような暑さに負けない熱い話が繰り広げられました!参加者のみなさんの声、そして松瀬さんのお話のレポートもありますのでぜひご覧ください。

HEISEI KAIGO LEADERSさんの写真

✤みんなの気づき・感想✤

『介護を知らない人も分かるようなストーリーができればもっと面白い!』

自分は介護の人間ではないから、実感は湧かなかったけれどそれでも伝わるものはある。逆にそれが分かれば確実に面白くなるし、これが重要だと思った。介護に接点がない人でも実感がわくような話ができればより深く理解したいと思えるようになるはず…!人工知能もぜひ介護に関わりたい!

『様々な介護の在り方を感じ、その中で自分はどうあるべきか考えさせられた!』

自分らしさをもっと大切にしてその根本になるものを確立させていければ、介護に関してももっと色々な視点で考えられるのではと思った。他業界の人々にも介護を広めるために、介護業界用語を使わずに伝えられるような話し方を勉強したい。

『刺激を受けた!』

1人が10分間話続けてそれをみんなが真剣に聞いて、質問するという場は普段ないので、本当に自分にとって貴重な体験だった。

『自分以外の人の話を聞く面白さを知った!』

自分では考えられていないことを考えている人たちの話を聞けて、すごく自分のためになった。ぜひマイプロをやりたいと思った!!

『産業として介護という分野を魅力的にしていきたい!』

とてもおもしろかった。一つの産業として、介護という分野をより魅力的にできれば、本当に様々な要素をコラボすることができる。専門用語を分かりやすくしたり、色々やるべきことはたくさんあり、それに今回改めて気づくことができて実りのある時間だった。

『多種多様な人々が集まる場はおもしろい!』

今まで何回かイベントに参加してきたが、初めての雰囲気で、その時々によって全く話が異なり盛り上がり方も異なるのがすごく面白かった。初対面なのに勝手にどんどん話が広がり、色々な視点や案が出てきて、人が集まる場って重要だなと改めて実感した。

 

*ゲストスピーカー 株式会社カカクコム 松瀬啓祐さん*

「高齢者がその地域でその人らしい生活を送れる社会の実現を目指し、必要な時に必要な人に必要なサポートができる真の“地域包括ケア”を創出する」ことを掲げ、ご活躍されている松瀬さんですが、現在に至るまでにはマーケティングコンサルタントや介護系ベンチャーのオウンドメディア運営の責任者など…様々なご経験をされておりました。それらは全て、松瀬さんのお爺様お婆様との原体験、そしてそこから生まれた「人生の終わりの形に対する疑問」を解決し、人生が閉じる瞬間まで自分らしい生き方をしてほしいという強い思いからでした。曖昧なゴールはあるものの自分には今何ができるのか何をすべきなのか、道に迷った時期を経て、やみくもに働き始めて様々な知識を学ぶと同時に、たくさんの人々と出会う中で松瀬さんの考えはだんだん固まってきたそうです。松瀬さんには「身近な師(日々見て学び質問できる人)・先を行く人(新しい視点と高い視座)・価値観の同じ近しい人)」という3つの人々との出会いがあったから今の自分があるとお話しされており、松瀬さんにとって本当に大切な存在であることが伝わってきました。

自分はどの環境の中でどう働けば自分の目標達成に近づくのか考えた結果、起業ではなく会社に入り事業を企てるという道を選択し、仲間と共に働く現在に至る松瀬さん。今の自分はどこでどのような人に出会い、どんな話をしたらいいのか、考えに考え抜いてアクションを起こしていらっしゃるお話は本当に魅力的でした。そして、様々な人々と出会う中でも「伝え方は人によって変えていいが、スタンスには一貫性を持ち、味方になってくれた人を裏切らないようにする」という言葉は私にとってすごく印象に残りました。自分をしっかりと見つめ、かつ周りの人々も大切にしながら目標に向かって行動するということはやろうと思っていてもなかなかできないことだと思うので、本当に貴重なお話を聞くことができました。介護業界がもっともっと輝く日も近いのではと感じました。

(文責:原衛直子)

KAIGO MY PROJECT2期スタート

7月4日、遂にKAIGO MY PROJECT2期がスタート致しました。大学生、介護士、医師、経営者、人材、作業療法士と個性豊かな10人の仲間が集まりました。

初回は丁寧に、KAIGO MY PROJECT(マイプロ)の説明、グループワーク、全体シェアを時間をかけて行いました。これから始まる3ヶ月の仲間の変化を是非このブログをご覧頂いた方も一緒に見守って頂けたらと思います。

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✤第1回 みんなの気づき・感想✤

『今回考えてきたマイプロは早速変わりそうで楽しみ!』
やりたいことが多くて優先順位をつけられずにいたが、「全部やめちゃえば」との意見をもらったことで、一番自分に迫ってくるものと、意外と簡単に切り捨てられるものがあることに気づきすっきりした。また、他の人の話を聞いていて分からないことを質問していくうちにどんどんクリアになっていくのが楽しく、価値観や考え方の違いで意見が変わるというのが魅力的だった。

『自由に生きていたはずだったのに、こだわりを持っていたことに気づいた…!』
初対面の方々と話したが、偶然にも3人の出発点が「家族」で共通していた。久しぶりにワークショップを通して、自分は自由に生きていたはずなのにいつの間にかこだわりを持ってしまっていたことに気づいた。今日だけでもたくさん話してたくさん聞いて疲れたけれど、これからの3ヶ月で、今まで凝り固まっていたものが軽くなっていく気がした。

『他の人の話を聞いて自分のやりたいことともつながっている気がした!』
“目の前の問題を解決する”というのは、個別でやっているつもりだったが、“考え方や今までの価値観、またはライフスタイルを変える”などのふわっとしたテーマともどこかでつながっているように感じた。

『自分のやりたいことがより明確になり、とてもためになる時間だった!』
今まで介護について無知だった自分に対して、介護施設など様々な情報を教えてくれた。
誰かのために自分の知っていることを伝えるって素晴らしいことだと思った。価値観を知ることをメインに考えていたが、それを知ってさらに伝えるということも、自分のやりたいことの一つだと気づいた。今までと全く違う介護という世界で、一つ一つマスターしていきたい!この3ヶ月で変われるような気がした!

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『やりたい2つのことはつながっていた!』
自分自身に対する思いと介護業界に対する思いがあり、どちらをマイプロとして掲げるかもやもやしていたが、それらは全然別物ではなくてきちんとつながっていることに気がついた。自分に対するものができてこそ、介護に対する思いを動かせるようになるように感じ、この3ヶ月で実現したいと強く思った。

『自分自身が周りの人達と一緒にいることを心から楽しんでいることを再認識できた!』
自分でこれだ!と思ったマイプロを実際に落とし込んでいきたいと思った。今回話していて、自分がいかに周りの人々との環境づくりを大事にし、自分自らそれを楽しんでいるのかを改めて気づく事が出来た。“自分自身が楽しい”これを突き詰めていけば原動力をなくさずに頑張れるのではと思った。

『自分の夢がもっと膨らんだ!』
自分の夢があるが、働いているうちに本当に進めていいのか不安になっていた。けれど、様々な介護士に出会い自分も将来夢を実現できるのではないかと思えた!介護や福祉業界を良くしようという思いを持っている人がたくさんいることを知ることができ、自分でやってみたいことが増えた。来てよかった。

『どうしてここマイプロにいるのか……何よりも自分が楽しいから!』
マイプロが楽しいのは、様々な人の気づきや学びに触れられて、更にその気づきや変化がどんどん他の人にも繋がって、自分にも影響し、良いスパイラルが生まれているから。これはとっても面白いこと!

『みんなそれぞれでやりたいことがある…これってすごいこと!』
みんなの話を聞いていて、もう一度マイプロやりたいと思えた。それぞれでマイプロとして何かしらやりたいことがあるというのは当たり前ではなく、すごいことだと思うので、マイプロというものをもっと広めたいと思った。

『みんなにキラキラ感があった!』
最初は表情も固い感じがあったが、時間が経ちだんだん話を進めていくにつれて、会話も弾み、笑顔も増えていた。時間が来ても会話を優先してしまったくらいみんな話したいと思っているんだなと感じた。

『お互いに協力しつつ何か形としてのマイプロができそう…!』
既に自分軸がしっかりしていて、これをやりたい!という思いがみんなにあるので、お互いがお互いをブラッシュアップしていけそう。それにより、今までとは違う、何か形としてマイプロが実現できそうに感じた。

サポートにかけつけてくれた0期、1期メンバーもありがとうございました!

(文:原衛直子 秋本可愛 写真:北村真理)

「介護にイノベーションを起こすのは難しい。」医師 武藤真祐氏が語る2025年に向けた一歩とは

HEISEI KAIGO LEADERS新企画、欲張りな学びの場「PRESENT」。

この企画は、「live in the present(今を生きる)」という私たちの意志のもと、私たちが私たちなりに日本の未来を考え、学びたいテーマをもとに素敵な講師をお招きし、一緒に考え対話し繋がるご褒美(プレゼント)のような学びの場です。

1つの目標年数として掲げる2025年。私たちの欲しい未来は、今の積み重ねによってつくられます。その今の積み重ねが未来のプレゼントとなるようにと、想いを込めて企画しました。

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2015年5月23日、記念すべき初回は、「2025年問題への突破口!現場からイノベーションは起こせるのか。」をテーマに医師の武藤真祐氏にお越し頂きました。上野にある「いいオフィス」にて、70名を越える方にご参加頂きました。

メインコーディネーターは代表の秋本可愛、ファシリテーターはPRESENT運営チームメンバー医師 田中公孝が務めました。

最初に秋本から今回のイベントコンセプトが伝えられました。

PRESENTのコンセプトは、「聞く、考える、対話する、気付く」場です。ただ主催者や講師の話を一方的に聞いて帰るのではなく、聞いたことをその場で考えて、自分が考えたことや感じたことを参加者同士が対話することによって、より深い“自分の気付き”として持って帰って頂きたいという意図が込められています。

また、対話のルールとして、以下の4つが設けられました。
1.「私」を主語にして語る
2.経験談や主観を歓迎する
3.人は違っていて当たり前
4.あえて判断を保留する

秋本からは、「よりよい学びの場をつくるために、テーマの設定、武藤さんとのお打ち合わせを含め、できる限りの準備をして今日この場を迎えました。オープンした今からは、みなさんとともに良い学びの場をつくっていけたらと思います。」と話がありました。

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武藤氏の講演は、「2025年問題への突破口!現場からイノベーションは起こせるのか?」というテーマのもと、前半は想い・問題意識編、後半は実践編の2部構成で行われました。

前半の講演では、「どのような思いを持って、現在の活動を行ってきたのか」という武藤氏の想いの部分のお話をしていただきました。

武藤氏は、東京大学医学部を卒業され、最先端の医療環境の中で医師として順風満帆な出世コースを歩んでこられました。しかし、10年間歩んできた中で、1つの疑問にぶつかります。

「医師として自分が目の前の患者さんを診ることは非常にやりがいがあるし、目の前の患者さんに貢献できているという実感が得られるし、ものすごく価値がある。しかし、この積み重ねだけで、医療の環境は救われるのだろうか。

大きな疑問を持ちながらも、「何を他にやれるのか、さっぱりわからなかった。ただ、何かしら社会をよくしたいし、困っている人がいたら、助けてあげたい。ただ、やりたいと思っても、そのための道具・スキルがない。」武藤氏は、どうしたらよいのか考えたと言います。

そして、問題解決能力、プレゼンテーション能力などのビジネスで使われているようなスキルを身に着ける必要があると感じ、コンサルティング会社マッキンゼーに転職されます。

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マッキンゼーに転職され、2年間コンサルタントとして働く中で、武藤氏は、2つのことに気が付きます。

1つ目は、コンサルタントとしてクライアントのためと思って考えた戦略が現実的でなく、現場でできないということがありました。一方、現場でこうあるべきだと考えたことでも、うまくいかないこともあることから、コンサルタントとしてのマクロの視点(鳥の目)現場の視点(虫の目)、両方のバランスがうまく組み合わさった時に、現場からのイノベーションが生まれるということ。

2つ目は、少子高齢化問題、とくに高齢化の問題は日本がこれから直面する最大の社会問題であり、財政を含めて大きな問題の根底をなしており、あらゆるところにゆがみを生んでいること。武藤氏はこの問題に関わる現場を作りたいと思い、2010年1月、在宅医療のクリニックを設立されます。

武藤氏は、クリニックを設立する際に以下のことを大切にしていたと言います。

患者さんや利用者さんに関わるすべての人が、プロフェッショナルな集団であること」
どんなによい医療や介護を提供したとしても、他の部分で良くない対応をすると組織として意味がなくなってしまう。だからこそ、患者さんやご利用者さんに関わるすべての人がプロとなる必要があるということです。そのために実行していることをご紹介頂きました。

  1. フラットな組織
    医師が一番えらいという考えはありません。医師にしか決められないことはもちろん医師が決めますが、対等に看護師や介護士が話し合って、一番良いケアをつくりあげていくカルチャーをつくっていっています。
  2. 1人1人がマネジメントを学んでいる組織
    普段医師は「マネジメント」を学ぶ機会がありません。例えば私たちは「ドラッカー365日の金言」という本を朝会で全員で読んでいます。全ての人がマネジメントを理解するようにしています。
  3. それぞれがそれぞれの役割に専念できる環境がある組織
    以前病院で働いた時、医者が医者の仕事を純粋にしている時間は短いと感じました。書類を書くなどの雑務が大変多いため、医者が医者としてやるべきことをできる環境をつくろうと思いました。看護師も同じです。それを事務職や介護職などを良い形でトレーニングしていくことでやりました。また、医師が訪問してカルテを書く時に、コンタクトセンターに電話してカルテの中身を口述します。そのセンターが石巻にあって、聞いた人がそれを全て入力してくれます。医師が戻って来たらカルテがほとんどできていて、最後に少し修正するだけで済みます。例えば施設に回ったときは一気に30人くらい診察するため、午後は全てカルテに当てなければならなくなります。しかしこのシステムを導入したことによって1時間で済むようになりました。

仕事を全て見直して、誰がすべきなのかをゼロベースで整理し直し、ITの力を駆使することによって現在の組織体制を築かれてきました。

前半の最後に武藤氏からは、「ここまでに至ったのは、とても簡単なことがきっかけです。大学病院で働いていたときに非常勤として在宅医療に行ったことが忘れられませんでした。大学病院でかっこいいカテーテルの処置をやっているときには全く見えてこなかった現状が、家ではあるんです。古びた家の中に高齢の住人が1人で寝ていて、薬は飲めずにその辺に放ってあるような状況がありました。皆さんも目にしたことがあるかもしれませんが、あれが本当の高齢化の現状なのです。整った環境の中でやる病院の医療はごく一部でしかありません。これが高齢社会の現実で、こういう状況の高齢者が増えてきたときに、今の病院医療だけでは解決できない問題があるのではないかと思ったことが原点です。皆さんもそれぞれ皆さんの現場があると思います。そこで何か問題があったときに、『しょうがないな』とか、『当たり前なんじゃないの』と放っておけば、誰も解決できないかもしれない。しかし、『おかしいな、このままではいけない』と思う態度そのものが大切なのではないかと思います。皆さんがそれぞれ今現場でどんな問題意識を感じているでしょうか。」と問いかけがありました。

このあと3~4人に分かれて「あなたが現場で抱いた問題意識、あなたの想いはなんですか?」という問いのもとグループワークを行いました。

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介護士、医師、看護師、経営者、IT系、金融、それぞれがそれぞれの立場から感じる問題意識や想いをスケッチブックに記入し、それをもとにシェアし合いました。

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後半は、問題意識を抱いた1人1人がどうやって解決のためのアクションを起こして行くのかについてお話頂きました。

「コインの裏返し」はしない
コンサルの世界でよく言われる言葉です。例えば、「医者不足だから医者を増やそう」「時間が取れていないから時間をとろう」というような単純な思考ですぐに解決策に走る人がいますが、これは根本的な解決にはなりません。

問題を解決するにするには、まずは、何が問題なのかを特定することから始まります。そして、何を、いつまでに、どれくらいというように数字を加えた具体的なゴールを設定するということが非常に重要です。問題を特定するのは、MECEやso what,whyなど様々な手法が使われます。

しかし、その問題を特定すること自体がそもそも難しいため、問題を特定するには何が必要かという考える「デザインシンキング」が、ここ約10年間で広まってきています。

デザインシンキングで重要なことは、2つ。

1つ目は、観察と共感
介護や医療であれば、目の前の患者さんや利用者さんに対して、先入観を持たずに、その患者さんや利用者さんが本当は何に困っているのかを様々な視点で徹底的に観察をし、その患者さんや利用者さんの立場に共感して、考えることです。

2つ目は、プロトタイプをつくること。
目に見えるプロトタイプ(試作品)を作り、みんなで見て検証することやユーザーに使ってもらうことを繰り返しながら精度を高めていきます。最初から完成品である必要はなく、早めにやってみることが重要です。これは「現場からのイノベーション」という今回のテーマにおいてはとても大切です。経験が多いほど自分の思いが強くなるので、まずは自分が見ているだけではなく、他者の視点をできるだけ多く収集し、もう一度ブレインストーミング(集団でのアイデア交換)をして考えます。そのときの視点は利用者にあることを忘れないで下さい。

武藤氏からは、「皆さんには前半、ご自身が抱く問題意識について話をして頂きましたが、もう一度引いて、自分の目線だけで語っていなかったかもう一度考えてみて下さい。」と、会場に問いかけがありました。

Design-Thinking
お話の中でご紹介のあったアメリカのデザインコンサルティング会社IDEOが掲げるデザイン思考の5つのステップ

以上の方法で、どんなによい問題解決方法を見出したとしても、誰かがやらなければ意味がありません。そこで強調したいのが「リーダーシップ」です。

どのようにリーダーシップを発揮していくのか、武藤氏が大切にしている5つのことをご紹介頂きました。

  1. 道徳心
    道徳心は、 物事の判断に迷ったとき、振り返っても「あのときの判断は間違っていなかった」と自信を持って言えるかということです。善悪の判断をするためには、個人の経験も大事だが、社会通念を持っていることだと私は思います。いわゆる教養の本を読んで身に着ける時間は、リーダーにとって非常に重要だと考えています。
  2. 物事の本質をとらえ、先をよむ力
    今起きていることの本質は何で、それをどうやって人に伝えるか考えることが大切です。リーダーの仕事を単純に言うと、「物事を決めて、伝えて、実行していく」。物事の本質を掴めないと、どうやって実行するかがずれてきてしまいます。本質を掴むためには、様々な視点を持つことが大切です。マクロの視点やミクロの視点だけでなく、世の中の流れを掴まなければなりません。例えば、介護と医療の世界では、保険点数は大きな肝になります。世の中の流れを掴み、先をよむ力が非常に重要です。
  3. 美しい言葉を使う
    曖昧なことを言ったとき、下の人は混乱してしまいます。そのため、リーダーは明確な言葉を使い、出来うるなら、美しい言葉を使った方が良いです。美しい言葉を明確に使い、人を動かすような技法を使った言葉を覚えるべきだと思います。そのためにも、本はとても有効です。
  4. 現場感覚を持つこと
    リーダーは、だんだん現場から乖離していきます。そのときに現場の視点を忘れると組織は必ず崩壊し ます。今何を現場の目線で考えているかということを、いかに強く持っておく事が、将来リーダーになったときに必ず活きてくるので、ただ漫然と過ごすのでは なく「現場目線は何なのか」を意識して過ごして欲しいと思います。
  5. 決める
    リーダーにとって決めるということは非常に大きな役割です。決めることも同様に鍛える必要があります。例えば、「今日何を食べるか決めること」もリーダーシップの訓練になります。決断の背景には「なんでその決断をするのか」と、理由が必ずあるはずです。「決める」ということは、責任があるため、リーダーは説明できないといけません。急にホームランを打てるのではなく、毎日コツコツと練習する必要がるので、是非皆さんも日頃の生活の中で、自分の決断の理由を問う習慣をつけることは必ず今後役に立ってくると思います。

後半のお話のあとは、前半のワークで共有した問題意識の解決に向け、「今の学びから明日からあなたができる一歩目は何ですか?」というテーマでグループワークを行いました。

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ワーク後のネットワーキングの時間では、会場の室温も一気に上がって、素晴らしい熱気が充満していました。

「イノベーション」という今回のイベントテーマから、お食事は「未来の介護食」をコンセプトにCRAZY KITCHNさんに素敵な食事をご提供頂きました。

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飲み物は、ソフトドリンクやビールに加え、武藤さんが石巻で事業展開されていらっしゃることから、少しでも私たちも東北へこのイベントを通じて貢献できたら良いなという思いから東北のお酒をご用意しました。

飲み物はなんと!、私たちの想いに共感してくれた企業、個人様からの差し入れでした!本当にありがとうございました。

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イベントラストは武藤さんとのQ&Aへ。秋本がコーディネーターを務め、事前に寄せられた質問にお答え頂きました。

秋本:たくさんの質問をお寄せ頂いています。教育に関する質問が多いですかね。社内教育はどのようにされていらっしゃいますか?

武藤:プレゼンが終わったのでもう飲んで良いかなと思い、勧められたお酒の中に気仙沼のお酒があって飲んだらとても濃くて、きちんとお話できるかが心配ですが。

会場:(笑)

武藤:社内教育は、部門によって異なります。うちの組織は、医師部、連携部(看護師やソーシャルワーカー)、アシスタント部(運転など診療の補助をしてくれる人)、事務部と法人運営部の5つに分かれています。社内教育としては先ほどご紹介したドラッカーの本を読むなどもありますが、私たちはクレドを作っています。

組織を作る時に参考にしたのが、リッツカールトンです。彼らのクレドには、言葉は違うかもしれませんが、「紳士、淑女にサービスをするものは紳士、淑女であれ」というのが根底にあります。僕らも創業メンバーで自分たちの組織が何のために存在しているのかということを考え、「YOU CREDO」をつくりました。

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「YOU CREDO」  祐ホームクリニックサイトより引用

武藤:クレドをつくったときから、朝会で毎日全員でこのクレドを読んでいます。朝会ではクレドを読むことと、ドラッカー365日の金言を読むことから始まります。根底として我々は何の為に組織員として存在しているのかをみんなで共有すること。それは形式的なものではなく、毎日みんなで確認し、クレドに沿っているか否かを評価します。それでボーナスも決まります。詳細に組織文化を浸透する仕組みを作っています。もちろん細かい指導をすることもありますが、いかに文化を築いていくかが大事だと思っています。私たちは急激な規模の拡大は行いません。この文化をいかに広げていくか、そして10年、20年続く組織にするためにも、とても大切に考えています。

秋本:文化を大切にすることは、量よりも徹底的に質にこだわり抜いているように感じられたのですが、それに少し関連して「在宅を突き詰めて行くと究極なビジョンはどうなると思いますか。」というご質問を頂いています。

武藤:クレドでも言っているのですが、一番最後何をやらなければいけないかというと、「希望ある社会を創造する」ということを上位概念に置いています。我々が診ている方は、寝たきりであったり、癌の末期の方が多いのですが、その人たちが過ごす人生の最期の時間に少しでも希望をどう持ってもらえるか。

緩和ケアであっても、身体的な緩和ケアや精神的な緩和ケアなど様々な緩和ケアがあります。痛みや苦しみを感じさせないための医者としての技術も大切ですが、それだけではありません。例えば、患者さんとご家族が仲が悪いケースもあります。そういった場合、少しでも家族関係を良くする為にどのようにすれば良いかを考えます。今生きている瞬間も大事ですが、亡くなった時に、家族にその人をどのように思ってもらえるかを考えて、非常に難しいですが、早い段階から家族関係の修復へのアプローチも必要になります。僕も大学病院で働いていたときは、いかに血管を拡げるかというようなことがミッションだったのですが、今の考え方としては、その人の人生をいかに僕らが関わる期間は短いながらも理解をして、その人が亡くなったとしても、僕らができることはなんだったのかを考える。それが少なくとも患者さんにとっては、希望ある社会に最期なれるんだとしたら、在宅医療の一番大きな目的なのではないかと思います。それは病院で亡くなるのではない世界を作れる僕らの大きなミッションです。

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秋本:とても直球な質問です。ずばり!介護のイノベーションは、起きますか?それに加えてもう1つ、今後連携を進めていきたい業種はどこでしょうか。

武藤:介護そのものにイノベーションが起きるかと問われると、僕は難しいと思います。

その理由の1つは、技術的な観点です。介護は、技術よりも「人の力」が必要不可欠な仕事だからです。例えば医療の場合、がんが100%治る薬が開発されたらそれだけでイノベーションです。介護は日頃の排泄や睡眠など、生活そのものをサポートすることなので、どんなに技術的なイノベーションが生まれたとしても、最期は人がとても大事です。介護ロボットが許容されるようになったら分かりませんが、1人1人が声をかけたり優しくしてあげるのがとても大事なので、現状ではそこにイノベーションは正直生まれにくいと思っています。

2つ目に、収益の面です。保険点数で収益が決まっているのが医療と介護のルールです。例えば何か新しいイノベーティブなものを生んだからそれで3倍の収入が入ってきて、次への投資ができるわけではない。これが他の業界との大きな違いです。今のルールでは、何か良い自費サービスを増やしたとしても、払える利用者は限られてくるので現行のルールでは難しいと思っています。

例えば、医療と介護のICT をもちいた情報連携というのは、1つのイノベーションになりうるとは思いますが、やはり質を上げるとか質の均等化をはかることが目的となります。

他の例で言えば、遠隔医療で医療も介護も一緒に考えた場合に、少ない医療や介護資源の中で、今と同じような質を担保できるような情報連携の仕組みなどができれば、それは1つのイノベーションと言えるでしょう。

しかし、iPhoneのような劇的なイノベーションは生み出しにくいのです。それでは面白くないので、デザインシンキングなど、利用者の目線でゼロベースで考えることがイノベーションを生み出す一歩に繋がるかもしれません。

我々が今連携しようとしているのは、コンビニや運輸業などです。医者、看護師や介護士はこれまで制度的には接点を持っていましたが、そういう人たちだけではもう足りなくなっています。21世紀型の社会インフラとして、例えばコンビニは介護施設より多いです。また、何か自宅に届けてくれる人や定期的に自宅に訪れる電気やガスの人。 そういった業態の人たちと垣根をなくして介護をもう一度捉え直すことが大事だと思います。今までの既存の概念にはありませんが、ただそれは「高齢者の生活」という視点で考えたときに、自ずと接点がある人は浮かんできます。

もう1つ我々が今取り組もうとしているのは、テレビです。高齢者の自宅には、たいていテレビがあり、家にいるときテレビを見て過ごす人も多いです。これを通じて新しいサービスができないか、テレビを作っているメーカーや放送局と連携をしています。つまり、その人の目になって、耳になって考えたときに、これまで全く違った発想が生まれるかもしれません。

秋本:そうやってどんどん色んな業界の人や、祐ホームクリニックを石巻で立ち上げられたときもボランティアさんなど多くの人を巻き込んでいらしたかと思うのですが、そういった仲間づくり、人を巻き込むコツを教え頂けたらと思います。

武藤:やるべきことをまず決めることだと僕は思っています。リーダーはだいたい自分のやりたいことが強くありますよね。それだとなかなか上手くいかないことが多いんですね。リーダーの仕事は、例えば「まずこれをやりましょう」と決めることです。そして一緒にやってくれる仲間には、色んなことをやりたいと言っている人がいます。その一緒にやってくれる人たちが何をやりたいのかということと、モチベーションが上がるポイントは何かを知ることをとても大切にしています。ただ、それだけではみんなが好き勝手やってしまうので、何が一番重要であるかを決める必要があります。最後、どうしても埋まらないところをやったり、やれる人を連れてくるなり、最後まで責任を持つのがリーダーの仕事です。

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秋本:最後に、HEISEI KAIGO LEADERSは2025年に向けて活動を始めたコミュニティで、本日のお話の中ではイノベーションは起きないとのお話はありましたが、一方で今日は現状を変えたいという思いからどうやってイノベーションを起こしていくのか武藤さんにお話し頂きました。今日来て下さった方は世代や業種関係なく、色んな問題意識や想いを持っているからこそ、今日この場にお越し頂いたのだと思っています。そんな私たちに向けて、最後に一言頂戴できたらと思います。

武藤:あまりえらそうなことは言えませんが、「イノベーション」はどの業界においても起こそうとするのであれば、年齢、経験や思いなど様々なバックグラウンドを持つ人が集まって、その中で発火するものをつくることしか21世紀の中でイノベーションは生まれないと思っています。経験や知識が全てであった時代から、それぞれの人が大量な知識の洪水の中から、それぞれ興味のあるものを持っていると思います。

僕が大学にいたとき、友達の95%は医者だったんですね。よく考えたら特異な環境ですよね。マッキンゼーに行き、医療業界以外の優秀な人たちと関わる中で、自分の価値観がさらに広がり、磨かれていることに気づきました。それまでは、医療業界の範囲で考えていたのですね。もっと若いときに気付くことができていたら、今よりもっと自分の枠は広がっていたかもしれません。

今日ここにいらっしゃる皆さんにお願いしたいのは、多くの人と知り合って、もっともっとチャレンジして下さい。どうしても自分の安心していられるところに居たくなりますが、いかに鍛えて、外に行って、新しいイノベーションをみんなでどうやったら生めるのかということを、続けて欲しいと思います。私も上手くいかなかったことはたくさんありますが、それでもやり続けていられるのは仲間がいて、支えてくれたからだと思うんですね。今日もこういったところを1つの機会として、みんなで新しいものをつくっていけたらと思います。ありがとうございました。

 

イベントの最後は、全員でこの日の学びの場を築いた全ての人に拍手を送って、締められました。

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今回のイベントには、医療・介護に関わらず様々な業種の人にご参加頂きました。新たなつながりが生まれ、年齢や業種関係なくそれぞれの想いや考えをフラットに交換し合えるこの場は、武藤氏のお話の中でもあったイノベーションが生まれる1つのきっかけになるかもしれません。参加者の皆さんと築いた学びを、私たちメンバーもそれぞれの現場、そして次回のイベントへと繋げていけたらと思います。

次回のPRESENTは、8/8(土)18:30〜ダイアログ・イン・ザ・ダークの志村真介氏をゲストに迎え、「ダイアログで介護は変わるのか?」をテーマに開催致します。

超高齢化社会において、溢れる様々な課題―その全てにと言っても 過言ではないほどに、「人と人との関係性」が密接に関わっています。 肩書きや立場など関係なく、1人の「人」として関わることができたら、 もっと日本の介護はよくなるかもしれません。ダイアログの重要性・可能性を 講師の志村真介さんとご参加頂く皆さんとともに探っていきたいと思います。

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『PRESENT_02 志村真介』 詳細・お申し込みはこちら素敵な学びの時間を皆さんとともにつくれることを、楽しみにしております。

 

(文:山本健治・秋本可愛 写真:北村真理)